1年前くらいに、類推の問題をあつかいましたので、ちょっと、この問題を解いてみてください。
「(Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する)Aと売買契約を締結したBが、登記を信頼して売買契約を行った場合、甲土地がAの土地ではなく第三者Cの土地であったとしても、Cの過失の有無にかかわらず、Bは所有権を取得することができる。○か×か」
まず、登記には公示力があるが、公信力がないといいますね。
甲土地がAの土地ではなく第三者Cの土地ですから、ここからAは、無権利者と判断できます。
ですから、Bは、Aから買ったのですから、所有権を得ることは原則できません。問題の常に「できる」と表現するのは、誤りとわかりますね。×です。
ここで、登記を信じてもそれがウソなら救われないということです。公信力がないということですね。
公示力とは、きちんと所有権があったときの問題で、あるから登記すればさらに、公示つまり第三者にも公示されることになるよ、ということです。
で、この先は、問題においては、例外的にBが所有権を取得することはできるかですね。
ここで、仮にBが所有権を取得すると他方でCの所有権がなくなりますから、所有者なのにそうでなくなる積極的
な理由が必要となってきます。
つまり、Cが負ける要件が必要となり、それが「Cの過失の有無」にかかわるのです。
例えば、Cが自己の名義でなくA名義になっていることを知っていたが、何年も放置していたとしましょう。
そうすると、Cも名義を簡単に回復して、AがBに売ることも防げたわけですが、それを長くしなかったとしましょう。
それは、一つには固定資産税を免れたいとか、いつでも取り返しができるからぼちぼちやればいいとか、そんな感じですね。
こういう状態になると、Cもちょっと保護したくなくなります。それが人情でしょうか。
つまり、帰責事由があるような場合には、保護しなくてもいいのではないかということになりますね。
そして、Bもそのことについて善意であれば、BとC比べてみて、結果Cが負けてBが勝つことにしても、いいでしょう。
それが、まあCに過失などがあって、Cに帰責事由があるときで、善意のBであれば、Bに所有権を取得することができる、という例外パターンとなっていきます。
判例では、通謀虚偽表示(94条)に類似していますから、94条の2項を類推適用しています。
長くなりましたが、理解できましたか。
類推は、民法ではよくある手法です。
では、また。
☆ 宅建110番シリーズのご紹介。
パーフェクトは、各1講1ページ(板書+解説型)の完結型となっています。プラス問題付き。
この本では、なるべく記憶に残るよう、どうしてそうなっているのかの理由も多く書きました。
スイスイ読んでほしいです。
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「(Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する)Aと売買契約を締結したBが、登記を信頼して売買契約を行った場合、甲土地がAの土地ではなく第三者Cの土地であったとしても、Cの過失の有無にかかわらず、Bは所有権を取得することができる。○か×か」
まず、登記には公示力があるが、公信力がないといいますね。
甲土地がAの土地ではなく第三者Cの土地ですから、ここからAは、無権利者と判断できます。
ですから、Bは、Aから買ったのですから、所有権を得ることは原則できません。問題の常に「できる」と表現するのは、誤りとわかりますね。×です。
ここで、登記を信じてもそれがウソなら救われないということです。公信力がないということですね。
公示力とは、きちんと所有権があったときの問題で、あるから登記すればさらに、公示つまり第三者にも公示されることになるよ、ということです。
で、この先は、問題においては、例外的にBが所有権を取得することはできるかですね。
ここで、仮にBが所有権を取得すると他方でCの所有権がなくなりますから、所有者なのにそうでなくなる積極的
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つまり、Cが負ける要件が必要となり、それが「Cの過失の有無」にかかわるのです。
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そうすると、Cも名義を簡単に回復して、AがBに売ることも防げたわけですが、それを長くしなかったとしましょう。
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こういう状態になると、Cもちょっと保護したくなくなります。それが人情でしょうか。
つまり、帰責事由があるような場合には、保護しなくてもいいのではないかということになりますね。
そして、Bもそのことについて善意であれば、BとC比べてみて、結果Cが負けてBが勝つことにしても、いいでしょう。
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