ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

渥美清『きょうも涙の日が落ちる』(展望社、2003年)

2016年01月02日 13時49分25秒 | 
今年は、年男、還暦である。とはいえ、「厄年」とのこと。
正月早々、昨年末の腰痛は続いている。年末から、かるくよんでいる、渥美清『きょうも涙の日が落ちる』(展望社、2003年)を読み終わる。

渥美清のエッセイと対談をまとめたもの。
吉行淳之介との対談では、肺結核の療養のことが語られる。独身時代のもの
飯沢匡との対談の最後では、結婚が遅れた理由が語られる。療養時代の人間観察。
飯沢 浮気はしないのかな?
渥美 へへえ、そんなのありませんよ。まじめなんです。とにかく二十五から病気で寝ている間に、いろんな人を見ました。新しく患者が入院するでしょ。女の人がついてくる。見ていて、ああ、この女は間もなく来なくなるとか、あの人はいつまでも変わらずにくるな、という見極めがつくんですね。その人がやっていることを見てると。
飯沢 カンでわかるわけだ。
渥美 理屈じゃ無く、動物的なカンみたいなもんです。思ったとおり、プツッと来なくなる女がいる。そうなると男は、夜中にいきなりパーッと起き上がって、アーアなんて言うんです。殺気のようなものを感じますよ。おれは独身でよかったなって、そのときしじみじ思いました。病気の間に女というものを見た。人生を見たっている気がしました。

チャップリンを語ったところ。
「街の灯」は山本周五郎の「むかしも今も」に似ていますね。「むかしも今も」は、おまきという小さいころから育てたお嬢さんが、目が地震でつぶれちゃうんですよね。それで男は逃げちゃう。最後に直吉というのが。、子供のころ、おしっこさせたりなにかして遊ばせた空き地の草っ原で、またその盲しいたおまきさんをずーっと抱いて、おそらくいっしょになるんだとうというとこで終わっているんだけれどもね。

今年は、軽く読んだ本は、とっておかないこととしたいのだが…。