WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

ナゾの日本少女歌劇団

2019年08月25日 | おもしろ博物館

奈良県大和郡山市、DMG MORI やまと郡山城ホールで開催中(9月1日まで)の「日本少女歌劇座展」。


古本市で見つけられた1枚の案内絵葉書がきっかけで発掘されたナゾの「少女歌劇団」。今でいう「AKB48」みたいなもんかな?
こういう庶民の埋もれた文化史には大変興味をそそられます。

会場の「DMG MORI やまと郡山城ホール」。予想を裏切る立派な会館だった。コンサートホールや図書館も併設。

向かいには郡山城跡。


「日本少女歌劇団」発掘を伝える「宮崎日日新聞」の記事。


歌劇団の見つかっている最古の講演記録は1923年(大正12年)、大津市大黒座。その後、近鉄石切駅付近にあった「日下温泉」を拠点としたが温泉の経営不振で奈良県大和郡山へ拠点を移す。


1936年(昭和11年)、宮崎県に自前の劇場「孔雀劇場」(次の画像、下中央の写真)
を確保し拠点を移す。

「♪うちら陽気なかしまし娘~」?。

発掘者の鵜飼正樹京都文教大学教授インタヴュー。


初期のトップスターは山路妙子(活動年代1923-1935ころ)
当時すでに宝塚歌劇、松竹歌劇もあった。「日本少女歌劇座」は先発が活躍する大都市圏を避けて地方でおもに公演していたという。ま、平たく言えば「どさ回り」。

山路妙子さん。失礼ながら、宝塚と比べるとやはりお顔も芸名?もイマイチあか抜けない。

こんな絵ハガキで集客していた。中世ヨーロッパの宗教画みたい。

ラインダンス絵葉書。なんか微笑ましい。


日本だけでなく、当時日本が進出(侵略?)していたアジア方面にも遠出していた。


このころはまだ、「レビュー」だの「PROGRAM」だの後の敵性語も使い、演目も明るい。

歌舞伎みたいな演目もやっていた。



専用貸し切り列車で全国行脚。なかなかの人気ぶりだったらしい。


北は北海道から南は九州まで全国行脚し公演。赤点が興行地。


太平洋戦争が厳しくなってきたころ。
桃太郎が子分どもを連れて米英をやっつけるというお話。犬、サル、キジは被り物。もはや「少女歌劇」ではないような…。
「レヴュー」という敵性語が「大舞踊劇」に置き換えられている。


「聖戦二年 大舞踊劇銃後の国民○○」「聞けよ米英!!亜細亜十億の雄叫び○○」の文字が躍る。
「負け犬の遠吠え」ってか。


北朝鮮駐留部隊を慰問。


敗戦。孔雀劇場は爆撃で焼失。


そして戦後の台本。その豹変ぶりにご注目!


台本、「歌劇」の歌の一部。
「 ♪俺達は朗らかな復員者。何が何だかわからずにオエライ方の命令で戦争に行ったけど...。
.......
死んでいった戦友にゃ済まないことじゃがこの通りピンピン達者で生きて来た。
戦争なんかつまらない。勝っても負けてもつまらない。ほんとにほんとにつまらない。」


1950年(昭和25年)、OSKトップスター秋月恵美子(前列中央サインの女性)と。やっぱりOSKはオーラが違う。芸名もあか抜けてるわ。
OSKと言えば、今は無き「あやめ池遊園地」でも公演していたそうな。


創立者にして団長の島幹雄。AKB、SKE、NGTその他の秋元康みたいなお方、らしいが結構謎多き人物。政財界、興行界に顔が利いて、地方のヤクザが絡んできても追い返すほどのお方だったらしい。


機関紙。発見されている最新のものは1952年版。これ以降は見つかった記録も少なく、1957年を最後に公演記録も途絶えているらしい。


カエル展

2019年08月25日 | アート

木津川市でビエンナーレとして開催されている「木津川アート」。
次回は2020年秋の予定ですが、プレイベントとして拠点の「キチキチ」で開かれている「カエル展」を観てきました。

なぜカエルなのか?
昨年まで10年間、プロデューサーとして大会運営を引っ張ってこられた佐藤啓子さんが昨年、逝去されたので追悼も兼ねて佐藤さんのご趣味だったカエルグッズ収集にちなんでの”原点にかえる”意味も込めての開催。

カエルの馬跳び?カエルの指輪です。


ダイオウグソクムシ?カエルには見えんなあ。

一目見て「放射能マーク」!と思いました。

作者の解説(次の画像)を読むといろいろの見方や推測がされていて興味深いです。アート作品とは作者の「表現」の手段であるとともに、「鑑賞者」の頭の中を映し出す「鏡」でもあるのだなと改めて思いました。

愛知トリエンナーレの「表現の不自由展 その後」中止騒動。がこんなところにも反映。
もしこの作品が、広島・長崎や福島で展示されていたら、鑑賞者は何を感じどんな声が上がるのだろうか。


「鳥獣戯画」あたりから始まる日本のマンガの伝統的カエルさん。


作品が置かれたガラステーブルに窓の景色が映りこんで、まるで空中に浮いているような不思議なVR空間が出来上がっていました。


「カエルを被って周りの景色を見てください」とあるので被ってみた。

次の動画のような景色が見れました。

ちょっと分かりずらいけど、確かに天井と床が逆転している。そのわけは?(次の画像に説明)

ピンホールカメラ.。
ところであなたは、鏡に映る像は「左右逆になるけれど、上下は逆にならないのはなぜか?」子供たちにも分かるように説明できますか?

これも光のいたずら。作品の額のガラスに部屋の窓が写りこんでカエルの上を動いている。

今回の出展者、特に女性作家さん
はピンクのカエルがお好みのよう。


本物みたい!近づいてよくよく見ると「刺繍?」でした。スゲー!

カエルカレー。カエル肉は入っていません。