ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

蟹工船

2008-12-05 16:18:05 | 時事(海外)
最近、中国国内各地でのタクシー運転手によるストライキが
頻発しているという。

原因は「働けど働けどわが暮らし、楽にならず…」だからだそうだ。

労働時間は一ヶ月ほとんど休みなしの一日13時間労働で月収
およそ2000元、約4万円ほど。管理費と呼ばれる上納金に
自己負担のガソリン代などが引かれ、収入は売り上げの6分の1
ほどだという。

今は昔の話だが、かつてタクシーの運ちゃんは高給取りだった
と昨日読んだ本に書いてあった。改革開放初期の頃だが、一般庶民の
給料が今よりもずっと低い中で、いち早く市場化されたタクシーは、
大学教授をはるかに超える、収入を誇っていたそうである。

しかし、あれから30年……今や社会の底辺に位置する一労働者に過ぎなく
なってしまった。原油価格が暴落しているのに一度上がったガソリン価格は
一向に下がらない。高額の上納金も据え置きで、働いても働いても
豊かにならない。まさに中国版、ワーキングプアーの代名詞とも言える
職業だそうだ。

そして使われるだけ使われて、最後は…。

まるで今流行の『蟹工船』の世界のようである。

名目上だけは、国家の主人であるはずの労働者たちが、待遇改善を求めて
政府当局と戦わねばならない。タクシードライバーだけではないが、中国で
あらゆる職業につく人々は、スト権がないので逮捕の危機にさらされながらの
戦いは、さぞ大変だろう。

資本主義国の労働者より立場の弱い、名ばかりだが、共産主義中国の
労働者たち。

本当に、皮肉である。


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