旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

広島カープ初のCSと前田智徳選手の引退

2013-10-05 13:48:40 | スポーツ

 

 うれしいニュースが、その裏に悲しいニュースを伴うのも世の常だ。広島カープが16年ぶりにAクラス入りを決めたニュースに酔いしれていたところ、カープ一筋に生きた男が引退を表明した。
 前田選手は3日の引退試合で、「今日を限りに引退します」と表明したので、初めてのCS戦にも出ないのだろう。Aクラス入りを最も待望していたのは前田選手ではなかったのか? カープの選手としてCSを闘うのに、最もふさわしい選手はこの男ではないのか? この16年、低迷するカープを支えつつけて来たのだから…

 広島カープには球界を背負う選手が数多く生まれたが、それらの選手も二分される。カープ一筋に生きてこの弱小球団と命運を共にした選手、それと厚遇や勝機を求めて巨人や阪神に転籍していった選手だ。
 一筋派の中でも山本浩二は別格で、彼は他の球団に行くことは不可能であった。地元五日市高校の時からファンはカープ入団を待ち望み、大学に行くことさえ反対された。何とか法政大学に行ったが、地元はその卒業を千秋の思いで待っていたのだ。同時に入った衣笠も、山本と黄金時代を築いて広島一筋に生きた。
 投手でも、北別府学や大野豊など一筋に生きてすがすがしい。ほかにも数え上げればきりがない一筋派名選手が多い。
 反面、投打の中心であった川口、江藤が宿敵巨人に移り、山本・衣笠のあとを築くべき金本・新井(貴)は、これまた宿敵阪神に行った。(もちろんプロの世界、単純に非難する気はないが)

 そしてここに、孤高の天才打者前田智徳が,長く着続けたカープのユニフォームを脱ぐ。通算安打2115本、通算打率3割2厘(2012年まで)という輝かしい記録を残して。
 広島カープ在籍24年、御年42歳。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿