旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

北朝鮮のミサイル発射 … 日本国民意識の右傾化を恐れる

2012-12-12 11:21:21 | 政治経済

 

 予想された最悪の事態が起こった。しかも予定の軌道をたどったようなので、彼らなりに成功したのであろう。これが、日本人の意識にどのような影響を与えるのだろうか?
 日本は総選挙の真っ最中である。その争点の一つに外交問題があり、「領土問題で強い姿勢をとれ」、「自衛隊を国防軍に改めろ」、「集団的自衛権を容認する」など強行路線が叫ばれている。自民党は、そのための憲法改悪を堂々と公約に掲げている。
 北朝鮮の暴挙は、それらの陣営を勢いつかせることになるだろう。それを何よりも懸念する。

 政府は直ちに声明を発表し、「きわめて遺憾。到底容認できない。断固抗議する」(藤村官房長官)と北朝鮮を非難した。しかしこの抗議も何かむなしい。一つは、北朝鮮という国は「一党独裁、権力世襲制」など、およそ常識の対象にはなり得ない国だからだ。
 もう一つは、「断固抗議する」側が大量に核を持ち、あるいは核の傘に守られてぬくぬくとしている国であるからだ。北朝鮮の核保有は極めて危険であるが、それを非難する国々はもっとたくさんの核を持っている! アメリカに至っては世界を何十回も破壊できる量を持っている!
 「俺は既に十分持っている。お前は一切持ってはいけない」という論理が通るのであろうか? 北朝鮮はけしからん国と思うが、周囲に大量の核保有国があり、また核の傘の下で集団的自衛権を叫んでいるような国が隣にあり、さぞかし不安であろうと思う。せめて何発かは持って、不安の一部でも除きたいと思う気持ちもわかる。

 結局この問題は、全面的核廃絶に世界が足並みをそろえて進む以外に解決策はないだろう。「俺も全部捨てるから、お前も持つな」というときに、初めて筋の通った話し合いが行われるのであろう。
 


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