ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

芦辺拓『奇譚を売る店』光文社文庫、2015年

2019年09月13日 21時50分17秒 | 
古書関係の本をついつい読んでしまっている。
「また買ってしまった」ではじまる、芦辺拓『奇譚を売る店』である。
怪奇小説で、面白味はなく、読後にちょっとがっかりなのだが、以下のようなその表題だけはやはり興味をそそる。この表題となったものが、古書店で購入することになった本や資料ということだ。
『帝都脳病院入院案内』
『這い寄る影』
『こちらX探偵団/怪人勇気博士の巻』
『青髯城殺人事件 映画化関係綴』
『時の劇場・前後編』
『奇譚を売る店』

帝都脳病院などは、戦前の精神病院を舞台にしたもの。あとがきに書かれているように、この「帝都脳病院」は、北杜夫『楡家の人びと』の舞台の病院をモデルにしたもの(斎藤茂太『精神科医三代』も参考に)。
「青髯城殺人事件映画化関係綴」などは、ついいまやっている仕事にひきつけてしまう。こんな資料が古本屋にあれば、手に取ってしまうだろう。いずれも、ホラー怪奇小説であり、文体もごてごてして回りくどい。どろどろの液体を飲んだような感覚。