打ち上げが2度も延期されて不安な気持ちにかられていたが、成功してホッとした。何と言っても、これほどロマンに富んだ話はない。暗い事件ばかりがつづく中でケタはづれに明るい話題だ。先代はやぶさが、想像を絶するような苦難の末地球に帰り着いた体験が未だ脳裏を離れず、その高度な技術、先駆性とヒューマンな物語が私たちの心を温めてくれただけに、その延長線上で新たな夢物語をみんな追っているのであろう。
3億キロも離れた直径1キロに充たない小惑星をめがけ、6年間、往復52億キロに及ぶ旅を続けて、その小惑星から生命の起源を探る岩石を採取して来るというのだ。その距離も時間も小さな的も、全て想像を絶する。
詳細な技術につき解説を受けるほど、日本の先端技術力に誇りを感じる。日本は最高度に発達した超先進国と自負していいのではないか。ところが同時に、毎年生活保護者が増え続けているというニュースが流されている。またワーキングプアー2千万人などという貧困問題が現出している。
これは明らかに政治の貧困を表しているのではないか? 数百億円の金をかけて総選挙が争われているが、この貧困問題を解決することに、政治は全力を挙げるべきではないか? はやぶさの技術力を考えただけでも、日本は何千万の貧困層を抱えなければならないほど遅れた国ではないはずだから。
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