旅に出る前に、移動中の飛行機や滞在先のホテルで
どんな本を読もうかと、書店を覗いたり自宅の本棚を
ひっくり返すことがある。これまで長編小説やら詩集
やら旅行記やら、いろいろ試したが、その国の食に関する
エッセーが案外役立つことに、近頃、気がついた。
最も私自身、食にはほとんど関心がないので、その国でおいしいものを
探すためにということではないのだが、意外にもこのような本には
結構、おもしろいネタが詰まっているのである。政治や宗教や遺跡に
無関心な人はいても、毎日の食物に関心がない人はいないとは、
良く言うが、私のように食に、あまり関心がなくても、案外楽しく
読めるものである。
中でもお勧めを一つ挙げると、南條竹則「中華文人食物語」(集英社新書)。
英文学者にして中国文学と中華料理をこよなく愛する南條氏が、スッポン、
ナマコ、鯉、イヌなどなどの料理について、中国の文人そして自身の体験を
絡めながら書いたエッセーである。
帯に「読む酒肴!」とある通り、どこから読んでもおもしろいし、
いろんな味が楽しめる。
とはいえ決して軽い本ではなく、巻末の参考文献でも明らかなように
幅広い知識に裏打ちされている。チャプスイのルーツを追った項など、
著者のオタクぶりをいかんなく発揮している。気の利いたネタもたくさん
盛り込まれており、食にうるさい中国人と交流がある方には、特にお薦め
の1冊である。
お暇な方ぜひ一読を…。
つまらなかったら、ごめんなさい。

どんな本を読もうかと、書店を覗いたり自宅の本棚を
ひっくり返すことがある。これまで長編小説やら詩集
やら旅行記やら、いろいろ試したが、その国の食に関する
エッセーが案外役立つことに、近頃、気がついた。
最も私自身、食にはほとんど関心がないので、その国でおいしいものを
探すためにということではないのだが、意外にもこのような本には
結構、おもしろいネタが詰まっているのである。政治や宗教や遺跡に
無関心な人はいても、毎日の食物に関心がない人はいないとは、
良く言うが、私のように食に、あまり関心がなくても、案外楽しく
読めるものである。
中でもお勧めを一つ挙げると、南條竹則「中華文人食物語」(集英社新書)。
英文学者にして中国文学と中華料理をこよなく愛する南條氏が、スッポン、
ナマコ、鯉、イヌなどなどの料理について、中国の文人そして自身の体験を
絡めながら書いたエッセーである。
帯に「読む酒肴!」とある通り、どこから読んでもおもしろいし、
いろんな味が楽しめる。
とはいえ決して軽い本ではなく、巻末の参考文献でも明らかなように
幅広い知識に裏打ちされている。チャプスイのルーツを追った項など、
著者のオタクぶりをいかんなく発揮している。気の利いたネタもたくさん
盛り込まれており、食にうるさい中国人と交流がある方には、特にお薦め
の1冊である。
お暇な方ぜひ一読を…。
つまらなかったら、ごめんなさい。
