梶山季之『せどり男爵数奇譚』(ちくま文庫、2000年)を、福岡にて読み終わった。もともとは、1974年に雑誌に連載され、単行本化されたもの。梶山は、1930年生まれ、広島高等師範学校を卒業後、国語教師、喫茶店経営などをしたのち、トップ屋となり、記事や小説を書いていたが、1975年に取材先の香港で客死。スピード感と官能味のある文章にはついつい読ませられてしまう。
今回は、『ビブリア古書堂の事件手帖』に載っていたので、購入して読んだ。ビブリ古書堂シリーズは、透明な読後感があったが、それとは対照的な脂ののった感覚が残った。
章のタイトルは、麻雀の役満の名前にひっかけて命名されているので、ここに紹介してもなんのことかわからないので記すことはしない。「せどり」は古書業界の用語、掘り出し物を探し出し、その本を他の古本屋や収集家に高く販売することを生業とするものをいう。梶山はどのようにして、この古書業界のなかで蠢く有象無象の情報を得ていたのか、事実は小説より奇なりというが、この梶山の数奇なるものがたりよりも、もっと艶めかしいやりとりがあるのであろうと思う。
今回は、『ビブリア古書堂の事件手帖』に載っていたので、購入して読んだ。ビブリ古書堂シリーズは、透明な読後感があったが、それとは対照的な脂ののった感覚が残った。
章のタイトルは、麻雀の役満の名前にひっかけて命名されているので、ここに紹介してもなんのことかわからないので記すことはしない。「せどり」は古書業界の用語、掘り出し物を探し出し、その本を他の古本屋や収集家に高く販売することを生業とするものをいう。梶山はどのようにして、この古書業界のなかで蠢く有象無象の情報を得ていたのか、事実は小説より奇なりというが、この梶山の数奇なるものがたりよりも、もっと艶めかしいやりとりがあるのであろうと思う。