●零下196度でも死なないヒルを発見 海洋大と農資研
日経 2014/1/24
東京海洋大学と農業生物資源研究所はセ氏マイナス196度の液体窒素で凍らせても死なないヒルを見つけた。詳しい仕組みが分かれば、臓器や細胞の凍結保存などへの応用が期待できるという。22日付の米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表した。
このヒルは「ヌマエラビル」。体長1~1.5センチメートルほどで、日本や中国、韓国の川に住むクサガメなどカメだけに寄生する。グループが研究用に凍結保存していたクサガメを解凍したところ、寄生していたヌマエラビルが動き出したため詳しく調べた。
液体窒素に24時間漬けて凍らせても、解凍すると生きていた。カメに寄生しない5種類のヒルでも調べたが、すべて死んだ。さらに試すと、セ氏マイナス90度で9カ月間凍結したままでも100%生存。最長32カ月まで生き残ることを確認した。
凍結と解凍を繰り返したところ、10回以上は耐えられることが分かった。卵やふ化直後の幼体も同様に生き残った。
極低温でも死なない動物にクマムシやネムリユスリカがいる。いずれも凍結から体の細胞などを守る糖を蓄積しているが、ヌマエラビルの体内からは見つからなかった。別の仕組みで凍結に対する強さを発揮しているとみられる。
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