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てらまち・ねっと



 愛知・岐阜の廃棄食品の転売問題。最初は、「たまたま」の案件かと思ったけれど、複数件の物品に広がったので、「裏の世界」が絡む話か、との印象に転換していった。
 過去にも、岐阜県御嵩町の大規模産廃処分場計画とそれを後押しする県の行政や裏でつながると指摘された当局、・・・・あとで裏があると教えられた。
 石原産業のフェロシルトの問題の時も、なぜこんなに広地域にばらまかれたのかと考えたとき、裏があるのだろうと思った。

 どんなときも、表に出てこないまま終わってきた。が、今回は違う可能性もあるようだ。
 1月25日の読売新聞は★≪自社製品の信用にもかかわる問題だけに各社の対応は素早く、今後、他メーカーへの波及も予想される。≫
 関係者が正直に答えれば、「公に到達するところ」も違う。

 そんな思いの中、愛媛新聞の25日の社説は、
 ★≪廃棄食品横流し 闇の背景を社会全体で考えたい≫とストレート。中は、さりげなくまとめていた。

 明確だったのは、ダイヤモンド・オンライン(26日)窪田順生氏の ★≪黒幕発覚はこれから!? 廃棄食品横流し事件の深い闇≫。
 一部だけ紹介すると、
 ★≪水面下ではさまざまなフードロンダリングがおこなわれた可能性がある。そこで暗躍するといわれるのが、「廃棄食品ブローカー」だ。≫
 ★≪ダイコー大西会長の初犯が「風評被害じゃこ」というのは、「廃棄食品ブローカー」からの悪魔の囁きに乗ってしまったことを意味するのではないか。≫
 ★≪今回の不正がこれまでの産地偽装などと異なるのは、「食品リサイクル」と「食品流通」という2つの大きな闇が横たわっている点だ。蜘蛛の巣のように張り巡らされた流通経路のなかで、「黒幕」までたどりつくのは容易なことではない。愛知県警の奮闘に期待したい。≫

 ということで、次を記録ないしリンク。

●ダイコー「破格の安値」で廃棄受注 5年前から横流しか/朝日 2016年1月24日
●ダイコー「領収書作らず」 廃棄カツ、みのりフーズへ売却時/中日 1月25日
●廃棄食品横流し、会長独断か 「管理票うそ記載を指示」/朝日 1月26日
●ココイチ以外の食品52品、直接廃棄依頼なし/日刊スポーツ 1月25日
●廃棄されたチキンカツを岐阜県の3スーパーで販売/名古屋テレビ 1月25日
●廃棄チキンカツ2万枚流通か ココイチ製/読売 1月26日
●食品各社 横流し防止策続々 包装破り処分/読売 1月25日
■廃棄食品横流し 闇の背景を社会全体で考えたい/愛媛 1月25日 
★黒幕発覚はこれから!? 廃棄食品横流し事件の深い闇/ダイヤモンド・オンライン(26日)

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●ダイコー「破格の安値」で廃棄受注 5年前から横流しか
     朝日 2016年1月24日
 廃棄カツなどの横流しを認めた産業廃棄物処理業ダイコー(愛知県稲沢市)は、イオンやニチレイフーズなど大手企業の食品の廃棄委託を受けていた。従業員50人程度の中堅企業に、なぜ全国から廃棄食品が集まったのか。「破格の委託料で取引先を奪われた」と証言する同業者もいる。

 「他に安い業者が見つかったから、おたくには降りてもらう」。愛知県三河地方にある産廃業者の元役員は6年ほど前、大手食品メーカーからそう言われたのを覚えている。それがダイコーの前身の会社だった。

 この業者も廃棄食品の堆肥(たいひ)化を手掛けていた。安さを売りにしていたが、ダイコーの委託料はその7割程度。ほかにも数件、取引先を奪われた。「考えられない安さだった。処理せず横流ししていたとすれば、ぼろもうけですね」


 一方、横流しが判明した廃棄ビンチョウマグロをダイコーに運んだ静岡市の産廃業者は「大きな会社と取引をした実績があり、疑ってかかることはなかった」と振り返る。

●ダイコー「領収書作らず」 廃棄カツ、みのりフーズへ売却時
       中日新聞 2016年1月25日 16時00分
 廃棄されるはずの冷凍カツなどが不正に横流しされた事件で、廃棄の依頼先だった産業廃棄物処理業「ダイコー」(愛知県稲沢市)の代表(75)が、食品卸売業「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)に冷凍カツを売却した際、「領収書や契約書などの書類を作成しなかった」との趣旨の説明をしていることが、代理人弁護士への取材で分かった。

 不正な取引の表面化を防ぐため、形跡が残らないようにした可能性があり、愛知、岐阜両県警の合同捜査本部は押収資料などを基に、経緯を調べている。

 両県警などによると、問題の冷凍カツは壱番屋(愛知県一宮市)が昨年10月、4万枚の廃棄をダイコーに委託。ダイコーは一部を堆肥にした上で、残りはみのりに売却したとされる。代理人弁護士によると、代表は「約5トンを80万円で売った。その際、領収書や契約書などは作らず、現金でやりとりした」といった内容の話をしているという。

 代表は、これまで弁護士に対して、みのりにカツを横流しすれば食品として流通するため、「ちゅうちょはしたが、魔が差した」と説明。当時から、取引について不正を認識していたことをうかがわせている。

 みのりの実質経営者(78)も取材に「ダイコーは、伝票は残さず、現金でやりとりしようと言ってきた」と証言。また、カツの転売先との取引についても伝票類の作成を否定する一方、一部の業者に出した領収書の写しについては、事件発覚後に「廃棄した」と明らかにしている。

 愛知県警は、冷凍カツを壱番屋の依頼通りに適正に廃棄処分したかのように産廃管理票(マニフェスト)で虚偽の記載をしたとして、ダイコーなど関係先を廃棄物処理法違反の疑いで家宅捜索。また、岐阜県はみのりフーズが冷凍カツなど肉類の販売許可を得ていなかった食品衛生法違反の疑いもあるとみている。愛知、岐阜両県警の合同捜査本部は裏付けを進めている。

●廃棄食品横流し、会長独断か 「管理票うそ記載を指示」
        朝日 2016年1月26日
 廃棄食品の横流し問題で、愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業ダイコーの大西一幸会長(75)が、冷凍カツについて「産業廃棄物管理票(マニフェスト)にうその記載をするよう従業員に指示した」と、代理人の弁護士に話していることが分かった。従業員には事情を伝えず、ダイコー内では大西会長一人が横流しに関与していたと説明しているという。

 ダイコーの大西会長は昨年10月、カレーの壱番屋(同県一宮市)からビーフカツ4万枚(5・6トン)の廃棄を委託されながら、処分せずに5トンをみのりフーズ(岐阜県羽島市)に横流しし、80万円を受け取ったことを代理人に認めている。一方、マニフェストには、すべて堆肥(たいひ)化したと記載。愛知、岐阜両県警が廃棄物処理法違反(虚偽記載)などの疑いがあるとみて調べている。

 代理人によると、大西会長は廃棄品の横流しについて、みのりの実質的経営者の岡田正男氏(78)と口頭でやり取りし、伝票や領収証はないと説明。代理人は「証拠を残さないようにする認識は双方にあったのではないか」と話す。

●ココイチ以外の食品52品、直接廃棄依頼なし
          日刊スポーツ 2016年1月25日
 壱番屋の廃棄カツを愛知県の産業廃棄物処理業者「ダイコー」が横流ししたとされる事件で、岐阜県は25日、カツを転売した製麺業者「みのりフーズ」から見つかった壱番屋以外の食品108品目のうち、52品目は製造、販売元が直接ダイコーに廃棄依頼をしていない食品だったと発表した。

 みのりフーズの実質的経営者(78)は岐阜県に「108品目はダイコーから仕入れた」と説明。製造、販売元以外の業者が流通過程でダイコーに廃棄を頼んだ可能性もあり、県は製造、販売元に継続調査を求める。

 また108品目のうち岩手、愛知両県のメーカーのレトルト食品計3品目について、東日本大震災による書類紛失などを理由に調査不能とした。

 セブン&アイ・ホールディングスの豚肉かば焼きと石光商事(神戸市)が輸入したタケノコのスライスは、ダイコーが処分を請け負った廃棄品と確認した。(共同)

●廃棄されたチキンカツを岐阜県の3スーパーで販売 
      名古屋テレビ  2016年1月25日
廃棄食品の横流し問題で、廃棄されるはずだった冷凍カツ1200枚が、岐阜県内のスーパーで販売されていたことが新たにわかりました。
新たに流通が確認されたのは、カレーの「壱番屋」が愛知県稲沢市の産廃処理業者「ダイコー」に廃棄を依頼したチキンカツです。岐阜県によりますと、このチキンカツは2015年9月に、岐阜県多治見市と土岐市のスーパー「オオマツフード」3店舗で調理済みの状態で1200枚が販売されていたということです。また転売に関わった岐阜県羽島市の「みのりフーズ」からは、ダイコーが廃棄を請け負った「たけのこの水煮」が新たに見つかっていて、岐阜県は引き続き、これらの流通経路を調べています。

●廃棄チキンカツ2万枚流通か ココイチ製
       読売 2016年01月26日
 カレーチェーン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)の廃棄カツ不正転売事件に絡み、ビーフカツ以外にも計2万枚前後のチキンカツが昨年夏から秋に「食品」として流通していたことが、複数の卸業者らへの取材で分かった。岐阜県も25日、計1200枚が総菜として売られたと発表。東海3県で計3万枚余りが販売された廃棄ビーフカツに加え、チキンカツも大量に出回っていたことになり、愛知、岐阜県などが詳しい流通経路を調べている。

 壱番屋によると、チキンカツもビーフカツと同様、チェーン店以外で提供されることはないという。

 同社は過去2年間で、製品として出荷できなくなったチキンカツ計約25万枚を廃棄し、産業廃棄物処理会社「ダイコー」(同県稲沢市)に処分を委託した。今回明らかになった2万枚前後は、昨年8月に「汚れが付着した可能性がある」として廃棄された約2万9000枚のうち、ダイコーから製麺業「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)に横流しされた一部とみられる。

 みのりフーズの実質的経営者、岡田正男氏(78)はこれまでの取材に、ダイコーから廃棄チキンカツを仕入れたことを認めており、岐阜県の調査でも、みのりフーズからチキンカツが見つかっている。

 流通にかかわった卸業者らによると、ダイコーから廃棄チキンカツを仕入れたみのりフーズは、名古屋市内の食品卸業者に1枚25円前後で転売。さらに、同市内の別の卸会社に約1万5000枚が1枚35円ほどで転売され、その後、大半が約20の弁当店などに1枚40円前後で売りさばかれたという。また、約2500枚を仕入れた別の卸会社の担当者は「スーパーや精肉店に1500枚を転売した」と話している。

 これらの廃棄チキンカツは「『ココイチ』の規格外品」として取引されたが、ある食品卸会社の担当者は「みのりフーズからは『ダイコーの会長から受け取った』と聞いていた」と振り返る。一方、同市内の卸業者は、取引の際に「『ココイチ』の名前は伏せて売るよう指示されていた」と明かした。

●食品各社 横流し防止策続々 包装破り処分
    読売 2016年01月25日
 廃棄された冷凍ビーフカツの不正転売事件を受け、産業廃棄物処理会社「ダイコー」(愛知県稲沢市)に廃棄品を横流しされたことが判明した企業が、相次いで再発防止策を打ち出している。自社製品の信用にもかかわる問題だけに各社の対応は素早く、今後、他メーカーへの波及も予想される。

 ダイコーは、カレーチェーン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(同県一宮市)から廃棄処分を委託されたカツを、マニフェスト(産業廃棄物管理票)では「すべて堆肥にした」と報告していたが、実際は大半を横流ししたとされる。

 大手みそメーカーのマルコメ(長野市)は、製品をそのままの形で廃棄せず、包装を破るなどして、工場で残った原料などと混ぜることを基本とした。「流通・販売できない状態」にして横流しを防ぐという考え方は、19日に再発防止策を発表した壱番屋とも共通する。廃棄量が多く、やむを得ず製品のまま廃棄する場合は、社員を処理現場に立ち会わせることも決めた。

 コンビニエンスストア大手のローソン(東京都)は、廃棄量自体を減らすことに重点を置いた。「だぶついた在庫は他の店舗で販売するなどして廃棄をできるだけ減らす」とし、原材料の残りは可能な限りグループ内で再活用するという。

 冷凍食品大手のニチレイ(同)は、処理業者選びのあり方を見直す。新規の委託先だけでなく、現在の委託先についても、業務や経営状態などの情報を取り寄せて点検。廃棄時には、包装を外して専用容器に移し替えることも打ち出した。

 流通大手のイオン(千葉市)も、横流し品が判明した際の報道発表文で「対策を講じる」としている。

 公益財団法人「食の安全・安心財団」の中村啓一事務局長は「事件は、マニフェストが十分に機能していない現実を突きつけた。企業の取り組みに加え、産廃業者の許可基準や指導を厳しくするなど行政の対応も必要だ」と話している。

●【愛媛新聞】<社説>■廃棄食品横流し 闇の背景を社会全体で考えたい
         愛媛 2016年1月25日 
 廃棄処分されたはずの食品が消費者から見えない経路をたどって、店に並べられていた。食の安全を揺るがす事態である。

 愛知県の産業廃棄物処理業者「ダイコー」が、「CoCo壱番屋」の廃棄カツを岐阜県の製麺業者「みのりフーズ」に横流ししていた事件が、拡大の様相を呈している。みのりフーズの倉庫からはカツ以外にも、他のメーカーのマグロの切り身やケーキ、みそなど108品目にも上る製品が散乱しているのが見つかった。ごみとして扱われているので衛生面に不安が募る。

 製造・販売元は大手を含む全国に広がっている。8年以上前に賞味期限が切れたものもあったというから、長年、常態化していた疑念が拭えない。

 愛知、岐阜両県警が合同捜査中だが、徹底した全容解明を求めたい。国も、他に同様のケースがないか実態把握を急がなければならない。

 廃棄物処理法の規定では、適正に廃棄したかどうかは自己申告で済む。今回、その抜け穴が悪用された。ダイコーは処分方法などを記載する管理票にうその記載をし、堆肥にしたと報告していた。現在は努力義務にすぎない排出業者による現場確認の義務化や、偽りの報告への罰則強化も検討せねばなるまい。

 流通業者側にも問題がある。冷凍カツは、みのりフーズを経て複数業者の転売を繰り返し、スーパーなどで格安品として売られた。関わった業者は「普通仕入れ先は聞かない」という。安ければよしと、流通履歴を把握しようともしない業界の体質を改めない限り、同様の事態は再び起こり得る。格安競争を理由に、食の安全をおろそかにすることは許されない。

 だがそもそも、なぜこれほど多くの食品が捨てられているのか。背景を直視し、廃棄食品自体を削減することも重要だ。

●黒幕発覚はこれから!? 廃棄食品横流し事件の深い闇
      ダイヤモンド・オンライン 2016年1月26日窪田順生 [ノンフィクションライター]
○綻びが見え始めた関係者の証言 真相究明はまだまだこれから
○証言の綻びは意外に重要! 何らかの「口裏合わせ」の可能性も
○原発事故後にも暗躍した 「廃棄食品ブローカー」という存在
○「エコ」の美名の裏側は…不採算にあえぐリサイクル業者たち
○業界一の食品リサイクル業者もわずか6年で倒産!
・・・
★水面下ではさまざまなフードロンダリングがおこなわれた可能性がある。そこで暗躍するといわれるのが、「廃棄食品ブローカー」だ。
★ダイコー大西会長の初犯が「風評被害じゃこ」というのは、「廃棄食品ブローカー」からの悪魔の囁きに乗ってしまったことを意味するのではないか。
★今回の不正がこれまでの産地偽装などと異なるのは、「食品リサイクル」と「食品流通」という2つの大きな闇が横たわっている点だ。
蜘蛛の巣のように張り巡らされた流通経路のなかで、「黒幕」までたどりつくのは容易なことではない。愛知県警の奮闘に期待したい。


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