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普天間返還、頓挫の危機=対米関係、難局に
鳩山由紀夫首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の結論を先送りする政府方針を正式に決めた。しかし、代替施設の建設地をキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)とした現行計画が「唯一実行可能な案」とする米国が反発するのは避けられない。新たな移設先を模索する鳩山政権と米側との交渉は難航必至で、普天間返還そのものが頓挫する危機に直面した。
政府方針は、2010年度予算案に普天間移設関連経費を計上するとしており、日米合意に沿った移設も排除はしていない。しかし、移設先を民主、社民、国民新の3党で検討する以上、現行計画に強く反対する社民党の意向が反映されるのは確実だ。沖縄県民の「県外移設」への期待感がさらに高まるのは間違いない。
来年1月には名護市長選が予定されており、「受け入れ反対派が勝てば、辺野古への移設は極めて困難になる」(政府関係者)との見方が広がっている。
一方、普天間問題の「迅速な解決」で合意した先月の日米首脳会談に反する方針を日本側が決めたことで、日米関係は一段と厳しい局面を迎える。日本側は、現行計画に代わる新たな移設先の検討にも着手することになるが、外務省幹部は「米国はそんなことには付き合ってくれない。彼らの結論は現行案だ」と指摘する。
米側は、普天間移設が実現しなければ、在沖縄海兵隊8000人のグアム移転が白紙に戻ると警告している。在日米軍再編計画そのものが大きく停滞し、同盟関係に深刻な亀裂が生じる懸念が高まっている。(2009/12/15-11:49)
◇
泰山鳴動鼠一匹・・・いや、一匹の鼠も出てこなかったのが、昨日の基本政策閣僚委員会の結論だ。
「普天間移設」に関する政府方針を決定するという触れ込みで、与党三党の閣僚が集まって決定した「政府方針」とは、「何も決めないということを決めた」というお笑い劇。
鳩山政権成立以来、三カ月以上の迷走の結果とはいえ、何も決められないのが政府方針とは、この内閣の本質を表してあまりある結論だ。
何も決めない、いや、決められない最大の理由は鳩山首相の次に挙げる三つの配慮だ。
(1)アメリカへの配慮。⇒TRUST ME
(2)社民党への配慮。⇒ 連立政権を大事にする。
(3)沖縄県民への配慮⇒県民の思いを重く受け止める。
三枚の手形(配慮)を乱発したが、いずれも今年中には決済されず、期日の書き換えという信用破綻に陥った。
おまけにその先送りした期日さえ空欄と言う有様。
今や鳩山内閣が振り出した手形を信用するものは誰もいない。 不渡りに陥るのが明白だからだ。
ただ、鳩山首相は配慮という手形を乱発するあまりに、肝心な人々への配慮を欠いてしまった。
「沖縄県民への配慮」と一括りに発言しているが、一番肝心な普天間地区住民に対する配慮が欠落しているのだ。
先送りということは、その分だけ普天間住民が被る基地被害が先送りになることを意味する。
「県外がベストだが辺野古も容認」を主張する仲井真知事の悩みもここにある。
先送りでけで済めばよい。
そもそも、普天間移設は13年前、沖縄県民の基地負担軽減の要請に応えて、「世界一危険」とされる普天間基地の移設を米側が受け入れ、その長年の模索の結果、辺野古が日米で合意されたのだ。
その間、辺野古の滑走路がL字案、X字案と論議され、そして近隣住宅の上空をできるだけ避けるために考え出された苦肉の策が現在のL字型滑走路である。 鳩山首相は長年の模索の結果が辺野古合意であることをご存知なのだろうか。
従って、今回の先延ばしが結果的に「日米合意の破棄」(普天間移設の白紙化に繋がっても米側は痛くも痒くもない。
元々この話を持ち出したのは日本側なのだ。
先送りで一番困るのは普天間住民の筈である。⇒普天間先送り、米に伝達 計画白紙化の恐れ(00:28)
■何も決められない鳩山政権とこれに乗じる伊波市長
「年内に政府方針を決める」と豪語していながら、「何も決めないことを決めた」と開き直る国の指導者は、世界中広しといえども鳩山内閣を措いて他にはないだろう。
おっと、普天間移設先送りで最も喜んだのは伊波洋一宜野湾市長ではないのか。
伊波市長は来年の県知事選では革新候補の筆頭に挙げられている人物だが、これまでも「世界一危険な米軍基地」を行政管轄区に抱える市長として、沖縄紙が針小棒大に基地被害を訴える度に、マスコミに登場し、現在では全国テレビ報道にも顔を知られる「基地で悩む市長」を演じてきた。
伊波市長にとっては、商売道具ともいえる普天間基地移設が、簡単に辺野古に決着されては困るのだ。
伊波市長はその悩める表情とは裏腹に、基地移設は解決の見込みのない「県外」がベストであり、できるだけ長引いて白紙にでもなれば最高の結論なのだ。
そうなれば基地を売りものに全国に顔を売って、県知事から国会議員にまでなった大田昌秀氏に倣い、伊波市長が、「沖縄の良心」の後継者を演じ続けることができるからだ。
沖縄タイムスも今日(16日)の社説で、「先送りを歓迎する」と伊波市長を応援しているが、普天間住民の危険先送りには何の配慮も見られないのが不可解である。
ジュゴンを護るためには普天間住民は危険をこれからも甘受せよ、ということなのだろう。
◇
これまでグダグダ書き連ねたことを、「河北日報」社説が上手くまとめてくれているので、引用します。
暇があれば読んでください。
天間移設問題/覚悟見えない先送り再確認
中身に何か新味があるわけではない。最終結論を出す具体的な時期も決められなかった。それでも「方針」と名付けて、政府として一応、新しい決定をしたことにしたいらしい。
米軍の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題できのう、与党3党が基本政策閣僚委員会を開き、当面の対応を決めた。「対処方針を決定した」とはいうものの、先送りを正式に再確認しただけのことだ。
米国は名護市辺野古に移設する合意済みの計画に基づいて、年内に決着することを求めてきた。鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領との会談で「迅速な解決」を確認し合っている。米側からすれば、期限を示さない先送りは、合意の破棄とさえ映る。日本側の説明がすんなり受け入れられるとは思えない。
普天間問題だけにとどまらず在日米軍の再編計画や日米関係が大きく揺らぐ可能性が膨らみ始めている。鳩山首相は反発、不信を受け止めてなお交渉を切り開く決意、覚悟を感じさせる説明を、国内に向けてもしていない。そこが心もとない。
まず、年内決着の要請には応じない。辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸への移設合意を含めることは含めるが、候補地をあらためて検討する。2010年度予算案に辺野古移設関連経費は計上する。閣僚委で確認された主な点は、この三つだ。
閣僚委で平野博文官房長官が来年5月までという期限案を提示したが、社民党の福島瑞穂党首の反対で消えたという。
鳩山首相は自身も含めた関係閣僚の発言の揺れが続く中で、今月18日までに政府方針を決めると明言していた。米国議会の予算案審議の日程を無視できなかったからだ。その揚げ句の結論がこの内容である。
米側の反応に十分注意する必要がある。辺野古沿岸部への合意計画を「唯一実行可能な案」と主張するオバマ政権が、与党3党による候補地選定をじっと待つことは恐らくあり得ない。
米側の反発が経済関係に悪影響を及ぼす恐れがある。通商・通貨政策に関連して米側に変化が表れないか。外務省や経済産業省など各省庁が掌握する情報に、神経を行き届かせておかなければならない。
沖縄では県外への移設実現に対する期待感が高まっている。名護市は来年1月に市長選が予定されている。辺野古移設反対派が勝てば、合意計画の実現はさらに困難になるだろう。
沖縄の心情にしっかり身を寄せながら、一方で米国の反発をぬぐい去り、しかもなお新たな移設先を早期に探し出すのは至難の業だ。どんな最終結論が導き出されるにしても、各方面からの称賛の声に囲まれることは最初から望めない話だ。
だからこそ、鳩山連立政権は首相自身の口からこれまでの検討の経緯や苦渋の思い、当面の展望を、「対処方針」を決定するに当たっての覚悟としてきちんと語るべきだったのだ。
この節目でも多くを語らないのでは、リーダーシップへの評価を自らおとしめるようなものではないか。
2009年12月16日水曜日
◆
◆田母神講演会のお知らせ
田母神俊雄氏が語る!
日本の中の沖縄、世界の中の沖縄、
日本人としての誇りとは・・・・
◆講師: 前航空幕僚 田母神俊雄氏
◆日時: 2009年12月16日(水)
19:00~21:00(開場18:00)
第一部 田母神俊雄氏 基調講演
第二部 (社)沖縄青年会議所理事長との対談
◆場所: 沖縄市民会館大ホール ⇒地図
◆チケット: 1000円(前売り・当日)
※定員1500席 早めにお買い求め下さい。
【主催】
社団法人 沖縄青年会議所
〒904-0032 沖縄市、諸見里2-7-15
電話(098)932-6700
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