●前立腺癌に対するホルモン療法について 東北大学医学部泌尿器科学教室 . 【ホルモン療法の方法】
① LH-RHアゴニスト製剤(リュープリン, ゾラデックス):
LH-RHアゴニストは黄体化ホルモン(LH)を抑制する薬剤です。初回の投与後2~3週間はLH-RHアゴニストが下垂体を介して精巣に作用し、テストステロンが上昇します。その後は下垂体がLH-RHアゴニストに反応しなくなり、テストステロンは低下します。1ヶ月または3ヶ月毎に皮下に注射をします。
② GnRH受容体アンタゴニスト(ゴナックス):
GnRH受容体へのGnRHの結合を競合的に阻害することによってテストステロンの産生を低下させ、その結果、前立腺がんの増殖を抑制します。初回240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与します。2回目以降は、初回投与4週間後より80mgを維持量として、腹部1カ所に皮下投与し、4週間間隔で投与します。
*皮下注射のため注射部位の痛み、硬結、紅斑をきたすことがあります。
③ 精巣摘出術:
テストステロンの主要な供給源である精巣を両側摘除することにより、テストステロンの産生を大きく抑制します。数日間の入院が必要です。