昨日のブログで、「がん遺伝子パネル検査」の結果(米国からの報告書)には、私が求めていた、期待していた「BRCA2」と明記されていて、「 ・・やったね!!!」 と書いた。
その評価をもう少し詳しく書いて、あとは、昨年日本で初認可のその治療薬のことを紹介する文書を抜粋しておく。
それが、一番、いろいろな人に役立つだろうから。(前立腺がんだけでなく、進行卵巣がん、膵がんも含まれるし・・)
なお、私は、前記の認可と連動して1月1日に認可された「当該遺伝子変異の確認のための血液検査」を22日に受ける予定。
国の動きを裏情報で知って動く人たちは常に、何事にもいる。ま、そういう人たちのことは横に置くとして・・・
今回の私のように、正面から報道で知って、すぐに合わせて動いて、(たぶん)実際に治療のスタートラインに着ける患者は、今回の去勢抵抗性前立腺がんの関係では、私が全国で一番早いのではないかと自負している(笑)。
●まず評価。
先日までに4回に分けて、「がん遺伝子パネル検査」のことを書いた。
その中で、担当医師が、①「一番いいことは、血液から『癌細胞が』見つからないこと」と言っている、と書いた。癌が活発なら、細胞が血液にも流れている。つまり、あちこち転移などしやすいとか、すでに内臓などに転移しているとか・・・とても悪い状況が暗示されるからだ。
次にいいことは、②細胞が流れていなくも「BRCA遺伝変異」だけは存在すれば分かる、ということ。
さて、昨日の結果説明。
血液には、「癌細胞が見つからなかった」という、一番いいことだった。
次に、私の一番の期待だった、「BRCA遺伝変異」が見つかること。これもばっちりと見つかった。
つまり、①も②も満たされた、というわけだから、万々歳。
もちろん、治療が完璧となるというわけではないけど・・・ま、ともかく新しい治療法の道がほぼ確実にひらけた、とはいえる。
● あと、関連の報道。
なお、下記の最後のメーカー報道には「約12%にBRCA変異」とある。
約12%とは、いかにも少なそうに見えるけれど、患者当事者から見ると、mCRPC患者のうちで抗がん剤や他の治療で改善されていく人たちを除いたのが私のように抗がん剤が効かない患者。だからmCRPC患者のうちで、そういうタチの悪い癌の人に限っての割合、つまり抗がん剤も効かないなどの人に限った割合でみると、「約12%」は相当に高い割合だと私には映る。
●BRCA1、BRCA2遺伝子とは何ですか?/海外がん医療情報リファレンス 2018年4月19日
●アストラゼネカのリムパーザ、欧州においてBRCA遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認取得/アストラゼネカ 2020年 11月 16日
●リムパーザ、進行卵巣がん、前立腺がん、膵がんの治療薬として日本で適応拡大を同時取得/アストラゼネカ 2020年12月28日 MSD株式会社/リムパーザは、進行前立腺がんの治療薬として承認された日本で初めてかつ唯一のPARP阻害剤。
日本における前立腺がんの罹患数は、2017年で男性において最も多く、新たに前立腺がんと診断された症例は9万人を超えた。転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する有効な治療法は限られている。その中でも、BRCA遺伝子変異陽性のmCRPC患者の予後は特に悪く、mCRPC患者の約12%にBRCA変異が認められる。
なお、昨日1月18日の私のブログへのアクセスは「閲覧数6,468 訪問者数841」。
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●アストラゼネカのリムパーザ、欧州においてBRCA遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認取得
アストラゼネカ 2020年 11月 16日
●アストラゼネカは、相同組換え修復(HRR)関連遺伝子変異を有する患者集団のうち、乳がん感受性遺伝子1/2(BRCA1/2)変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者さんの治療薬として承認されたことを発表しました。・・・(以下、略)・・・
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●リムパーザ、進行卵巣がん、前立腺がん、膵がんの治療薬として日本で適応拡大を同時取得
アストラゼネカ 2020年12月28日 MSD株式会社
アストラゼネカとMSDは、「リムパーザ錠(R)」(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)について、2020年12月25日付で、「相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」、「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」および「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の3つの適応症を対象に、厚生労働省より承認を取得しました。
厚生労働省による今回の同時承認は、第III相PAOLA-1、PROfound、およびPOLO試験の肯定的な中間解析結果に基づいています。
アストラゼネカの執行役員は「日本の多くのがん患者さんに、バイオマーカーに基づいたリムパーザによる治療を提供できることを大変嬉しく思います。今回の承認は、治療決定におけるバイオマーカーの重要性を推し進めるものです。個別化医療がより行われることで、個々の患者さんに最適な治療選択が行われ再発・進行を大きく遅らせることを期待しています」。
MSD 副社長執行役員は「進行卵巣がん、転移性去勢抵抗性前立腺がん、転移性膵がんは、いずれも大きなアンメット・メディカルニーズを伴うがんです。患者さんにとって、治療の選択肢は非常に限られてきました。リムパーザは、前立腺がんおよび膵がんに対して承認された日本初のPARP阻害剤であり、分子標的薬が新たに承認されることで、個別化医療の新たな時代をさらに前進させ、日本におけるこれらのがんの治療法が大きく変わっていくことが期待されます」。
★相同組換え修復欠損(HRD)を有する卵巣がんに対する一次治療後の維持療法におけるベバシズマブとの併用療法に対するリムパーザの承認
併用療法による維持療法がベバシズマブ単剤療法に比べて、無増悪生存期間(PFS)の大幅な延長を示したことに基づいています。2018年には、日本で卵巣がんと診断された女性は1万人を超え、卵巣がんにより死亡した女性は5千人を超えています(1)。進行卵巣がんの患者さんの半数がHRD陽性を有していると報告されています(2,3)。
★BRCA遺伝子変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対するリムパーザの承認
この適応症に対する承認は、第III相PROfound試験のサブグループ解析の結果、BRCA1/2遺伝子変異陽性mCRPC患者さんにおいて、リムパーザ投与群がエンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステル(アビラテロン)投与群に比べて、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)および全生存期間(OS)の大幅な延長を示したことに基づいています。リムパーザは、進行前立腺がんの治療薬として承認された日本で初めてかつ唯一のPARP阻害剤です。
日本における前立腺がんの罹患数は、2017年で男性において最も多く、新たに前立腺がんと診断された症例は9万人を超えました(1)。mCRPCに対する有効な治療法は限られており、これら患者さんの生存期間は9~13カ月と短くなっています(4,5)。その中でも、BRCA遺伝子変異陽性のmCRPC患者さんの予後は特に悪く(6)、mCRPC患者さんの約12%にBRCA変異が認められます(7)。
★BRCA遺伝子変異を有する治癒切除不能な膵がんに対するリムパーザの承認
この適応症に対する承認は、第III相POLO試験の結果、gBRCA遺伝子変異を有する転移性膵がん患者さんにおいて、リムパーザがプラセボに比べて、統計的に有意でかつ臨床的に意義のあるPFSの延長を示したことに基づいています。膵がんは、一般的ながんの中でも生存率が最も低いがん種の1つです。2018年には日本で膵がんによる死亡は約4万人に上り、がんによる死因として4番目のがん種となりました(1,8)。また日本における膵がんの罹患率は世界で5番目に高く、2018年には43,000人が新たに膵がんと診断されています(1,9)。転移性膵がん患者さんの約5~7%で生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異が認められます(10)。
*****BRCA遺伝子変異について
BRCA1およびBRCA2は、損傷したDNAの修復を担うタンパクを生成する遺伝子であり、細胞の遺伝的安定性維持に重要な役割を果たします。これら遺伝子のいずれかに変異があるとBRCAタンパクが生成されない、または正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されず細胞が不安定になる可能性があります。その結果、細胞はがん化につながるさらなる遺伝子異常を起こす可能性が高くなり、リムパーザを含むPARP阻害剤への感受性を高めます(4,11-13)。
相同組換え修復欠損(HRD)について 卵巣がんのサブグループであるHRDは、BRCA遺伝子変異をはじめ、その他多くの遺伝的異常を含みます。BRCA遺伝子変異と同様に、HRDは正常細胞のDNA修復機構を妨げ、リムパーザを含むPARP阻害剤に対する感受性をもたらします(14)。
リムパーザについて リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復(HRR)の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。リムパーザによるPARP阻害は、DNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞を死滅させます。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のPARP依存性の腫瘍タイプにおいて試験が進行中です。
日本でリムパーザは、2018年1月には白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法として承認され、2018年7月には化学療法による治療歴のある生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の転移性乳がんの治療薬として承認されています。また、2019年6月には白金製剤ベースの化学療法に奏効後のBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの初回治療後の維持療法として承認されました。
リムパーザは、全世界で3万人を超える患者さんの治療に使用されています。リムパーザはPARP阻害剤として最も広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは、さまざまながん種にわたり、リムパーザが単剤療法および他の薬剤との併用療法としてPARP依存性腫瘍に及ぼす影響を解明するために協業しています。リムパーザはDDRを標的とした新薬であり、アストラゼネカのポートフォリオを牽引する基盤となる薬剤です。
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