旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

民意は動いたのか? … 総選挙の結果について

2012-12-17 17:32:43 | 政治経済

 

 予想はしていたがそれを超える結果となって、いささか驚いている。何と言っても、自衛隊を軍隊にして集団的自衛権を行使する、その狙いを込めた憲法改悪を公約とした自民党が300近い議席を取り、その党に協力を続けてきた公明党と合わせて3分の2を占めたことだ。加えて改憲旗頭の石原慎太郎氏率いる維新の会なるものが第3党の54議席を占めたことだ。
 しかもそれを、「民意は動いた」とする風潮が恐ろしい。

 しかし、民意は本当に動いたのだろうか? 
 まだ正確な結果を手にしてないので分らないが、選挙民が自分の支持する政党を選ぶ比例代表選挙区における自民党の得票率は、27.6%で、前回(09年の自民党大敗の選挙)の26.7%と大差ない。得票数に至っては1662万票で、投票率の関係で一概に言えないが、自民党が大勝したあの小泉郵政改革選挙(05年)の2588万票にはるかに及ばない。それどころか前回の1881万票にも及ばないのだ。(以上、数字は12月17日毎日新聞一面記事時より)
 はたして、民意が自民党に動いたと言えるのだろうか?

 もちろん民意は動いた。3年間の民主党政治にノーを突きつけたということだ。あの未熟で失政をつづけた民主党にノーを突きつけたのは当然だろう。問題はその票がどこに行ったかである。以上みたところでは比例区(それ政党を選ぶ選挙!)では自民党に行っていない。
 問題は小選挙区である。
 この選挙区では、何人候補者がいようが一人だけを選ぶ。トップになった人以外に投票した票はすべて死票になる。それでも誰かに投票しなければならない。民主党離れを起こしている選挙民は、とりあえず民主党以外で名前の知れた自民党候補者に投じたのではないか? 第三極も、離合集散、野合集団ばかりで、何が何だかわからないから…。
 日経新聞によると、今回は「支持政党なし」層の32.4%が自民党に投じ民主党を逆転したとある(17日付朝刊2面)。一度逆転してトップになれば全て勝てるのが小選挙区制だ。9人が乱立した東京1区では、得票率29.3%の自民党候補者が当選し、残る約70%の票は死票となった(17日付日経新聞2面)。結果、自民党は小選挙区で43%の得票率で79%の議席を獲得したという(前掲毎日新聞)。4割の得票で8割の議席を獲得するのだ!
 このような選挙制度は民意の動きを本当に反映しているのであろうか?

 どうもこの辺に自民圧勝のカラクリがあるのではないか?(それは前回の民主党も同じであるが)明日から選挙結果の詳報が伝えられるだろうから、よく分析してみてみよう。


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