9月16日、台風18号は嵐山の桂川氾濫や福知山の由良川氾濫など京都に大きな被害をもたらしました。
床下浸水の被害にあった手づくり市の相方Fさんの後片付け応援に福知山市戸田へ行ってきました。
途中の府道、私市あたりから道路脇には流された家財道具や日用品などが散乱していました。
戸田地区入り口あたり。左の畑から道路までは冠水していた模様。右の田んぼは路肩の側溝で排水されたのと道路より少し高かった分だけ冠水をまぬがれたようです。
Fさん宅の前の公園。フェンス周りにはガレキなどが滞留。なんと簡易トイレが流されていました。公園内は一面に泥が堆積。
水流と漂流物の圧力でフェンスが倒されています。
あちこちの空き地はゴミ集積場となっていて泥だらけになってしまったタンス、畳、電化製品、自転車など“使用不能となった廃棄物”の山。中には思い出の詰まった大切な品もあったでしょうに。東日本大震災の津波被害のときに「ガレキ、ガレキと言われるのは抵抗がある」と語っていた被災者の言葉を思い出しました。
京都新聞にはガレージまで水に浸かった写真が載っていましたが、実際、最大2m近い高さまで水がきたとのこと。Fさんは最悪の事態も予測して家を建てるとき土台を高くし、土台にも排水口を設置していたおかげでなんとか床下浸水でおさまったようです。一般人でさえ最悪事態の想定・対策はするのですから東電などの言う「想定外の事態」などという言い訳は通用しないでしょう。
そうした対策をとっていない家では床上浸水してしまい、あちこちで家財道具を外に出して家の床の水洗いに追われる姿を見かけました。これが真夏の猛暑の時期だったらもっと大変なことだったでしょう。
Fさん宅でも物置などはそうした対策をとっていなかったので木工機械等が水を被ってしまっていました。主にそうした物置、機械、備品等の洗浄を手伝いました。
基礎と言えば、施工が簡単なので最近流行りの「基礎パッキン布基礎」。水がつくことが予想される地域ではやめた方がいいですね。床下が貯水池になってしまいますから。どうしても採用するなら下部に排水口だけは設けておきましょう。
上の写真は被害のごく一部、あえて“住民”の姿が入らないシチュエーションのみを撮影したものです。実際の状況はもっと大変なものでした。
某TVのキャスターが、嵐山の被災旅館の女将に「家が使えなくなって生活はどうされているんですか」だの「元に戻すのに1千万円では足りないでしょう」などと神経を逆なでするような質問をして批判を浴びていたようですが、気持ちが折れそうな中、一生懸命片付け作業をされている姿を能天気に撮影することなどとてもできませんでした。
水害前に訪れた戸田地区は、1軒の敷地が300坪前後もある区画整理された美しい、福知山のビバリーヒルズといった感じのちょっと羨ましいような町でした。
7、8年前、由良川の堤防を作るために河川敷近くの1地区丸ごとが「水害の無い土地に移転させる」条件で移転させられたときの代替地として新しく町が作られたと聞いています。
その代替地が浸水被害にあっていたのではシャレになりません。津波被害を避けるための強制移転地でまた津波にあったようなものです。そんなことが社会問題にならないことがとっても不思議です。