映画『肉体の門』からの継続で、戦後の日本社会について考えている。いわゆる「闇社会」の心理と論理である。
1987年から1988年頃、教育相談で関わったこととも関連しているのだが、この時期、よく「やくざ」関係の書物から学ぶことをせざるを得なかった。この映画の原作となった家田荘子『極道の妻たち』(文藝春秋、1986年)もその中にはいっていた。その他、お抱え弁護士の本とか、組の系譜や歴史とか、チンピラの心理と、親分・子分関係とか・・・。
そんなこともあって、『極道の妻たち』は見てみたいと思っていた映画だった。あけてみるとびっくり、かなりたくさんあるではないか。
そのはじめのシリーズ4作をざっと紹介しよう。
極道の妻たち(1986年)※監督:五社英雄 岩下志麻、かたせ梨乃、世良公則など
岩下演ずる粟津組組長の妻・環、かたせ梨乃演ずる真琴、二人は姉妹。結局、真琴は世良演ずる杉田の妻になって、対立。杉田のもとへ行くという真琴を環は止める。激しい喧嘩の後、「今日限り、わてらは姉妹でない」と環は妹を送りだした。杉田と真琴の久方ぶりの逢瀬の際中、杉田は刺殺され、そして粟津の保釈の日、環や組員が見守るなか、粟津も殺される。
極道の妻たちII(1987年)※監督:土橋亨 十朱幸代、かたせ梨乃、村上弘明他
背景は、関西国際空港の建設をめぐる土地のたちのき、島争いをめぐるやくざ間の争い。十朱幸代演ずる重宗組組長の妻・遊紀は資金集めで、村上弘明演ずるばくち打ちの木本燎二と、襲名披露で、いかさまばくちの大勝負をする。かたせ演ずる榎麻美と子どもとかたぎになって、よりをもどそうと帰っていくが、その場で殺される。賭場、ばくちうちといかさまばくちについてみてしまう。
極道の妻たち 三代目姐(1989年)※監督:降旗康男 三田佳子、萩原健一、かたせ梨乃他
関西坂西組・三代目組長が心臓発作で死に、その跡目相続の争い。三代目の妻の葉月(三田佳子)が、出所してきた赤松(萩原健一・ショー健)に指示し組長に札入れでなった寺田に対して「寺田との戦争に勝て!」と言い放つ。赤松は寺田の知恵袋を射殺して宣戦布告、アリバイ工作のために清美という女を利用するが、赤松と清美は寺田に射殺される。坂西の遺書を破り、坂西組を葉月が自らの肩に負うことを決心。かたせは、赤坂とのからみででてくる。
極道の妻たち 最後の戦い(1990年)※監督:山下耕作 岩下志麻、かたせ梨乃、石田ゆり子
中松組川越会本部の幹部連中の間に服役中の瀬上組々長・瀬上雅之の妻芙有(岩下志麻)の姿もあった。彼女は夫の服役中、気丈の強さで組織の運営を務めているのだ。そんな時、五年前の中松組の抗争で夫を失った伊勢夏見(かたせ梨乃)が大阪へやって来る。出会った芙有と夏見は固い友情で結ばれる。亡き夫の復讐に燃える夏見は、瀬上組を中松組と互角に張り合える組織へ拡大しようとする芙有に協力する。夏見は仇である中松組々長田所亮次を射めようとするが、逆に銃弾を浴び息絶えてしまう。夫の瀬上のあほさかげんに、愛想をつかし、芙有は組を去り、そして妹分の夏見の死に決着をつけるべく、芙有は田所を撃つ。
どうも、あほで根性なしがやくざの男、筋をとおしばくちを打つのは妻(「おんな」とよむ)という図式。これは、この映画がつくられた頃のことを思うと、うなずけないこともない。
1987年から1988年頃、教育相談で関わったこととも関連しているのだが、この時期、よく「やくざ」関係の書物から学ぶことをせざるを得なかった。この映画の原作となった家田荘子『極道の妻たち』(文藝春秋、1986年)もその中にはいっていた。その他、お抱え弁護士の本とか、組の系譜や歴史とか、チンピラの心理と、親分・子分関係とか・・・。
そんなこともあって、『極道の妻たち』は見てみたいと思っていた映画だった。あけてみるとびっくり、かなりたくさんあるではないか。
そのはじめのシリーズ4作をざっと紹介しよう。
極道の妻たち(1986年)※監督:五社英雄 岩下志麻、かたせ梨乃、世良公則など
岩下演ずる粟津組組長の妻・環、かたせ梨乃演ずる真琴、二人は姉妹。結局、真琴は世良演ずる杉田の妻になって、対立。杉田のもとへ行くという真琴を環は止める。激しい喧嘩の後、「今日限り、わてらは姉妹でない」と環は妹を送りだした。杉田と真琴の久方ぶりの逢瀬の際中、杉田は刺殺され、そして粟津の保釈の日、環や組員が見守るなか、粟津も殺される。
極道の妻たちII(1987年)※監督:土橋亨 十朱幸代、かたせ梨乃、村上弘明他
背景は、関西国際空港の建設をめぐる土地のたちのき、島争いをめぐるやくざ間の争い。十朱幸代演ずる重宗組組長の妻・遊紀は資金集めで、村上弘明演ずるばくち打ちの木本燎二と、襲名披露で、いかさまばくちの大勝負をする。かたせ演ずる榎麻美と子どもとかたぎになって、よりをもどそうと帰っていくが、その場で殺される。賭場、ばくちうちといかさまばくちについてみてしまう。
極道の妻たち 三代目姐(1989年)※監督:降旗康男 三田佳子、萩原健一、かたせ梨乃他
関西坂西組・三代目組長が心臓発作で死に、その跡目相続の争い。三代目の妻の葉月(三田佳子)が、出所してきた赤松(萩原健一・ショー健)に指示し組長に札入れでなった寺田に対して「寺田との戦争に勝て!」と言い放つ。赤松は寺田の知恵袋を射殺して宣戦布告、アリバイ工作のために清美という女を利用するが、赤松と清美は寺田に射殺される。坂西の遺書を破り、坂西組を葉月が自らの肩に負うことを決心。かたせは、赤坂とのからみででてくる。
極道の妻たち 最後の戦い(1990年)※監督:山下耕作 岩下志麻、かたせ梨乃、石田ゆり子
中松組川越会本部の幹部連中の間に服役中の瀬上組々長・瀬上雅之の妻芙有(岩下志麻)の姿もあった。彼女は夫の服役中、気丈の強さで組織の運営を務めているのだ。そんな時、五年前の中松組の抗争で夫を失った伊勢夏見(かたせ梨乃)が大阪へやって来る。出会った芙有と夏見は固い友情で結ばれる。亡き夫の復讐に燃える夏見は、瀬上組を中松組と互角に張り合える組織へ拡大しようとする芙有に協力する。夏見は仇である中松組々長田所亮次を射めようとするが、逆に銃弾を浴び息絶えてしまう。夫の瀬上のあほさかげんに、愛想をつかし、芙有は組を去り、そして妹分の夏見の死に決着をつけるべく、芙有は田所を撃つ。
どうも、あほで根性なしがやくざの男、筋をとおしばくちを打つのは妻(「おんな」とよむ)という図式。これは、この映画がつくられた頃のことを思うと、うなずけないこともない。