旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

核廃絶への具体策を一歩も示し得なかったG7広島サミット

2023-05-22 11:33:44 | 政治経済

 

 核廃絶への原点とも言われる唯一の被爆地広島で行われたG7広島サミットが、その点では、なんらの具体的進展も示し得ず終わった。確かに、核廃絶への「ヴィジョン」は語った。廃絶絵の「思い」は発した。しかし、そのようなヴィジョンや思いは、この世に原爆が投下されて以来、78年間にわたり語り続けられているのである。
 なぜ廃絶への具体策は示されないのか? 核保有国であり、その傘の下に身を置くG7首脳国に、廃絶の意志はないからであろう。核兵器という魔物には、これを一度もったら絶対に手放さない、という魔力が潜んでいる。彼らは、核拡散は許さないが自らの核保有は保ち続ける(自分は持っていいが他は持ってはいけない)。
 だから彼らは、世界の半数の国が賛成し、三分の一の国が批准している「核兵器禁止条約」会議に参加することすらしない。むしろ敵視しているのではないか?
 広島サミットを終えて感じることは、このような兵器を持ち続けようとする“人間の愚かさ”だけである。何が人類をこの愚かさから目覚めさせてくれるのだろうか? ただ、嘆いているだけでは仕方ない。われわれ力のないものは、心を共にする仲間と、核廃絶を叫び続けるしかないのであろう。


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