●Windows 10のアップデートで退場していく旧世代アプリたち
itmedia 2017年07月27日 鈴木淳也
Windows 10次期大型アップデート「Fall Creators Update」に搭載される新機能が注目を集める中、ひっそりと退場していく旧機能もある。
Microsoftは2017年秋の配信開始に向け、Windows 10次期大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」の開発を進めている。同アップデートでは発表当初に注目された「タイムライン」と「クラウドクリップボード」が間に合わない見込みだが、その他に予告された新機能の多くは搭載され、秋には利用できるようになるだろう。
Fall Creators Update
Windows 10の次期大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」は2017年秋に配信開始
こうした新機能が話題の中心になる一方、既存の古いコードやアプリはフェードアウトし、その役割をひっそりと終えようとしている。MicrosoftはFall Creators Updateで削除あるいはサポート縮小を予定しているアプリと機能の一覧を公開した。その一部を紹介しよう。
削除またはサポート縮小になる機能
3D Builderアプリ:Print 3DまたはPaint 3Dに移管。デフォルトではインストールされず、Windowsストア経由でのみ利用可能
Enhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET):実行がブロックされる。Windows Defender Exploit GuardのExploit Protectionの利用を推奨
Microsoft Paintアプリ:削除。Windowsストア経由でのみ利用可能
Outlook Expressアプリ:削除
Readerアプリ:Edgeブラウザに統合
Reading Listアプリ:Edgeブラウザに統合
テーマ内でのスクリーンセーバー機能:削除。ただしコントロールパネルなどから利用可能
System Image Backup:サードパーティー製品の利用を推奨
Windows PowerShell 2.0:5.0以降の利用を推奨
なお、今回の機能削除リストの中に「Microsoft Paint(ペイント)」アプリが含まれていたことは、世界各地で反響を呼んでいる。
ペイントアプリは、初代Windows 1.0が登場した1985年からOS標準ツールとして搭載され、その後32bit対応などを経て、実に32年弱も「Windowsの顔」のようなアプリとして知られていた。画像編集アプリとしての機能はシンプルで、使い勝手は決してよくないものの、初代Windowsからの定番アプリがWindows 10でついにその役割を終えることを惜しむ声も少なくない。
Microsoftでは大きな反響を考慮してか、ペイントアプリについて公式ブログで述べている。ペイントアプリはOS標準装備ではなくなるものの、Windowsストアのアプリとして無料公開され、いつでもダウンロードして利用可能になるという。
Paint
Microsoftの公式ブログでは、「Paint」アプリの今後について説明。OS標準ツールではなくなるが、Windowsストアで無料配布される。ペイントで描いたメッセージ画像も添えられた
一方でFall Creators Update以降のWindows 10では、3Dに対応した「Paint 3D(ペイント3D)」が登場。Fall Creators Update以降ではいよいよ完全にペイントアプリを置き換えるものとなり、今後のフィードバックもこれに反映される。ペイント3Dはユーザーインタフェースが大きく変化しているため、とっつきにくい部分はあるが、これまで通り2D描画ツールとしての機能も備えており、従来のペイントより幾分か高機能となっている。
Paint 3D
3D対応の「Paint 3D」アプリ
なお、ペイントとは逆に「標準ツールが高機能すぎて他製品を必要としない」と言われていた「System Image Backup」の退場を惜しむ声も一部にある。
いずれにせよ、(1996年にリリースされた)Outlook Expressを含めて20年以上使われてきたツールにまとめて見直しが入ったのは、Windows 10を中心としたプラットフォームがレガシーから新しい世代へ移行しつつあることの現れなのだろう。
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