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てらまち・ねっと



 めったに行われることがない「首長や議会、議員のリコール」。
 このブログでもずっと採りあげてきた鹿児島県阿久根市では、今日、「市長のリコール」開始の手続きがされるという。
 今朝のNHKの全国放送のニュースは、そのことを詳しく流している。

 河村市長がリードする名古屋市では、「議会のリコール」を明日17日に手続き開始=「代表者証明書の交付申請」=し、市選管は10日近くたって「代表者証明書」を交付、市民は27日から署名開始、という段取りになっているらしい。
 「10日」とはやけに長い選管の準備期間と思うが、そこは市長と選管の関係だから、思惑が日数に入れてあるのだろう。

 ところで、名古屋は「代表10人」で始めると報道されている。
 過去に9回、直接請求をやった私の経験では、代表の人数が多いと大変だ。

 何がかというと「代表者の自署」はともかく、「代表者の押印」が必要なものの典型として、「署名簿に綴りこむ委任状」があるからだ。
 この「委任状」には、もし「代表者の印」一つでも欠けていたら、その「欠けた署名簿」の署名全部が無効になってしまう、恐いルールがある。

 実際に、初めてやった直接請求のとき、代表を6人にしたのだけれど、印が一つ欠けていることに気づかず、「その署名簿1冊」をパーにしたことがある。
 悔しい思いをした。

 その後、別のときに弁護士たちと話し合ったことがある。

 「自署」は本人が署名すること、「記名」は自署でもいいしワープロ印字でも「名前」さえ表示してあればよい、これらは当然。

  では「署名簿の委任状の代表者の押印」の解釈を話し合ったが、署名簿がたくさんあるので「印のもれ」をなくすために「赤色で印刷」してはダメだろうかという私の問に、ある弁護士は「押印」とあるから、印刷ではダメで「判を押す」というのが慎重な解釈、もし、後で「ダメ」になったら大変だから慎重にとの弁。

 (もっとも、選管が「印刷でも可」といえばそれで済むことなんだけど)

 仕方ないから、それ以後は、自分ひとりか、2人程度で条例の制定や廃止の直接請求をやってきた。
 合計9回。
 今度、県議のリコールをしようというわけ。
  「選挙公営において詐欺をした」ことを認めているのに辞職しない県議をやめさせるため。 

 私にとっても、初めての「リコール」。
 
 ということで、ここ岐阜県山県市の県議のリコールは、まもなくスタートする。
 名古屋や阿久根と違って、ここのことはまったく報道されていないけど、3つのリコールが同時進行していくわけ(笑)

 先週、県選管には、「代表者証明書」の交付に1週間も10日もかけるようなことはしないでね、と求めたところ、翌日「X日で」との数字は示してくれた。
 山県市だと「翌日」にはくれるのだけれど、県議のリコールなど、全国にも例がないらしく、慎重になるのかなぁ・・・

 もちろん、県のリコールの場合は、「直接請求の代表者であることの証明書」のためには、「有権者名簿を管理する市町村選管」に「文書」で「ちゃんと住民であるか」を確認しないといけないので日数が掛かるといわれれば仕方ない。
 この車の時代でも、人力の「飛脚」のようだ。

 そして、今日は10時半からの岐阜地裁での「県議選、選挙公営における水増し分の返還を求める住民訴訟」の弁論を済ませてから、県庁の県選管に行って、山県市のリコールの手続きなどの確認、調整をしてくる段取りになっている。

 ところで、名古屋市のリコールのことを特集した14日の中日新聞の「核心」の中に、興味深い記事があるとともに、間違いでは、あるいはひょっとして「リコールする市民も勘違いしていない?」と懸念する表現があった。
 
 興味深いところは、
 総務省の統計では、議会の解散を求める署名活動は2003年~06年度の4年間に全国で59件の届け出があり、33件で住民投票を実施、28件でリコールが成立。有権者が20万人を超える都市で成立した例はない。

 ふむふむ、署名の達成率約60%、リコール投票の成功率約90%、とは面白い。
 他に、首長のリコールなどもあろうから、全国で「年に10件」ほどか。
 それが、今回は「3件」が進むのか。ひょっとしたら、他にもあるかもしれない・・

 懸念は、記事の小見出しの
  押印が必要

 が、決してそうではない。
 署名を集めるとき「印鑑を持っていない」ということはしょっちゅうある。
 そんなときは、「指印」で良い。
 「印鑑が必要」と堅苦しく思って署名を集めたら数が集まらない。
 指印でもよいことは判例で確定している。

 要は、「氏名が自署」されていればあとは、難しく考えることはない。

 私は直接請求の署名を出すときは、役所に「署名の有効、無効についてのこちらの見解」を文書で渡すことにしている。
 もちろん、私見ではなく「判例、実例、解説」などの「まとめ」。
 今回、リコールということで、データを追加した改訂版を作った。

 こちらのスタンスということで、今日、県選管にも渡しておく。
 インターネットに置いたので、ご利用は自由。PDF版とテキスト版、両方作っておいた。

 なぜなら、署名集めをより楽にし、「無効」と判定される署名を少なくするために(裏返すと、意地の悪い選管は「無効を増やす」から)。

●《直接請求における署名の住民側から見た注意事項などのまとめ》
   ◎ PDF A4版 4ページ 183KB
   ◎   テキスト 8KB

 このブログの末にも載せておく。

 ところで、名古屋市のリコールの進む日程もその中日新聞に出ている。

 だいたい、こんなイメージと時間で進む。

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 議会リコールを  名古屋市長が先導  
 『民意』で対立打開  まず36万人署名

(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 減税や議会改革を公約に掲げ、昨年四月の名古屋市長選で史上最多の五十一万票を得て当選した河村たかし市長が二十七日、市議会の解散請求(リコール)に踏み切る。

「家業化した議員が公約の実現を阻んでいる」との理由だが、議会は「暴挙だ」と猛反発。地方自治で車の両輪に例えられる市長と議会の対立は、百七十九万人の有権者を巻き込む異例の場外バトルに発展しようとしている。(社会部・宮本隆彦、北島忠輔) 

・・・・ 
■ 押印が必要
 「結構、行けると思いますよ」。市長はリコール成立に自信をのぞかせる。
最大のハードルは、一カ月問に約三十六万六千人分の署名を集められるかどうかだ。
 署名には、氏名と住所、生年月日と押印が必要。同じ人とみられる筆跡が複数あると判断されるとその署名は無効となる。後に署名簿が公開されるため、特定の市議の支援者の中には署名をためらう人も予想される。
・・・・

 議会の解散請求(リコール)
地力白治法に定められた住民の直接請求手続き。原則として、届け出から1カ月以内に集めた有権者の3分の1以上の署名が必要。有権者が40万人以上の都市は条件が緩和され、名古屋市だと6月時点で36万6124人の署名がいる。
総務省の統計では、議会の解散を求める署名活動は2003年~06年度の4年間に全国で59件の届け出があり、33件で住民投票を実施、28件でリコールが成立。有権者が20万人を超える都市で成立した例はない。



●【河村vs市議会】 市議会のリコール、17日に証明書申請
     中日 2010年8月15日
 河村たかし名古屋市長と対立する市議会の解散請求(リコール)に取り組む「ネットワーク河村市長」は14日、リコールに必要な請求代表者証明書の交付を17日に市選挙管理委員会に申請すると決めた。リコールに向けた正式手続きの第一歩で、交付を受ける27日から署名集めを開始する。

 請求代表者は、ネットワークを構成する6団体の代表者ら10人が務める。

 市議会の解散が実現した場合は河村市長も自ら辞職し、出直しの市議選と市長選が行われる見通し。市長側は投票率アップなどを狙い、来年2月6日が有力視される愛知県知事選も含めたトリプル選としたい意向。日程を逆算して27日を署名開始と決めており、交付に10日程度かかる証明書を17日に申請する。

●河村名古屋市長、議会リコール署名27日開始
     2010年8月2日20時46分 読売新聞
地方行政
 名古屋市の河村たかし市長は2日の定例記者会見で、支援団体「ネットワーク河村市長」が準備している議会の解散請求(リコール)の署名活動を今月27日から開始することを明らかにした。


 出直し市議選を来年2月に予定されている愛知県知事選と同じ日に行うために逆算し、決定したという。河村市長は、リコールが成立した場合、信を問うために辞職し、同日、出直し市長選を行うと表明している。

 署名は開始日から1か月間で、有権者の2割に相当する36万5000人分集めることが必要。その後の住民投票で過半数を得ればリコールは成立、市議会は解散し、市議選が実施される。これらの必要期間は約5か月。

 河村市長は、「議会の構成を変えなければ、恒久減税や地域委員会などの公約は来年度以降は実施できない。署名は最後の合法的な手段。一市民として街頭に立って呼び掛ける」と強調。そのうえで、自らが代表を務める地域政党「減税日本」から、市議選には過半数以上、知事選にも候補を擁立したいとの考えを示した。

 市議会の横井利明議長は、「雇用や福祉、景気対策など市政の課題は山積しており、いつまで政治ゲームを続けるのか。市議選の任期満了が来年4月に迫る中、リコールと選挙でよけいな税金が使われる」と批判。これに対し、河村市長は「衆院はしょっちゅう解散している。争点がきちっと絞られる。民意を問う、選挙の本来のあり方だ」と反論していた。

●阿久根市長解職求め 手続きへ
     NHk 8月16日 4時15分
市議会を開かずに専決処分を繰り返している、鹿児島県阿久根市の竹原信一市長について、市長に批判的な住民グループがリコール、解職請求に向けた署名集めを始めるため、16日、必要な手続きを行うことにしています。

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は、市議会招集の請求に応じず、補正予算などの専決処分を行ったため、先月、知事から違法だとして2度の是正勧告を受けています。

 こうした事態を受けて、阿久根市では、竹原市長を独善的だと批判する住民グループが市長の解職を目指しています。住民グループでは、リコール、解職請求に向けて署名集めを始めるため、16日、市の選挙管理委員会に対し、代表者の届け出など必要な手続きを行うことにしています。

 手続きが済めば署名活動を始める予定で、定められた1か月の期間に有権者の3分の1以上の署名を集め、竹原市長の解職の賛否を問う住民投票を実現させたいとしています。阿久根市の有権者は、6月23日現在2万18人となっていて、住民投票の実施にはおよそ6700人の署名が必要となる見込みです。

 竹原市長は市議会と対立して、去年2度、不信任を決議されて失職しましたが、その後の市長選挙で再選されています。

 住民グループの動きについて、NHKは竹原市長にコメントを求めましたが、阿久根市の副市長に選任された仙波敏郎氏が「竹原市長は取材は受けないと話している」と回答しています。

《直接請求における署名の住民側から見た注意事項などのまとめ》
              (転記等作成/寺町知正/2010.8.14最終記載)

1. 【「直接請求制度の解説」(ぎょうせい・刊)】・・自治体側も住民側も参考書とする唯一と思われる文献のページのこと。絶版。 ※ページとは、当該書籍のページのこと。

◎署名簿の形式審査
◆委任日の記載が全く欠けている署名収集の委任状を添付した署名簿により収集された署名の効力は、当該署名が委任後になされたものであることが明らかである限りは、当然無効とはならない(昭和30,12,1行政実例、昭和33,1,29行政実例)(以下、137ページ)

◆委任届に記載された委任年月日と委任状に記載された年月日か相違する場合、一般的には委任状の年月日を基準として署名の審査をすべきである(昭和33,1,11行政実例)。

◆表紙に付した一連番号に欠号のものがあっても、そのことのみでは無効とはならない(昭和28,11,11行政実例)。(以下、138ページ)

◆署名簿の様式が、有効無効欄、備考欄を欠いていたとしても、そのような軽微な瑕疵は、その署名簿の効力になんら影響を及ぼさない(昭和28,6,12最高裁判決)。

◆ある署名簿中に、署名年月日が相前後して記載されている場合も、個々の署名が有効になされている限り、当該署名簿は、無効とはならない(昭和28,11,11行政実例)。

◆改編された署名簿の効力について、本来独立の署名簿であったことが確認され、各分冊とも適法に署名収集がなされたものと認められる限り有効と解する(昭和28,11,11行政実例)。

◆署名簿に添付すべき書類が正規の場所に綴り込まれていない場合は、それによって必ずしも署名簿の署名が無効となるものではない(昭和28,11,11行政実例)。

◆請求書、代表者証明書以外の余分の書類が添付してあった署名簿でも、そのことによってただちに無効とされるものではない(昭和23,10,31行政実例)(以下、140ページ)

◆署名収集受任者の住所の記載が不完全な署名収集委任状を添付して当該受任者が収集した署名は、有効である(昭和37,7,11行政実例)

◆受任者が審査前に死亡したことにより選挙人名簿から抹消された場合も、当該受任者の収集した署名は有効と解すべき(昭和42,12,27行政実例)(以下、140ページ)

◎実質審査
◆ただし、(住所の記載を欠く場合も、)署名の記載順序等から同一の住所と推定できるときは有効である(昭和28,8,25行政実例)(以下、142ページ)。

◆署名年月日の判然としない場合も、法定期間中に署名したものであることが前後の状況によって明らかに認められるときは有効(昭和32,1,22行政実例)。(以下、142ページ)。

◆署名年月日、住所、生年月日等の記載は、署名と異なり、自署することは要件でない(昭和23,8,9行政実例ほか多数)。

◆氏名、住所、生年月日の記載が誤記と認められる場合、氏名、住所、生年月日が選挙人名簿と異なっている場合でも、本人を指すものと確認できるときは有効である(昭和27,11,15行政実例ほか。昭和28,6,22福島地裁判決)。

◆署名者が転居のため選挙人名簿の住所と異なる場合も有効であり、住所、生年月日等を書き換かえて訂正印を押していない場合も、本人が書き換えたと明白に認められる限り有効である(昭和23,12,15行政実例)

◆署名年月日が相前後して記載してされていても、単にそれのみでは無効ではない(昭和28,11,11行政実例)

◆同一署名年月日又は同一住所であることを示す意味で「〃」と記載したものは有効である(昭和23,8,22行政実例)。(以下、142ページ)

◆署名後に転出、失権しても有効である(昭和29,2,26最高裁判決)。

◆署名は、名が自署である以上、その姓を書かなくても有効(昭和30,2,7盛岡地裁判決)。

◆鉛筆による署名は有効である(昭和23,10,31行政実例)。

◆書き損じのため紙片を貼付して氏名を記載したもの有効である(昭和23,10,31行政実例)。

◆住所、生年月日、氏名を書き換えた場合に、訂正印を施さなくても、本人が書き換えたことが明白であると認められる限り有効である(昭和27,11,15行政実例)。

◆同一家族が引き続いて署名する場合、姓が同一であるという意味で「〃」「同」として名のみ記載しても、ひらがな、カタカナ、ローマ字による署名も有効である。(昭和24,1,20行政実例)。(以下、146ページ)

◆自署であれば、誤字脱字であっても、選挙人名簿の氏名と異なる場合でも有効である(昭和23,12,1行政実例)。

◆戸籍どおり書かなくても、本人の署名と認められる限りは有効(昭和23,10,31行政実例)。

◆指の印は差し支えない。
 
2. その他の資料からまとめた要点
● 委任届出書の提出時期の委任
 署名収集委任届出書を直ちに届けるとの規定の「直ちに」とは、行政実例上、「能う限り速やかに」の意であって、「少なくとも署名簿を選挙管理委員会に提出するまでの間において能う限り速やかに」の意と解すべき(行実s27.2.20)。判例は、市町村の選挙管理委員会の署名の効力審査前に委任届出があった場合には、「直ちに」届け出られたものとはいえなくても、それだけでは署名の効力には影響を及ぼさない(最判s28.11.20)。

●押印は、署名者を特定し、その意思に基づいて署名がなされたことを明らかにするためのもの。署名者を特定できる以上は、拇印によることも許される(行実s23.4.12、行実s23.8.13 神戸地判s29.9.30 等)が、他の指印との異同が識別できる程度に顕出されていなければならない(佐賀地判s37.3.20)。

●同一家族の者が同一の印を用いる場合でも、本人の意思に基づく限りその者の印として取り扱われる(行実s23.7.12)が、同一姓でない家族の捺印は無効で、世帯主の名のみの印を使用した場合は無効(行実s27.8.19)。

●署名は自書しなければならないが、押印は、自己の意思に基づき他人を機関として押捺させる場合には有効である(広島高判s25.12.23)。しかし、拇印は別で、同一家族がそのうちの1人によって全部の署名に拇印を押した場合、本人の分のみが有効(行実s28.8.25)。

●委任状のみ表紙の次に綴り込み、請求書及び請求代表者証明書(又はその写し)は署名用紙の次(裏表紙の前)に綴り込んだ署名簿は、瑕疵のあるものではあるが、これによって必ずしも無効となるものではない(行実s28.11.11)。

●請求代表者の氏名は記名で足り、自書を要しない(東京地判s37.6.7)。

●委任状及び委任届の委任年月日が請求書写及び代表者証明書写しの日付の前であっても、請求代表者証明書交付後に署名収集している場合には署名は有効(行実s33.1.29)。

●署名年月日も自署でなければならないが、もし自署でない場合、氏名が自署であれば有効(行実s27.2.13)。

●個々の署名の署名年月日が前後してその一連番号の順序と一致しない点があるとしてもこれをもって直ちに署名の連続性を欠くものということはできない(新潟地判s28.12.24、行実s28.11.11)。

● 署名年月日欄に前欄署名者と同日に署名した場合「〃」の記載のあるものは有効(行実s32.1.22)。

● 氏名、署名年月日は自署でなければならないが、それ以外の事項については、請求代表者において記載して差し支えない(行実s25.12.11)。

●住所、生年月日の記載していない署名は無効(行実s25.12.11,行実s29.5.14)。

●住所・生年月日のない署名は無効。ただし、署名の記載順序から同一住所と推定される場合は有効。また、記載内容が選挙人名簿と相違しても、単に誤字脱字であって本人であることが確認できる場合は有効(行実s28.8.25)。生年月日の誤記について同趣旨(福島地判s28.6.22)。

●戸籍どおりに記載されていなくても本人の署名と認められる限り有効(行実s23.10.31)。

●署名中の氏名が誤字脱字等により選挙人名簿に登載された氏名と異なる場合でも無効ではないが、付箋でその旨表示するのが適当(行実s23.12.1)。

●名のみを自書し、氏の記載が自筆でなくても有効な署名である(盛岡地判s30.2.7、新潟地判s28.12.24)。

●印はやむを得ない場合は拇印でも差し支えない(行実s23.4.12)。

●拇印も有効である(行実s23.8.13)。

●数人の家族が連名する場合、同一認印を用いた場合有効(行実s23.8.13)。

●同一家族が2、3人おきに署名押印し、印が同一姓で同一印であると判断できる場合、本人の意思に基づく押印である限り有効。(行実s23.7.12)。

●押印は必ずしも自分の手で押捺することを必要とするものではなく、自己の意思に基づき他人を機関として同人をして押捺させても無効ではない(広島高判s25.12.23)。

●押印がなされたというためには、印影の場合は判読可能であることを要し、指印の場合はそれが他の指印との異同が識別できる程度に顕出されていることを必要とする(佐賀地判s37.3.20)。

●署名者の生年月日や署名が所定の欄外にはみ出して他の欄に及んでいてもその署名は無効とならない(福島地判28.6.22)。

●法は、直接請求に関する署名について厳格な形式を要求する一方、(同一)請求代表者が選挙管理委員会に署名簿を提出するまでという期間を区切って署名押印の取消ができることとしていることから、詐偽又は強迫という不法な手段がとられた場合以外は、内心的効果意思について、いちいち問わない表示主義を取っている(水戸地判s28.7.31)。
したがって、署名の意味が不明のままで直接請求の署名簿に署名した署名であっても所定の方法により取り消されない限り有効(最判s29.2.26)。
                           以上


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