ふるさとの魅力の一つは、言うまでもなく食べ物である。子供の頃から食べてきたものが、その懐かしい味とともにあるからだ。
冬の臼杵に帰ると先ず「ふぐ」を食べることができる。臼杵のふぐは知る人ぞ知る有名品である。わざわざふぐを食べるため臼杵を訪ねる人が昔からいた。今回もふぐを筆頭に以下のものを食べた。
ふぐ 刺身から雑炊までフルコース
アジの刺身
さざえのつぼ焼き
鱶(ふか)の湯びき・・・酢味噌つき
カマスの塩焼き
ふきのとうの天麩羅
うどのきんぴら(マヨネーズかけ・・・私はかけないが)
きらすまめし
いずれも、弟夫婦が心を尽くして準備してくれた“ふるさとの味”だ。
いくつか説明が要る。アジの刺身は単なる鯵ではない。弟の親友M氏が、私のためにわざわざ釣ってくれたものだ。彼は釣りを好み料理を好む。したがって私はフィンランド旅行の土産に“バイキングナイフ”と“フィッシングナイフ(包丁)”を買ってきたのだ。それ以来、私の帰郷を聞けば必ず舟を出し、その時期の魚を釣って生きたまま持ってきてくれる。
もう一つ“ふきのとう”は、母の実家の従姉妹が、これまた私たちに食べさせたいと、開いたばかりのふきのとうを届けてくれた。
このようなものは都会では食べられない。それを届けてくれる人の心が味に伝わる。同時に、食物のいのちが新鮮さにあることを、こんなに実感することはない。その美味しさは、簡単に書き表せるようなものではない。
ふきのとうは、まさに今が旬だ。驚いたのは、臼杵の街中を歩いていると、とある館の「紙雛(かみびな)」の横の活花の中にふきのとうが活けられてあった(最初の写真)。昼は美しい花として眺め、夜は美味しい天麩羅として味わうという貴重な経験であった。
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