狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

コロナ被害を誇大に発表する厚労省の「逆大本営発表」

2021-01-26 04:48:55 | 政治
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コロナ被害を誇大に発表する厚労省の「逆大本営発表」

2021年01月25日 19:27

 

菅内閣の支持率が急落している。その最大の原因は、感染症対策が迷走していることだろう。これを「コロナ対策」と考えて、PCR検査陽性者数に一喜一憂するのが間違いのもとだ。感染症対策の目標は(すべての原因の)超過死亡ゼロであり、その基準でみると日本は目標を超過達成したのだ。

感染症統計は各国バラバラなので、その数字を単純に比較しても実態はわからない。感染症被害の規模を国際比較する指標として開発されたのが超過死亡数(死亡数-平年推定値)である。たとえばインフルエンザの死者は(すべての死因の)超過死亡から統計的に推定する。2018/9年のシーズンでは3276人だった。

これに対して「コロナはこれほど対策をしても死者5000人以上だからインフルより大変だ」という話は錯覚である。昨年の超過死亡はマイナスで、感染症被害は世界最少だった。自粛の影響ですべての感染症が減った効果は、コロナの被害より大きいのだ。

Economist誌は毎週、コロナの超過死亡を速報しているが、これをみるとスペインやイギリスやイタリアでは、最大で毎週1万人以上の超過死亡(赤の折れ線)が出ており、その原因のほとんどがコロナ(オレンジ色の部分)だと推定される。

 

だがこの図に日本は出ていない。政府が公式統計を出さないからだ。今のところ国立感染症研究所の研究員の英文プレプリントが唯一のデータで、ここでも「日本では超過死亡は出ていない」と結論しているが、数字は出していない。

 

これをみると昨年1月から(インフルが終息したため)超過死亡はマイナスで、政府のコロナ対策の影響はみられない。4月の緊急事態宣言の効果もなかった。コロナは日本では毎月の死者数百人のマイナーな感染症だからである。それは「新型肺炎」だからニュースになるが、ありふれた「旧型肺炎」のほうがはるかに重要で、毎年10万人近く死んでいる。

肺炎の死者をコロナに付け替えた

ところが昨年8月までに呼吸器系疾患は1万5000人減り、肺炎の死者は1万800人減った。このときコロナの死者は累計1200人だが、肺炎の死者は1ヶ月で1700人も減っている。超過死亡数はほとんど増えていないのに、コロナが増えて肺炎が減ったのだ。

 

この原因として考えられるのは、厚労省の昨年6月18日の事務連絡である。ここでは

新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、厳密な死因を問わず、「死亡者数」として全数を公表するようお願いいたします。

と書かれている。このあと7月から肺炎の死者が顕著に減り、コロナ死者が増えた。肺炎で死んだ人がPCR陽性だったら、すべて「コロナ死者」とカウントすることになったからだ。要するに肺炎の死者をコロナに付け替えたわけだ。

感染症統計にはこのようにバイアスが大きいので、信用できない。中国やロシアや韓国のようにコロナ死者を過少申告する国も多いが、日本はコロナ死亡数を過大申告している唯一の国である。厚労省はこれを隠すため、人口動態速報の推計も出さなかった。

かつて大日本帝国は大本営発表で戦果を誇大に発表したが、今回はコロナ被害を誇大に発表する逆大本営発表である。その目的は、かつてと同じく官僚機構の無謬性を守ることだ。今まで1年近く多大な犠牲を出して続けてきたコロナ対策が、最初から必要なかったということになると、ヨーロッパのように暴動が起こりかねないからだ。

しかし感染症統計はごまかせても、人口統計はごまかせない。2月には昨年末までの人口動態速報が出るので、おそらく死亡数はマイナス1万6000人ぐらい、超過死亡数は(推定モデルによるが)マイナス2万人以上になるだろう。2月6日には緊急事態宣言を解除し、通常の生活に戻ってもいいのだ。

【おまけ】

 

「今国会の注目法案はこれだ!」苦言を呈するだけの日本医師会にいよいよ私権の制限が!?

医師会(開業医会)は無策、誤策のくせに、国民に負担を負わせ責任転嫁、逃れをする団体。これらの他に弁護士会、経済団体は国のためにならない連中ばかり。

 

コロナの死者より肺炎で減った死者のほうが多い



「日本のコロナ死者が5000人を超えた」とマスコミは騒いでいるが、コロナで死んでもインフルで死んでも人命の重さは同じだ。コロナ以外の死者が5000人以上減ったら、全体の死亡数は減る。それが日本で起こったことである。図1は人口動態統計の速報値(昨年11月まで)だが、昨年のすべての死因による死亡数は125万人で、2019年より1万5000人減った。

死亡数
図1(人口動態統計速報)

その原因も人口動態統計でわかる。呼吸器系疾患(1~8月の累計)の死者が、昨年は2019年に比べて1万5000人減り、これでほぼ死亡数の減少が説明できる。そのうち肺炎が1万800人減り、インフルが2300人減ったが、誤嚥性肺炎は1100人増えた(図2)。これは8月までの死亡数なので、年間ではこの1.5倍ぐらいだろう。

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図2(人口動態月報)

誤嚥性肺炎は高齢者に特有の死因で感染しない。これが増える一方、呼吸器系の感染症死者が減ったのは、自粛で感染を防いだ他に、病院が呼吸器系の患者を隔離して肺炎の感染を防いだことが大きな原因だと思われる。

肺炎が減ったのは海外も同じだが、コロナの死者がそれよりはるかに多かったので超過死亡数(平年推定値に比べた死亡数の増加)は大きく増えた。それに対して日本ではコロナ死者より他の感染症の死者の減少が多かったので、超過死亡数がマイナスになった。
 


日本の感染症対策は大成功だったのだが、厚労省は人口動態統計の年間推計を出さず、超過死亡数の発表もやめてしまった。人口動態統計を隠しているのは日本と中国だけだ。

 

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