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てらまち・ねっと



 今日は、2月に注文しておいた「短形自然薯」のウイルスフリーの種芋を種苗店に取りに行ってきた。
 3月初めには届いていると連絡はあったけれど急ぐ必要はないので。
 自然薯の植え付け適期は桜の花の咲くころ、といわれさる。特に今年は、急がなくてもよいし、貯蔵中に芽出が進むぐらいでいいと思っている。理由は、4年ほど前から「マルチ栽培」していないので、「マルチからの出芽した芽の発掘」作業が不要、つまり「芽が伸びた種芋を植え付けてもよいから。その方が後が早いことは過去に経験済み。
 
●-1 里芋栽培
 ところで、うちの里芋栽培の方法は次。
 「ただ、植えっぱなし」で終了も多い栽培ができてきた「里イモの栽培」の今年の課題は、「種芋に前年の親芋を使う」こと。その場合に、今のうちのやり方では、「植穴の大きさが10センチほど」しかないから、種芋のサイズをどうするかということ。

●-2 頭で考えたポイントは3つ。
 「種芋に前年の親芋を使う」 「逆さ植えにする」 「切イモにする」
 ネットで見ると、この3つの課題のうち「2つ」を同時に行う論文や菜園の実地のリポートはあった。
 しかし、見た限りでは、「3つを同時」に、という報告は見当たらなかった。
 ともかく驚いたのは、農試や大学などの専門家がこれらの方向で調査し報告していること。十分に満足、納得できるデータがいくつもあった。

●-3 そのための実績
◎「種芋に前年の親芋を使う」 ということについては、昨年、10株で試みた。終了につき特に差を感じなかった。しいて言えば、現在の防草シートを用いた栽培では、一本しか芽が出る余地がないから芽欠きはほとんど必要なかったが、親芋は近い部分がらいつも出るので、何回か芽欠きをしたことぐらい。

◎「逆さ植えにする」ということについては、一昨年、昨年、と一部で試みたが、特に違和感はなかった。

◎「切イモにする」ということについては、経験がない。しいて記憶をたどれば、前年の親芋を畑でトラクターで切り刻んでも芽が出てくるということは、通常に理解していることだった。

●-4 ⇒今日、いろいろな報告を見たうえでイメージした今年の方針の基調は次
 ◎親芋の頭(前年の軸部分)をカットし、
 ◎縦に8分割程度、
 ◎切り口は石灰か灰をつけて乾かしてから
 ◎芽出しし
 ◎逆さに植える(芽を下にする)

●-5 上記の根拠として良さそうなデータ。
 今日は、基礎データとなる報告などを確認しておく。
 あと、私にとっては「メからウロコ」ともいうべき、わかりやすく、かつ端的に説明していた2件の報告については、明日に載せよう。

★種芋個体の大きさの影響が大で種芋個体の大きい方が多収であった。安全な分割程度は親芋で1/8(栃木農試)
★垂直分割区が水平分割区に比べて副芽の成長が促進された。(鹿児島農試)
★分割した種いもを催芽後40~60日育苗し、8~14cmの深さに定植することによって、収量は慣行の栽培法と同程度となる(富山農試)
★親イモ区と孫イモ区の6年間の収量調査の結果からも差異は認められないことから,親イモを種イモとして十分利用できる。(岡山大学大学院)

 今日のブログ後半にリンク・抜粋しておくけど、出典と私にピンときたポイントのメモは次。
①●サトイモの親芋副芽の利用による大量増殖 第1報/鹿児島農試 2008年
・・・・親芋を切断することで、副芽が伸長する。
切断方向は、垂直分割区が水平分割区に比べて、長さ4ミリ以下の副芽が少なく、逆に5~19ミリの副芽が多くなり、副芽の成長が促進された。

②●さといもの種芋分割による増殖法について/栃木農試 
  芋重も芋数と同様に無催芽区がやや多く,芋の種類では親芋区より,子・孫芋区がやや多収の傾向を示したが,種芋個体の大きさの影響が大で種芋個体の大きい方が多収であった。
株の萌芽率や目漂とする1芋重を考慮すると安全な分割程度は親芋で1/8,子・孫芋で1/4であると考えられた。

③●サトイモの種いも分割育苗法及び栽培方法/富山県農業技術センター 研究期間 1997~1998
分割した種いもを催芽後40~60日育苗し、8~14cmの深さに定植することによって、収量は慣行の栽培法と同程度となる。種いもの必要量は1/6程度である。
催芽の前にいも片を殺菌剤に浸漬または粉衣し、乾燥させると出芽率が向上し、腐敗率が低下する(図1)。

④●サトイモ用移植機が利用できるサトイモセル成型苗の育苗方法と栽培管理法 研究期間 平成11~15年度/新潟県 農業総合研究所
成果の内容・特徴/種イモには、子イモ・孫イモや極小イモ(20g以下の孫・ひ孫)が使用可能で、慣行の約4倍量の種イモ数を確保できる。

⑤●サトイモにおける親イモの種イモへの活用/岡山大学大学院自然科学研究科 2000年ごろ
親イモを種イモとするT区と,対照として孫イモを種イモとするC区で、6年間の収量調査の結果からもC区とT区の差異は認められないことから,親イモを種イとして十分利用できると思われる。

 なお、昨日3月20日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,404 訪問者数1,125」。

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●サトイモの親芋副芽の利用による大量増殖 第1報
 鹿児島農試 2008年
・・・・親芋を切断することで、長さ5ミリ以上の副芽の割合が多くなり、副芽が伸長することが認められた。
切断方向の違いでは、垂直分割区が水平分割区に比べて、長さ4ミリ以下の副芽が少なく、逆に5~19ミリの副芽が多くなり、副芽の成長が促進された。これは・・・

●さといもの種芋分割による増殖法について
    栃木農試 
1.試験のねらい
 サトイモの優良品種,系統の増殖と従来廃棄していた親芋の有効利用をはかるため,種芋の種類と分割程度及び催芽処理が生育・収量・増殖率に及ぼす影響を検討した。

2.試験方法
  品種は女早生を用い,種芋の種類は親芋(1609),子芋,孫芋(809)とし・分割程度は無分割,1■2,1/4,1/8,1■16(親芋のみ)を設け,催芽の有無を組合せて試験を行った。
種芋の植付時期は,無催芽区が3月3工目,催芽区が5月ユ5日℃畝幅100㎝,株 間40㎝の1条植えとした。施肥量は3要素ともa当たリ成分量で2κg施用し走。マルチ(透 明ポリ)は両区とも3月31目に畝幅70㎝に行い,培土は6月25目のマルチ除去直後に行い,収穫は11月13目に行った。試験規模は1区10株2区制とした。

3.試験結果及び考察
  萌芽期は,催芽区がやや早く,芋の種類では親芋,子芋区がやや早く,孫芋区はやや遅れた。
萌芽株率は、無分割区が100%と高かったが,分割片が小さくなるに従い低くなリ,親芋の 1■工6,子,孫芋の1■8分割区は30%以下であった。
 生育は,催芽区がやや良く、芋の種類では差が少なかったカ、種芋個体(分割片)が小さくなるに従い,草丈が低く,葉の大きさも小さくなった。
  芋数は,無催芽区がやや多かったが,芋の種類では差が少なく,種芋個体の大きさの影響が 大きく,種芋個体の大きい区が芋数は多かった。
  芋重も芋数と同様に無催芽区がやや多く,芋の種類では親芋区より,子・孫芋区がやや多収の傾向を示したが,種芋個体の大きさの影響が大で種芋個体の大きい方が多収であった。
  芋の増殖率は,無催芽区がやや高く,芋の種類では孫芋区がやや高い傾向を示した。種芋個 体の大きさでは親・子・孫芋区とも1■8分割区が高かった。

4.成果の要約
  種芋の分割による増殖は,種芋個体の大きさを小さくすることによリ高まるが,株の萌芽率や目漂とする1芋重を考慮すると安全な分割程度は親芋で1■8,子・孫芋で1■4であると考えられた。なお,種芋個体の大きさを209以下の小片とする場合は催芽後植え付けが望ましい。 

下記が面白い報告だが、育成期感が40日から60日長いことを考慮すると、私の場合の実地としては、切イモに薬剤を使わない、腐敗率が高いという(図-1)から、適応は困難かとみた。

●サトイモの種いも分割育苗法及び栽培方法/富山県農業技術センター 研究期間 1997~1998
      農林水産研究に関する国内の論文・情報が探せるデータベース(アグリナレッジ)
タイトル サトイモの種いも分割育苗法及び栽培方法
要約 サトイモの種いもを数個に分割し、育苗、栽培する方法である。分割した種いもを催芽後40~60日育苗し、8~14cmの深さに定植することによって、収量は慣行の栽培法と同程度となる。種いもの必要量は1/6程度である。
・・・・
サトイモ栽培を新規に始める場合や気象条件によって貯蔵中の種いもが腐敗した場合に、定植用の種いもの確保は大変困難である。サトイモは1つの種いもから1株を養成するのが一般的であるが、1つの種いもには数個の側芽及び伏芽が存在しており、それらを利用すれば、種いもの必要量は少なくて済む。そこで、側芽及び伏芽を利用し種いもを数個に分割する場合の育苗、栽培方法を検討する。

成果の内容・特徴 /種いも分割育苗の手順は次のとおりである。
育苗にはペーパーポット(4.7cm×4.7cm×5cm、72穴/冊)を用いると良い。種いもを5cmに切り揃え、1片が10~15gになるよう頂芽を中心に4~8個に縦割する。分割したいもをペーパーポットに植え付ける前に催芽を行った方が植え付け後の出芽率、生育が良く、苗のばらつきも小さい(表1)。
催芽の前にいも片を殺菌剤に浸漬または粉衣し、乾燥させると出芽率が向上し、腐敗率が低下する(図1)。催芽したいも片を育苗床土を詰めたペーパーポットに植え付ける。切り口は下に向けて植え付け、いもが露出しないように覆土する。植え付け後は25~30℃に加温する。育苗期間は品種「大和」で40~50日、「石川早生」で、50~60日である。定植予定日からさかのぼって育苗を開始する。

全期間マルチ栽培を前提とした場合、ポット上面から畦面までの定植深さが8~14cmで最も収量が多く、規格外いもの発生率も少ない(図2、図3)。定植は最大葉柄長8~14cmの苗を葉身が埋まらない程度に深く植えるか、14cm以上の苗を8~14cmの深さに植え付ける。8cm以上の苗であれば定植後の欠株は見られない。
収量は慣行栽培と同程度得られる(表2)。
種いもの必要量は慣行栽培の1/6程度である(表3)。

成果の活用面・留意点 /種いもを分割する際に、病気及び腐敗の見られるものは使用しない。
育苗中に1株から2つ以上出芽している場合には、1本にして定植する。
慣行栽培では使わない小さい種いもでもこの育苗、栽培方法により使用できる。
定植後の草丈は慣行栽培に比べ低く推移する。・・・(以下、略)・・・

●サトイモ用移植機が利用できるサトイモセル成型苗の育苗方法と栽培管理法 研究期間 平成11~15年度
      新潟県 農業総合研究所 園芸研究センター 栽培・施設科 
成果の内容・特徴/種イモには、子イモ・孫イモや極小イモ(20g以下の孫・ひ孫)が使用可能で、慣行の約4倍量の種イモ数を確保できる(表2)。
育苗経費は、購入種イモを使用した場合に削減効果が大きく、セル成型苗育苗では、慣行育苗に比べ10a当たり約8万円(60%程度)削減できる。ただし、育苗にかかる時間 は10a当たり7時間増加する(表4)。
育苗方法
セルトレイは、タバコ移植機用セルトレイ(72穴:42mm角、深さ45mm)を使用する。育苗培土は、市販の野菜育苗用培土に微粒の被覆燐硝安カリ40日タイプ又は70日タイプを育苗培土1リットル当り窒素成分で250mg(肥料現物で約1.8g)を混和したものを使用する。育苗手順は、図1に従って行う。
本育苗方法では、①頂芽部分を切除後、珪酸塩白土で種イモ全体を粉衣し、②脇芽発生・分割後のイモ片は、種イモ消毒を行う。
育苗日数は、出芽後のハウス内での育苗を加温ハウス温床上で行う場合で40日程度、無加温ハウス内冷床で行う場合で、50~60日要する。
定植方法および定植後の管理
セル成型苗は、サトイモ用移植機で支障なく定植できる(表3)。
植付け深さは、約17cm(・・・(以下、略)・・・

●サトイモにおける親イモの種イモへの活用
    岡山大学大学院自然科学研究科 農学部附属山陽圏フィールド科学センター 2000年ごろ
 ・・・(略)・・・考察
親イモを分割して植え付けを行なったが,分割に要する労力的な問題はない。
発芽率が良好であった一因として,石灰に粉衣することで親イモの腐敗を抑えたものと思われる。親イモを種イモとして使用できれば従来の種イモの孫イモ1200個分を販売に回すことができ,約3万円の増収となる。
6年間の収量調査の結果からもC区とT区の差異は認められないことから,親イモを種イとして十分利用できると思われる。
また2003年から設定した子頭イモを種イモとするK区における収量調査結果からもこれら3区の間には差異は認められなかった。

このとから子頭イモもまた種イモとして十分利用できることが明らかになった。
以上のように,サトイモにおける親イモおよび子頭イモの種イモへの活用は増収対策とコスト削減の点から極めて有効と思われ,今後の運営に活用したい。

2004年は親イモを種イモとして栽培面積の3割を,2005年は親イモと子頭イモを種イモとして5割使用している。
参考文献
山奥 隆・酒井冨美子(2005)クロッピングシステム部門耕種概要,岡山大学農学部センター報告,27, 29_41.
2018-04-20


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