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てらまち・ねっと



 男性の前立腺がん、女性の乳がん、どちらも治療は同じ「ホルモン療法(内分泌療法)」とくくって概念化されている。
 病気に対する考え方、身体の中での作用や流れ、薬剤の作用機序などがとても良く似ているからだろう。

 なぜ似ているかといえば、基本的に、「男性ホルモン」「女性ホルモン」というホルモンに起因する癌だから。
 性ホルモンは男性では前立腺癌、女性では子宮内膜癌、卵巣癌、乳癌の発生に密接にかかわっている。
 元の癌の過程や経過などが似ているから、治療法が似てくるのは自然なこと。
 ほぼ同じ薬剤もあるし、違う薬剤もある・・・

 では、それぞれの解説は・・・ネットでは「どっちが分かりやすい?」、という視点で見ても興味深い・・・
 今日は、入り口として、男女の解説の一つずつを、ひとつのブログのエントリーにしてみた。

 ★≪前立腺癌に対するホルモン療法について /東北大学医学部泌尿器科学教室≫
【ホルモン療法の方法】
① LH-RHアゴニスト製剤(リュープリン, ゾラデックス):
② GnRH受容体アンタゴニスト(ゴナックス):
③ 精巣摘出術:
④ 抗男性ホルモン剤(カソデックス, オダイン, プロスタール)
⑤ リン酸エストラムスチン(エストラサイト)

 ★≪●Q51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。/患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2019年版 日本乳癌学会≫
 ホルモン療法の作用 ホルモン療法薬の種類
(1)体内のエストロゲンの量を減らす方法
(2)がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔する方法
(3)その他のホルモン療法薬

 詳しくは下記に図も借りて比較してみておく。
 
 さらに、皮肉なことに、これまた共通しているのは、病気の特性として「いずれ、ホルモン療法が効かなくなってくる」こと。
  ・・・この視点で見ても興味深い・・・ それは、明日にでも比較してみよう。

 なお、昨日3月4日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,708 訪問者数878」。

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  私がこの1年間にやってきたこと治療は、下記の図の中に赤でマークしておいた。
 お、この図は少し古い時代の図なのでこの表には第2世代のホルモン療法の薬が書いてない。
 私は、この図に書いてある方法も効かなかったので、第2世代のホルモン療法のうちの2019年に転移の無い前立腺がんに対して認可、2020年に「転移のある去勢抵抗性前立腺がん」に拡大されたアーリーダを使った。

●前立腺癌に対するホルモン療法について 
  東北大学医学部泌尿器科学教室 .
【ホルモン療法の方法】
① LH-RHアゴニスト製剤(リュープリン, ゾラデックス):
LH-RHアゴニストは黄体化ホルモン(LH)を抑制する薬剤です。初回の投与後2~3週間はLH-RHアゴニストが下垂体を介して精巣に作用し、テストステロンが上昇します。その後は下垂体がLH-RHアゴニストに反応しなくなり、テストステロンは低下します。1ヶ月または3ヶ月毎に皮下に注射をします。

② GnRH受容体アンタゴニスト(ゴナックス):
GnRH受容体へのGnRHの結合を競合的に阻害することによってテストステロンの産生を低下させ、その結果、前立腺がんの増殖を抑制します。初回240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与します。2回目以降は、初回投与4週間後より80mgを維持量として、腹部1カ所に皮下投与し、4週間間隔で投与します。
*皮下注射のため注射部位の痛み、硬結、紅斑をきたすことがあります。

精巣摘出術:
テストステロンの主要な供給源である精巣を両側摘除することにより、テストステロンの産生を大きく抑制します。数日間の入院が必要です。

④ 抗男性ホルモン剤(カソデックス, オダイン, プロスタール):
男性ホルモンがその受容体(AR)に結合するのを抑制し、男性ホルモンが血中にあってもその作用が起こらないようにする内服薬です。精巣摘出術やLH-RHアゴニスト、GnRH受容体アンタゴニストと併用することもあります。

⑤ リン酸エストラムスチン(エストラサイト)
LHの分泌を抑え、テストステロンを低下させます。またエストロゲン剤はがん細胞に直接作用する働きもあると考えられています。


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●Q51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。
       患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2019年版 日本乳癌学会
HOMEガイドライン薬物治療についてQ51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。
A.ホルモン療法薬は女性ホルモンであるエストロゲンを減らしたり,乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔することで,がん細胞の増殖を防ぎます。ホルモン受容体陽性乳がんでは,手術後のホルモン療法により,再発する患者さんを最大で半分程度に減らすことができます。

ホルモン療法の作用
乳がんには,エストロゲン(女性ホルモン)を栄養として増殖するものと,そうでないものがあります。ホルモン療法薬は,体内のエストロゲンの量を減らしたり,がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔したりすることで,がんの増殖を抑えます。

ホルモン療法の効果が期待できるのは,エストロゲンを取り込んで増殖する性質をもった乳がんで,「取り込む口」である「ホルモン受容体」をもっており,乳がん患者さん全体の70~80%です。ホルモン療法が効くかどうかは,手術や針生検によって採取した乳がん組織を調べて判断します。エストロゲン受容体かプロゲステロン受容体(エストロゲンの働きによってつくられる受容体)の少なくともどちらか一方があれば,「ホルモン受容体陽性」といい,ホルモン療法が有効な可能性があります。どちらもなければ,「ホルモン受容体陰性」といい,ホルモン療法の効果は期待できません。

ホルモン療法は,ホルモン受容体陽性の患者さんの手術後の初期治療として行うことで再発や転移を最大で半分ほどに減らし,進行・再発乳がんでは生命予後を改善します。

ホルモン療法薬の種類
ホルモン療法には,作用の異なる2つの方法,すなわち,①体内のエストロゲンの量を減らす方法と,②乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔する方法があります。体内のエストロゲンを減らすホルモン療法薬としては, LH-RHアゴニスト製剤とアロマターゼ阻害薬があります。がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔するホルモン療法薬としては,抗エストロゲン薬があります。閉経前と閉経後とでは体内でエストロゲンがつくられる経路が異なるので,薬剤もそれに合ったものを使用します。

(1)体内のエストロゲンの量を減らす方法
エストロゲンは,閉経前の女性では主に卵巣でつくられ,卵巣機能が低下した閉経後は副腎や脂肪組織でつくられます。

図1 閉経前のエストロゲンの分泌とLH-RHアゴニストの作用
閉経前の女性では,脳の視床下部(ししょうかぶ)というところから下垂体(かすいたい)に,性腺刺激(せいせんしげき)ホルモン(LH)を出す指令〔性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LH-RH)〕が出されると,下垂体は性腺刺激ホルモンを出して卵巣を刺激し,卵巣はエストロゲンをつくります。

LH-RHアゴニスト製剤は,LH-RHとよく似た構造をもつ物質で,下垂体を過剰に刺激します。刺激を受けすぎた下垂体は,まるでストライキを起こすように卵巣への指令を出すことを止めてしまうので,卵巣でエストロゲンがつくられなくなります(LH-RHアゴニスト製剤からの過剰な刺激により,投与してしばらくは,エストロゲンが一時的に増えることがあります) (図1) 。

図2 閉経後のエストロゲンの分泌とアロマターゼ阻害薬の作用
一方,閉経後は,卵巣の機能が低下するので,卵巣ではエストロゲンがつくられなくなります。その代わりに,副腎(腎臓のすぐ上にある臓器)皮質から分泌されるアンドロゲンという男性ホルモンからエストロゲンがつくられるようになります。アンドロゲンがエストロゲンにつくり変えられる過程で働いているのが脂肪組織などにある「アロマターゼ」という酵素です。アロマターゼの働きを阻害する薬(アロマターゼ阻害薬)を使用することで,エストロゲンがつくられなくなります (図2 ) 。



(2)がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔する方法
図3 抗エストロゲン薬(タモキシフェン,トレミフェン,フルベストラント)の作用
エストロゲンを栄養にして増殖する乳がん細胞は,「栄養を取り込む口」であるエストロゲン受容体をもっています。抗エストロゲン薬は,乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔しつつ,代わりに自分がエストロゲン受容体にくっつくことで,がん細胞の増殖を抑えたり細胞死を誘導します( 図3) 。抗エストロゲン薬には,タモキシフェン,トレミフェン(商品名 フェアストン),フルベストラント(商品名 フェソロデックス)などがあります。フルベストラントは,進行・再発乳がんに対して使用します。

ホルモン受容体をもっている乳がん細胞は,女性ホルモン(エストロゲン)の代わりに抗エストロゲン薬を食べてしまい,増殖できなくなるか死んでしまいます。

(3)その他のホルモン療法薬
上記以外にも,作用が明確にはわかっていないものの効果のある薬剤として,酢酸メドロキシプロゲステロン(商品名 ヒスロンH)があります。進行・再発乳がんで,ほかのホルモン療法が効かなくなったときに使用します。また,いくつかのホルモン療法薬を使用した後にエストロゲンを過剰に投与することで,がん細胞の細胞死を誘導できる場合があり,エチニルエストラジオール(商品名 プロセキソール)という薬剤も使用できます。


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