●長岡京 ハチク 神秘の花 120年周期 全国現象の前触れか
2013年06月05日 京都新聞
京都府長岡京市の竹林で、ハチクの花が咲き、稲穂のような形状のふくらみが枝先に多数ついている。長年タケノコを栽培してきた竹林所有者は「花を見るのは初めて」と不思議がり、およそ120年周期の全国的な一斉開花の前触れでは、と専門家は推測している。
同市井ノ内の農業橘敏一さん(78)が5月末、作業で竹林を訪れたところ、50本ほどのハチクの上部に黄緑色の花が大量に咲いているのに気づいた。イネ科のため花びらはなく、小穂(しょうすい)と呼ばれる鳥のくちばし状のふくらみからおしべなどが出ていた。橘さんは「ここでは戦後まもなくハチクの栽培を始めたが、今まで花が咲いたことはなかった」と話す。
竹文化振興協会(京都市左京区)の渡邊政俊専門員は「ハチクの開花周期は120年ぐらいとみられ、明治期の論文などから2020年代後半に全国的に一斉開花すると予想していた。長岡京市のケースはその前触れだろう。珍しい現象だ」と話している。 |