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てらまち・ねっと



 今朝は経済のことを少し見た。
 日本の株価は暴落続き。震源は中国と原油安、という。
 
 今は中国の動向が世界を変える。≪フォーブス ジャパン≫★≪中国がくしゃみをすれば世界が風邪をひく、というのは決して誇張ではない≫
 そんなことで、今日は、「中国」のことなどを見て、「原油安」のことは明日にしよう。
 今日は以下を記録。
 なお、東京は雪が降ったという。こちらでは、今冬、雪を見た覚えはない。
 今朝は「-2度」と、今冬の最も寒い朝に近い温度。6時半の日の出前ごろから歩こう。

●日経平均株価 1月12日 17.218 前日比-479(-2.71%)★過去1か月 ★過去1年
●東京株終値、479円安で6日続落 昨年末から計約1800円の下げ/産経ビズ 2016.1.12

●中国経済の異変に韓国も不安の色、日韓通貨スワップ再開も?/サーチナ 2016-01-12
●2016年、中国経済4つの展望 市場崩壊は起きるのか?/Forbes JAPAN 2015/12/18
●UBSマグナス氏:中国経済の最悪事態を懸念-信用危機が潜在も/ブルームバーグ 2016/01/12

●中国の経済成長モデルは現時点で合法則的な移行期にある。IMFのラガルド専務理事/Sputnik 日本 2016年01月11日
●世界市場混乱の真犯人は資源バブル崩壊だ 中国経済の質的変化がもたらす真の意味/東洋経済  2015年10月07日
●中国政府の「浅はかな株価対策」/現代ビジネス 2016年01月11日

●中国の経済危機など比じゃない…忍び寄る米国バブル崩壊、世界的「通貨危機」の兆候/ビジネスジャーナル 2015.09.17

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日経平均株価
 1月 12日 17,218. 前日比-479.(-2.71%)
★過去1か月


★過去1年



●東京株終値、479円安で6日続落 昨年末から計約1800円の下げ
         産経ビズ 2016.1.12
 連休明け12日の東京株式市場は、投資リスクを回避しようとする売り注文でほぼ全面安となり、日経平均株価(225種)終値は前週末比479円00銭安の1万7218円96銭だった。下落幅は一時500円を超えた。

12日の上海株式市場で代表的な指数の総合指数が3000の大台を一時割り込んで乱高下するなど、世界の金融市場で不安定な値動きが続いている。11日のニューヨーク原油先物相場は一時1バレル=30ドル台に急落した。

 平均株価は今年に入って6営業日連続で下げ、昨年末の終値からの下げ幅が約1800円になった。


●中国経済の異変に韓国も不安の色、日韓通貨スワップ再開も?
          サーチナ 2016-01-12
 人民元相場が下落している。人民元の下落に対して中国当局も市場介入を余儀なくされている模様だが、韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版は「人民元安は中国の輸出を伸ばすことにつながり、韓国は対中輸出において新たな戦略が求められる」と論じた。

 記事は、韓国対外経済政策研究院の発表として、人民元安は短期的には韓国の輸出に大きな影響をもたらさないものの、長期的に見れば人民元安は中国製品の価格競争力を高めることになると指摘し、2016年は下半期にも人民元の下落にともなって中国の輸出規模は拡大する見通しだと伝えた。

 続けて、中国の輸出が増加すれば、半導体やパソコン、スマホ部品といった分野においては韓国の対中輸出は増える見込みだとする一方、中国の価格競争力が高まることで中国と競合関係にある国の輸出は減少し、韓国の輸出も減少することになると指摘した。

 一方で、中国株式市場で異変が起き、上海総合株価指数が急落していることについて、記事は「韓国と中国株の相関性は大きくない」としたうえで、韓国経済に対する影響は限定的との見方を示した。一方、中国株が長期的に低迷するようであれば韓国にもその影響が波及する恐れがあると指摘した。

 一方、中国メディアの匯通网は、韓国の次期副首相である柳一鎬氏はこのほど、韓国は日本との通貨スワップ再開について検討する姿勢を示したと報じた。通貨スワップとは、金融危機などの発生時に互いに通貨を融通しあう協定だ。日韓通貨スワップ協定が2015年2月に終了した際、韓国では「延長の必要はないと自信を持って言える」などといった報道が見られた。米国の利上げや中国経済の鈍化など、世界経済の先行きに懸念が高まるなか、韓国でも先行きに不安が高まっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

●2016年、中国経済4つの展望 市場崩壊は起きるのか?
         Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) 2015/12/18
2016年の世界経済における最大の課題は、中国経済の行方だ。中国がくしゃみをすれば世界が風邪をひく、というのは決して誇張ではない。

「中国経済の減速は、我々の想定よりも早いペースで進むかもしれない」とシティ・リサーチのアナリストは記している。「中国は製造業主導から消費主導の経済へ、国家主導から自由市場へと移行している。この流れの中で、見通しはさらに不透明になりつつある」とUBSは2016年の投資見通しレポートの中で述べた。2016年、世界第2位の経済大国に何が起こるのか。ウォール街のアナリストらの見方を聞いた。

GDP成長率はさらに減速するが、クラッシュは起きない
ウォール街は中国が2016年にクラッシュするとは考えていない。バークレイズ・リサーチのアナリストは、2016年のGDP成長率は6%まで減速すると予測。UBSのアナリストはやや楽観的に6.2%と予想。一方で、シティ・リサーチは5%強と考える。

中国経済は人件費の高騰などの問題に直面することは間違いない。しかし、ウォール街は中国政府がそうした変化に上手く対応すると楽観している。金融システムを支えるに十分なリソースを政府が有していることから、リーマンショックのような崩壊も起こらないだろう。クレディ・スイスのレポートも「長期的にはハードランディングのリスクもあるが、短期的には安定の兆候がみられる」としている。

将来的な利下げ
政府は2015年に幾度も金利を引き下げたが、経済の減速を食い止めるために金融緩和政策を続ける可能性が高い。背景には、経済成長の弱さがデフレ圧力を生んだこともある。バークレイズ・リサーチは2016年の上半期に2度、基準金利を25ベーシスポイント引き下げると予測している。しかし、シティのアナリストは「利下げを効率的に行うためには、政府による政策金利や金融市場への介入の仕方を改善する必要がある」と指摘している。

●UBSマグナス氏:中国経済の最悪事態を懸念-信用危機が潜在も
     ブルームバーグ 2016/01/12
 スイスの銀行UBSの上級経済顧問、ジョージ・マグナス氏は11日、中国市場の混乱で同国の信用危機と暗い経済見通しが覆い隠されている可能性が高いとの見方を示した。

マグナス氏はブルームバーグテレビジョンのトム・キーン、フランシーヌ・ラクア両司会者に対し、「個人的見解だが、全ての金融混乱の背後には信用危機が潜んでいる」と発言。「私は今や、最悪の事態を恐れている」と語った。

マグナス氏は中国政策当局のトップが昨年12月、金融政策の柔軟性拡大や農産物増産など多くの改革を公約したが、これでは不十分な可能性が高いと指摘。「漸進的な改革は、制度が機能する方法の変化や、そうした制度改革に伴う経済の対応方法の変化に代わるものではない。改革アジェンダは多くの重要な意味で失速して」おり、このため「中国の先行きは極めて暗くなりそうだ」と述べた。

●中国の経済成長モデルは現時点で合法則的な移行期にある。IMFのラガルド専務理事が述べた。
      Sputnik 日本 2016年01月11日
IMF専務理事、来年を「落胆すべきもの」と予想
「中国経済は極めて重要な移行期を通過中だ。非常に高いテンポの経済成長が認められた時期を脱し、より安定的な成長期に差し掛かっている」。新華社のインタビューで述べた。
同氏によれば、中国は今も世界第2位の経済大国だ。「中国は経済規模で米国に続いて第2位だ。その経済は成長を続けている。つまり、他国での原料購入が続くだろう」という。

ラガルド氏によれば、様々な原料を外国から買おうとする中国の注文の量は消費の下落に続いて低下しており、これで中国の原料生産国、たとえばアフリカ諸国への投資の一定の減少を引き起こしている。一方で同氏は、このプロセスは原料生産国の最大の顧客たる地位を変更するものではない、と強調した。

中国が通貨政策を含む経済政策を修正することに関しては、ラガルド氏は、再度、移行期にこうした動揺があるのは当然予想されることだ、と指摘した。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/business/20160111/1422906.html#ixzz3x1E6SVr5

●世界市場混乱の真犯人は資源バブル崩壊だ 中国経済の質的変化がもたらす真の意味
           東洋経済  2015年10月07日小幡 績 :慶應義塾大学准教授
 巨大な消費市場として成熟化していく中国。内需サービスを提供する企業にとって中国ビジネスはこれからが本番だ
8月から世界の株式市場が混乱している。そして、この原因は上海と深センの株式市場の暴落と中国経済の失速にあるとされている。

これは間違いだ。中国が原因で世界の株式市場が暴落したのではない。真犯人は別にいる。そして、今後の株式市場はこの真犯人の動向による。

まず中国経済についてだが、不動産市場は再度大きな調整が入る可能性が高い。崩壊すればまた別の大事件となり、今回のような下落では済まない。中国経済は最大の危機を迎えるだろう。では不動産市場が崩壊しない間はどうか。実体経済は順調だから、株価が一直線に下落していくわけではない。

中国の実体経済は転換点を迎え、高度成長期から成熟経済期への移行過程にある。2003年までは日本の1960年代と同様、都市部と農村部の二重構造を背景に高成長を実現してきた。農村部の過剰労働力が都市部に流れ込み生産力を増大させつつ、労働力の継続的な流入により賃金上昇を抑えてきた。大幅な賃金上昇による高インフレなしに、継続的な高成長を実現することができたのだ。

これは単純な量的拡大である。二重構造を持った経済であれば、構造的に自然に実現する。その際、政策として重要なことは、無駄に経済を過熱させたりその反動で落ち込ませたりしないように、インフレを予防し物価を安定させること。そして外貨を十分に確保し、通貨の安定性を確保すること。物価も為替も要は通貨価値であり、通貨価値の保全がもっとも重要なのだ。
・・・・・・・・・・(略)・・・

資源バブル崩壊こそ大混乱の真犯人だ
理由は単純で、中国の株式市場と世界の株式市場では、主要な投資家が異なるからだ。中国で個人や非金融部門の企業が損失を出しても、その財務的窮地、投げ売りのスピルオーバーは世界に広がらない。中国での売りが世界での売りを呼ぶ展開にはならないのである。あるのは唯一妄想だけ。中国バブル崩壊で世界バブルも崩壊するという妄想連想ゲームが起きた場合であり、日本だけで部分的に発生した。

中国不動産バブルが本格的に崩壊すれば、世界に大きな影響を与える。リスク資産市場の損失だけに留まらず、中国国内の銀行、金融システムに大きなダメージを与え、非不動産部門に広がるからである。中国実体経済は長期にわたり停滞し消費も崩れ、世界経済も停滞するだろう。

これは将来確実に起こる大きな危機であり、サブプライム危機同様、わかっていながら実際にはじけるとみながショックを受け、大きなダメージを受ける。ただし見誤ってはいけない。サブプライム危機におけるサブプライムは単なる象徴で、世界的に壮大なリスク資産バブルが起きていたことが主因だった。サブプライム自体は真犯人ではなかったのである。

中国不動産バブル崩壊が与える世界への影響は、パニックや金融市場崩壊とは異なり実体経済を経由するため、重い危機ではあるものの、冷静に対応すればコントロールは可能だろう。そのコストが多大だというだけだ。

さて、今回の危機の真犯人は誰か。それは、資源バブル崩壊に尽きる。米国のシェールガス関連ジャンク債市場の崩壊を核に、財務的なダメージを受けたファンドを中心とする投資家たちが流動性確保のためにあらゆるリスク資産を静かに売却し、ポジションを静かに閉じようとした。それを狙った仕掛けによって、世界の株式市場は混乱したのである。

成熟国ではもっともバブルが膨らんでいた日本市場がもっとも大きな影響を受け、調整局面に入っていた米国は震源地であるにもかかわらず、日本よりもダメージが小さかった。そして、今年利益機会の少なかったヘッジファンドのCTA(商品投資顧問)などが、この機会に乗じて派手に動いていることが振幅を大きくしている。

欧米の投資家のセンチメント(市場心理)はかなり悲観的になっている。悲観こそチャンスであるから、真の投資家たちは投資機会を狙っている。しかし、彼らは流動性など関係のない市場、商品を狙っているから、上場株式の混乱はまだ続くであろう。

重要なのは、長期的な実体経済の見通しだ。今回の危機が本当に怖いとすれば、短期の乱高下ではなく、長期的な世界経済の姿だ。中国実体経済の減速が危機の背景にあるとすれば、投資家たちの流動資産への値付けの乱高下、上場株の混乱に留まらず、世界経済もダメージを受ける。

資源価格暴落は中国経済が転換した象徴
しかし、中国経済は減速するものの順調である。そして、中国政府は減速に対する対策を取らないだろう。減速しなければいけないからだ。ここは中国の虚偽でないGDP増加率はマイナスではないかと疑っている人々の見方と異なるところだが、減速は致命的なものではない。

高度成長の量的な拡大から、成熟経済における質的な充実へ。中国経済は量から質への転換が進んでいる。経済構造、経済の発展構造が変わり進歩している。政府もその流れを止めようとはしない。為替は減価を狙わず、IMF(国際通貨基金)のSDR(特別引出権)入りを目指している。短期的にはGDP 増大に不利でも、普通の通貨になるための政策を取り続けるだろう。

中国は生産基地から巨大な消費市場となり、経済、生産、消費が質的に高度化していく局面に入った。中国をコストの安い生産基地として利用してきた企業にとっては中国の終わりであり、単なる需要不足解消のために利用してきた輸出企業も、中国依存では立ちゆかなくなる。


しかし、教育水準が高く質の高い労働力を多数抱えた生産拠点となり、サービスを中心とした成熟消費の市場となる中国は、内需サービスを提供する世界企業にとっては異なる様相を見せる。中国企業との提携を狙うM&A、ビジネスモデル投資を行う上で最大の市場となるのである。

中国市場を長期的視点から狙ってきた企業にとって、中国経済の変化は大きなプラスだ。収穫期に入ることを意味するからだ。一方、過去の中国の量的な拡大に依存してきた企業は大きな転換を迫られる。その象徴、先駆けとなったのが資源価格の暴落であり、資源国通貨の下落による資源依存国経済の衰退であり、資源依存による内需バブルが起きていた新興国経済の停滞なのだ。世界経済において、中国市場はこれまで以上に重要な存在となるだろう。

●中国政府の「浅はかな株価対策」
         現代ビジネス 2016年01月11日 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」
力で押さえ込もうという中国政府の愚かな考え
中国発の市場混乱の懸念が、世界の金融市場を振り回している。その背景には、中国経済の減速、株式市場でのサーキットブレーカーの発動、人民元の基準値引き下げなどが上げられる。世界的な原油価格の下落も重なり、多くの大手投資家がリスク回避的に動いており、当面、世界の金融市場は不安定な展開になるだろう。

特に重要なポイントは、中国政府が市場での売り圧力を人為的に食い止めようとしていることだ。共産党政権は力づくで、市場を押さえこむことができると過信している。そうした対応をとる限り、投資家の不安心理は高まりやすい。市場がより不安定になりやすい、ということだ。市場を長期間、力で抑えつけることはできないだろう。

今回の市場混乱を考える上で重要なことは、中国政府の高圧的な政策だ。特に、為替、株式市場での当局の力づくで押さえつける対応は、むしろ投資家の懸念を煽ってしまった。その背景には、中国経済の減速が一段と鮮明化していることがある。

昨年末から8日まで、人民銀行は人民元の基準値を1%以上引き下げた。これが人民元への売り圧力を高め、資本流出懸念を引き起こした。12月の外貨準備の減少額が過去最大だったことも重なり、人民元への売り圧力は高まった。

その結果、当局は為替相場でドル売り介入を行い、人民元の過度な下落を食い止めざるを得なくなっている。今後、人民銀行は為替相場での投機的な取引に対する監視を強める可能性もあり、市場に対する管理はより強くなるだろう。

また年初以降、深セン、上海の株式市場は10%程度下落した。市場の混乱を防ぐために、当局はサーキットブレーカーの発動による取引の停止、株式市場への介入や大株主に対する株式売却の制限を打ち出した。特に、7日には取引開始後30分足らずでサーキットブレーカーが発動し、終日取引が停止された。

当局は、度重なる売買停止の影響を懸念してサーキットブレーカーの停止を発表した。しかし、多くの投資家は当局の対応力や市場の流動性に不安を感じている。その結果、投資家が現金化を急ぎ、中国株の投げ売りが連鎖的に起きるのではないかという懸念も高まっているようだ。

教訓を活かせない中国
昨年夏の株価急落の際も、中国は株式の取引制限などを打ち出し、相場の管理を強めた。それが投資家の行動を制限し、世界的なリスクオフを引き起こしたことは記憶に新しい。しかし、なぜ中国はその教訓を活かせないのか。おそらく活かしたくても、そうはできないというのが中国の本音だろう。

なぜなら、中国は成長率維持のために金融市場での期待をつなぎ留めたいからだ。介入などによって売り圧力を封じ込めれば、一時的には株価の下落を抑えることはできるかもしれない。そのうちに政府は景気刺激策を出して景気を支えたいと考えているはずだ。

また、市場の混乱は景気への不安や不満を高め、政策の効果を低減させてしまうかもしれない。そうなれば過剰な供給能力の解消、消費拡大も進めづらくなる。そうしたリスクを避けるために、中国政府は相場管理を続け、時にはより厳格な姿勢で臨む可能性がある。

中国政府が景気刺激策を発表すれば、一時的には景気への期待が高まり、人民元や株価の反発を誘うだろう。同時に、それは不安を感じる投資家にとって絶好の売り場にもなるはずだ。そのため、今後は為替レートや株価が乱高下しやすい状況が続く可能性がある。

すでに市場は中国発のリスクに備えつつあるようだ。予想を上回った12月の米雇用統計に対し、初動動作として、これまでのような円安、米金利の上昇は確認できなかった。この動きは昨年までの反応とは異なる。徐々に市場がリスクオフモードに動きつつあることは考慮すべきだろう。


●中国の経済危機など比じゃない…忍び寄る米国バブル崩壊、世界的「通貨危機」の兆候
          ビジネスジャーナル 2015.09.17渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」
 アメリカの利上げが、世界的な話題になっている。
 以前から、アメリカは「利上げを行う」と宣言しており、ある意味で1年以上前から利上げの実行が予告されてきた。しかし、中国経済において、バブル崩壊ともいえる株式の大暴落が起きたために、アメリカの利上げについても不透明化しているのが実情である。
 アメリカとしては、基本的に「年内の利上げは譲れない」というスタンスであり、9月16~17日に開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが開始されるかどうかが、世界的な焦点のひとつとなっている。

 アメリカは、なぜ利上げにこだわるのだろうか。そこには、明確な理由がある。今、ニューヨークなどの不動産価格は、2008年のリーマン・ショック以前の水準を大きく超える状況になっており、マンハッタンなどでは明らかにバブルが発生している。

 アメリカは過剰流動性(貨幣が正常な経済活動や資金需要を上回った状態)にあるといえるわけで、このままドルの量を増やし続けた場合、バブルはさらに拡大していき、アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度(FRS)が制御できない状態に陥る可能性もある。
 そういった指摘がされるなか、アメリカは失業率も実体経済も回復基調にある。さらに、不動産価格も過熱気味であるために、金融当局としては、「このあたりで少し引き締めを行い、バブルを抑制したい」という狙いがあるのだ。

アメリカの利上げが世界に与える影響
 しかし、前述のように中国株の大暴落が7月に起きてしまった。不安定化する国際社会のなかで、ドルは中心的な役割を担っている。そのため、その動向がさらに注目されているのだ。

 世界の債券の60%近くは、いまだにアメリカのドルで発行されている。いわゆる、ドル建ての債券だ。ドル建ての債券を返済するためには、当然ながらドルが必要になる。既発の債券をロールオーバー(乗り換え)する際も、同様だ。
 しかし、「利上げを行う=通貨量を減らす」ということになるので、結果的にドルの資金調達はしづらくなる。アメリカが利上げすると、ドルの調達金利が上がることになるわけだ。

 これは、一律に上がればいいが、実際はそうではない。通貨量が減るため、椅子取りゲームのような状況になり、弱者はドルが調達できないということになりかねない。

 その結果、場合によっては通貨危機が発生してしまう国が出る可能性も否定できない。特に、資源に頼る新興国は深刻だ。資源価格の下落とアメリカの利上げが同時に発生した場合、通貨危機を招く危険は高くなる。

例えば、原油価格の国際指標である米国産標準油種(WTI)は、昨夏は1バレル=100ドルを超えていたが、現在は同40ドル台まで低下している。単純に考えて、同じ量の石油を取引した場合、以前は100ドルを得られていたのに、今は40ドルしか得られなくなってしまったわけだ。

 しかし、アメリカとしては、そういった側面は鑑みず、あくまでアメリカ自身の事情で利上げを行いたい。なぜなら、アメリカ経済が再びバブル崩壊に陥った場合、その影響は中国の比ではなく、アメリカだけの問題では済まないからだ。
 もし、アメリカで再びリーマン・ショック級のバブル崩壊が発生したら、今度は誰がどういった手を打つのだろうか。明確な答えはない。だから、それを未然に防ぐためにも、「利上げをするかもしれない」と言っているのだ。

 また、アメリカと同時期に大規模な量的緩和を行ったイギリスも、同様の状況にある。ロンドンの不動産価格はすでにバブル状態にあり、建設ラッシュが起きているのだ。

 これを早めに抑制しない限り、イギリスもバブル崩壊に陥る可能性がある。アメリカ、イギリスという金融大国の2国が金融危機に陥れば、その影響は計り知れない。そういった可能性を早期に排除しようというのが、アメリカの利上げの意図であるともいえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

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