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てらまち・ねっと



 日本を象徴する代表的な企業の一つの「東芝」。ここが苦境に立たされている。
 原発事業を将来の中心に据えようと進めてきた方針が、米国の原発会社の買収で失敗したらしい。ひょっとして、「よくドラマや映画にあるような騙され方」で買わされたのかもしれない・・・とも思える。
 
 真の経緯はともかく、その原発から撤退方向を決めて、金融資本の資金援助を受けたいらしい。その状況の中での窮余の策として出した「主力としておいしい半導体事業分社化」という方針。(★tbs 27日★≪東芝が半導体事業分社化、原発計画縮小へ≫)
 これについても、「経営陣が甘すぎる」旨の批判が出ている。トップや周辺の判断が会社を迷わせているのか・・・

 「まぐまぐニュース 2017.01.05」に出ていた次の指摘を1月26日のブログでとりあげた。 (⇒ ◆もんじゅ廃炉に3750億円以上 新たに「高速炉」計画/日本が原発から撤退できぬ根本的な理由(まぐまぐニュース)) 次の要点がある。
 ≪・・米国の原発ビジネスを引き取る形で東芝・日立・三菱重工の三社が原発事業に大きく依存するようになってしまい、「国策」に従って原発に投資してきた電力会社も、天下り先を大量に作ってしまった官僚たちも、「引くに引けない」状況になってしまっている・・≫

 このブログでは、1月11日に ◆米ニューヨーク州の原発2基 廃炉へ/東芝、巨額損失発生 「原発」で想定外の費用(東京)/電機再編、経産省が狙う最後の本丸は原発(日刊工業新聞) としてみた。

 もっと、背景を知るには、例えば ★ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016 年 12 月 30 日★≪東芝の苦境を物語る中国原発事業の誤算 /東芝の実態を知るには、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)が中国浙江省三門県に建設中の原子炉「AP1000 」が格好の手掛かりとなる/中国原発は、作業が遅れに遅れている≫

 もちろん、完全撤退ではなくて「原発の設計や原子炉などの製造・納入に専念する方針」(朝日 1月26日)らしい。
 そんなことで、混乱する東芝の最近を記録しておく。

● 東芝 公式ウェブ/プレスリリース 
 ★ 2017年01月27日 当社メモリ事業の会社分割による分社化の方針の決定について
 ★ 2017年01月24日 CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん計上額等の確定作業の状況について
 ★ 2017年01月20日 ウェスチングハウス社による原子力発電所向け部品事業の買収取り止めについて 

●東芝、原発建設工事から撤退検討 原子炉納入などに専念/朝日 2017年1月26日
●東芝、原発事業縮小へ 巨額損失で戦略転換/共同 1/27
●東芝原発子会社、買収取りやめ…巨額損失受け/読売 1月21日
●東芝が半導体事業分社化、原発計画縮小へ/tbs 27日
★ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年12月30日★≪東芝の苦境を物語る中国原発事業の誤算≫

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● 東芝 公式ウェブ / 原子力事業部/a>

★ 
東芝 公式ウェブ /プレスリリース

★ 2017年01月27日 当社メモリ事業の会社分割による分社化の方針の決定について

★ 2017年01月24日 CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん計上額等の確定作業の状況について
 
★ 2017年01月20日 ウェスチングハウス社による原子力発電所向け部品事業の買収取り止めについて 当社グループ会社のウェスチングハウス社は、2016年10月5日にお知らせしました、米国原子力発電所向け部品会社であるNuclear Logistics, LLCの買収を取り止めました。

 ◆2016年12月27日 CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について
 ■ 2016年07月01日 米国 ABWR設計認証更新申請の取り下げについて
 

●東芝、原発建設工事から撤退検討 原子炉納入などに専念
     朝日 2017年1月26日
 米国の原発事業で巨額の損失を計上する見通しとなった東芝が、今後の原発新設で、建設工事分野からの撤退を検討していることが分かった。損失計上は、同分野での費用が想定を大きく上回ったことが原因で、東芝は再発防止策として同分野から手を引き、原発の設計や原子炉などの製造・納入に専念する方針だ。

 損失額は7千億円規模に達する可能性がある。東芝は、確定した損失額と2016年4~12月期決算を発表する来月14日に、損失の原因や再発防止策も併せて公表する。建設工事分野からの撤退は、再発防止策の柱になりそうだ。

 原発新設の事業は、設計、原子炉などの納入、建設工事の三つに大きく分かれ、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)は設計や原子炉などの納入を手がけてきた。今回の損失計上は、遅れていた原発4基の工事を進めるため、WHが建設工事の会社を15年末に買収し、建設工事を自前で手がけるようになったことがきっかけ。買収後に費用が大きく膨らんだ。
 原発の新設は、東京電力福島第…

●東芝、原発事業縮小へ 巨額損失で戦略転換
     共同 2017/1/27
 米原発建設で最大7千億円の損失が見込まれる東芝の綱川智社長は27日、東京都内の本社で記者会見し、これまで主力事業の一つだった原発事業を大幅に見直す考えを示した。海外を含めた事業の縮小が視野に入った。巨額損失を出した事態を重く受け止め、戦略を大きく転換する。国の原発政策の一翼を担ってきた東芝の伝統事業は節目を迎えることになる。

 これまで電力事業の中に入っていた原発事業を独立させて社長直属の組織に再編し、管理を強化する。原発事業は保守や廃炉などを中心に据え、安定した収益が出るように変えていく。

●東芝原発子会社、買収取りやめ…巨額損失受け
    読売 2017年01月21日
 東芝は20日、米原子力発電子会社「ウェスチングハウス(WH)」が予定していた米原発部品会社の買収を取りやめたと発表した。
 米国の原子力事業で巨額損失の可能性が生じたことをうけ、買収費用を抑えて経営の悪化を避ける狙いがある。買収予定だった会社はWHのライバル社が手がける原発への納入実績が豊富で、WHは米国での事業拡大を図る考えだった。

●東芝が半導体事業分社化、原発計画縮小へ
      tbs 27日19:46
 原発事業で7000億円規模の損失を計上する可能性が出ている東芝は、主力の半導体事業の一部を分社化する方針を決定したと発表しました。また、原発計画では目標を縮小する方向で検討していることがわかりました。
 7000億円規模の損失を計上する見通しとなった東芝。

 「3月31日をめどにメモリー事業を分社化すると本日の取締役会にて決定した」(東芝 綱川智社長)
 稼ぎ頭の半導体事業を切り売りせざるを得ないほどの危機的状況なのです。東芝のこんな姿を誰が想像したでしょうか?
 かつて、日本初の電気冷蔵庫や電気洗濯機、電気釜といった家電製品に世界初のノート型パソコン「ダイナブック」など、数々の「未来」を作り出していた東芝。例えるなら、東芝という馬車を伝統ある多くの事業がけん引していたのです。医療機器など、今後の成長が期待できる事業も抱える理想形。その力強い歩みに大きな不安はなかったのです。しかし・・・

 「当社140年の歴史の中で最大とも言えるブランドイメージの毀損があった」(東芝 田中久雄社長(当時) 2015年7月)
 不正会計に端を発する業績悪化。さらに、アメリカの原発事業での損失で東芝は追い込まれます。東芝の「看板」でもあった白物家電事業を中国企業に売却することに。社長が「忸怩たる思い」と語った苦渋の切り売りでした。しかし、それでも足りず、医療機器という今後の東芝を引っ張るべき事業もキヤノンに売ってしまったのです。

 「栄光の東芝を早く取り戻し、社会に貢献していく」(東芝 社外取締役 小林喜光氏 去年5月)
 東芝は、残された事業に資源を集中し、経営再建を目指すことに。二本柱が半導体と原発。しかし、その原発こそが今の大ピンチを招いたのです。建設コストが想定外に増大し、アメリカの原発事業で7000億円規模の損失が発生する見通しに。会社を引っ張るどころか、逆にお荷物となってしまったのです。原発事業の損失穴埋めのため、稼ぎ頭の半導体事業まで一部売却することに。経営再建を引っ張る力は弱まる一方です。

 原発という赤字事業は抱えたまま、成長事業を切り売りするしかない東芝。さらに、原発事業でも大きな計画の変更を迫られていることがJNNの取材で明らかになりました。

 「インドやイギリスで計画されている9基の原発について、建設工事の責任を負うのであれば、うちは受注しない」(東芝幹部)
 2030年度までに海外で45基以上の原発を受注するという目標を今後縮小する方向で検討しているのです。
 「(原発の)新規の受注に関しては、今後、また考え直す。具体的な数字については中期経営計画で考えたい」(東芝 綱川智社長)
 東芝は、来月14日にアメリカの原発事業の巨額の損失について最終的な金額を発表するとしています。

★テクノロジー 東芝の苦境を物語る中国原発事業の誤算 米子会社ウエスチングハウスが中国浙江省に建設している原発は、作業が遅れに遅れている
     ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016 年 12 月 30 日
 【三門(中国)】東芝は、原発事業を将来の事業の柱に育てようとしてきたが、不正会計問題に伴う巨額の赤字計上や、米原発事業で数千億規模の損失が出る可能性に揺さぶられている。

 東芝の実態を知るには、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)が中国浙江省三門県に建設中の原子炉「AP1000 」が格好の手掛かりとなる。

 三門原子力発電所に導入されるAP1000初号機(三門1号機)は、原発の安全性向上、労働力の節約、建設工期の短縮を実現することで、ウエスチングハウスが原発業界に革命を起こすとうたう新技術をアピールするはずだった。

 ところが、三門1号機の建設は遅れに遅れている。例えば、冷却システムの基幹部品に問題があり、作業が2年余りも遅延した。しかも、ウエスチングハウスが三門1号機の設計作業を完了するまでに何年もかかったため、建設はさらに遅れ、顧客である中国国家核電技術公司の怒りを買った。三門1号機の建設は当初の計画から少なくとも3年の遅れが生じている。

 ウエスチングハウスは29日、三門1号機に濃縮ウラン燃料を装荷するのは2017年初頭になるとし、16年末としていた目標を先送りした。

 三門1号機を巡る問題は、世界中の原発事業が抱える問題を浮き彫りにしている。

 三門1号機は来年春の稼働開始に向け、技術的な作業が最終段階に入っている。今後全てが順調にいったとしても、当初の工期を守れなかったことでウエスチングハウスの信頼に傷がついた。

 ウエスチングハウスのジェフ・ベンジャミン氏は、三門原発の問題を十分認識している。同氏は中国の原発建設に関する問題が積み上がっていた13年に、新規原発を担当するシニアバイスプレジデントに就任した。

 ベンジャミン氏は原子力エンジニアとしての経験は豊富だったが、新設される原発の現場監督を担当したことは一度もなかった。この秋の同氏への取材で、新型原子炉の建設は非常に複雑な作業であり、大小何千にも上る問題が完成を遅らせている実態を垣間見ることができた。

 三門1号機の完成が近づく中でも、エンジニアらはなお数多くの技術上の問題と格闘していた。特に頭を悩ませていたのが、原子炉圧力容器表面の保護層が、試験時に想定よりもはるかに膨張した原因の究明だった。

 ウエスチングハウスの関係者によると、この問題は保護層の素材変更により最近解決することができた。

 ウエスチングハウスには、国家核電技術公司への技術移転の見返りに、その技術に基づいて中国内で建設されると見込む原発数十基の燃料供給・保守契約を獲得したいとの思惑があった。

 AP1000は、重力など自然の力を利用して原子炉の安全を保つ設計となっている。例えば、緊急時にはタンク内の冷却水が自動的に放出される。

 対照的に、フランス国営の原子力大手アレバの原発は、緊急時の対応を運転員の操作やコンピューターシステムに大きく依存している。

 三門1号機の建設が遅れている要因はいくつもあるが、その一つとして「安全性」が挙げられる。中国は11年3月の福島原発事故を受け、全面的な安全検査が実施されていない新規原発の承認を停止した。これが三門1号機の建設を遅らせたとウエスチングハウスは言う。

 その後、より根本的な問題が発覚する。それは技術的な作業が完了する前に建設作業を開始してしまったことだ。ウエスチングハウスは現在、この決定は誤りだったと認めている。

 同社が設置済みの機器をわざわざ取り外し、技術面での再検査を長期にわたって実施したのは一度や二度のことではなかった。

 ウエスチングハウスのダニー・ロデリック最高経営責任者(CEO、肩書は当時)は、13年1月ごろには我慢の限界に達し、旧友のベンジャミン氏の採用に動いた。

 ベンジャミン氏は、13年に三門原発を見て回った際、打ち立てのコンクリートを作業員が砕いている様子に驚いたという。原子炉の圧力を制御する加圧器を支える鋼鉄製部材の強度不足が発覚し、交換が必要だったのだ。

 AP1000は新めて用いる部品を多数採用している。その一つが冷却材ポンプだ。4台の冷却材ポンプが事実上、原子炉の「心臓」の役割を果たし、冷却水を循環させることで炉心周辺の温度の過熱を防ぐ。

 ウエスチングハウスが13年初頭にこのポンプの試験を行った際、ポンプ内の羽根車が破損していたことが判明した。同社は原因究明のためポンプ全体の検査を余儀なくされ、最終的には設計自体を見直した。問題修正まで2年を要した。

 ウエスチングハウスは、再設計後の冷却材ポンプは三門1号機などで順調に稼働していると説明している。このポンプは米国内の原発では使用されていない。

 ウエスチングハウスには、三門1号機をうまく稼働させることで、中国内の懸念を和らげるとともに、業界のリーダーとしての地位を取り戻したいとの思惑がある。

 もっとも、AP1000だけでなく、中国が技術移転を通じて開発中のCAP1400(AP1000の大型版)の今後の事業について、中国政府が言及する機会は減っている。

 ベンジャミン氏は、中国でAP1000をしっかり稼働させることがウエスチングハウスの将来にとって重要だということは分かっていると述べた。

 ベンジャミン氏は先日、三門1号機の行方が業界だけでなく世界中から注目されていることを忘れないよう、従業員らに念を押した。

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