WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

「ジャンゴ・繋がれざる者」

2013年03月13日 | 映画(西部劇など)

面倒くさくなってほったらかしにしていたブログ。久しぶりに覗いてみたら、なんか色のない文字ばっかりの殺風景な画面に変わっていてビックリ

なんでも2ヶ月間ほったらかしにしているともとのテンプレート画面を取り上げられてしまうらしい。知らなかった~。さらにほったらかしにしているといずれ消されることになるのかしらん?

更新すれば元に戻してくれるそうだから多分これで元に戻るはず

 

そんなことはさておき、タランティーノ監督の話題作?「ジャンゴ・繋がれざる者」を観に行ってきた。

ケビン・コスナー「ワイルドレンジ最後の銃撃」から10年、新作絶えて久しい西部劇は今や絶滅危惧種、いやすでに絶滅してしまったのかとあきらめかけていたところに、タランティーノさん、やってくれました。これは観なければ。

妻と引き離された主人公の黒人奴隷=ジャンゴ。ひょんなきっかけから賞金稼ぎとなって猟奇的白人農場主(レオナルド・デカプリオ!)から妻を取り戻す物語。
先住民=インディアンに対するホロコーストと並んで、ハリウッド映画ではほとんど取り上げられることのないアメリカの恥部の一つ「黒人奴隷制」の非人間的実体を、回りくどい文章ではなく映像で見せてくれる。

しかしそこはタランティーノ、撃って撃って撃ちまくり、血しぶき、肉片が飛びかい殺しまくる。奴隷同士を戦わせ負けたものは目をつぶし、ハンマーで牛のよろしくとどめをささせる。弱音を吐く奴隷は生きたまま犬に食わせる、一言で言って“アメリカ産スパゲッティウェスタン”。
もちろん、R15指定。(TOHOシネマズのサイト 「公式サイト」よりこちらの方が分かりやすい。「公式サイト」は「荒野の用心棒」のオープニングを真似たのだろう、真っ赤な画面に黒いアニメーションとメニューが流れる趣向だがウザイ)

北野たけし氏も、くだらない暴力団映画なんぞ撮ってるくらいなら、中国人を自ら掘らせた墓穴の前に並べて面白半分、新兵の肝試しに片っ端から首をはね撃ち殺したり、細菌戦の生体実験をし解剖したり、朝鮮人女を引っ立ててヤリまくった大日本帝国皇軍映画でも、撮れるものなら撮ってみたらどうか。

さて、上映が始まりワクワクしながら流れるクレジットを眺めていると、西部劇ファンには神様のような存在の一人、あのフランコ・ネロの名が..
劇中、主人公のジャンゴに「あんたの名前は?」とたずねる。「ジャンゴ(Django)、Dは発音しない」、「知ってるさ」。たったこれだけのやりとりだが粋な演出。

ジャンゴが拾われ相棒となるドイツ人賞金稼ぎキング・シュルツと出会うくだりや、妻の売り払われ先(デカプリオ)にたどり着くまでの経緯にどうでもいい冗長な部分もある。このへんがタランティーノらしさと言えばそれまでだが。

アメリカ本国では、アカデミー監督賞、助演男優賞など5部門ノミネートされる一方で、暴力的描写などに異論もあったようだ。しかし過去の過ちを直視し、真摯に反省し、2度と繰り返さないために、歴史の現実を後世代にリアルに知らしめると言う意味で効果的な場合もあることは否めないと思う。

ま、なにはともあれ西部劇(らしきもの?個人的には“正しい”西部劇とはちと違った)が絶滅してはいなかっただけでもよしとしよう。