WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

かまって欲しい北朝鮮、相手にされない日本

2009年04月06日 | どうでもいいことだけど...

 世界は冷静なのに、日本だけが“テポドンフィーバー”に沸いている。いや、TVに出てくるオバちゃんや漁師さんのコメントを聞いていると、案外国民の大半は冷静で、躍らせたい連中と踊りたい連中だけが騒いでいるだけかもしれないが。この大騒ぎ、ポンペイウスさんもコメントくださったように、ある意図があって続けられているのは間違いないだろう。
① 米国から事前に教えてもらった“テポドン実験計画”を利用して国民も巻き込んだミサイル防衛システムの予行演習をしておきたかった。
② 北朝鮮の“脅威”を煽り軍備拡大へもっと世論を誘導しておきたかった。
③ 副産物として、年金崩壊、派遣切り雇用不安や格差拡大などによる国民の体制不信(実はこっちの方がよっぽど“脅威”なのだろう)への“目くらまし”になれば一石二鳥。
といったところだろうか。

②、③はうまくいった。しかし、残念ながら①ではむしろお粗末な大失態を演じてしまった。軍隊という戦争を前提(期待)している組織の精神構造というものがいかに危険でお粗末なものかを露呈してしまった。

 上層部にそんな邪な意図があろうことなど疑うことも知らず、本当にテポドンが落ちてくることを期待し信じ先入観を持ってしまっていた単純でおバカな下っ端自衛官が、レーダーに引っかかった何らかの信号を「北朝鮮がとうとう飛翔体(ミサイル)を撃ちよった」と、喜び勇んで思い込み伝言ゲームをスタートさせてしまったのであった。

 自衛隊幹部連中も政府も、自分達が洗脳し仕込んだ兵隊連中がまさかここまでお粗末なおバカさんになってしまっていたとは思いもよらなかったのだろう。「誤探知」などとこれまたお粗末な言い訳をしていたが、レーダーが何らかの信号を「探知」したことは事実だった。物言えない機械のせいにするとは最低の言い訳だ。機械はちゃんと動いていた。「誤探知」などではなくて先入観にもとづく「誤伝達」だったのだ。情報統制組織「自衛隊」-emNetが、はからずも“情報統制国家”北朝鮮と同じ体質であることを証明してしまった。

 北朝鮮は要するに「かまって欲しい」のだ。とりわけアメリカに。オモチャ売り場で泣き叫ぶ駄々っ子と一緒。オモチャを買ってくれない日本など眼中にない。なのに日本中が駄々っ子を泣き止ますことに躍起になっている。まこと滑稽な国だ。アメリカはまだしも、日本にテポドン落として北朝鮮に何のメリットがあるのか。無い。面倒なことになるだけだ。少し考えれば分かることだ。

 北朝鮮にとってもっとも困るし腹立たしいのは「無視されること」、「誰もかまってくれないこと」なのだ。
 今世界は、南米や欧州の一部が多少自己主張しているにしても基本的にはアメリカ中心に回っている。アメリカさえ自分の方に向けさせておけばあとの有象無象はくっついてくる。これが北朝鮮の読みであり戦略の基本だ。ある意味かしこい。日本政府よりよほどかしこい。

 だいたい過去に何度も実験を繰り返し、すでに弾道ミサイルや核兵器を持っている国連常任理事国が、まだ持っていない後進国に「実験をするな、核兵器を持つな」などということ自体、エゴではないか。ありもしなかった大量破壊兵器を「持っているはずだ」と言ってイラクをメチャクチャに引っかき回してトンズラした、あの国と同じ論理だ。それを言うならまず自分達が非核・非武装化をしなければ全く説得力に欠けるではないか。

 今世界が、日本がなすべきことはアメリカ中心に回る世界を終わりにすることだ。それぞれの国が正しく自己主張をきちんとすること。日本対北朝鮮について言うならば、「アメリカだけ挑発していても埒が明かない」ということを思い知らせることだ。そのためにはアメリカ合衆国ジャパン州のような今の状態を脱し、諸国が認める正論を主張して影響力を与えられるような国にならなければならない。それなくして「拉致問題」の解決など永久にありえないだろう。