トラス妻壁用ガラスのカットをしているところ。
今も続くログハウス製作はようやく建具の造作にとりかかっている。屋根の妻壁部分のトラスの枠にガラスをはめるのだが、通常の窓のように長方形ではなく三角形や不定形なので、枠の形に合わせて1枚1枚ガラスを切り出さねばならない。
枠の形をガラスに油性ペンで描いて、ガラス切りでカットラインを入れ、カットラインに沿って軽くたたきながら少しづつガラスに切れ目を作っていく。この作業、叩き加減がなかなかセンシティブで、ちょっと油断したり短気を起こして強めにたたいたりするとカットライン以外のヒビが入ってしまうことがあるのだ。そうなると一巻の終わり、苦労が水の泡である。私も初挑戦で2枚ダメにしてしまった。
特に、鋭角部分のカッティングが難しい。例えば、長方形のガラスから下図のような不定形菱形を切り出す場合だが、ちょっとしたコツがあることが分かった。
「菱形の一辺をガラスの一端に合わせれば、カットが必要なのは残り3辺で済むし、ガラスのムダも小さくできる」と考えるのが人情だ。ところが、実際やってみると左下角のように赤い鋭角部分のカットをすることになるのだが、これがなかなか手ごわい。必要な菱形の部分にまでヒビが入ったり割ってしまいやすいのだ。
熟練すれば鋭角もうまくカットできるようになるのだろうが、それまで何枚も失敗できる余裕はない。そこで気づいたのが、できるだけ鋭角のカット部分を作らないようにカットラインをレイアウトすること。例えば、上の例なら、
上図のようにあえてガラスの辺に合わせず、左下角のようにカットラインを鈍角になるように設定する。カットが4回必要で、ガラスの残り部分の他に使えそうな面積は小さくなってしまうけれど、カット失敗のリスクは確実に小さくなる。
熟練して鋭角でも問題なくカットできるようになるほどには、シロートが扱えるガラスの枚数には限りがあるし、歩留まりを優先した方がかえってガラスの無駄は少なくできるだろう。