ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

平井美津子『原爆孤児 「しあわせのうた」が聞こえる』新日本出版社、2015年

2019年09月20日 23時08分39秒 | 
縁あって、平井美津子『原爆孤児 「しあわせのうた」が聞こえる』をよんだ。思いの詰まったよい本だった。
「「笑わぬ子」らと作家・山口勇子の思い」と帯に記されている。「おこりじぞう」「荒れ地野バラ」を書いた山口勇子の優しくしかも凜とした姿をおっている。

 これまで聞き取りをしてきた、亀井文夫をドキュメンタリー映画の学びの源泉としてきた大野松雄さんの話やドキュメントフィルム社の「ヒロシマのこえ」のデジタル化などと重ね合わせることで、この本の内容をふくらませることができるのではないかと思っている。第4回、第5回の原水禁世界大会への「広島子どもを守る会」の参加は・・・この時に、原水協の公式記録をつくったのが、亀井と大野だった。それ以前の亀井の「生きていてよかった」なども、そして「千羽鶴」のこと、また、「純愛物語」のことなども・・・。今年、テレビ放映された映画『ひろしま』のフィルム、教育運動の中でつかわれぼろぼろになったものを大学で保管している。

内容紹介 
両親の突然の理不尽な死、何が起きたかもわからぬまま傷を負った心。そんな原爆孤児たちを支援した「精神養子運動」と、それを担った作家の山口勇子らの思いを丹念な取材で記録。「父さん、母さんはなぜ死ななくてはならなかったの?」との問いかけに光を当てた、被爆70周年にこそ読みたい感動のノンフィクション。
内容(「BOOK」データベースより)


第1章 原爆孤児精神養子運動
第2章 孤児の調査
第3章 笑わぬ子たち
第4章 あゆみグループ
第5章 再び原爆孤児をつくるまい
第6章 母さんと呼べた
第7章 暗い子
第8章 父の志をついで
第9章 姫路組
第10章 しあわせのうた
第11章 世界中に本物の平和を
終章 今の教育現場に引きつけて思うこと

資料の入れ方を工夫するともっといいものになるのだが、章ごとののアンバランス、あとの章が短くなっているのは、多忙な中でとにかく書いておきたい、忘れてはならないという著者の姿が見えるようだ。短く書かれた章のないようも、大きな物語が隠されているのだろう。