では、今回は問9です。
ここも、正答率が非常に悪い問題です。
・・・・・・・
問9 地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。
2 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。
3 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義
務を負担する。
4 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。
・・・・・・・
肢1が×で正解ですね。
地役権は、継続的に行使され、「かつ」、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができます。
地役権は、隣の土地を通行する、というイメージで考えるのでしたね。
そうすると、時効取得という場面は、権利者でもないのに、勝手に通行していて、10年か20年後に地役権を取得できる論点ですから、不利益を受ける所有者にも時効を阻止できるような場面が、利益保護として必要です。
そこで、「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り」として、お互いの保護しているわけですね。
ここは、「又は」としている点で誤りです。
肢2ですが、条文通りです。最初にテキストを読むと書いてある内容です。
「地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益に供する権利を有する」です。
肢3ですが、初出題の条文です。
地役権は、互いの土地の利益調節をしたものですから、承役地の所有者にこのような義務を負担させるのが いいでしょう。
「設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をすること」も、ある意味地役権の内容になるといえるでしょう。
そこで、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担するとみるのですね。
ただし、登記することで特定承継人に対抗できることになっています。
肢4は、判例です。
「要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても登記なくして承役地の所有者に対抗できる」としています。
地役権に対しては、条文も判例も、好意的なものとしていますが、その一つです。
この辺の感覚は、過去問でしっかりマスターしていないといけないものなのですね。
地役権の問題を解くときには、なるべく認めていくぞ、承役地の所有者にとってもそれほど負担のない物権なんだから、という気持ちをもってのぞむのかどうかで、だいぶ違いがでてくるのです。
では、また。
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問9 地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。
2 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。
3 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義
務を負担する。
4 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。
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肢1が×で正解ですね。
地役権は、継続的に行使され、「かつ」、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができます。
地役権は、隣の土地を通行する、というイメージで考えるのでしたね。
そうすると、時効取得という場面は、権利者でもないのに、勝手に通行していて、10年か20年後に地役権を取得できる論点ですから、不利益を受ける所有者にも時効を阻止できるような場面が、利益保護として必要です。
そこで、「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り」として、お互いの保護しているわけですね。
ここは、「又は」としている点で誤りです。
肢2ですが、条文通りです。最初にテキストを読むと書いてある内容です。
「地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益に供する権利を有する」です。
肢3ですが、初出題の条文です。
地役権は、互いの土地の利益調節をしたものですから、承役地の所有者にこのような義務を負担させるのが いいでしょう。
「設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をすること」も、ある意味地役権の内容になるといえるでしょう。
そこで、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担するとみるのですね。
ただし、登記することで特定承継人に対抗できることになっています。
肢4は、判例です。
「要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても登記なくして承役地の所有者に対抗できる」としています。
地役権に対しては、条文も判例も、好意的なものとしていますが、その一つです。
この辺の感覚は、過去問でしっかりマスターしていないといけないものなのですね。
地役権の問題を解くときには、なるべく認めていくぞ、承役地の所有者にとってもそれほど負担のない物権なんだから、という気持ちをもってのぞむのかどうかで、だいぶ違いがでてくるのです。
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