旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年はどうなる … 酒

2014-01-09 13:04:53 | 

 

 

 長く低迷を続けている日本酒が、ようやく踏ん張る傾向を見せてきた。大量のアルコール等を添加した普通酒などが未だ70%を占める状況では、これからも淘汰が続き低落傾向は続くだろうが、反発する要因も見えてきた。
 第一に、特定名称酒、特に純米酒を中心にいよいよ質が高まってきたことだ。しかも地酒ブーム時のように端麗辛口一辺倒でなく、味の範囲に広がりを見せ、個性的で美味しい酒が広範多様に生まれてきたことだ。
 第二に、輸出が伸びてきたことだ。これは外国人にようやく評価されるようになってきたことを示しており、第一に挙げた質の向上と無関係ではあるまい。これに和食が世界遺産に登録されたことが重なり、国内需要だけでなく輸出は急激に増えていくのではないか?
 第三に、飲み屋やレストランなどが日本酒の銘柄や種類(純米酒とか吟醸酒とか)を表示するようになり、客が積極的においしい酒を選ぶようになってきたこと。特に日本酒バー的な店が生まれてきて、そこでは多様な酒をしゃれた容器で、多様な飲み方を楽しんでいること。

 昨年暮れ、純米酒大賞制定委員会の「大賞受賞酒を愉しむ会」に参加したが、最高金賞に選ばれた『出羽桜つや姫』だけでなく、いずれも個性的で豊かな味を誇り、現在の日本酒の層の厚さを感じた。
 これまでの飲み屋が表示していたような「日本酒」とか「お酒」ではとても片づけられない多様な美味しさがそこにあった。これにみんなが気が付いてくれれば、和食の見直しとともに日本酒は反発するのではないか?
 私は和食の世界遺産登録には、その食中酒としての日本酒も含むべきだと思っており、日本酒の質はそれに応え得る水準にようやく達して来たと思っている。

  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿