ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

読む酒肴

2008-03-29 15:43:25 | 
旅に出る前に、移動中の飛行機や滞在先のホテルで
どんな本を読もうかと、書店を覗いたり自宅の本棚を
ひっくり返すことがある。これまで長編小説やら詩集
やら旅行記やら、いろいろ試したが、その国の食に関する
エッセーが案外役立つことに、近頃、気がついた。

最も私自身、食にはほとんど関心がないので、その国でおいしいものを
探すためにということではないのだが、意外にもこのような本には
結構、おもしろいネタが詰まっているのである。政治や宗教や遺跡に
無関心な人はいても、毎日の食物に関心がない人はいないとは、
良く言うが、私のように食に、あまり関心がなくても、案外楽しく
読めるものである。

中でもお勧めを一つ挙げると、南條竹則「中華文人食物語」(集英社新書)。
英文学者にして中国文学と中華料理をこよなく愛する南條氏が、スッポン、
ナマコ、鯉、イヌなどなどの料理について、中国の文人そして自身の体験を
絡めながら書いたエッセーである。
帯に「読む酒肴!」とある通り、どこから読んでもおもしろいし、
いろんな味が楽しめる。

とはいえ決して軽い本ではなく、巻末の参考文献でも明らかなように
幅広い知識に裏打ちされている。チャプスイのルーツを追った項など、
著者のオタクぶりをいかんなく発揮している。気の利いたネタもたくさん
盛り込まれており、食にうるさい中国人と交流がある方には、特にお薦め
の1冊である。

お暇な方ぜひ一読を…。

つまらなかったら、ごめんなさい。



コメント