「原子力御三家」といわれる「日立、東芝、三菱重工」。
原発を具体的にもっとも推進してきた一つの東芝が、その「原発への姿勢」の結末として消えていくのは仕方ない。ただ、基本として原発推進してきた政府の責任が免罪されることは認められない。しかも、後始末に国民の血税を使うなどは・・
東芝の命運を決める決断が8月末(「東芝メモリ売却が急展開。今月中に売却先のメドをつけないと、来年3月末までに債務超過を解消できず上場廃止となりかねないから」日刊ゲンダイ)、その日が迫る中で、ネットを見ていて面白い報道があった。
★≪東芝を“原発地獄”に引きずり込んだ首相の右腕官僚 (BUSINESS INSIDER JAPAN 8/1)/ 8月1日、東芝が東京証券取引所一部から二部に降格した。それは「終わりの始まり」に過ぎない。
・・経産相としてWH買収を強く推奨/破綻への坂道を転がり落ちる東芝の背中を押した人物がいる。
・・韓国に負けて生まれた「原発パッケージ型輸出」・・半導体売却にも使われる4000億円もの血税/自民党が政権に復帰し第二次安倍内閣が発足しても、「パッケージ型インフラ輸出」はアベノミクスにおける「成長戦略の目玉」として生き残った。
福島の事故を受け、国内での原発建設は絶望的になった。海外でも原発の安全基準は大幅に引き上げられ、原発ビジネスは儲からない事業になったが、原発輸出が「国策」である以上、東芝の原子力部門に縮小や撤退の選択肢はない。あるのは突撃のみ。儲からない原発の穴を隠すため、東芝は全社を挙げて粉飾決算に励んだ。
経産省は今、東芝の半導体メモリ事業売却にも首を突っ込み、別働隊である産業革新機構を動かして同事業に4000億円もの血税を投入しようとしている。・・≫
ということで、今日は次を記録。
●東芝、ギリギリの攻防 「上場廃止」めぐる「情報戦」/j-cast 2017/8/8
●東芝 決算、対立緩和へ 「限定適正」信頼回復は遠く/毎日 8月9日
●東芝を“原発地獄”に引きずり込んだ首相の右腕官僚/BUSINESS INSIDER JAPAN 8. 01
●東芝のメモリー事業売却交渉、支払時期など巡り失速-関係者/ブルームバーグ 8月14日
●経産省に振り回される東芝…再建の命綱・半導体事業売却が頓挫の可能性、国のいいなり経営/Business Journal 8.29
● 東芝が保有株を手放し始めた? 株安危機“とんだ災難24社”/日刊ゲンダイ 8月26日
●東芝半導体売却、大筋合意 WDは訴訟撤回、31日発表へ/共同 8/28
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●東芝:トップページ から
★不適切会計問題を含む適時開示情報
当社の不適切会計問題、および原子力事業における損失発生事象などに関し、多大なご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、心からお詫び申し上げます・・・(略)・・・
●東芝、ギリギリの攻防 「上場廃止」めぐる「情報戦」
j-cast 2017/8/8
東芝の2017年3月期の有価証券報告書の提出期限が8月10日に迫っている。東芝と監査を担当する監査法人PwCあらたとの間では、「不適正意見」と「限定付き適正意見」のいずれにするかで、ぎりぎりの調整が続いている。万一、「不適正」に転べば上場廃止は免れないだけに、東芝は巻き返しを図るが、事態は予断を許さない。
「PwCあらたがついに不適正を出すと金融庁に報告したらしい」。8月上旬、銀行関係者の間にこんな噂が飛び交った。だが、その直後には、「限定付き適正意見を出す方向のようだ」という情報も。限定付きであっても何とか適正意見を得たい東芝、甘い監査で将来的な責任を負いたくないPwCあらた、上場廃止の引き金は引きたくない金融庁や東京証券取引所と、関係者の間で異なる思惑を背景に、さまざまな情報戦が繰り広げられている。
損失をいつ認識したのか
そもそも、東芝と監査法人との間の争点は何か。東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)による米原発建設の遅延に伴う損失をめぐる問題について、東芝が損失をいつ認識したのかという点だ。
関係者によると、東芝はその時期について、「WHから2016年12月に損失の存在について報告を受けて初めて認識した」と主張しているのに対し、PwCあらたは「2015年度中には損失を認識していた可能性がある」として、「2016年3月期決算で計上すべき損失が計上されていない可能性がある」と主張している。
PwCあらたの主張に沿えば、2016年3月期にさかのぼって決算を下方修正する必要が出る。そうなれば2017年3月期にも影響するため、PwCあらたは同期の有報について「不適正」を検討しているのだ。だが、東芝は「損失を隠している事実はなく、既に2017年3月期に必要な損失は計上している」と強く反発。東芝側は最近になって、各メディアに対して監査の問題を記事化するよう働きかけるなど、手段を選ばず攻勢に出ている。
東芝、監査法人、金融庁...それぞれに思惑
もし8月10日までに東芝が提出する有報の監査意見が「不適正」であれば、秋にも予定される東証審査で、東芝株が「上場廃止」と決められる可能性が極めて高くなり、東芝の再建の目算は大きく狂う。東証の立場に立てば、上場廃止の引き金は自ら引きたくはないが、「不適正なら上場廃止以外の結果は出しようがない」(金融庁幹部)。逆に、もう一方の「限定付き適正意見」であれば、「あえて上場廃止の引き金を引く必要がなくなる」(同)。
不適正イコール上場廃止となるわけではないが、実際には上場廃止が濃厚になった時点で信用不安を招き、取引先離れが起きるのは間違いない。ドミノ的に取引先や金融機関が離れ、東芝はとたんに資金繰りに窮することになる。それは関係者の誰も望まないシナリオだ。
こうした事態を受け、PwCあらたには、監査法人を監督する金融庁からも横やりが入っているという。もし不適正が出るようなら、「合理的な理由がない」と東芝は提訴に踏み切るだろう。そして、今度は一転、PwCあらたの監査法人の説明責任を問う声が高まるのは必至だ。綱引きの行方はどうなるのか。難しい決断まであと数日だ。
●東芝 決算、対立緩和へ 「限定適正」信頼回復は遠く
毎日 2017年8月9日
監査法人の意見は4種類ある
PwCあらた監査法人が、東芝の2017年3月期決算の有価証券報告書に「限定付き適正意見」を出す見通しとなったことで、会計処理を巡り企業と監査法人が真っ向対立する異常事態はようやく緩和に向かうことになった。ただ、米原発事業を巡る損失が適切に計上されなかった疑いは残る。東芝が信頼を取り戻す道のりは険しい。【坂井隆之】
監査の争点は、米国の原発建設プロジェクトの遅延に伴う損失を、東芝がいつの時点で認識したか。・・・(略)・・・
●東芝を“原発地獄”に引きずり込んだ首相の右腕官僚
BUSINESS INSIDER JAPAN Aug. 01, 2017 大西康之
8月1日、東芝が東京証券取引所一部から二部に降格した。
それは「終わりの始まり」に過ぎない。
東芝は現時点で5000億円超の債務超過状態にあり、半導体メモリ事業の売却が2018年3月までに終わらなければ、二期連続の超過で上場廃止になる。上場廃止になれば、現在、東芝に約1兆2000億円を融資している銀行は、東芝の債務区分を「破綻懸念先」とせざるを得ず、借り換えにも応じられない。信用が崩壊し法的整理に追い込まれる可能性は少なくない。
経産相としてWH買収を強く推奨
破綻への坂道を転がり落ちる東芝の背中を押した人物がいる。
今井尚哉。
これまで一枚岩だった安倍晋三首相と菅義偉官房長官との関係が揺れ始めた今、安倍が最も信頼を寄せる男と言われる。
経済産業省出身で第一次安倍政権、第二次安倍政権とも首相秘書官。第二次安倍政権発足と同時に「アベノミクスの司令塔」を務めてきたが、今やその影響力は経済政策にとどまらず、外交から解散のタイミングに至るまで、安倍があらゆることを相談する存在だ。元経団連会長の今井敬と元経産事務次官の今井善衛を叔父に持つサラブレッドでもある。
今井は、経産省でも指折りの原発推進派。第一次安倍政権、民主党政権、第二次安倍政権と政権が変わり、民主党政権時には東日本大震災と東京電力福島第一原発事故があったが、一貫して「原発推進」の政策を遂行してきた。当然、日本最大の原子炉メーカーである東芝との付き合いは長くて濃い。
2006年に東芝が、のちに経営危機の元凶となる米原子炉大手ウエスチングハウス(WH)を買収したとき、経産省の原発推進派は強くこれを推奨した。その中心にいたのも今井とされる。
韓国に負けて生まれた「原発パッケージ型輸出」
・・・(略)・・・
半導体売却にも使われる4000億円もの血税
自民党が政権に復帰し第二次安倍内閣が発足しても、「パッケージ型インフラ輸出」はアベノミクスにおける「成長戦略の目玉」として生き残った。
福島の事故を受け、国内での原発建設は絶望的になった。海外でも原発の安全基準は大幅に引き上げられ、原発ビジネスは儲からない事業になったが、原発輸出が「国策」である以上、東芝の原子力部門に縮小や撤退の選択肢はない。あるのは突撃のみ。儲からない原発の穴を隠すため、東芝は全社を挙げて粉飾決算に励んだ。
経産省は今、東芝の半導体メモリ事業売却にも首を突っ込み、別働隊である産業革新機構を動かして同事業に4000億円もの血税を投入しようとしている。原発推進の国策で東芝を経営危機に追い込んでしまった埋め合わせだとしたら、納税者は救われない。創業140年、従業員数19万人の巨大企業を破綻の淵に追い込んだ張本人は、何食わぬ顔で今も官邸の中枢で日本経済の舵を握っている。 (本文敬称略)
●東芝のメモリー事業売却交渉、支払時期など巡り失速-関係者
ブルームバーグ 2017年8月14日 谷口崇子
東芝が債務超過解消のために進めているメモリー事業の売却交渉が失速している。優先交渉先の米ベインキャピタルや産業革新機構から成る日米韓連合との協議が、払い込み時期などの条件を巡り行き詰まっている。関係国の独禁法当局による審査期間などを考慮すると、8月下旬から9月上旬が契約締結のリミットとなる。
交渉が非公開であることから匿名を条件に語った複数の関係者によると、買収代金の払い込みについて、日米韓連合は合弁相手の米ウェスタンデジタル(WD)との係争の解決を条件としている。しかし東芝とWDとの対立は解消していない。こうした中、当初から買収先の有力候補だった米ファンドKKRもWDと組んで再協議に入るなど交渉は複雑化している。
東芝は10日に監査法人による「限定付き適正」意見ながら、2017年3月期の有価証券報告書をようやく提出し、ひとまず決算を巡り上場廃止になる事態は回避した。しかし、別の廃止基準である2期連続の債務超過を防ぐ必要があり、そのためには売却先から来年3月末までに実際に払い込みを受けなければならない。
これまでの交渉では、日米韓連合の一角で当初は融資で参加するはずだった韓国半導体大手SKハイニックスが将来的な議決権を要求したことなどで、契約内容を詰めるのに時間を要していたことも分かっている。
米WD、鴻海陣営とも交渉
関係者によると、東芝は複数の戦略により期限内の売却完了を目指すとともに、上場廃止も想定した対応の準備を始めている。一方で東芝は合弁する四日市工場での将来的な事業へのアクセス阻止などでWDに訴訟を取り下げるようプレッシャーをかけながら、次善策として鴻海精密工業などとも並行して交渉を進めている。
東芝の綱川智社長は先週の会見で、目標としていた6月下旬までに合意に至らなかったことを理由に、日米韓連合以外にも間口を広げて売却協議を進めていると言及。具体的にWDや鴻海の名前を挙げた。年度内の売却完了は可能で、そのために最善を尽くすと意欲を見せた。鴻海は売却手続きの開始当初から買収に高い関心を示していた。
東芝の広報担当、槻本裕和氏はメモリー事業売却の契約締結に時間を要している状況について、「上場廃止というような事態にならないよう全力を尽くす」などとコメントした。ベインの広報担当者はコメントを控えた。
東芝株は売却交渉が失速しているとの報道後、一時前日比11%安まで下落。その後は下げ渋り1.7%安の287円で取引を終了した。
●経産省に振り回される東芝…再建の命綱・半導体事業売却が頓挫の可能性、国のいいなり経営
Business Journal 編集部 2017.08.29
・・・(略)・・・
東芝メモリ売却は経産官僚が主導 ・・・(略)・・・
経産省主導の新日米連合案は空中分解の可能性 ・・・(略)・・・
● 東芝が保有株を手放し始めた? 株安危機“とんだ災難24社”
日刊ゲンダイ 2017年8月26日
東芝の半導体子会社(東芝メモリ)売却が急展開を見せている。今月中に売却先のメドをつけないと、来年3月末までに債務超過を解消できず上場廃止となりかねないからだ。
「東芝は訴訟合戦を繰り広げる米ウエスタンデジタル(WD)と歩み寄り、交渉のテーブルに着いたようですが、優先交渉権を得た米べインキャピタルなど日米韓連合が黙って引き下がるとは思えません。台湾の鴻海も、いまだに色気たっぷりだし、先行きは不透明です」(市場関係者)
東芝は足元を見られ、予定していた2兆円より安い価格で東芝メモリを売却せざるを得ないという見方も出てきた。
「その穴を埋めるため、東芝は他の資産を手放す必要に迫られます。保有株も売却対象でしょう。すでに三井住友FGと三菱UFJFGの株を売ったと伝わっています」(証券アナリスト)
今週22日に立ち会い外(時間外取引)で三井住友(約315万株)を約126億円、23日に三菱UFJ(約988万株)を64億円で売却したという。東芝は「個別の取引はコメントを控える」としたが、市場は「資金を得るために東芝が売った」と勘繰っている。
「おそらく他の保有株も売却することになるでしょう。売れる資産はすべて売るという覚悟を見せないと、東芝は生き残るのが難しい」(株式評論家の杉村富生氏)
売られる側は、株安要因となるだけに“とんだ災難”だ。
東芝の有価証券報告書(2017年3月期)によると279銘柄(時価約668億円)を保有。個別に開示した時価上位銘柄は、京浜急行や東武鉄道、阪急阪神HD、西武HDなどの電鉄系が目立つ。東京放送(TBS)HD、日本テレビHD、フジ・メディアHDなどメディア株も多かった(別表参照)。
前年度の有報(16年3月期)に記載されていたジャパンディスプレイや日本空港ビルデング、三井物産などは、17年3月期には消えていた。何らかの形で手放したことになる。北朝鮮リスクやトランプ政権の混迷で、株式相場は下落傾向がクッキリだ。そこに東芝リスクが加わる企業は悲劇としかいいようがない。
●東芝半導体売却、大筋合意 WDは訴訟撤回、31日発表へ
共同 2017/8/28 23:55
東芝が半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の売却で、米ウエスタン・デジタル(WD)の陣営と大筋合意に達したことが28日、分かった。条件としていた訴訟の撤回にWDが応じ、契約締結への道筋が整った。綱川智社長は、来日したWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)とのトップ会談で細部を詰めた上で、31日の取締役会で正式決定し発表する予定だ。
事務レベルでの交渉が前進し、主要な論点で折り合うめどがついたためミリガン氏が来日した。関係者によると、ミリガン氏は経済産業省などとも接触した。契約締結は手続きの関係で9月にずれ込む可能性もある。
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