高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”・・・・・ まずは“宅建資格”から

法律系資格を取得しようとする場合、まず民法の勉強はかかせませんね。さらに、好きになって得点源にぜひしたいものです。

R2年12月試験の民法を分析“問2・代理”・・・。

2021-03-19 09:54:33 | R02 本試験過去問“よーくわかる”解説
この時期は、実力(知識+法律的センス)を付けたいですから、昨年の12月試験の権利関係の民法を丁寧に見ていきましょう。

すでに解説した問1の特に肢4の知識は今年も問われますから、その周辺部分も含めて、人に教えられる状態になりましたか、そのような状態まできちんとつめてくださいね。

では、今回は問2です。
・・・・・・・
問2 AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和2年7月1日に授与した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Bが自己又は第三者の利益を図る月的で、Aの代理人として甲土地をDに売却した場合、Dがその目的を知り、又は知ることができたときは、Bの代理行為は無権代理とみなされる。

2 BがCの代理人も引き受け、AC双方の代理人として甲土地に係るAC間の売買契約を締結した場合、Aに損害が発生しなければ、Bの代理行為は無権代理とはみなされない。

3 AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うことはない。

4 Bが、Aから代理権を授与されていないA所有の乙土地の売却につき、Aの代理人としてFと売買契約を締結した場合、AがFに対して追認の意思表示をすれば、Bの代理行為は追認の時からAに対して効力を生ずる。
・・・・・・・
まず講師目線でいうと、面白いことがあります。
肢1と2を直前に変えたな、急いで変えたな、と思いました。
肢1がDで、肢2がCとなっていて、ミスを最後まで気かなかったからです。

おそらく、内容的に治した方がいいという意見が出たか、つまり条文順ということです、あとは、肢1に正解を持って行きたかったかもしれまね。
まあ、これは別に内容的に間違えではないので、大目に見てあげましょうね(私もやっちゃいますから)。

この問題は、肢1が正解で、改正点でもあり、平成30年問2肢1でもでています。が、以前は無効で、今回は無権代理となっているところですから、初出題でいいでしょう。
これらの違いわかりますか、そこまで押さえないとセンスは身につきません。

では、押さえることは、何か。
以前の「無効」では追認が認められていませんが、だからずーっと無効、「無権代理」には、本人が追認すると以前に遡って有効にできるという、神様みたいなことができると言うことなのです。
これが押さえられることが、しっかり過去問を解いたということになるのですね。
なかなか独学では難しいかもしれませんが、大変大変重要なことなのです。わかっていただけましたか。

肢1は、正解肢で、しかも改正点ですから、しっかり勉強していたはずですが、どうかですが・・。
肢2に行く前に、肢3と4をみると、すでに過去問でもありますし、これまでの条文通りですから、これはしっかり判断できないと、まだ合格の土俵に登っていません。

しかし、この2肢で、受験生の半分の人が付けて、間違っています。
不合格となった人は、これが原因ではありませんか。
できないとその不合格の理由となってしまいます。いわゆる勉強不足、努力不足という点です。
しかも、肢4は、最近よく出てますよね。

では、今後の学習では、何を気をつけたいか。
それは、肢2が、実は学習のポイントなのです。
なんかおかしいから、×で、あっているからもう見なくていいや、と思っていませんか。
そういう人は、喝だ。

権利関係を通じて、法律的センスも身に付けておきたいのですね。
そこで、しっかり、考えておきましょう。
ですから、1月後この問題をみるときには、肢2だけでもいいのです。

この肢2の出題の意図は、双方代理です。
知識は、「同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」わけです。
しかし、例外もあって、①「債務の履行」及び②「本人があらかじめ許諾した行為」については、無権代理になりません。

ここまでが知識です。しかも、なぜ2つの例外があるかというと、その場合には「本人にとって不利益がないから」だと覚えています。

そこで、肢2をみると、「Aに損害がない場合」となげかけているのです。
あなたはどう考えますか。2分程度で判断してくださいね、ということです。

しかし、ここではあらかじめ承諾はないのですね。
しかも、双方代理ですから、本人とは、AだけではなくCのことも考えないといけません。
ですから、Cにとって不利益となることもあるはずですから、無権代理にならないとは即断できない、ということで、△として、気持ち(×)ということですね。

ここまで、この問題を復習するときに考えましたか。
では、もう一つ、この肢で「AもCも損害が発生しなければ」となっていたら、どう判断しますか。

おそらく、○に代わるのでしょうかね。
本人達の不利益がないことが判断できれば、有効にしてもいいと思うからです。

しかし、この判断は非常に勇気がいるので、試験委員は、Aだけなら絶対に×だろうという判断が2分の時間でならできそうなので、すこし優しく出したのですね。
心遣い本当にありがとう、ですね。

ということで、この肢2は、おそらく今後、あと2,3回解いたときに、以上が走馬灯のように次から次に出てくると、センス抜群なのです。

授業では、この問題を解説するときには、以上のような所までお話ししますので、法律的なセンスも授業を集中して聞いていただければ、身につきます。
参加できない方は、このブログで・・・。

では、また。 



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