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てらまち・ねっと



 先週は、「がんゲノム医療」のこと、関係する治療薬のことなどを見てきた。
 今日は、それら分野のまとめ確認や課題なども見ておく。

 ゲノムにつき、「生検や手術で癌細胞」をとって調べることとは別に、時代は「血液」などから調べる方向に移りつつある。
 このことは、2015年の国立がん研究センターの「血液でがんゲノム解析、すい臓がんで成果 個別化治療への道開く」(日経 2015.12.17)というような動きも経ながら、現在に来ている。

 保険診療でゲノム医療・リキッドバイオプシーの検査が受けられるようになったのは、まだ2年前の2019年。
 ほやほやで、今後、どのように進んでいくかとともに、そもそも、現状で、どの程度の人がその恩恵としての治療を受けられるか、それは重要なこと。

 そんことも視点にして、きょうは次にリンク・抜粋しておく。
 「臨床研究ではがんゲノム遺伝子検査から薬剤に到達する患者は13.3%」という論点もある。13%が低いか高いかというポイントについての評価につき、「そんな低い?」と感じる向きもあるかもしれないけれど、がん治療は当面は従来の方法が改善していく患者はそれはそれで当面は良しとして、私のように、何をやってもダメ、という患者にとっては、まったく新しい可能性のある治療の端緒とうつる。だから、13%は高い数字、と評価する。それと、実地と研究が進めば、もっと数字が上がるのは当然の分野。

 それと、明日からは、放射線治療のうちの「ゾーフィゴ」について何回か見た後、ゲノム医療の実際の治療のことを確認したいと今は思っている。あくまでも、当事者目線でのまとめ。
 ともかく、今日は次。

●血液でがんゲノム解析、すい臓がんで成果 個別化治療への道開く/日経デジタルヘルス 2015.12.17/国立がん研究センターは、生検や手術で生体組織を採取することなく、血液から網羅的なゲノム解析を高精度に行える手法を開発した。リキッドバイオプシー(Liquid biopsy)と呼ばれる検査技術における新手法で、進行膵臓がんの治療標的になり得る遺伝子異常を検出することに成功した。患者の負担が少なく、しかも効果の高い個別化治療につながる成果だ。/治療標的となり得る遺伝子変異を捕捉/分子標的薬による治療へ

●がんゲノム医療のさらなる発展 リキッドバイオプシーによるゲノム解析の有用性を証明へ/国立研究開発法人国立がん研究センター 2020年10月6日

●がんゲノム医療は早期治療につながる?リキッドバイオプシーで何ができる? よりよいゲノム医療の実現へ患者の視点を生かす/日経 がんナビ 2020/10/20/限られている治療薬、あっても使えない場合も
 新たに開発された治療は、国による承認というお墨付きを得てはじめて保険診療となる。検査と治療が揃っても、それがともに保険承認されるまでは、実臨床における使用はハードルが高い。保険診療と保険外診療とを一緒に行うことが禁止されているためだ(混合診療の禁止)。

●保険診療となって1年が過ぎたがんゲノム医療でわかってきたこと、わからないこと 現状を踏まえた今後の取り組み  臨床研究ではがんゲノム遺伝子検査から薬剤に到達する患者は13.3%/日経 がんナビ 2020/12/22 /2つのがん遺伝子パネル検査のどちらを選ぶ?/検査を行う最適な時期、薬剤に到達するまでの時間は?・・・(略)・・・現在、がん遺伝子パネル検査は、標準治療が終了した後に行う検査。そのため患者の状態が悪化することが懸念される。/最近では、ある共通する遺伝子変異がある複数のがん種で同じ薬剤を投与での成功が見られる/薬剤開発は今後グローバル化がますます進み、高速化していく

 なお、昨日3月15日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,752 訪問者数975」。

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●血液でがんゲノム解析、すい臓がんで成果 個別化治療への道開く
     日経デジタルヘルス 2015.12.17 大下 淳一
 <font style="background:#ffffcc">国立がん研究センターは、生検や手術で生体組織を採取することなく、血液から網羅的なゲノム解析を高精度に行える手法を開発した(プレスリリース)。

リキッドバイオプシー(Liquid biopsy)と呼ばれる検査技術における新手法である。この手法を使い、進行膵臓がんの治療標的になり得る遺伝子異常を検出することに成功した。患者の負担が少なく、しかも効果の高い個別化治療につながる成果だ。・・・(略)・・・
治療標的となり得る遺伝子変異を捕捉・・・(略)・・・

分子標的薬による治療へ・・・(以下、略)・・・


●がんゲノム医療のさらなる発展 リキッドバイオプシーによるゲノム解析の有用性を証明へ
   国立研究開発法人国立がん研究センター 2020年10月6日
・・・(略)・・・リキッドバイオプシーでは、がん組織を採取せずに、採血で繰り返し測定することが可能です。従来の腫瘍組織の採取は患者さんへの侵襲が大きく、治療決定の遅れにも繋がることがありましたが、今回、リキッドバイオプシーの有用性が証明されたことにより、身体に負担の少ない方法で、より多くの患者さんが最適な治療薬にたどり着くことに繋がることが期待されます。
・・・(略)・・・
 展望
本研究の成果により、リキッドバイオプシーがスクリーニング検査としてより多くの治験に活用されることで、より多くの患者さんに最善の医療を提供できることが期待されます。

また、新たなドライバー遺伝子異常の発見により、これまで着手されていなかったドライバー遺伝子異常に対する治療開発が活発化する可能性があります。なおGOZILA Studyでは、既にリキッドバイオプシーの結果に基づく医師主導治験が複数実施されています。

今後も国立がん研究センター東病院は、一人でも多くの患者さんが最善の治療を受けられるよう、リキッドバイオプシーによるがんゲノム医療の実現を目指してまいります。

●がんゲノム医療は早期治療につながる?リキッドバイオプシーで何ができる?
よりよいゲノム医療の実現へ患者の視点を生かす
 中西美荷=医学ライター
     日経 がんナビ 2020/10/20
・・・(略)・・・限られている治療薬、あっても使えない場合も
 検査における課題と並んで、「遺伝子の変異に対応する治療薬、そして有効と期待できる治療薬を使う手段が限られていること」(谷口氏)も、がんゲノム医療を実施する上で大きな課題である。

 たとえばHER2という遺伝子に変化があった場合、HER2に対する薬の有効性が期待され、すでに保険承認された薬剤もあるが、適応は胃がんと乳がんに限られている。大腸がんや膵臓がんなど、他のがんでHER2遺伝子の異常がみつかった場合には、この薬剤による保険診療は行えない。

 新たに開発された治療は、国による承認というお墨付きを得てはじめて保険診療となる。検査と治療が揃っても、それがともに保険承認されるまでは、実臨床における使用はハードルが高い。保険診療と保険外診療とを一緒に行うことが禁止されているためだ(混合診療の禁止)。

 ただし例外規定として、治験、先進医療、患者申出療養制度を使った場合には、混合診療が可能とされている。研究者らは、これらも利用しながら、保険診療に至っていない開発中の検査や治療を患者に届けるべく、臨床研究に取り組んでいる。谷口氏らが特に力を入れているのは、新たな治療が保険診療としての承認を得るための開発過程である治験だという。

リキッドバイオプシーって何?・・・(略)・・・
 一方、リキッドは日本語では“液体”を意味する。したがって“リキッドバイオプシー”は、直訳すれば“液体の生検”という意味になる。ただ中村氏によれば、がん診療の場面では、リキッドバイオプシーは “血液や体液を採取して得た腫瘍検体の解析”を意味するという。

 もっともイメージしやすいのが血液の解析だが、実は検体は血液に限らない。喀痰、尿、便、食道擦過液、脳脊髄液、子宮頸部細胞といったさまざまな体液を用いた解析も行われており、これらの腫瘍検体を用いた解析もリキッドバイオプシーである。

血中に放出される“がんの痕跡”を探す
 がん細胞が壊れると、血中に、さまざまながんの痕跡が放出される。また、組織から離れたがん細胞そのものが血中を流れていることもあり、これは血中循環腫瘍細胞、英語でCTC(Circulating tumor cell)と呼ばれる。
・・・(略)・・・

●第29回肺がん医療向上委員会より 保険診療となって1年が過ぎたがんゲノム医療でわかってきたこと、わからないこと 現状を踏まえた今後の取り組み
     日経 がんナビ 2020/12/22 森下紀代美=医学ライター
 2019年6月に2つのがん遺伝子パネル検査が保険収載され、がんゲノム医療が保険診療で受けられるようになった。がん遺伝子パネル検査で一度に多数の遺伝子を調べ、その結果をエキスパートパネル(関係する分野の専門家で構成される委員会)が検討し、推奨される薬剤や治験など、一人ひとりの患者に合う治療法が検討される。その結果は主治医から患者に説明される。

 全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、がんゲノム医療中核拠点病院12カ所、がんゲノム医療拠点病院33カ所、がんゲノム医療連携病院161カ所が指定されている(2020年4月時点、厚生労働省ホームページより)。エキスパートパネルは、がんゲノム医療中核拠点病院12カ所、がんゲノム医療拠点病院33カ所の病院で設けられている。

 第29回肺がん医療向上委員会のウエブセミナーでは、国立がん研究センター中央病院先端医療科の小山隆文氏が「がんゲノム医療の現場から」と題した講演を行い、がんゲノム医療の現状、その現状を踏まえた課題とそれに対するアプローチについて解説した.。

臨床研究ではがんゲノム遺伝子検査から薬剤に到達する患者は13.3%
 小山氏はまず、がんゲノム医療の現状を紹介した。
 現在、保険診療で利用可能ながん遺伝子パネル検査には、「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」(Foundation One CDx)と「OncoGuide NCCオンコパネル」(NCCオンコパネル)がある。これらの検査が受けられるのは、標準治療がない固形がんの人、局所進行または転移があり、標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんの人とされている。

 2つのがん遺伝子パネル検査には違いもある。調べることができる遺伝子数は、FoundationOne CDx 324個、NCCオンコパネル114個で、小山氏は「全遺伝子は約2万と言われ、両遺伝子パネル検査ともに、臨床的に有望であろうというものをピックアップして見ている」と説明。また、FoundationOne CDxで調べるのは腫瘍組織だけであるのに対し、NCCオンコパネルでは腫瘍組織と末梢血を調べ、対照となる正常細胞も併せて見るものとなっている。

 NCCオンコパネルの基となった臨床研究が、国立がん研究センターのチームが行ったTOP-GEARプロジェクトである。研究の前半部分では、対象187人のうち、NCCオンコパネルで遺伝子変異が見つかり、何らかの薬剤に到達したのは25人(13.3%)となったことが報告されている(K. Sunami, et al. Cancer Sci.2019;110:1480-90)。

 その後、後半部分の解析も行われ、対象は計332人となり、何らかの薬剤に到達した患者は計57人(16.7%)となり、経過観察期間が長くなるのに伴い、薬剤への到達率は上昇した。57人に投与された薬剤をみると、最も多かったのは治験で、保険承認薬、適応外使用(すでに国内で承認されている薬を、承認された内容の範囲外で使うこと)が続いた。薬剤の作用機序でみると、分子標的薬のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が最も多かった。

実際の臨床で薬剤に到達できる割合は?
 がんゲノム遺伝子検査が保険診療で受けられるようになった今、多くの人が知りたいのは、臨床研究ではない実際の臨床の場、リアルワールドのデータだ。小山氏は、国立がん研究センター中央病院の臨床データを示した。

 がん遺伝子パネル検査が保険収載された後の2019年8月から2020年7月までに、同院でこの検査を行ったのは418人(男性214人、女性204人)、年齢中央値は57歳(範囲:3-86)で、40歳から75歳までの年齢層が多かった。検査をFoundationOne CDxで行ったのは151人、NCCオンコパネルで行ったのは267人となった。

 がんの種類で多かったのは、大腸がん(56人)、肉腫(45人)、肺がん(37人)、卵巣がん(33人)、膵がん(29人)などだった。臨床研究のTOP-GEARでは、肉腫などの希少がんが多かったが、保険診療に移行後は、大腸がんや肺がんなどの患者数が多いがんが増加し、他にもさまざまながんに行われており、満遍なく検査が行われていることがわかった。

 国立がん研究センター中央病院のエキスパートパネルで何らかの薬剤の提案があったのは、418人中188人(45.0%)だった。1人の患者に複数の提案がされたケースもあったが、勧められる治療法の中でエビデンスレベルが高いものでは、最も多かったのは治験(166人)、続いて保険承認薬(9人)、受け皿試験(治験の対象とならない患者の受け皿として、患者申出療法制度の中で治験薬や適応外使用で薬剤を投与する多施設共同研究)(8人)だった。

 エキスパートパネルで何らかの薬剤が提案され、実際に薬剤に到達した患者は418人中52人(12.4%)となった。TOP-GEARや米国のデータでは、薬剤への到達率は10%前半の値であり、実際の臨床の場でも、臨床研究と同程度に薬剤に到達することが示された。

 52人が到達した薬剤を作用機序でみると、分子標的薬が最も多く、次がニボルマブやペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬だった。実際に投与されたのは、治験が最も多く、保険承認薬、適応外使用、医師指導試験、受け皿試験が続いた。

 「がんの種類によって薬剤に到達する割合が違うのではないか?」という疑問も出てくる。418人の全てのがんでみると、何らかの薬剤に到達した患者は肺がんで最も多く、37人中11人、薬剤の提案が最も多かった大腸がんでは56人中5人だった。

2つのがん遺伝子パネル検査のどちらを選ぶ?
 保険診療で利用可能な2つのがん遺伝子パネル検査のうち、「どちらをその患者さんに選べばよいのか?」という課題も、現場の臨床医には重要である。検査に提出する際には、主治医がどちらかを選ぶ必要があるためだ。

 国立がん研究センター中央病院で検査が行われた418人のうち、NCCオンコパネルには267人、FoundationOne CDxには151人の検体が提出された。そのうち薬剤に到達したのは、NCCオンコパネルとFoundationOne CDxではほぼ差はなく、約12%であった。

・・・(略)・・・検査を行う最適な時期、薬剤に到達するまでの時間は?
・・・(略)・・・現在、がん遺伝子パネル検査は、標準治療が終了した後に行う検査となっている。そのため、検査を提出してからエキスパートパネルが終わるまでの間に、患者の状態が悪化することが懸念される。

・・・(略)・・・薬剤への到達率を改善するための次のステップ
 ・・・(略)・・・ 研究期間は2020年5月から2021年4月までの1年間で、予定登録数は患者が300人、家族が192人で、半年が経過し、登録数は半数を超えている。2021年の秋頃には何らかの形で報告ができる見通しであるという。
・・・(略)・・・さらに、がん遺伝子パネル検査を行った後の薬剤候補は治験薬となることが多いため、治験薬の候補をいかに増やしていくかが、薬剤への到達率を上げるための1つのポイントとなる。

 抗がん薬の開発は、肺がんや大腸がんなど、それぞれの臓器に焦点を当てて行われてきた。しかし、2000年代初頭から、遺伝子変異や表面抗原などのバイオマーカーを中心とした薬剤開発にシフトしてきている。こうしたバイオマーカーを使うものには、1種類のがんで遺伝子変異の種類により、それにマッチした薬剤を投与するアンブレラ試験や、ある共通する遺伝子変異がある複数のがん種で同じ薬剤を投与するバスケット試験があり、最近では後者の試験デザインでの成功が見られるようになってきている。

 分子標的薬が登場するまでは、第1相試験で薬剤の毒性を評価し、第2相試験で薬剤の有効性を評価し、第3相試験では対象を増やして薬剤の有効性と安全性を評価する方法が典型的だった。ただし、この方法では保険承認までに長い時間がかかる。10年かかることもある。遺伝子変異などのバイオマーカーをターゲットとした、分子標的薬が開発の中心になると、第1相と第2相を組み合わせるなど、薬剤の開発期間が短縮されるようになり、ペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬では、巨大な第1相試験で第2相、小さな第3相までも含むような試験デザインになっているものも見受けられる。

 薬剤開発は今後グローバル化がますます進み、また第1相、第2相、第3相試験がシームレス化し、高速化していくことが予想される。がんゲノム医療で薬剤に到達する機会を減らさないためにも、さらには今後登場する保険承認薬を減らさないためにも、日本はこうした薬剤開発の波に乗り遅れないようにする必要があると小山氏は指摘した。


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 先月、月10万部発行の月刊誌からの原稿依頼があって、期限に出しておいた。
 先週半ばに「著者校正」の確認メールが来て、「直すところがあれば、今日15日までに」とあった。
 予定通り、本日、返信しておいた。

 ところで、今日のブログは、自分の病気の治し、・・治療のことにしようと思っていたが、パソコンの緊急の修理があったので、その直しのことにしよう。
 ネットで見ると、かなりの人が困っている雰囲気だし、私もネットに教えてもらって直したから・・・

● うちの場合。
 今朝、パソコンで別の書類をプリントしようとしたら、すっと印刷できず、ダウン・自動再起動された。
 何度か、同じことの繰り返し。

 画面は青色になってとまる。よく見ると停止コード 「APC_INDEX_MISMATCH 」が表示されている。「win32kfull」ともある。
 パソコンかプリンターか判断がつかなかった。隣のパートナーのパソコンで印刷を試したが、まったく同じ状態と表示。
 ・・これは、パソコンの問題と想像した。

● ネット検索で「apc index」と入れたら、検索候補がいろいろと出てきた。みんな同じようになっていることが想像できる。
 「apc index mismatch win32kfull」で検索を続けた。

 ネットを見ていると、何年か前にも同じ表示の注意があった・・・ともかく、基本は今回の案件、しかも3月10日のWINの更新が原因のメモが読み取れる。
 そこで直しにかかる。

● 見ていく、「京セラ」のプリンターについては「京セラ」が対策のドライバーの更新を出している旨。
 ・・それで治った人もいる雰囲気。しかし、うちは直らなかった。ダウンロードするバージョンをン得たりなどしてみたが、不調。

 それで、ネットの別の解説をみてみた。一番すっきりしたのは下記。
 やってみたら、簡単に直った。隣のパートナーのパソコンもあっさりと直った。

● ただし、WINの更新があると、また、元に戻るように書いてある。
 ま、当然だろう。でも、直し方はわかったから・・・とはいえ、アップデートを止めるのも不安。
 「多分、マイクロソフトが修正して更新してくるだろうから、今日のところは、自動更新にしておく」ことにした。

 3月10日ごろには、例のアメリカでの大規模なハッキングの対策のための更新があった。そのときのミスだろう。
     ※ 3月7日ブログ ⇒ ◆米3万組織に攻撃、中国系ハッカーか Microsoft標的(日経) 世界25万以上の組織が影響を受ける(ロイター)/過去最大級被害、復旧までに最長18カ月(テクノロジー)/ハッカー集団 ハフ二ウム


 そんなことで、以下に、関連ページなどへのリンク、抜粋などしておく。
 なお、昨日3月14日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,619 訪問者数967」。

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私のアンインストールの手順から
症状の画面


まず、検索すると、候補がいろいろと表示れる。それだけ、みんなが困っているということか・・・




更新プログラム「KB5000802」もしくは「KB5000808」をアンインストールするだけ。
(通常は、3月10日とか11日の更新日のはず)


●マイクロソフト公式ページ  /ブルー スクリーンになり停止コード APC_INDEX_MISMATCH が表示された
  mannaka 作成日 2021年3月10日
 ブルー スクリーンになり停止コード APC_INDEX_MISMATCH が表示された
2021/3/10 ウインドウズの更新後、複数のプリンターの内1台のネットワークFAX兼プリンターに接続すると
青い画面になり停止コード APC_INDEX_MISMATCH 失敗した内容 win32kfull.sys

というメッセージになりました。再起動し直しても、プリンタードライバーをインストールし直しても接続することはありませんでした。

ネットで検索してみましたが意味がよくわからず困っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウインドウズ10pro を使っています。
この件他のSNSなどでも話題になっていますがどうも京セラのプリンターで良く起きているようです。
京セラのHPに案内がでていました。
https://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/support/information/info_20210311.html

いったん京セラプリンタで利用するドライバを変更すると良いようです。

京セラ以外の人は続報まちか、いったんKB削除になりそうですね。

京セラの人は下記か。私はうまくいかなかったけど。
●Windowsアップデート後から「印刷を行うとブルースクリーンエラーが表示されて強制的に再起動がかかり、印刷ができない不具合」について
      京セラ 公式ページ 2021年3月11日 お客様各位
平素は弊社製品をご愛顧いただき厚く御礼申し上げます。
現在、Windowsをご使用のお客様におかれまして、2021年3月10日にマイクロソフト社より配信されました更新プログラム適用後に、印刷を行うとブルースクリーンエラーが表示されて強制的に再起動がかかり、印刷ができない不具合が発生しています。
その影響により、コンタクトセンターの受付窓口に、お問合せの電話が増加しており、非常に繋がりにくい状態が続いております。

お客様にはご不便とご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

また、本件に対する回避方法として、異なるタイプのプリンタードライバーのご使用をご案内させて頂いております。 インストール方法を「よくあるお問合せ」に掲載しておりますので、ご活用のほど、何卒よろしくお願いいたします。
     リンク:

●Windowsのアップデートで印刷するとブルースクリーンが出る問題
       投稿日: 2021年3月12日 投稿者: (株)エフトス
windows update「Windows 10 Version 2004/20H2用の3月の月例更新プログラム」をインストール後、ブルースクリーンが表示される(BSOD)というPCクラッシュ事案が発生しているようです。
ブルースクリーン画面には「APC_INDEX_MISMATCH for win32kfull.sys」というエラーメッセージが確認できます。

解決策
「KB5000802」もしくは「KB5000808」による不具合を回避するには更新プログラムをアンインストールするだけで済みます。
「KB5000802」もしくは「KB5000808」を手動でアンインストールするか、復元ポイントを設定していれば以前の復元ポイントにロールバックすることで不具合を回避することができます。

※ドライバーを最新のバージョン「KX Universal Printer Driver (v.8.1.1109)」にアップグレードする方法は効果がないそうです。

■手動で更新プログラムをアンインストールする手順
「設定 > 更新とセキュリティ > Windows Update」を開く。
「更新履歴の表示」をクリックする。
「更新プログラムのアンインストール」リンクをクリックする。
一覧から該当の更新プログラム(「KB5000802」もしくは「KB5000808」)を探してアンインストールを実行する。

 なおアンインストール後は設定でアップデートを一時停止しておかないと、また自動で「KB5000802」もしくは「KB5000808」がインストールされ同じ不具合が発生してしまうので注意してください。
京セラ
リコー
Dymo
ブラザーのプリンター一部機種で、KB5000802 / KB5000808不具合が多くみられるよう
詳細情報https://www.koregasiritai.com/windows-update-kb5000802-kb5000808/




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 名古屋市長の河村氏が、10年前に自ら進めた「名古屋市議会リコール」署名の名簿を「愛知県知事リコールの会」に提供したことを堂々と認めている。
 名簿の流用を率先して行ったわけで、あり得ないことを自ら実行した。そうなのに、自分も被害者ぶっているのはあまりに無責任。
 もうすぐ、名古屋市長選が告示されるということで、慎重に情勢を見計らっているのだろうけど・・・いっそ、やめると表明すべき。
 自公が勝つかどうかではなく、「そもそも不適格」なのだから当然のこと。

 以前、私たちは市民派議員として「議員年金の廃止」に取り組んでいた。その一環で名古屋で大きな集会を企画した。その時は、名古屋市長の河村氏に基調講演をしてもらった・・・・
 ・・しかし、そのこととは別事件の倫理として、「ありえへんこと」をやった以上はやめてもらうしかない、そう思う一人だ。
 ということで、市長選前の世論づくりに貢献もしたくて、今日は次を確認しておいた。

●愛知県知事 愛知100万人リコールの会/リコールの理由!!

●愛知 リコール署名 約83%が有効と認められず/NHK 2021年2月1日
●河村氏、リコール署名に10年前の名簿提供 関係者反発/朝日 2021年3月13日
●松尾貴史のちょっと違和感 愛知知事リコール署名不正 河村市長の責任いかに/毎日 2021年3月14日

●リコール署名、 河村市長「(私が署名の活動の)中心人物だったか証明しろ」 議員「それは発言者が立証することだ」 名古屋市議会で応酬、減税議員は助け舟/名古屋 2021年3月4日

●河村市長に辞任求める 愛知知事リコール署名不正問題で市民集会/毎日  2021/3
●知事リコール、押印ない署名数百キロ分…県内2か所から回収/ヤフー 読売 3/13

●<こちさが>偽の署名バイト、罪に問われる? 専門家「捜査本筋は首謀者」警察要請なら協力の可能性/佐賀 2.21
●不正署名、誰がなぜ 愛知リコール問題/中日 2021年3月1日

●河村氏「思いもよらんことだった」 署名偽造問題を謝罪/朝日 2021年3月1日
●リコール制度の課題 「総務省に報告」 署名偽造問題で県選管委員長/2021年3月5日
●(社説)リコール不正 不信深める無責任ぶり/朝日 2021年3月13日
 
 なお、昨日3月13日の私のブログへのアクセスは「閲覧数3,448 訪問者数1,178」。

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・・・愛知県知事 愛知100万人リコールの会
 愛知県知事リコール!  
リコールの理由!!
1、天皇侮辱動画を隠して出品(昭和天皇写真をバーナーで焼いて踏みつけ)
2、日 本 兵 士 侮 辱 (日本軍兵士の死をまぬけな日本人の墓と表現)
3、慰 安 婦 像 ( 現在、韓国でももめている )
4、愛知県 コロナ 感染者 4 9 5名 情報 ろうえい
【Q&A】
署名は誰から貰っても良いですか?
署名用紙が届きましたが、受任者欄の記載事項が間違っていました。
委任状欄の住所がハイフンに成っていますが大丈夫ですか?
印鑑はシャチハタでも良いですか?
いつまで署名活動できますか?
署名はどこでできますか?

●愛知 リコール署名 約83%が有効と認められず
   NHK 2021年2月1日
愛知県選挙管理委員会は、大村知事のリコール=解職請求に向けて提出された署名簿を調査したところ、全体のおよそ83%が、同一人物により書かれたと疑われるなどの理由で有効と認められない署名だったと発表しました。

愛知県選挙管理委員会は、大村知事のリコールに向けた署名活動を行った団体が提出した署名簿をめぐり、不正な署名が多数あるという指摘が寄せられているなどとして、去年12月から県内の各市町村に依頼して署名簿の調査を行ってきました。

そして1日、愛知県選挙管理委員会は、提出された43万5000余りの署名のうち、有効と認められない署名が全体の83.2%にあたる36万2000余りあったと発表しました。


有効と認められなかった理由としては、
▽同一人物により書かれたと疑われる署名がおよそ90%、
▽選挙人名簿に登録されていない人の署名がおよそ48%、

などだったということです。・・・(以下、略)・・・

●河村氏、リコール署名に10年前の名簿提供 関係者反発
   朝日 2021年3月13日  編集委員・伊藤智章
 偽造事件に発展した愛知県知事リコール署名で、活動を支援した名古屋市の河村たかし市長(72)が、2010年の市議会リコールで集めた約3万4千人の「受任者名簿」のデータを、今回の活動に提供したと認めていることが波紋を広げている。個人情報保護法に反するとはいえないが、当時の受任者らからは「了承した覚えはない」と反発の声があがる。
・・・(以下、略)・・・

●松尾貴史のちょっと違和感 愛知知事リコール署名不正 河村市長の責任いかに
   毎日 2021年3月14日 02時06分
・・・(略)・・・河村市長は、あれほど率先して運動を引っ張ってきたにもかかわらず、「私は中心人物ではない」と距離感のある言い訳をしている。「愛知100万人リコールの会」のチラシに会長の高須克弥氏と共に2人の顔が大きく印刷されているのに、この逃げ口上はどう考えてもおかしいのではないか。コロナ禍において、連日のように街頭宣伝をしまくり、43万人分の署名も提出して、「中心人物ではない」「私も被害者」なのだと言う。このような事態を招いた中心にいたことは確かなのに、責任を取って辞職するどころか、再選を目指すというならば、その厚顔無恥には驚くばかりだ。
 盟友の高須氏は、…・・・(以下、略)・・・

●リコール署名、 河村市長「(私が署名の活動の)中心人物だったか証明しろ」 議員「それは発言者が立証することだ」 名古屋市議会で応酬、減税議員は助け舟
   名古屋 2021年3月4日
 愛知県の大村秀章知事へのリコール署名疑惑をめぐり、名古屋市議会で応酬がありました。リコール運動での河村たかし市長の”立場”が問われ、ヤジが飛び交う展開となりました。

 河村市長「(私が署名の活動の)中心人物だったか証明しろ」
 議員「それは発言者が立証することだ」
 河村市長「それは私に聞かなあかんですよ」
 議長「静粛にお願いします」

 4日に開かれた名古屋市議会の本会議で、大村知事へのリコール運動での河村市長の「役割」を巡って、議員からヤジが飛ぶ一幕もありました。
 先月の本会議で、河村市長の役割について共産党市議が「河村市長がリコール署名の中心人物だった」と質問。
 これに対して、減税市議が「河村市長への侮辱、名誉棄損だ」と発言していました。

 4日は、減税市議の発言が、質問した共産党市議の名誉を傷つけたなどとして、減税市議の発言の撤回を求める決議案が提出されました。決議案は賛成多数で可決されました。
 これについて、減税日本ナゴヤ・佐藤夕子議員は「このような決議案こそが議員に対する言論封殺になりかねない」と発言。
 共産・田口一登議員は「前代未聞の事態の解明に力を尽くすことことこそ、二元代表制における議会の責務である」と発言しました。

 リコール運動については代表質問でも取り上げられ、河村市長の「身内」の減税の市議からは「自ら率先して疑惑を徹底的に究明すべきだ」との質問が出ました。
 これに対し河村市長は「署名を水増しするなんて本当に思わなかった。何十年も政治をやっていて何で気がつかなかったのか。そのことだけは自分自身が悔しいし情けない」と答えました。
・・・(以下、略)・・・

●河村市長に辞任求める 愛知知事リコール署名不正問題で市民集会
    毎日  2021/3
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)を巡る署名不正問題で、市民団体が7日、追及集会を名古屋市中区で開いた。リコール運動の「応援団」で中心的役割を担った河村たかし市長に政治的・道義的責任を問い、辞任を求める決議を行った。

 「『表現の不自由展・その後』をつなげる愛知の会」が主催し、約240人が参加。河村市長の「僕は被害者」との発言について、「トップの資質失格と自ら示したも同然」と決議し、河村市長を政界引退に追い込むために街頭演説や署名集めを実施する方針を示した。

 登壇した中谷雄二弁護士(愛知県弁護士会所属)は「成立に関係なく、数を膨らませたかったのだろう」と指摘。自分の名前が不正署名された同県安城市の石川翼市議は「出身地の西尾市に、10年以上前の実家の住所で(偽の署名が)提出されていた」と憤った。【岡正勝】

●知事リコール、押印ない署名数百キロ分…県内2か所から回収
  ヤフー 読売 3/13
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名事件に絡み、署名活動団体が回収した署名簿のうち、押印のないものが計数百キロ分あったことが、関係者への取材で分かった。いずれも不正な方法で集められたとみられる。

 団体関係者によると、県内各地で集められた署名簿は、複数の担当者が回収して団体の事務局に運んでいたが、昨年10~11月に県内2か所から回収された署名簿にはいずれも押印がなかった。団体の関係者は「選挙管理委員会の審査で無効とされるため、破砕処分した」と説明。業者が処分した署名簿の重量は計数百キロに上ったという。県選挙管理委員会の調査で、集まった計約43万5000人分の署名のうち8割超が、偽造などの不正が疑われるものだったことが判明。団体側は「署名収集期間中に段ボール箱5箱分ほどの無効な署名が見つかった」と説明していたが、それとは別に、不正が疑われる署名が大量に存在していたことになる。

 不正署名を巡っては、団体幹部が広告関連会社などを通じて多数のアルバイトを集め、佐賀市内で別の名簿から署名簿に書き写す作業を大規模に行っていた疑いがある。

 参加したアルバイトによると、署名簿に押印はなかったが、団体関係者は、今回判明した大量の署名簿が佐賀市で作られたものかどうかは「分からない」としている。

●<こちさが>偽の署名バイト、罪に問われる? 専門家「捜査本筋は首謀者」
警察要請なら協力の可能性

 佐賀 2.21
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、多数のアルバイトが佐賀県内で動員され、偽の署名を書き込んだことが明らかになった。会場の県青年会館(佐賀市)でアルバイトをした女性から「罪に問われないだろうか」という不安の声が佐賀新聞「こちら さがS編集局」に寄せられた。選挙管理委員会や専門家に話を聞いた。

 「パソコンで打ち込んだデータがあるのに、なぜ私たちが直筆で書かなければならないんだろう。隣の人とも『なんか変だね』という話をした」。昨年10月、手書きのアルバイトに参加した佐賀市の20代女性は、こう振り返った。女性はリコール運動を知らなかったといい「佐賀は単発のアルバイトが少ないので、つい応募した」と話した。

 佐賀県選管によると、署名は住所や生年月日は代筆やデータ入力が可能だが、押印と名前は自筆でなければならない。地方自治法では署名の偽造が禁じられており「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」となっている。

 署名簿を受け取った市町村の選管は、名簿に書かれた名前や生年月日が該当地域の選挙人名簿に登録されているどうかを一つずつ照合し、一致しない署名は無効にする。自筆でない署名も無効だ。

 行政法務に詳しい小澤尚記弁護士(愛知県)は今回の問題に関し「首長のリコールは民主主義の根幹の一つで、偽の署名は絶対にあってはならない」と話す。

 アルバイト従事者に対して罪が成立するかどうかについては「署名簿の見た目やスタッフの指示などから『偽造する』と認識できる状況だったかどうか」と指摘する。ただ「捜査の本筋は、偽の署名を作らせようとした首謀者」で、アルバイトは立件されない可能性もあると説明し「警察から任意の出頭や説明を求められたら、協力してもらう必要性はあるかもしれない」との見方を示した。

 愛知県選管は、提出された約43万5千人分の署名のうち、8割超に当たる約36万2千人分を無効と判断した。地方自治法違反の疑いで15日、容疑者不詳のまま愛知県警に刑事告発している。(松岡蒼大)

●https://www.chunichi.co.jp/article/210069?rct=national
●不正署名、誰がなぜ 愛知リコール問題
     中日 2021年3月1日
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動の不正署名問題で、署名偽造の実態が続々と明らかになっている。佐賀市内で多くのアルバイトが署名の書き写しに動員されたことが本紙と西日本新聞の共同取材で判明したほか、同一人物が押したとみられる指印の存在も浮上した。県選管の刑事告発を受けた県警は全署名を押収し、捜査を本格化した。問題発覚から二週間が過ぎたが、依然として「誰が」「何のために」の謎が残る。

■指印は
 「指印は押していません」。昨年十月二十日から同月末ごろまでの間に佐賀市内で名簿を書き写すアルバイトをした複数人が、本紙の取材に証言した。
 佐賀市で書き写された署名が愛知県選管に提出されたとすれば、書き写しを終えた十月末ごろから署名提出期限の十一月四日までに、偽造の“仕上げ”とも言える指印の作業が急ピッチで進められたとみられる。
 十一月四日朝、名古屋市内のホテルで署名を市区町村別に仕分けしていたリコール活動団体のあるスタッフは「同一人物が書いたと思われる署名が大量にあり、大半に指印が押してあった」と振り返る。指印の角度や形は同じで、一人が続けて押したように見えた。
 県選管に提出された署名約...

●河村氏「思いもよらんことだった」 署名偽造問題を謝罪
   朝日 2021年3月1日 13時21分
 大村秀章・愛知県知事へのリコール署名の偽造事件で、署名活動を支援した名古屋市の河村たかし市長が1日、「正当に署名活動をした人には、早く気づけなかったことについては申し訳ない」と記者会見で述べた。この問題で河村氏が謝罪したのは初めて。

愛知リコール問題、容疑者不詳で強制捜査 署名偽造容疑
 署名偽造の疑いが浮上後、河村氏が「僕も被害者」と発言し批判されていることには「『河村市長が首謀者』というニュアンスがあり、わしは加害者じゃないんだという意味で発言した。本当に被害者という意識があった」と説明。今後は「やめときます」と、自身を被害者とする立場を改めると言及した。

 不正の疑いがある活動に携わったことへの道義的責任を問われると、河村氏は「思いもよらんことだった。残念どころじゃない。本当に悔しい。責任がないなんて言っていません」と自身に責任があることを認めた。(関謙次)

●リコール制度の課題 「総務省に報告」 署名偽造問題で県選管委員長
  2021年3月5日 05時00分
 県選管の加藤茂委員長は、大村知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造問題に関し「今回の事態を非常に重く受け止めている。制度の課題や問題点を整理して総務省に事実関係を報告するとともに、直接請求制度が適切に運用されるような提案を行いたい」と述べた。朝日議員の質問に答えた。
 県選管によると、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が活動団体の会長を務め、河村たかし名古屋市長が応援したリコール運動では、発起人の「請求代表者」や署名集めを担った「受任者」が、リコール制度を十分に理解しないまま活動して署名簿に不備が見つかったケースも多数あったという。県選管はこうした問題点をまとめ、総務省に意見を提出する方針。
 この問題を巡っては、提出された約四十三万五千人分の署名のうち八割超が無効と判断された。県選管は二月十五日、大量の署名が偽造された疑いがあるとして、地方自治法違反容疑で県警に刑事告発した。一部の署名は、アルバイトによって佐賀市内で書き写された疑いもある。
 加藤委員長は告発に至った経緯について「民主主義の根幹を揺るがすことになりかねず、看過できないと判断した」と説明した。

●(社説)リコール不正 不信深める無責任ぶり
      朝日 2021年3月13日 5時00分
街頭で愛知県知事リコール署名を訴えた河村たかし・名古屋市長(中央)と高須克弥・高須クリニック院長=2020年10月11日、名古屋市中区栄
 愛知県知事に対する解職請求(リコール)をめぐり、大量のにせの署名が選管に提出されていたことが明らかになって間もなく1カ月半になる。民意の捏造(ねつぞう)というべき悪質な行為だ。

 ところが、先頭に立って運動を進めた河村たかし名古屋市長らは他人事のような発言を繰り返し、人々の不信を深めている。真相の解明を急ぎ、活動に関わった者それぞれの責任を明確にしなければならない。

 今月、市議会でこの問題を追及された河村氏は「熱心に応援したが(自分は)中心人物ではない」「偽造に気づかなかった。情けない」などと述べた。

 河村氏自身が指示したり承認したりしたとは、さすがに思わない。だが氏は単に街頭で署名を呼びかけただけではない。11年前、自らが主導して名古屋市議会のリコールを実現させた際に署名集めの受任者になった約3万4千人のデータを、今回の運動の事務局に渡すこともしている。当時は「第三者に開示提供しない」と約束していた。

 政治団体は個人情報保護法の適用除外になっているため、直ちに違法とは言えないかもしれない。だが信義にもとる行いではないか。そこまでテコ入れした運動で署名の大量偽造があったとなれば、政治的・道義的責任は免れない。

 何らかの名簿や資料にあった氏名を、アルバイトを使ってリコール署名用紙に書き写させたことが、取材によってわかっている。広告関連会社の幹部は、運動の事務局幹部から人集めを頼まれ、代金を受け取ったといい、発注書もあったとされる。

 あきれるのは、結果としてリコールは成立しなかったため、「実害はない」と言わんばかりの態度をとる関係者がいることだ。考え違いも甚だしい。

 勝手に名前を使われた人の憤りや不安は大きい。

 うその署名の中にはリコールに反対する運動をしていた人物の名もあった。氏名はもちろん住所や生年月日が、どんな経路でリコール事務局側に渡ったのかを心配する声も多い。町内会やPTAの名簿の流出を疑い、そうした活動に加わったり名前を出したりするのを控えようという空気も広がる。

 地域の催しなどへの参加意欲をそぎ、さまざまな自主的な取り組みを阻害することにもなりかねない。その意味でも極めて罪深い行いといえる。

 リコール成立に必要な数が集まらなければ選管の審査も実施されず、発覚しないと高をくくっていたのか。違法行為に手を染めてまで見かけ上のリコール賛同者を増やして、何を狙ったのか。市民が知りたいこと、知るべきことは山ほどある。

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 元総務大臣らの接待問題についての本人の弁明、釈明のテレビニュースを見ていて、本当にあきれた。
 自己流の「弁解」以外の何のでもない。これが、かつての総務大臣の言葉かと信じられない思いだ。

 NHK 2021年3月11日では、
 ★≪“元総務相らもNTTと会食”報道 /野田氏と高市氏はいずれも会食の事実は認めた一方、接待は受けていないという認識/自民 野田幹事長代行「プライベートの会合という認識だった」/坂井官房副長官 「会食は事実 飲食代は相手側の支払い」 /自民 寺田衆議院議員「飲食代は相手側 慰労会と認識で参加」/官房長官「先輩を紹介との誘いで会食」・・・≫

 ともかく、巨大な権限をもつ総務省、かつ、省庁の元締めと位置付けられるから、今回の問題を放置してはいけないと思ので、時々記録している。
 一番納得のいくのは、
 ★≪●なぜ総務省は接待されるのか。日本特有「放送免許付与特権」が生む政権とマスコミの主従関係 /マネーボイス 2021年3月11日≫ だった。

●総務省「接待隠し」? 会食の事前届け出 3年で1件のみ…際立つ少なさ/東京 2021年3月12日 
●権限が巨大 総務省で相次ぐ接待、背景に何があるのか/itmedia 産経 2021年03月08日
●“元総務相らもNTTと会食”報道 野田氏ら接待ではないと認識/NHK 2021年3月11日
●進む接待調査に「誰が生き残る?」 総務省内は戦々恐々/朝日 2021年3月9日
●総務省、少なすぎる会食の届け出 「接待隠し」が横行か/朝日 3/10

 なお、昨日3月12日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,871 訪問者数823」。

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●総務省「接待隠し」? 会食の事前届け出 3年で1件のみ…際立つ少なさ
 東京 2021年3月12日 
 国家公務員が利害関係者と会食する際に義務付けられた事前の届け出件数は、総務省が全省庁の中で目立って少ないことが、内閣人事局の集計で分かった。総務省の届け出は過去3年間で1件。実際には幹部職員らが業者から繰り返し高額接待を受けた。意図的な「接待隠し」の可能性もある。(川田篤志)

 旧大蔵省の接待汚職を受けて2000年に施行された国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、許認可事業などの利害関係者による接待を禁じ、飲食代を折半する場合も自己負担が1万円を超える場合、事前の届け出を原則としている。

 内閣人事局のまとめによると、官僚らが利害関係者と「割り勘」で行う会食の届け出は15~19年度、それぞれ計200~400件ほどで推移。所管する許認可事業が多い経済産業省や農林水産省は外局を含め年間100件前後に上るが、総務省は18、19年度がゼロ。5年間の合計でも計11件にとどまる。

 実際は、菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による高額接待の判明を機に、総務省が実施した内部調査で16~20年に違法性のある接待38件が分かり、その後もNTT側との4件が明らかになった。このうち20件は1人当たりの飲食費が1万円を超えた。いずれも届け出はなかった。
 同省の担当者は「倫理法制定から時間がたち、緩んでいた」と認める。同省は他の業者からの接待の有無も調査しており、さらに件数が膨らむ可能性もある。

 不祥事の背景には、倫理規程を巡る公務員の不満も垣間見える。人事院の国家公務員倫理審査会が昨年夏に行った調査によると、会食ルールで「職務に必要な民間企業との意見交換に支障が生じている」との回答が23%を占めた。

 公務員制度に詳しい国際基督教大の西尾隆特任教授(行政学)は、倫理規程の目的を「民間との意見交換を禁止するものではなく、透明性を確保して公正に交流しようという趣旨だ」と説明。届け出が少ない原因を調べ、ルールを見直す必要性を見極めるべきだと強調する。

●権限が巨大 総務省で相次ぐ接待、背景に何があるのか
     itmedia 産経 2021年03月08日
 総務省の接待問題は、放送事業会社「東北新社」にとどまらずNTTにも広がったことで、さらに他の事業者にも拡大する可能性が出てきた。問題が相次ぐ背景には、総務省が事業者に対して強い権限を持つ一方、同省職員の利害関係者や接待に対する認識の甘さが浮かび上がる。本来なら官民が協力して社会のデジタル化を進めなければならない中、不祥事により両者の足並みが乱れている。

 「中途半端な調査で、また虚偽と指摘を受けるような事案が発生することは、極力避けなければならない」。武田良太総務相は8日の会見でそう言及した。

 総務省は東北新社への調査で、同社以外の事業者からの接待はないと結論付けたが、新たにNTTの問題が浮上。同省の泥縄的な対応に批判が集まっており、徹底した調査を行う考えを示した。

 ただ、ある総務省幹部は「やぶ蛇になる」と警戒する。デジタル化を推進する総務省は、官民共同でプロジェクトをやることも少なくない。打ち上げなど飲食を供にすることもあり、事業者側が負担するケースも「ないとは言い切れない」(同幹部)からだ。

一方で総務省の権限は強大だ。中でも放送事業者や通信事業者への電波の割り当ては、事業者にとって死活問題となる。使える電波帯域は限られていることから、参入できる事業者数などは決まっており、一定の水準を満たせば認可される他業種と比べ、新規参入も困難とされる。

 特にNTTは昭和60年の民営化以降も、政府が株式の3割超を保有し、毎年度の事業計画や役員の選任などで総務相が認可を行うなど、国との関係性は深い。

 民間との距離が近い一方で、強い権限を持つ総務省。通常よりも高い倫理観が求められるが、一連の問題では安易に接待を受け、必要な届け出も行われていない実態が浮き彫りとなった。

●“元総務相らもNTTと会食”報道 野田氏ら接待ではないと認識
      NHK 2021年3月11日
総務省の接待問題に関連して「週刊文春」は、総務大臣を務めた自民党の野田聖子幹事長代行や高市元政務調査会長らが、在任当時にNTTの社長らと会食していたなどと報じました。
・・・(略)・・・
野田氏と高市氏はいずれも会食の事実は認めた一方、接待は受けていないという認識を示しました。
自民 野田幹事長代行「プライベートの会合という認識だった」 ・・・(略)・・・
坂井官房副長官 「会食は事実 飲食代は相手側の支払い」 ・・・(略)・・・
自民 寺田衆議院議員「飲食代は相手側 慰労会と認識で参加」・・・(略)・・・
官房長官「先輩を紹介との誘いで会食」・・・(略)・・・

●進む接待調査に「誰が生き残る?」 総務省内は戦々恐々
      朝日 2021年3月9日 豊岡亮、藤田知也 菅原普
 総務省が8日に公表した接待調査の中間報告によって、同省幹部らが「割り勘」とした主張はあっさり崩れた。接待された官僚や会食の数がドミノ倒しのように増える恐れもある。通信分野を所管し、NTTグループとは密接な関係にあるだけに、影響の大きさは計り知れない。菅義偉政権の肝いり政策を担う総務官僚ナンバー2の更迭に、野党では責任追及の声が強まっている。

 「前回の調査で倫理法令に違反する行為が他にないか、再三確認したにもかかわらず(週刊文春の)報道を端緒に新たな行為が確認されたことは甚だ遺憾だ」。武田良太総務相は8日朝の記者会見で、NTTからの接待が判明した谷脇康彦・総務審議官の更迭理由をそう明らかにした。

 放送関連会社からの11万円超の接待で懲戒処分を受けた谷脇氏は「(国家公務員倫理規程に)違反する会食は他にない」と、総務省の調査や国会答弁で繰り返してきた。NTTとの会食の判明後は、請求された会費を払ったことを根拠に応分負担をしたとする「割り勘」論法を繰り出した。

 だが、総務省がNTT側の伝票…

●総務省、少なすぎる会食の届け出 「接待隠し」が横行か
      朝日 3/10
 総務省幹部が所管する通信・放送分野の東北新社とNTTから高額な接待を受けていた問題で、民間の所管業界を受け持つ他省庁に比べ、総務省は利害関係者との会食の届け出がかなり少ないことが内閣人事局の資料でわかった。意図的に届け出をしない「接待隠し」があった疑いもある。

 国家公務員倫理法にもとづく倫理規程では、利害関係者が飲食費を負担する接待を禁じているほか、1人1万円超の利害関係者との会食は割り勘であっても事前に届け出る必要がある。

 主な省庁の直近5年間(2015~19年度)の届け出数をみると、最多の農林水産省が計413件、次いで多い経済産業省は計350件だった。

 件数の多さは、農林水産業や製造・流通業など所管業界の実態把握が政策遂行で重視されるからだ。農水省は「生産者の声を政策に反映するため、会食回数は多い」(担当者)としつつ、同省でも鶏卵業者による幹部接待が発覚したことから「ルールに従って襟を正したい」。18年度以降に年100件超と激増した経産省は「意見交換は萎縮せず積極的にし、届け出も徹底させている」(担当者)という。

 金融庁では、90年代の旧大蔵省の接待汚職によって倫理法令ができた経緯もあり、検査・監督の担当部局の全職員にとって金融機関側が利害関係者にあたると内規で定める。担当者は「過去の苦い経験を踏まえ、金融機関との接触には気を使っている」と話す。

 一方、総務省は過去5年で8件。17年度は1件で、18~19年度はゼロだ。届け出数の少なさに「え、本当?」と驚く他省の人事担当者もいた。財務省や国家公安委員会より下回るが、発覚した接待だけでも、実態にそぐわないのは明白だ。

 東北新社の接待では、約40件のうち半数超が1人1万円を超えた。NTT側の接待は4回すべてが1万円超だが、どれも届け出はなかった。届け出がゼロの18~19年度にも、山田真貴子・前内閣広報官(元総務審議官)が東北新社から7万円超、谷脇康彦・前総務審議官がNTT側から2回、計8万円近い接待を受けるなど、多数の接待が確認されている。

●なぜ総務省は接待されるのか。日本特有「放送免許付与特権」が生む政権とマスコミの主従関係 
        マネーボイス 2021年3月11日 原彰宏
総務省接待疑惑は「報道」の構造的問題
・・・(略)・・・
ネットメディア「ビデオニュース」神保哲生氏の質問
先日の、「1都3県での緊急事態宣言延長に関する菅総理記者会見」においての、独立系メディアであるネットメディア「ビデオニュース」の神保哲生氏の質問の内容を取りあげます。
この質問の内容に、ことの本質があると思います。

神保哲生氏「そもそも放送事業者が、なぜ総務省の幹部を接待しなければならないのか、接待をする動機があるのかと言えば、いろいろあるかもしれませんが、特に日本の場合は、先進国の中では『かなり異常、異例』と言っていいのかもしれませんが、1950年代に作られた、政府が直接、放送事業者に免許を付与するという、先進国ではありえない制度が今も続いているために、総務省が放送事業者に対して、ものすごい強い権限を持ってしまっているという現実がある」

このように現状における問題点を指摘。さらに続けます。
「この制度が作られた1950年代と今では時代背景が違うし、しかも地上波の他、BS、CS、インターネット放送も可能になっている現在において、こうまで強い監督権限を、特に放送事業者に対して総務省に与え続ける、あるいは持ち続けることの合理性を、総理はどう考えているのか」

「日本においては免許の付与権限を、他の欧米諸国に習って、例えばかつての電波監理委員会のような独立した行政機関のようなものを、そこに権限を付与する考えはあるか」

「規制改革の旗印としている菅政権としては、例えば電波オークションなどを導入することによって、放送の新規参入を推進していく考えはあるか、もし無いならその理由をお願いします」

この質問内容から、キーワードをピックアップしてみましょう。
・国が放送免許を与えているのは日本だけ
・既存メディアが守られている
・かつての電波監理委員会のような第三者機関
・電波オークション
・新規事業社参入の厚い障壁

これらを考えることで、今の報道のあり方、国とメディアの関係がよくわかってくるかと思います。
もうおわかりの通り、メディアは国には逆らえない、逆らったら放送免許が取り上げられる。だから、政府に楯突く放送はできない。

・・・(略)・・・降板していくNHKの人気キャスター
一連の流れの象徴的出来事が、NHKの国谷裕子氏の降板です。

クローズアップ現代という番組で、集団的自衛権行使容認を政府が閣議決定したことに対して、「非常に密接な関係のある他国が強力に支援要請をしてきた場合、これまでは憲法9条で認められないということが大きな歯止めになっていたが、果たして断り切れるのか」「そもそも解釈を変更したことに対する原則の部分での違和感や不安はどうやって払拭していくのか」と、菅官房長官(当時)に繰り返し質問したことによる更迭ではと言われていましたね。

最近では、菅総理に学術会議での委員任命拒否問題を聞いた「ニュースウォッチ9」の有馬嘉男キャスターが降板した問題があります。またまた、菅義偉総理(前官房長官)がらみですね。「総理が怒っている」と、NHK側に抗議したとされているのが、いま話題の、“飲みの誘いを断らない女”山田真貴子前内閣広報官です。

NHKでは、「クローズアップ現代+」の武田真治アナウンサーも降板しました。どうやら、コロナ対策を二階俊博自民党幹事長に質問したことで怒らせたようです。

安倍前総理も厳しかったのですが、菅総理、二階幹事長の「地雷」は、もっと強烈なもののようですね。

政権とマスコミの上下関係
完全に力関係では、政権とマスコミが上下関係になっています。民主主義とは、政権とマスコミは同じ土俵に位置するものでは無いのでしょうかね。・・・(以下、略)・・・


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 しばらく前に放送された、たしかNHKのEテレだったかの番組で「癌の治療薬の治験」について触れていた。
 その専門家は、「抗がん剤の効果は30%位、分子標的薬は40%から60%位」として、新しい薬の開発の治験の段階ですでに恩恵を受けている人たちがいる旨を伝えていた(と、私は受け止めた)。

 なんだ、抗がん剤の効果ってそんなもんか、と意外だった。

 関連していうと、分子標的薬・オラパリブに関して、昨日のブログで前立腺がんの場合、「BRCA1/2をはじめとするDNA修復遺伝子が変異欠損している例に限ると,88%の奏効率」としてその引用論文などを示した。
 「40%から60%位」どころか90%近いデータ。
 私には、それほどの可能性のある薬が使えることになったことは嬉しいかぎり。

 このような整理の時は、抗がん剤と分子標的薬の区分けの認識が大事。
 そこで、今日は、「抗がん剤」と「分子標的薬」について診ておく。
 分子標的薬も、広い意味の分類としては、抗がん剤に含まれる。
 厳密な意味あるいは狭い意味では、分けて使われる。
 
●-1 薬の研究開発の流れ
 抗がん薬の多くは、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまうので、重い副作用を発現させることも少なくない。従来はがん細胞を死滅させる作用によって治療の効果を得てきた。近年、がんに関する研究が進み、がん細胞が増殖や転移をするのは、異常な遺伝子からできた物質が悪さをしているためであることがわかった。つまり、悪さをする物質の働きを抑(おさ)えることができるなら、がん細胞の増殖や転移が抑えられるはず。こうした考え方から誕生したのが「分子標的薬」(後掲の「日本製薬工業協会」)。

●-2  「抗がん剤」と「分子標的薬」
 狭い意味で、「抗がん剤」は、正常細胞にとっても基本的な機能を障害してしまう、いわば細胞にダメージを与えること(殺細胞)によって治療効果を発揮する。他方で、分子標的薬は、分子レベルの標的を定め、がん細胞の増殖や転移を抑えようというコンセプトで開発され、正常細胞まで攻撃されてしまうことはない、あるいは正常細胞へのダメージは少なくてすむ(この説明の仕方は、後掲の「再発転移がん治療情報」)

 別な表現をすれば、「従来の薬は、異常な細胞だけでなく正常な細胞にも攻撃的に作用してしまうのに対し、分子標的薬は、病気の原因に関わる特定の分子だけを選んで攻撃するという特徴がある」(後掲の「中外製薬」)

●-3 副作用
 抗がん剤は、細胞自体の営みを止めるようなメカニズムで効いているものが多く、同じように正常細胞にもダメージを与えてしまうために化学療法薬特有の副作用がある。共通する副作用も多いのが特徴。
 分子標的薬は、副作用の頻度は少ないものの、間質性肺炎など、いったん生じると重い副作用であるものが多く、想定していなかったところで薬が作用して重い副作用が現れることもある(同「再発転移がん治療情報」)

 リンク・抜粋しておく文献は以下。

●分子標的薬とは? バイオのはなし/中外製薬
●抗がん剤と分子標的治療薬/再発転移がん治療情報  2011年06月07日 あきらめないがん治療ネットワーク
●.くすりの役割と未来 「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」とは、なんですか。/ 日本製薬工業協会

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●分子標的薬とは? バイオのはなし
 中外製薬
ツクルくんのイラスト
Q個別化医療の治療に使われる「分子標的薬」って、なんですか?

ミチ先生のイラスト
A病気の原因となっているタンパク質などの特定の分子にだけ作用するように設計された治療薬のことです。からだの免疫のしくみを利用した、抗体医薬品などがあります。

従来の薬は、異常な細胞だけでなく正常な細胞にも攻撃的に作用してしまうのに対し、分子標的薬は、病気の原因に関わる特定の分子だけを選んで攻撃するという特徴があります。

従来の抗がん剤には、がん細胞の活発な増殖を抑える作用の薬がありますが、がん細胞だけでなく、正常な細胞の増殖も抑えてしまうため、副作用がおこります。胃腸や皮膚、血液をつくる骨髄の細胞は細胞分裂が活発なので、吐き気や皮膚のしびれといった抗がん剤の副作用が出やすくなるのはこのためです。


●抗がん剤と分子標的治療薬
   再発転移がん治療情報  2011年06月07日 あきらめないがん治療ネットワーク
目次
全身に薬を行きわたらせる抗がん剤治療
主な抗がん剤の種類 細胞にダメージを与える薬~がん細胞だけを狙い撃ちできる薬へ
がん細胞の特徴的な分子を狙い撃ちする分子標的薬
標的にするがん細胞の分子はさまざま
がん治療の分子標的
抗がん剤の副作用は?
従来の抗がん剤と分子標的薬の副作用は異なる?

全身に薬を行きわたらせる抗がん剤治療
抗がん剤治療はがん化学療法やがん薬物療法などともよばれます。ここでは、何らかの薬を使ってがん治療することを抗がん剤治療としてお話します。がんは、初期のうちは、がん化した場所に留まっていますが(病巣)、次第にリンパ流や血液に乗って広がり(転移)、やがて全身的な病気になります。こうしたがんに対する治療アプローチの一つとして抗がん剤治療があります。抗がん剤は、投与後、血液中に入って体中をめぐり、体内のがん細胞を攻撃するので、全身的な治療効果があります。

がん治療のうち、手術や放射線療法は、局所療法とよばれます。全身に転移したがん細胞をすべて、手術で取り除くことはできません。放射線を全身に長い時間照射することもできません。この両者とも、切り取る範囲、放射線を照射する範囲に対して治療ができるのに対し、抗がん剤治療は基本的には全身に薬を行きわたらせることができる全身療法といえます(表1)。

<表1>がん治療のアプローチ
局所療法 全身療法
・目で見える病巣の外科的切除
・放射線療法、ラジオ波
・凍結療法 ・局所療法だけでは治療しきれていない微小残存腫瘍、または微小転移性腫瘍を根絶する目的で施行される補助療法
・根治が難しい悪性腫瘍に対して、腫瘍を縮小し、症状の緩和を目的として施行される緩和的全身療法
など

抗がん剤は、がん種によって、よく効くタイプのものと、そうでないものがあります。白血病などに対しては、薬で治すことが期待できます。しかし、ほとんどの場合、抗がん剤だけで完治させることはできません。抗がん剤を使う目的は、がん細胞の増殖を抑え、がんの進行を抑えることです。もちろん抗がん剤は細胞にダメージを与える殺細胞作用をもっていますので、一部のがんは死滅し、結果的にがん組織が小さくなったり、延命効果や痛みなどの症状を和らげたりする場合もあります。しかし、抗がん剤が全身をめぐることによって正常な細胞にも悪影響を与えてしまい、副作用を伴うことが多いのが欠点でもあります。

主な抗がん剤の種類 細胞にダメージを与える薬~がん細胞だけを狙い撃ちできる薬へ
抗がん剤は、細胞のDNAと結合する性質を持っていたり、細胞内の物質と似た形をしていたり、そもそも細胞に毒である物質であったりします。細胞は増殖するときにDNAを複製しますが、その際にDNAに結合しやすい薬が入り込んでしまうと、細胞は増殖できなくなり、やがて死滅します。他にも細胞は生きるために、エネルギーを細胞外からとらえたり、エネルギーを作ったり、必要なときに必要なたんぱく質を合成したり…、さまざまな生命活動をしています。しかしその生きるために必要な本来の生体物質とそっくりな形の薬によって、生命活動を妨げられてしまったり、抑えられたりすると、細胞にはダメージになります。

このような抗がん剤の開発として、従来まで“細胞にダメージを与える薬”として開発が進められてきていたため、がん細胞だけでなく、正常細胞にも同じようなダメージを与えてしまい、副作用が多かったのです。全身に行き渡る全身療法の欠点でもありました。 そこで、がん細胞だけを狙い撃ちできる薬の開発が求められ、分子標的治療薬の研究がすすめられました。

 薬が効くメカニズムから、表2のように分類されていますが、必ずしも1つの作用をするわけではないので、ここでは最も強い作用をする機能を中心に分類しています。

<表2>主な抗がん剤の種類
化学療法薬 1.アルキル化薬
2.代謝拮抗薬
3.抗がん性抗生物質
4.植物由来製剤
・チューブリン阻害剤(ビンカアルカロイド系薬剤、タキサン系薬剤)
・トポイソメラーゼ阻害剤
その他
分子標的治療薬 1.チロシンキナーゼ阻害薬
2.モノクローナル抗体
その他
内分泌療法剤
(ホルモン製剤) 1.抗エストロゲン剤
2.アロマターゼ阻害薬
3.LH-RHアゴニスト
4.黄体ホルモン
その他
BMR、サイトカイン 1.BMR
2.IFN-α、IFN-β、IFN-γ
3.IL-2

がん細胞の特徴的な分子を狙い撃ちする分子標的薬
がん細胞は増殖、浸潤・転移など、いろいろな悪い性質をもっています。その悪い性質が現れる特徴的な分子(molecular target:分子標的)を狙って、悪い働きを抑え込む治療を分子標的治療(targeted therapy)とよびます。つまり、がん治療における分子標的治療薬とは、がん細胞がもつ特定の分子に作用する薬のことを指します。

今までのがん治療で主に使用される化学療法薬は、細胞に対して毒性のある物質の研究によって開発されてきました。そのため、がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用してしまうため、副作用が問題でした。しかし、近年は、ヒトゲノム(ヒトのDNAの塩基配列)が明らかにされ、研究の技術革新も加わって、がん細胞だけがもつ特徴を分子レベルでとらえられるようになりました。こうして開発された分子標的治療薬は、一概に毒性が少ないとはいえませんが有効な治療手段となりつつあります。
 ただし分子治療薬は、その薬単独ではなく、ほかの化学療法薬や放射線療法と組み合わせて治療します。

標的にするがん細胞の分子はさまざま
がん治療の分子標的
がん遺伝子産物
細胞周期関連たんぱく質
血管新生関連分子
増殖因子とその受容体
転写因子
浸潤転移関連分子
シグナル伝達分子
テロメラーゼ関連分子
抗がん剤耐性・感受性因子
ホルモン受容体
アポトーシス関連分子

従来の抗がん剤も、細胞に作用するしくみを探ると何らかの分子標的をもっていますが、その化学療法薬の多くはDNA合成やたんぱく質合成など、正常細胞にとっても基本的な機能を障害してしまう、いわば細胞にダメージを与えること(殺細胞)によって治療効果を発揮しています。そのため、がん細胞だけでなく正常組織にも毒性が及んでしまい、強い副作用を引き起こすのです。

それに対して分子標的治療薬は、薬を創り始める段階、治療方法を設計する段階から、表3のような分子レベルの標的を定め、がん細胞の増殖や転移を抑えようというコンセプトで開発されていますので、正常細胞まで攻撃されてしまうことはない、あるいは正常細胞へのダメージは少なくてすむと考えられます。分子標的治療薬による副作用がないわけではありませんが、がん細胞にだけより強い効果、毒性を発揮することが期待されます。

抗がん剤の副作用は?
まず、以下に抗がん剤の代表的な副作用をまとめます。
・・・(略)・・・骨髄細胞、粘膜上皮細胞、毛根の細胞など、増殖が盛んな細胞は、抗がん剤の影響を受けやすい細胞です。

従来の抗がん剤と分子標的薬の副作用は異なる?
細胞にはさまざまな営みがあり、そこへさらにがん細胞に特有の営みが加わって、がんが進行していきます。

化学療法薬は、培養細胞やマウスを用いた実験によって、がん細胞が死ぬことを指標にして開発が進められてきました。そのため開発された薬は、結果的にDNA合成やたんぱく質合成を阻害する殺細胞効果といった、細胞自体の営みを止めるようなメカニズムで効いているものが多く、同じように正常細胞にもダメージを与えてしまうために化学療法薬特有の副作用があります。

一方で、分子標的治療薬は、がん細胞に特有の営みを抑えることを目的に開発されていますので、ターゲットとする分子によって、働く機能、段階もさまざまに考えられ、副作用の現れ方も違ってくるのです。


・・・(略)・・・もちろん、化学療法薬にもそれぞれ特有の副作用がありますが、共通する副作用も多いのが化学療法薬の特徴です。

一方、分子標的治療薬の場合は、がん特有の分子・作用メカニズムを標的として開発されているので、正常な細胞にまでダメージがおよぶことは少ないと考えられ、副作用が少ないと言われています。しかし、その薬がもつ性質から現れやすい副作用があるのも確かです。
・・・(略)・・・副作用の頻度は少ないものの、間質性肺炎など、いったん生じると重い副作用であるものが多く、想定していなかったところで薬が作用して重い副作用が現れることもあるため、今後も副作用の現れ方に注意が必要であることも分子標的治療薬の特徴といえます。

●6.くすりの役割と未来 「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」とは、なんですか。
  日本製薬工業協会
Q48「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」とは、なんですか。
A
体内の特定の分子を狙い撃ちし、その機能を抑(おさ)えることによってより安全に、より有効に病気を治療する目的で開発されたくすりです。

解 説  「分子標的薬」は、病気の細胞(がん細胞など)の表面にあるたんぱく質や遺伝子をターゲットとして効率よく攻撃するくすりとして注目されています。「抗体(こうたい)医薬」(Q49参照)には、分子標的薬に分類されるものもあります。現在では、低分子化合物のくすりも含め、10種類以上の分子標的薬が使用されています。

がんの治療薬を例にとりますと、抗がん薬の多くは、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまうので、重い副作用を発現させることも少なくありません。従来はがん細胞を死滅させる作用によって治療の効果を得てきましたが近年、がんに関する研究が進み、がん細胞が増殖や転移をするのは、異常な遺伝子からできた物質が悪さをしているためであることがわかりました。つまり、悪さをする物質の働きを抑(おさ)えることができるなら、がん細胞の増殖や転移が抑えられるはずです。

こうした考え方から誕生したのが「分子標的薬」です。


分子標的薬は、ゲノム・分子レベルでがん細胞の特徴を認識し、がん細胞の増殖や転移をおこなう特定の分子だけを狙い撃ちにするので、正常な細胞へのダメージが少なくなっています。副作用がまったくないわけではありませんが、従来のがんの治療薬に比べると、より患者さんの負担が少なくなっています。

分子標的薬の1つ「イマチニブ」は、血液のがんである白血病(慢性骨髄(こつずい)性白血病)の治療薬です。白血球を増殖させる異常たんぱく質をとらえ、その働きを抑える仕組みをもったくすりとして開発されました。その後、胃などのある種のがん(消化管間質腫瘍(かんしつしゅよう))でも、イマチニブががんの増殖を抑えることがわかり、適応範囲が広がりつつあります。

こうしたくすりの利用が進めば、従来は入院が必要とされるケースでも、通院治療や・・・(以下、略)・・・

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 昨日は「がんの原因と遺伝子」という観点で見た。
 今日は、とりあえず、自身の喫緊の課題である「前立腺がん」「遺伝子変異」「オラパリブ・リムパーザ」ということに絞ってみておく。
 ≪日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 2020 年 37 巻 2 号 ≫には次のようにある。
 ★≪タキサン系化学療法など既存の治療後のCRPC患者へOlaparibを投与したところ,全体の奏効率は33%であったが,BRCA1/2をはじめとするDNA修復遺伝子が変異欠損している例に限ると,88%の奏効率≫

 ここでいう「タキサン系化学療法」とは前立腺がんの抗がん剤「ドセタキセル、カバジタキセル」であり、私は前者を12月に2度投与た。しかし、効果がなく(というか、腫瘍マーカー PSAが急上昇したので)打ち切り。
 1月に自主検査したら、DNA修復遺伝子の変異欠損、つまりBRCA2遺伝子変異の要請が判明した。

 ということで、私のようなタイプは「88%の奏効率」という画期的な薬があるということが書いてある、というわけ。だから、今日のブログでしっかりとリンク・抜粋して、色付けしておく。

 当然ながら、昨年12月25日に国の承認があった薬で、ほやほやなので、その関係も記録しておく。

●リムパーザ錠/医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正について/厚生労働省保険局医療課 事 務 連 絡 令和2年 12 月 25 日 /(2) ・・次のように改める。  リムパーザ錠 100mg、同錠 150mg

●【追記】2020年12月製造販売承認医薬品のお知らせ(リムパーザ)/日本臨床腫瘍薬学会" 2021/01/05  
2020年12月の製造販売承認医薬品・効能効果追加承認医薬品の添付文書が公表されました。
◎リムパーザ錠100mg、同錠150mg(アストラゼネカ株式会社)一般名:オラパリブ
○相同組換え修復欠損を有する卵巣癌、初回化学療法後の維持療法
○BRCA 遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
○BRCA 遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌、化学療法後の維持療法

●泌尿器科系領域がんのゲノム医療・precision medicine/日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 2020 年 37 巻 2 号
はじめに - Precision Medicineとは-
早期前立腺がん診断から治療方針決定におけるゲノム医療
去勢抵抗性進行転移性前立腺がん治療におけるゲノム医療
DNA修復遺伝子変異前立腺がんに対するゲノム医療
Olaparibというポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤
図2.Olaparib使用のCRPC患者におけるDNA修復遺伝子異常の有無と全生存率

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●リムパーザ錠/医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正について
 厚生労働省保険局医療課 事 務 連 絡 令和2年 12 月 25 日
(2) 「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項について」(平成30 年7月2日付け保医発 0702 第1号)の記の1を次のように改める。
1 リムパーザ錠 100mg、同錠 150mg ・・・

●【追記】2020年12月製造販売承認医薬品のお知らせ(リムパーザ)
   日本臨床腫瘍薬学会" 2021/01/05  
2020年12月の製造販売承認医薬品・効能効果追加承認医薬品のうち、リムパーザ(オラパリブ)の添付文書が公表されましたので、追記として紹介致します。詳細は添付文書、ならびに添付の資料ををご確認ください。
 会員の皆さまにおかれましては、情報をご確認のうえ、関係者に情報提供するとともに周知していただき、当該医薬品の適正使用に努めていただきますようお願いいたします。

<効能等変更承認医薬品>(下線部分:追加・変更箇所)
◎リムパーザ錠100mg、同錠150mg(アストラゼネカ株式会社)一般名:オラパリブ
【追加された効能・効果】
○相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法
○BRCA 遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
○BRCA 遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法


【追加された用法・用量】
通常、成人にはオラパリブとして1 回300 mg を1 日2 回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法の場合、ベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはオラパリブとして1 回300 mg を1 日2 回、経口投与する。
なお、患者の状態により適宜減量する。・・・(略)・・・

●泌尿器科系領域がんのゲノム医療・precision medicine
    日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 2020 年 37 巻 2 号 p. 122-125 公開日: 2020/09/02 永田 政義 
 キーワード: 前立腺がん, 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC), リキッドバイオプシー, 循環腫瘍細胞(CTC), DNA修復遺伝子変異
抄録
がん治療におけるprecision medicineとは,個々のがんの遺伝子や分子発現プロファイルから個々の患者に対して最も利益のある治療法を提供する概念である。泌尿器がん領域でもこの分野は進んでおり,とくに前立腺がんでは,早期がんから進行がんまで,診断から治療までにおいて,実用化されつつある。

早期低悪性度前立腺がんへの過剰治療を避け,予後に影響するハイリスク前立腺がんを同定するため,米国を中心に近年ConfirmMDx, Oncotype DX, Decipherなど,がん組織検体からの遺伝子プロファイルから高悪性度がんを判定する検査が実用されている。

Liquid biopsyとは,がん組織からの生検ではなく,主に末梢血から循環腫瘍細胞(CTC)や腫瘍由来循環DNAやexosomeなどを検出して,遺伝子プロファイルを解析する手法で,非侵襲的に時系列解析も可能である。

去勢抵抗性進行前立腺がんにおいて,CTCにおけるアンドロゲン受容体のスプライシングバリアント-7(AR-V7)の発現は,エンザルタミドやアビラテロン耐性の指標であり,実臨床への応用が期待される。
また,がんにおけるBRCA1/2などのDNA修復遺伝子異常の有無を調べることは,近年のゲノム医療の話題であるし,マイクロサテライト不安定性(MSI)が高い固形がんには,免疫チェックポイント阻害剤の適応となる。
さらに今後,DNA修復遺伝子変異がんには,PARP阻害薬など効果の期待できる薬剤を有効に選択できる可能性がある。このように前立腺がん領域では,ハイリスクがんの診断から進行がんの治療選択まで,precision medicineが実臨床へ到来しつつある。

はじめに - Precision Medicineとは-
 ・・・(略)・・・とくに注目されるのは,がん治療におけるものであり,個々のがんの遺伝子や分子発現プロファイルを基に個々の患者に対して最も利益のある治療法を提供するという治療方針である。これをなすためには,ゲノム情報が必須となるため,
 ・・・(略)・・・泌尿器がんにおいては,前立腺がん臨床が最もゲノム医療の発展しようとしているがん種となる。早期前立腺がん診断から,予後予測,モニタリング,転移がんゲノム異常による適切な薬剤選択,薬剤耐性機序解明などの研究は近年次々に進んでおり,実臨床に応用されようとしている。今回は泌尿器がんの中で,とくに前立腺がんにスポットを当て,診断から進行がんの治療までの最新のゲノム医療の知見を紹介する。

早期前立腺がん診断から治療方針決定におけるゲノム医療
前立腺がん診断において,実臨床で最も有用であるマーカーは血清PSA(prostate-specific antigen)である。早期がんの発見の最も多い経過は,検診やドックなどでPSAスクリーニングされ,PSA高値であれば泌尿器科医へ紹介となり,前立腺針生検により確定診断に至ることである。診断後は,早期がんでは通常ロボット支援下腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術が行なわれる。ロボット支援下により,従来の手術に比べて非常に低侵襲になったものの,尿失禁や勃起機能の損失など合併症も少なからず生じることとなる。このような早期がん診断・治療にも様々な問題点がある。

まず前立腺がんの特徴として,おそらく予後に関わらない非常におとなしいタイプのがんの頻度も多く,過剰治療であることが危惧される。実際に積極的に治療すべきであるハイリスク前立腺がんの同定には,Gleason scoreを用いた病理学的評価は参考にはなるが,腫瘍マーカーPSA値だけでは判断しにくく,これにはさらなる前立腺がんゲノム情報の探索が必要となる。

これに対して米国では,前立腺生検のがん検体からGSTP1, APC, RASSF1遺伝子のエピジェネティックな異常を同定し,よりhigh-riskながんを選別するConfirmMDx®という検査,4つの前立腺がん関連経路における17の遺伝子の発現レベルを測定して,前立腺がんの高侵襲性を予測するOncotype DX® Prostate Cancer Assay検査,46の遺伝子発現をスコア化してhigh-riskがんを予測するProlaris検査など,多くのゲノム情報検査が登場している。

またこれらと同様の検査であるDecipher Prostate Cancer Testは,生検検体から22個のRNAバイオマーカー発現からスコア化によりリスク分類する。従来からのPSA値や病理組織評価にこのDecipherでのリスク評価を加えた臨床とゲノム併用リスク分類は,前立腺全摘除術後の再発リスクをより正確に予測できるという報告も発表され[3],実臨床でも応用されている。

近年ではNGSの発展により,全ゲノムや全エクソンシークエンスが比較的容易になってきており,一塩基変異(single nucleotide mutations(SNV)),コピー数異常,染色体不安定性など様々な前立腺がんゲノム異常,前立腺がんゲノムシグナチャーを網羅的に総合的に探索できる時代になっている[4]。このゲノム解析よって,予後予測だけでなく,治療介入の是非,介入のタイミング,術後補助療法の是非などの判断に,実臨床でも有用となる可能性ある。


去勢抵抗性進行転移性前立腺がん治療におけるゲノム医療・precision medicine
転移性前立腺がんに対する治療は,基本的にアンドロゲンを遮断する内分泌療法(ホルモン療法)である。前立腺がんは転移進行性であっても,初回のホルモン治療の反応は概して良好であり,診断時に既に骨などに多発する転移がんであっても,症例によっては長期の生存を得られる。

しかし,内分泌治療の経過でいずれは,去勢抵抗性前立腺がん(Castration-resistant prostate cancer:CRPC)へと病態は変化する。
従来はビカルタミドやフルタミドなどの第一世代アンドロゲン遮断薬の使用後に一度CRPCとなると,なかなか病勢の進行を抑制することは困難であったが,タキサン系抗がん剤であるドセタキセルがCRPCの全生存率を延長させ[5],
さらに近年,第二世代ホルモン治療剤となるエンザルタミドおよびアビラテロン,新規タキサン系薬剤カバジタキセルが,CRPCに対する全生存期間を延長させたという報告が一流誌に次々に発表された[6~10]。
2014年にはこれら3つの薬剤が我が国でも保険使用可能となり,さらにラジウム223という骨転移巣へ直接作用する放射線治療注射剤も,骨転移を有するCRPCの全生存率における有効性が示され[11],2016年には基準を満たす施設にて使用可能となった。

このように,前立腺がん,とくにCRPCに対する新規薬剤が次々に登場し,高いエビデンスレベルで有効性が示された薬剤の選択肢が増えたものの,効果が低いと考えられる一部の患者群にいかに無駄な投与を避けることができるかということが今後の課題なった。これらを適切に使用するためには治療効果を予測できるバイオマーカーの確立が必須となった。

Liquid biopsyとは,がん組織からの生検ではなく,主に末梢血から循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells:CTC)や腫瘍由来の循環cell-free DNA(cfDNA)や循環exosomeなどを検出して解析する手法である。
近年,その一つであるCTC解析は,非侵襲的で,時系列解析も可能であり,様々ながん種のバイオマーカー開発にその有用性が期待されている


CRPCに対しても2014年,どの薬剤をどのような患者へ使用すべきかの指標にCTC解析が有用性であるという報告が発表された[12]。それは,CRPC患者の末梢血から得たCTCにおいて,アンドロゲン受容体のスプライシングバリアント-7(AR-V7)を有する症例に対しては,新規アンドロゲン剤のエンザルタミドやアビラテロンがほぼ有効性を示さないという報告である。
さらに,逆にタキサン系抗がん剤は,AR-V7陽性もしくは陰性に関わらず,独立して一定の有効性を示すということも明らかとなった[13]。
つまり,末梢血CTCにてAR-V7陽性を示す患者には,エンザルタミドやアビラテロンの使用は利益がなく,タキサン系化学療法を優先すべきであると結論付けられる。

まさしくこれは,CRPC患者へ適切な薬剤選択を行なうprecision medicineであるが,著者ら施設でも,CRPC患者に対してはCTCスクリーニングを行なっており,個々の患者への薬剤選択に有用である(図1)。
図1.順天堂大学病院泌尿器科CRPC患者からのCTC解析結果(AdnaTest)
6人のCRPCからCTCを採取,AdnaTest(Qiagen社)を使用している。前立腺がん細胞であることはPSA発現で確認できる(Patient 1はCTC検出されず)。アンドロゲン受容体AR発現も確認した。Patient 3, 4はAR-V7陽性例である。

DNA修復遺伝子変異前立腺がんに対するゲノム医療・precision medicine
近年は,様々ながん種への免疫チェックポイント阻害薬の登場とともに,DNAミスマッチ修復遺伝子異常やマイクロサテライト不安定性(Microsatellite instability:MSI)が注目を集めている。ミスマッチ修復遺伝子異常の有無が免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するバイオマーカーになるという報告,つまりがん組織においてMSIを有する固形がんには,抗PD-1抗体が期待できるといった報告が発表された[14]。
これによって我が国でもMSI検査を行なって,MSI-highであれば,標準治療抵抗性の進行固形がんに対して,ペンブロリズマブ(キイトルーダ®)の使用が保険適応となった。進行性前立腺がんに関しても,MSIの状態と抗PD-1抗体治療効果の解析が,小数例ながら報告されており[15],前立腺がんに対しては全体でみると有効性のデータの少なかった免疫チェックポイント阻害薬治療も,ゲノム情報に基づいて適切な症例へ使用すれば,有効性を引き出せる可能性がある。

このDNA修復遺伝子とは,X線などによりDNAが損傷した場合,DNAを修復する機構に関与する遺伝子の総称で,代表的なものにBRCA1/2やATMなどの遺伝子がある。その修復機構には,ミスマッチ修復や相同組み換え機構など様々な機序があるが,DNA修復遺伝子の異常は発がん過程やがんの進行抑制において重要となる。

Olaparibというポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤は,日本ではまだ承認されていないが,卵巣がんや乳がんにて試験が進んでいる新規経路薬剤である。Olaparibは,DNA修復遺伝子変異欠損のあるがんに対して,合成致死性,つまりBRCA1/2が変異している状態で,PARP活性が低下していると,相同組換えによる修復がうまく行えず,細胞死を引き起こすことで有効性を示す。

実際に海外で行われたCRPCに対する第Ⅱ相試験では良好な成績が示されており[16],タキサン系化学療法など既存の治療後のCRPC患者へOlaparibを投与したところ,全体の奏効率は33%であったが,BRCA1/2をはじめとするDNA修復遺伝子が変異欠損している例に限ると,88%の奏効率を示した。また全生存期間も,変異欠損あり群では,変異なし群と比べて有意に延長した(図2)。
 結果,PARP阻害薬とは,DNA修復遺伝子が変異欠損している患者にとっては全生存率を延長できる有望な薬剤といえ,現在世界で第Ⅲ相試験の施行中である。がん組織におけるDNA修復遺伝子のゲノム情報が適切な薬剤選択が可能となる。

図2.Olaparib使用のCRPC患者におけるDNA修復遺伝子異常の有無と全生存率
DNA修復遺伝子異常を有する患者に対してPARP阻害薬であるOlaparibを使用すると,有意に全生存率が良好であった。(文献16より引用)

おわりに/ 前立腺がん領域におけるprecision medicineの普及は,ガイドラインのみでは予後を延長できなかった少数集団の予後延長にも寄与できる可能性がある。ゲノム情報解析手技としては,低侵襲であり,かつ治療経過で刻々と変化する遺伝子プロファイルを継時的にモニタリング可能となるLiquid biopsyが有効である。近い将来,実臨床でも,採取した末梢血採血サンプルから病院の検査室にて短時間で遺伝子プロファイル解析ができ,その結果により最も有効な薬剤をすぐに選択できるようなゲノム医療が,様々ながん治療の現場で実現可能になることが期待される。


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 昨日とその前は、女性の乳癌などや男性の前立腺がんは同じような治療があることを確認した。それぞれの性ホルモンと不可分な関係があるから。
 例えば、私の前立腺がんは男性ホルモンが強く関係するところ、昨日まで述べてきた新薬や抗がん剤が効かなかったので、男性ホルモンとは全く違う「女性ホルモン」の薬を飲むという古典的な治療も行っている。

 ともかく、今日はがんと遺伝子変異の基本を確認して、今年2021年になっての検査で確定した私の「BRCA2遺伝変異」の存在に進みたい。
 ネットで、中外製薬の「おしえて がんゲノム医療」というウェブサイトが分かりやすかったので、次に箇条書きしたポイントの部分にリンクし、抜粋しておく。
 なお、がんゲノム医療を牽引し臨床試験や治験を担う全国12カ所の「がんゲノム医療中核拠点病院」という表現があるが、私が今通っているのは、そのうちの一つの「名古屋大学医学部附属病院」。

●がんの原因と遺伝子/がんは遺伝子が変化することで起こる病気
●がんの原因と遺伝子  遺伝するがん
●がんは遺伝するの?/遺伝性の乳がんを発症した人では「BRCA1」、または「BRCA2」とよばれる遺伝子に変異が見つかることが多い

●がんの遺伝子変異が遺伝性であるかを調べるには
●遺伝子変異に合わせたがん治療とは コンパニオン診断の普及と がん遺伝子パネル検査の登場
 
●遺伝子変異によってできた異常なタンパク質を標的とする「分子標的薬」が進歩
●分子標的薬が効く可能性をあらかじめ判断するコンパニオン診断が普及/・・・(略)・・・コンパニオン診断では、遺伝子検査で対象となる遺伝子に変異が見つかった場合には、その分子標的薬の効果が期待でき、反対に、その遺伝子変異が見つからなければ、薬剤の効果は期待できない

●がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院について

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●がんの原因と遺伝子
       おしえて がんゲノム医療|中外製薬
がんは遺伝子が変化することで起こる病気です。
遺伝子の変化のことを「変異」とよびます。ここでは、遺伝子の変異の種類や、がんがどのようにできるのかについてみていきます。

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●がんの原因と遺伝子  遺伝するがん【遺伝性腫瘍について】
  遺伝するがんについて|おしえて がんゲノム医療|中外製薬
がんは遺伝子に起こる変化が原因で起こる病気です。多くの場合、遺伝する病気ではありませんが、場合によっては、がんに関わる遺伝子変異が次の世代にも伝わることがあります。このページでは、「遺伝性腫瘍」とよばれる、遺伝するがんについてみていきます。

●がんは遺伝するの?
ほとんどのがんは遺伝しませんが、がんになりやすい変異が受け継がれる場合があります。
・・・(略)・・・

遺伝性の乳がんについて
乳がんの約1割は遺伝性のがんといわれています。遺伝性の乳がんを発症した人では「BRCA1」、または「BRCA2」とよばれる遺伝子に変異が見つかることが多くあります。
この遺伝子からできるタンパク質はDNAに生じた傷を修復する働きがあります。そのため、この遺伝子がうまく働かなくなると、遺伝子変異が取り除かれずに蓄積してしまい、がんを引き起こす原因になります。「BRCA1」、または「BRCA2」に変異がある人すべてががんを発症するわけではありませんが、変異がない人よりも、発症するリスクは高くなることがわかっています。
遺伝性のがんを引き起こす原因となる遺伝子としては他にも、「家族性大腸腺腫」の原因となるAPCや、「網膜芽細胞腫」を引き起こすRBなどが知られています。遺伝性がんであるかどうかは、遺伝子検査によって判断する必要があります。

がんの遺伝子変異が遺伝性であるかを調べるには
がん遺伝子パネル検査で調べるのは、がんの組織や細胞から取り出したDNAなどです。もし遺伝子の変異が見つかったとしても、それが親から受け継いだ遺伝性のものであるか、または生まれてから起きた変異であるかは、がん遺伝子パネル検査の結果だけからは区別をすることができません。
遺伝性の変異かどうかを調べるには、がんの細胞以外の正常な細胞から取り出したDNAも一緒に検査する必要があります。もし遺伝性の変異であれば、正常な細胞の遺伝子にも変異が見つかります。通常はがん組織のまわりにある正常な細胞や血液細胞を検査して、遺伝性の変異かどうかを判断します。

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●遺伝子変異に合わせたがん治療とは コンパニオン診断の普及と がん遺伝子パネル検査の登場
        おしえて がんゲノム医療|中外製薬
代表的な遺伝子変異
近年始まったがんゲノム医療では、がんの原因となった遺伝子変異でがんを分類し、患者さん一人ひとりに合わせた治療をめざしています。この背景にあるのが、分子標的薬と遺伝子検査の進歩です。ここでは、従来の臓器ごとのがん治療がどのような治療へと変わりつつあるのかについて、お伝えします。

●遺伝子変異によってできた異常なタンパク質を標的とする「分子標的薬」が進歩
 ・・・(略)・・・化学療法に使われる従来の抗がん剤は、細胞の分裂や働きを妨げ、破壊する効果があります。しかし、正常な細胞にも同様に作用するため、副作用が生じることも少なくありません。
これに対して、1990年以降に登場したのが「分子標的薬」です。がん細胞では、変異が起こった遺伝子の情報をもとにして、異常な働きをするタンパク質が作られます。分子標的薬はこの異常なタンパク質(分子)を標的として働きを妨げ、がん細胞に選択的に作用します。

分子標的薬が効く可能性をあらかじめ判断するコンパニオン診断が普及
・・・(略)・・・コンパニオン診断では、遺伝子検査で対象となる遺伝子に変異が見つかった場合には、その分子標的薬の効果が期待できます。反対に、その遺伝子変異が見つからなければ、薬剤の効果は期待できない、と判断されます。

同じ臓器のがんでも、がんの遺伝子変異の違いによって、患者さん一人ひとりに合わせた薬剤の選択へ
違う臓器のがんでも、共通のがんの遺伝子の変異があると、同じ薬剤が効果を示すことも

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●がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院について
     おしえて がんゲノム医療|中外製薬
・・・(略)・・・がんゲノム医療を受けられる施設は、厚生労働省によって指定されています。がんゲノム医療を牽引し臨床試験や治験を担う全国12カ所の「がんゲノム医療中核拠点病院」、がんゲノム医療中核拠点病院と連携し治療にあたる161カ所の「がんゲノム医療連携病院」、中核拠点病院と連携病院の間に位置づけられ単独で治療方針の決定ができる33カ所の「がんゲノム医療拠点病院」があります。

がんゲノム医療中核拠点病院一覧
北海道大学病院
東北大学病院
国立がん研究センター東病院
国立がん研究センター中央病院
慶應義塾大学病院
東京大学医学部附属病院
静岡県立静岡がんセンター
名古屋大学医学部附属病院
京都大学医学部附属病院
大阪大学医学部附属病院
岡山大学病院
九州大学病院


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 女性の乳癌など、男性の前立腺がんなどは、「性ホルモン」と不可分な関係にあることを先日まで見てきた。
 薬にも共通性が多い。典型は「ホルモン療法」という治療法。
 これがまた、「いずれ、効かなくなる」というところまでもそっくり、そんな印象。
・・・と、ここまでは 前回のブログで書いた。

★≪原則として効果がある間はホルモン療法を続けます。/日本乳癌学会・ 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版≫
★≪ホルモン療法を長期間継続すると、徐々にホルモン療法に抵抗性を示す癌細胞が増え、治療効果が消失してしまう/日経≫

 今日は、その「ホルモン療法」と概念化されている治療法の男女(の癌の)それぞれの薬の分類の一覧表を比較してみる。
 ・・なんか、昨年2月に前立腺がんを告知されて、ちょうど1年。
 たいていは、もっと長い年数で「ホルモン療法が効かなくなる」人が圧倒的なのに、私は、1年でほぼ「何種(カテゴリー)」かの薬を使い切った。
 それだけ、癌がアグレッシブなのだろう。

 ということで、今日は一覧表の比較のあと、前立腺がんの知識として、「本稿関係のことばの補足」のメモを作ったあと、「第2世代のホルモン療法」としてこの数年に日本で認可された薬の情報を記録しておく。一昨年、昨年と2薬が承認されている。それだけ、開発競争が激しいということなんだろう。つまり、売れるから製薬会社にはメリットがあるということ。

★≪女性≫ Q52.ホルモン療法(内分泌療法)は,どのくらいの期間続けたらよいのでしょうか/日本乳癌学会・ 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版
★≪男性≫ ●内分泌療法(ホルモン療法)とは/What's前立腺がん (私がこの1年間にやってきたこと治療は、図の中に赤でマークしておいた。)

★ 本稿関係のことばの補足

●アーリーダ 遠隔転移のある前立腺がんに適応追加 ーヤンセンファーマー/2020.06.01 がん情報サイト「オンコロ」
●【新薬】アパルタミド(アーリーダ)去勢抵抗性前立腺癌に対する第2のアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬/日経 2019/06/21 
●【新薬】ダロルタミド(ニュベクオ)去勢抵抗性前立腺癌を治療する3番目のアンドロゲン受容体阻害薬/日経 2020/03/20

 とはいっても、私たちのように約1割の患者には これらも効かない。
 ・・なので、明日からは、以前に何度か触れてきた 「分子標的薬(抗がん剤)・リムパーザ(オラパリブ)」 のことに話を移していこうと思っている。
 ‥リムパーザもまた、男女に共通した治療薬。

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 Q52.ホルモン療法(内分泌療法)は,どのくらいの期間続けたらよいのでしょうか。
     日本乳癌学会・ 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版
A.手術後のホルモン療法は,閉経前では抗エストロゲン薬(5年)に,場合によりLH-RHアゴニスト製剤(2~5年)を併用します。閉経後ではアロマターゼ阻害薬もしくは抗エストロゲン薬(5年)を用いてきました。

表1  閉経前と閉経後の主なホルモン療法薬
 最近の臨床試験や臨床研究から,術後5年以上経過した方でも再発するリスクがあることがわかってきており,そのような再発を防ぐために計10年間のホルモン療法をお勧めすることがあります。長期にホルモン療法を行うかどうかは,副作用などの害と再発予防の利益とのバランスで決定します。進行・再発乳がんでは,原則として効果がある間はホルモン療法を続けます。

解説
タモキシフェンは,閉経前・後に関係なく用いますが,LH-RHアゴニスト製剤は閉経前の患者さんに,アロマターゼ阻害薬は閉経後の患者さんに使用します(☞Q51参照)。タモキシフェンと同じ作用機序の薬剤であるトレミフェンもほぼ同様に使用可能です (表1) 。

・・・(以下、略)・・・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
私がこの1年間にやってきたこと治療は、下記の図の中に赤でマークしておいた。
●内分泌療法
         What's前立腺がん 内分泌療法(ホルモン療法)とは  監修:群馬大学名誉教授 黒沢病院予防医学研究所所長 山中 英壽 先生 協力:黒沢病院予防医学研究所 加瀬 嘉明 先生
内分泌療法(ホルモン療法)とは

 前立腺がんの多くは、精巣および副腎から分泌される男性ホルモンの影響を受けて増殖しています。
内分泌療法(ホルモン療法)は、男性ホルモンの分泌や働きを抑えることによって、前立腺がん細胞の増殖を抑制しようとする治療法です。

がんが前立腺の外に浸潤している病期III期の患者さんには、内分泌療法を単独あるいは放射線療法と組み合わせて行います。病期IV期の患者さんには、主として内分泌療法を行います。また、治療効果を高める目的で、手術や放射線療法の前(ネオアジュバント療法)、あるいは後(アジュバント療法)に内分泌療法を併用することもあります。


内分泌療法には「LH-RH(GnRH)アゴニスト」、「LH-RH(GnRH)アンタゴニスト」、「抗男性ホルモン剤」、「内分泌療法の併用療法」、「女性ホルモン剤」、「去勢術 (精巣摘除術)」があり、去勢術以外は薬物療法です。

前立腺がん細胞の増殖を抑制する方法としては、
 精巣あるいは副腎からの男性ホルモンの分泌を抑える方法
  前立腺細胞内において、男性ホルモンの作用発現を抑える方法
の2つの方法があります。

去勢術、LH-RHアゴニストおよび女性ホルモン剤は(1)の方法、抗男性ホルモン剤は(2)の方法によって、がん細胞の増殖を抑制します。

内分泌療法の併用療法とは、LH-RHアゴニストまたは去勢術に抗男性ホルモン剤を併用するもので、CAB(combined androgen blockade)療法またはMAB(maximal androgen blockade)療法と呼ばれています。
・・・(以下、略)・・・

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 本稿関係のことばの補足
●mCSPC=転移性去勢感受性前立腺癌
●ADT=アンドロゲン(男性ホルモン)除去療法
●AR=アンドロゲン受容体
●AR阻害薬 =(androgen receptor;AR)シ グナル阻害薬 — エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミドはアンドロゲン受容体阻害薬
●アンドロゲン合成酵素CYP17阻害薬 アビラテロン 男性ホルモン(アンドロゲン)を作れなくし、その影響をなくすことで抗腫瘍効果を発揮。作用メカニズムは、男性ホルモンの生合成に必要なCYP17という酵素を阻害すること。この作用は、精巣だけでなく、微量の男性ホルモンが産生される副腎や前立腺がん組織内にも及ぶ。結果的に、男性ホルモンを介したがん細胞増殖の情報伝達がおさえられ、腫瘍の増殖抑制につながる。このような作用機序からCYP17阻害薬と呼ばれている。

●CAB療法・MAB療法= 内分泌療法の併用療法とは、LH-RHアゴニストまたは去勢術に抗男性ホルモン剤を併用するもので、CAB(combined androgen blockade)療法またはMAB(maximal androgen blockade)療法

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●アーリーダ 遠隔転移のある前立腺がんに適応追加 ーヤンセンファーマー
       2020.06.01 がん情報サイト「オンコロ」
5月29日、ヤンセンファーマ株式会社(以下ヤンセンファーマ)は、アーリーダ(一般名アパルタミド 以下アーリーダ)が遠隔転移を有する前立腺がんの適応追加承認を取得したと発表した。

アーリーダは、アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤であり、前立腺がん細胞におけるアンドロゲンシグナル経路を遮断する。アンドロゲンがアンドロゲン受容体(AR)に結合するのを阻害する、ARががん細胞核内に移行するのを止める、ARががん細胞のDNAに結合するのを阻害することでがん細胞の増殖を阻害する。日本においては、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がんに適応承認されている。

今回の承認は、骨転移があり、アンドロゲン除去療法(ADT)開始6ヶ月以内の前立腺がんにアーリーダとプラセボの有効性、安全性、忍容性を評価した第3相試験(TITAN試験)の結果に基づく。同試験により、アーリーダはプラセボと比較して死亡リスクを33%低下させ、画像上の無増悪生存期間のリスク低下も認めた。

●【新薬】アパルタミド(アーリーダ)去勢抵抗性前立腺癌に対する第2のアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬
        日経 2019/06/21 
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)
 2019年5月30日、抗悪性腫瘍薬アパルタミド(商品名アーリーダ錠60mg)が発売された。
・・・(略)・・・また、前立腺内のアンドロゲンのうち40%は副腎由来とされており・・・(略)・・・などの抗アンドロゲン剤を併用するMAB療法も行われている。

 しかし、ホルモン療法を長期間継続すると、徐々にホルモン療法に抵抗性を示す癌細胞が増え、治療効果が消失してしまうことが知られている。このホルモン療法抵抗性となった状態は、外科的去勢後に症状が増悪した患者と合わせて「去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)」と称されている。そこでCRPCに対して、アンドロゲン合成に関与する酵素であるCYP17を阻害するアビラテロン酢酸エステル(ザイティガ)が登場したほか、アンドロゲン受容体(AR)に競合的に結合してアンドロゲンのシグナル伝達を阻害するエンザルタミド(イクスタンジ)が臨床使用されている。

 今回承認されたアパルタミドは、ARに結合してアンドロゲンのシグナル伝達を阻害する抗アンドロゲン剤として、既存のエンザルタミドに次ぐ薬剤である。その作用機序は、(1)細胞質内ARに対するアンドロゲン結合を阻害、(2)細胞質内ARの核内移行を阻害、(3)核膜ARと転写因子領域との結合を阻止し、ARを介した転写を抑制するというもの。日本人を含む遠隔転移を有しないCRPC患者を対象とした国際共同第3相試験(ARN-509-003試験)から、本薬の有効性と安全性が確認された。海外では、2019年1月現在、5カ国(米国、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル)および欧州で承認されている。

●【新薬】ダロルタミド(ニュベクオ)去勢抵抗性前立腺癌を治療する3番目のアンドロゲン受容体阻害薬
       日経 2020/03/20 北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)
 2020年1月23日、前立腺癌治療薬ダロルタミド(商品名ニュベクオ錠300mg)の製造販売が承認された。適応は「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」、用法用量は「成人に1回600mg、1日2回食後に投与。患者の状態により適宜減量」となっている。

 前立腺癌は、男性ホルモンであるアンドロゲンにより増殖する癌であり、特に初期治療では、アンドロゲンの作用を抑制することが目標となる。具体的には、アンドロゲンを産生する精巣を摘除する外科手術(外科的去勢法)、アンドロゲンの作用を抑制する内科的治療(ホルモン療法)が行われている。

 中でもホルモン療法は、有効性が外科的去勢法と同等(非劣性)であることが確認されたことから、現在、中心的な治療として広く行われている。

 黄体形成ホルモン(LH)が主に下垂体前葉を通して精巣でのアンドロゲンの産生・分泌を促進させることから、ホルモン療法では、LHの作用を抑制するゴセレリン(ゾラデックス)やリュープロレリン(リュープリン他)といった黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニストが使用されている。

また、前立腺内のアンドロゲンのうち40%は副腎由来とされており、LH-RHアゴニストだけではアンドロゲン合成を抑制できないことから、現在では、副腎由来のアンドロゲンをも抑制するビカルタミド(カソデックス他)、フルタミド(オダイン他)、クロルマジノン(プロスタール他)などの抗アンドロゲン剤を併用するMAB療法も行われている。

 しかし、ホルモン療法を長期間継続すると、徐々にホルモン療法に抵抗性を示す癌細胞が増え、治療効果が消失してしまうことが知られている。このホルモン療法抵抗性となった状態は、外科的去勢後に症状が増悪した患者と合わせて「去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)」と称されている。そこでCRPCに対して、アンドロゲン合成に関与する酵素であるCYP17を阻害するアビラテロン酢酸エステル(ザイティガ)が登場したほか、アンドロゲン受容体(AR)に競合的に結合してアンドロゲンのシグナル伝達を阻害する、アンドロゲン受容体阻害薬のエンザルタミド(イクスタンジ)およびアパルタミド(アーリーダ)が臨床使用されている。

 ダロルタミドは、エンザルタミド、アパルタミドに次ぐアンドロゲン受容体阻害薬である。ただし、ダロルタミドの適応はアパルタミドと同じ「遠隔転移を有しないCRPC」であり、エンザルタミドの適応「CRPC」とは異なる。ダロルタミドは、ARのリガンド結合部位にアンドロゲンが結合するのを競合的に阻害するとともに、転写因子であるARの核内移行を阻害し、標的遺伝子の転写を抑制する。これらの作用により、ARを介したシグナル伝達を阻害し、アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制する。また、既存の薬剤とは異なる特徴的な化学構造(極性基を有するピラゾール環など)を有しており、ARと高い親和性で結合して強力な阻害作用を発揮する。


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 納得できる国民は、ほとんどいないであろう「総務省の接待問題」。
 しかも、首相が以前に大臣をつとめていたこと、かつ、現在も主要政策として掲げる「通信事業改革」そのものであること、加えて「首相の息子」の民間通信と一致と、あまりに因縁が深すぎる。以前の安倍氏の幾つかの事件を超えるとも映る。

 それで、今日は幾つかを記録しておくけれど、一番気になるのは、主要マスコミによる責任追及が収束するのではないかという懸念。  
 何しろ、「総務省」がらみの案件。
 だから、その観点で見ておく。面白い報道もあった。

 ひとつ気になるのは、★≪総務省違法接待問題を「公務員倫理法」で追及した野党の失策/HARBOR BUSINESS≫という方向の意見。そのような意見が出て喜ぶのは、政府や悪徳の当事者だと思う。

 議会の場では圧倒的与党の状況の場合は、議会制度上の限界があるということ。私も地方議会に居る時、首長が2度、汚職で逮捕された。議員の刑事事件・不祥事もあった。与党が圧倒的に多数の議会も、世論や報道に押されて、仕方なしに動いた。しかし、いずれも、圧倒的与党の状況だったから、議論から逃げられてしまう。

 今回、事案は確かに、「贈収賄」というべきことだけど、国会という政治ルールの中では、「贈収賄」という観点での論点整理、追及はどうしてもすれ違いに終わる、というよりは、与党と官僚側が逃げることができてしまう。
 対して「公務員倫理法」の方では、議論が成立する。だから、それが政治の宿命だと思う。
 そんなことを思いながら、以下を記録しておく。
 
●総務省と東北新社の違法接待問題 疑惑の本丸「癒着会議」の仰天議事録/日刊ゲンダイ 3/2
●東北新社 4年前に外資規制違反の可能性も事業認定取り消されず/NHK 2021年3月5日 16時33分
●菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度 不祥事が政権危機につながるボディブローに/東洋経済 2021/02/19 泉 宏

●総務省違法接待問題を「公務員倫理法」で追及した野党の失策/HARBOR BUSINESS 3/6 
●総務省接待問題でなぜかおとなしいマスコミ各社が恐れる「特大ブーメラン」/ダイヤモンド 2021.3.4 4:25 窪田順生
●首相の天領、総務省接待事件の源流は「菅総務相」時代の人事私物化/ダイヤモンド 2021.3.6  山田厚史
●総務省接待 便宜図れば「収賄罪」成立? 業者は「贈賄罪」に問われない?/オトナンサー 2021.03.05

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●総務省と東北新社の違法接待問題 疑惑の本丸「癒着会議」の仰天議事録
       日刊ゲンダイ 3/2
 菅首相の長男が勤める東北新社による総務官僚への違法接待問題が国会を揺るがしている。疑惑の本丸は、接待によって「行政がゆがめられた」可能性だ。その一端が議事要旨からうかがえるのが、東北新社幹部や接待官僚が参加した総務省の有識者会議。この“癒着会議”に調査のメスを入れるべきだ。
 ◇  ◇  ◇
 問題の有識者会議は、2018年2月に設置された「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ(WG)」だ。4K、8K放送の開始に合わせ、衛星放送の将来的なあり方などについて検討することを目的とした会議体である。東北新社の社外取締役が会長を務める「衛星放送協会」など業界関係者や有識者に加え、東北新社から接待攻勢にあった総務官僚もメンバーに名を連ねる。
・・・(以下、略)・・・

●東北新社 4年前に外資規制違反の可能性も事業認定取り消されず
       NHK 2021年3月5日 16時33分
 総務省の幹部らに接待を行っていた衛星放送関連会社「東北新社」について、4年前に外資規制に違反している可能性が高くなったものの、衛星放送の事業認定が取り消されず、その後、子会社にその地位を継承していたことが明らかになりました。総務省は当時、違反しているという認識がなかったとしています。
・・・(以下、略)・・・

●菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度 不祥事が政権危機につながるボディブローに
   東洋経済 2021/02/19 泉 宏 : 政治ジャーナリスト
・・・(略)・・・
正剛氏は学生時代からミュージシャンとして活動し、大学卒業後も定職に就かなかったため、心配した菅首相が2006年の総務相就任時に政務秘書官に起用。その後、正剛氏は東北新社に入社した。

「コネ入社ではないか」との野党の追及に対し、菅首相は自らの教育論を述べ、「『自分のことは自分で責任をもって生きていく』と強く言って育ててきた」と防戦した。しかし、野党側は「情実入社の疑念は濃い、まさに李下に冠はたださず、だ」と責任追及を続ける構えだ。

安倍前首相は森友問題について、「妻や事務所が関与していたら総理大臣だけでなく議員も辞める」と啖呵を切り、それが財務省の前代未聞の公文書改ざん事件につながった。それだけに、菅首相が長男に説明を求めず、釈明や謝罪も拒否すれば、事態の深刻化は避けられない。
・・・(以下、略)・・・

●総務省違法接待問題を「公務員倫理法」で追及した野党の失策
      HARBOR BUSINESS 3/6 
「反省の弁」はスルスル出てくるが・・・(略)・・・

贈賄事件なのに公務員倫理法違反だけで追及する野党
 騒動の大元となった週刊文春の記事は、総理の息子・菅正剛が総務官僚を接待するのみならず、贈答品まで送っていたことを伝えている。立派な贈賄事件だ。

 しかし不思議なことに野党はなぜかこの事件を、公務員倫理法違反にのみ立脚して追及している。
・・・(略)・・・
 刑法に基づく贈収賄としての追及ではなく、公務員倫理法に基づく追及を基本に据えてしまった野党の戦略ミスと言う他はない。

 野党側は、世論の高まりに期待したのかもしれない。市民がコロナ禍による生活苦に喘いでいる中、総理の息子が、一回数万円の豪華な食事を官僚たちに振る舞っている。その様子が伝われば、政権に対する批判の声が高まるに違いないと踏んだのかもしれない。が、それは甘い。それはもう週刊文春が野党なんぞの手の届かないレベルの高さで、見事にやってのけているではないか。国会議員の出る幕ではないのだ。

●総務省接待問題でなぜかおとなしいマスコミ各社が恐れる「特大ブーメラン」
      ダイヤモンド 2021.3.4 4:25 窪田順生:ノンフィクションライター
なぜ追及がトーンダウン?
菅首相の長男も絡む総務省接待問題
 菅首相の長男による総務省幹部接待問題を文春がスッパ抜いてからおよそ1カ月、テレビや大新聞が揃いも揃ってトーンダウンしてきた。

 総務省幹部、東北新社経営陣の処分に続いて、内閣報道官の山田真貴子氏が入院・辞任をしたことを受けて、「これにて一件落着」という禊ムードを醸し出しているのだ。

たとえば、この問題をそれなりに大きく扱っていた各局の情報番組でも、平時のコロナネタ、電車の運行停止、5歳児の餓死事件などに長い時間を割くようになってきた。また、いつもなら「疑惑は深まった」「納得のいく説明を」という感じで、しつこく食らいつく「朝日新聞」も、『総務省内からも「苦しい言い訳」幹部の釈明、4つの疑問』(3月2日)と、やけにお優しい。「関係者の処分で幕引き」という典型的な火消しを見せつけられても、「疑問」しか浮かばないということは、「もうこれ以上、追及する気はないっす」と白状しているようなものだ。

 と聞くと、「当事者たちが否定しているのにネチネチと追及していても不毛なだけだろ」「マスコミには伝えなくてはいけないことが他にもあるのだ」とムキになるマスコミ人もいらっしゃるだろうが、それはあまりにも二枚舌というか、ご都合主義が過ぎる。
・・・(略)・・・
皆さん、モリカケ問題のときに見せた「疑惑を追及する正義のジャーナリスト」とはまるで別人のようで、借りてきた猫のように大人しいのだ。

 では、なぜ今回の「行政がゆがめられた」という疑惑をマスコミは揃いも揃ってスルーしているのか。

 皆さん、モリカケ問題のときに見せた「疑惑を追及する正義のジャーナリスト」とはまるで別人のようで、借りてきた猫のように大人しいのだ。

 では、なぜ今回の「行政がゆがめられた」という疑惑をマスコミは揃いも揃ってスルーしているのか。モリカケ問題でさんざん「しつこい」「偏向報道だ」などと叩かれたことを反省して、「本人が疑惑を否定したら、それ以上しつこく追及するのはやめましょう」という取材ガイドラインができた可能性もゼロではない。しかし、個人的には、「特大ブーメラン」を恐れて「報道しない自由」を行使しているのではないか、と考えている。

 つまり、「首相の息子」「官僚の接待」という問題を厳しく追及すればするほど、その厳しい追及がブーメランのようにきれいな放物線を描いて、マスコミ各社の後頭部に突き刺さってしまうのだ。

マスコミが自主規制リストの中でも 特に気を遣う「総務省」という存在
 今どき、マスコミがなんでもかんでも好きなように報じられると思っている人の方が少ないと思うが、テレビや新聞にはタブーが多く存在する。巨額の広告出稿をする大企業への批判はもちろん、広告代理店、印刷所、新聞販売所など身内への批判も手心を加えるし、記者クラブや軽減税率という既得権益は基本的に「存在しない」ものとして扱う。

 そんなマスコミが自主規制リストの中でも特に気を遣うのが、「総務省」だ。
・・・(略)・・・
 東北新社と総務省の関係を叩けば叩くほど、こういうマスコミ業界にとって耳の痛い話にも注目が集まってしまう。この「特大ブーメラン」を恐れるあまり、テレビも新聞も早くこの問題を国民が忘れてくれるように、大人しくしているのではないのか。

 いずれにせよ、「菅首相長男接待問題」がモリカケ問題よりも闇が深く、モリカケ問題よりも行政を歪めている可能性が高いことは、誰の目に見ても明らかだ。この問題に対して疑惑を追及しないという偏ったスタンスは、「ご都合主義的な正義」だと謗りを受けてもしょうがない。

「偏向報道」という汚名を返上するためにも、心あるマスコミ人にはぜひ疑惑の徹底追及をお願いしたい。

●首相の天領、総務省接待事件の源流は「菅総務相」時代の人事私物化
   ダイヤモンド 2021.3.6  山田厚史:デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員
首相長男の宴席問題で13人処分 始まりは縁故主義と人事私物化
 総務省で総務審議官や情報流通局長ら11人の幹部職員が処分を受けた。

 菅義偉首相の長男、正剛氏が取り持った放送関連会社、東北新社の「連続接待事件」に参加し「公務員倫理法違反」を問われた面々だ。

 総務省中枢をむしばんだ倫理崩壊の淵源をたどると「菅総務相」に行き着く。

 菅氏は二つの「誤り」を犯した。一つは、息子を政務の大臣秘書官にしたこと。二つ目は、かんぽ生命の不正勧誘問題報道でNHKに圧力をかけたとされるあの鈴木康雄氏(元日本郵政副社長)を次官コースに乗せたことだ。

 公私混同、縁故主義の人事という菅総務相の愚行が今日の事態を招いた。

 首相は、人ごとのような顔をできる立場ではない。

長男を「商品」化した菅総務相 大臣秘書官に任命され人脈作り
 正剛氏が勤務する東北新社による接待問題が表面化して以来、菅首相は「私と長男は別人格」と、繰り返してきた。「別人格」というなら25歳の長男が自分で進路を探すのを見守るのが親の務めではなかったか。

 音楽演奏に興味を持ち、定職に就かず自分探しをしている若者は決して少なくない。長男もそんな若者の一人だったが、菅氏は総務相になると、長男を大臣の政務秘書官にしてしまった。
 
 大臣秘書官は税金から給与が払われる公務員だ。また大臣の職務は広く深い。地元事務所の秘書ならまだしも、大臣秘書官は社会経験がない若者に務まるポストではない。
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 周囲の官僚や出入りの業者は「公私の区別が緩い」という菅氏の「弱点」を見てしまった。

 首相は国会で、正剛氏が東北新社に入社した経緯を「長男が(創業者を)非常に慕い、二人で(就職の)話を決めた」と説明した。東北新社の創業者は秋田の同郷で菅氏の支援者だった。

 二人を引き合わせたのも首相である。息子を役所の要職に就けた後、今度は許認可権限を持つ事業者に紹介したわけだ。

 東北新社が、放送事業などに特段の経験や技術を持つわけではない若者をなぜ採用したのか。

「総務大臣の息子」という無形の資産に価値があるからだ。

 事業者にとって総務省は許認可を握る難攻不落の役所。正面から攻めても外で担当者と会うことなどできない。大臣の息子を雇えば「裏口」から出入りできる。
 
 民間企業が天下りを受け入れるのと同じ構造だ。給与を払って役所への「特別アクセス権」を買っている。高いポストで退職した者ほど強力な「アクセス権」がある。

「総務相の息子」は計り知れない価値がある。長男を政務秘書官にしたのは「商品性」に磨きを掛けるためだろう。

 役所で顔を売り、幹部職員になじみを作る。父親自身もその後、官房長官から首相にと大化けし総務省を天領のように仕切る存在となり「息子の資産価値」を膨張させた。今や菅正剛氏の誘いを断る官僚はいない。

「懇談の場」をセットする力 公私混同が行政に蔓延
 二階俊博自民党幹事長の「会食は飯を食うためにあるものではない」という言葉はその通りである。その場で具体的な請託があったか、という問題ではない。

 プライベートな場で会食をしたという「関係性の確認」が業者にとって大事になる。

〇 官僚人事への異様な執着「懲罰局長」を手なずけた菅人事 ・・・(略)・・・
〇 おもねれば出世街道 「直言」すれば冷飯 ・・・(略)・・・
〇 「女性活用」の看板で重用の山田内閣広報官「わきまえた女」と重用された結末 ・・・(略)・・・
〇 公務員は誰のために仕事をするのか 「役所は頭から腐る」ことの自戒を ・・・(略)・・・

●総務省接待 便宜図れば「収賄罪」成立? 業者は「贈賄罪」に問われない?
       オトナンサー 2021.03.05 著者 : オトナンサー編集部 アドバイザー : 佐藤みのり(さとう・みのり)
衛星放送関連会社勤務の菅正剛氏らによる総務省幹部への接待問題で、同省は幹部ら11人を処分しました。接待を受けた官僚、接待を行った菅氏らは贈収賄罪に問われないのでしょうか。

 菅義偉首相の長男で衛星放送関連会社、東北新社に勤務する菅正剛氏らによる総務省幹部への接待問題で、同省は2月24日、11人に対して減給、戒告などの処分を科しました。また、総務審議官時代に正剛氏から1回当たり7万円を超える飲食の接待を受けた山田真貴子内閣広報官も3月1日に辞職。政府としてはこれで区切りというつもりのようですが、公務員が業者から接待を受け、便宜を図ったとすれば、収賄罪が成立するのではないでしょうか。また、正剛氏ら業者側は贈賄罪に問われないのでしょうか。

 贈賄罪、収賄罪が成立する基準などについて、佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。
・・・(以下、略)・・・

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 マイクロソフトのExchangeの新たに発見された4つのセキュリティ脆弱性を利用してハッカーが攻撃を仕掛け続けていた。
 しかも「攻撃者が数カ月にわたってネットワーク内部にアクセスしていた」(MITテクノロジー)という。

 アメリカで発見されたが、被害は世界中に広がるらしい。
 ・・・ということで、急いで情報を確認しておいた。私はExchangeを基本的には使っていないけれど、安心していいわけではないから。
 マイクロソフトは、「セキュリティ更新プログラムをリリースしており、全てのユーザーに対して迅速に更新プログラムを適用するように呼びかけている」というから、急いで更新しておくことに越したことはない。

 ともかく、次を記録しておく。

●中国の国家ハッカーがExchange Serverの脆弱性をゼロデイ攻撃、マイクロソフトが警告/techcrunch 2021年3月04日/新たに発見された4つのセキュリティ脆弱性を利用して、企業ネットワーク上で稼働しているExchangeの電子メールサーバに侵入し、被害者組織から電子メールアカウントやアドレス帳などのデータを盗み出し、さらにマルウェアをインストールしていた。4つの脆弱性を併用することで、Exchange 2013以降を使用するオンプレミスの脆弱なサーバーを侵害できる攻撃の連鎖が作られる。

●マイクロソフト、中国拠点の国家ハッカーがサーバーに侵入と警告 一部電子メールなど流出/ブルームバーグ 2021年3月3日
●過去最大級のハッキング被害、米政府機関復旧までに最長18カ月/MITテクノロジーレビュー 2021.03.05

●Microsoftが「中国政府系ハッカーによるExchange Serverの脆弱性を利用した新たな攻撃」について報告/gigazine. 2021年03月03日
●米3万組織に攻撃、中国系ハッカーか Microsoft標的/日経 2021年3月6日
●ハッカー集団「ハフニウム」暗躍 中国政府が支援か/テレ朝 2021/03/07
・・・・・・・・・・・・・
 なお、昨日3月6日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,839 訪問者数916」。

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●中国の国家ハッカーがExchange Serverの脆弱性をゼロデイ攻撃、マイクロソフトが警告
         techcrunch 2021年3月04日
Microsoft(マイクロソフト)は顧客に対し、中国政府の支援を受ける新たなハッカーが、同社の企業向け電子メール製品であるExchange Serverの、これまでに発見されていなかった4つのセキュリティ上の欠陥を悪用し攻撃していると警告した。

Microsoftは米国3月2日「Hafnium(ハフニウム)」と呼ばれるハッカーグループが、法律事務所や防衛請負業者だけでなく、感染症研究者や政策シンクタンクなど、米国を拠点とする幅広い組織を攻撃対象にして情報を盗み出そうとしているようだと述べた。

同社によると、Hafniumは、新たに発見された4つのセキュリティ脆弱性を利用して、企業ネットワーク上で稼働しているExchangeの電子メールサーバに侵入し、被害者組織から電子メールアカウントやアドレス帳などのデータを盗み出し、さらにマルウェアをインストールしていたとのこと。4つの脆弱性を併用することで、Exchange 2013以降を使用するオンプレミスの脆弱なサーバーを侵害できる攻撃の連鎖が作られるという。

Hafniumは中国を拠点に活動しているが、攻撃を仕かけるために米国内のサーバーを利用していると同社は述べている。Microsoftは、Hafniumがこれら4つの新しい脆弱性を最初に発見したハッカーグループであるとも述べた(同社のブログ記事の以前のバージョンでは、Hafniumがこの脆弱性を悪用する「唯一の」グループであると誤って記述されていた)。

Microsoftは攻撃が成功した数については明言を避けたが、その件数は「限られたもの」と説明した。

該当する4つのセキュリティ脆弱性を修正するためのパッチは現在すでに公開されており、通常は毎月第2火曜日に予定されている同社の典型的なパッチ適用スケジュールよりも1週間早い公表となった。

「Microsoftの顧客セキュリティ担当副社長であるTom Burt(トム・バート)氏は次のように述べた。「Hafniumの攻撃に対するアップデートを迅速に配備するよう尽力しましたが、多くの国家活動家や犯罪グループが、パッチが適用されていないシステムを利用しようとすばやく動くことが予想されます」。

同社は米政府機関にも調査結果をブリーフィングしたとしているが、今回のHafniumによる攻撃は、米連邦政府機関に対するSolarWinds関連のスパイ活動とは関係ないとしている。トランプ政権末期にNSA(米国家安全保障局)とFBIは、SolarWindsの件は「ロシア起源の可能性が高い」と述べていた。

●マイクロソフト、中国拠点の国家ハッカーがサーバーに侵入と警告 
エクスチェンジ・サーバーに不正アクセス、一部電子メールなど流出

    ブルームバーグ 2021年3月3日
ハッカーら「国家の支援を受け、中国から仕掛けている」
米マイクロソフトは顧客に対し、ソフトウエアの修正プログラムをダウンロードするよう呼び掛けている。中国に拠点を置き、国家の支援を受けるハッカーが、これまでに発見されていなかった複数のソフトウエア上の欠陥を利用し、一部顧客の電子メールや連絡先、予定などのコピーに侵入したという。

  ハッカーらは脆弱(ぜいじゃく)性を利用して「マイクロソフト・エクスチェンジ・サーバー」に侵入し、電子メールのアカウントに不正にアクセスした上で、長期的にハッキングを容易にするマルウエアをインストールしていた。マイクロソフトが2日説明した。

  マイクロソフトのブログ投稿によると、このハッカーらは「国家の支援を受け、中国から仕掛けていると判断される集団」で、「感染症の研究者や法律事務所、高等教育機関、防衛関連企業、政策シンクタンク、NGO(非政府組織)など米国にある多数の業種団体」を攻撃対象とすることが多いという。

  中国外務省の汪文斌報道官は北京で3日に開いた定例記者会見で、マイクロソフトのサーバーに対するハッキングは、完全な証拠に基づいて結論が導かれるべきだと述べた。

●過去最大級のハッキング被害、米政府機関復旧までに最長18カ月
      MITテクノロジーレビュー 2021.03.05
 数万社に導入されているネットワーク管理ツールにバックドアを仕込み、組織内に侵入するという大規模なハッキング被害から米政府機関が復旧するには、最長で1年半の期間がかかるという。
「ソーラーウィンズ(SolarWinds)」に対するハッキングから米政府機関が完全に復旧するには、1年から1年半の期間が必要だという。

米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のブランドン・ウェールズ長官代行によると、ロシアのハッカーによって侵害を受けた政府ネットワークの完全復旧は2022年になるという。被害を受けたネットワークには、国土安全保障省や国務省をはじめ、少なくとも9つの連邦政府機関が含まれている。被害の全容を把握するだけでも、数カ月が必要と見られる。

「事件は、単純ではありません」とウェールズ長官代行は言う。「対応には2つの段階があります。ひとつは短期的な復旧措置で、ネットワークから攻撃者を排除し、攻撃者がコントロールしているアカウントを停止し、ネットワークへのアクセスに利用された侵入口を封鎖します。しかし、攻撃者が数カ月にわたってネットワーク内部にアクセスしていたことを考えると、戦略的な回復には長い時間がかかるでしょう」。

「攻撃者が数カ月にわたってネットワーク内部にアクセスしていたことを考えると、戦略的な回復には長い時間がかかるでしょう」
ブランドン・ウェールズ長官代行(CISA)

これほどまでに徹底的かつ長期間にわたるハッカーによる活動が成功している場合、ネットワークをゼロから完全に再構築する方が正解な場合もある。ハッカーは、標的となったネットワークの信頼性を損い、IDを盗み、被害者のマイクロソフト 365やアジュール(Azure)アカウントに自由にアクセスするために、一見正当なユーザーになりすましたり、ユーザーを作成したりする権限を得ようとしていた。トラスト(互いに信頼できる状態)とアイデンティティのコントロールを奪われたことで、ハッカーの追跡は極めて困難になった。

「そうしたレベルから再建しなければならない大半の機関は、適切な防護を確立するために12~18カ月近くかかるでしょう」(ウェールズ長官代行)。・・・(以下、略)・・・

●Microsoftが「中国政府系ハッカーによるExchange Serverの脆弱性を利用した新たな攻撃」について報告
    gigazine. 2021年03月03日
2021年3月2日、Microsoftが公式ブログで中国政府系ハッカーグループによるサイバー攻撃について報告しました。「Hafnium」と名付けられたこのハッカーグループは、Microsoftが提供する電子メール製品・Exchange Serverの脆弱性(ぜいじゃくせい)を利用し、幅広い組織から情報を盗もうとしているとのことです。

Microsoftの脅威インテリジェンスセンター(MSTIC)によると、Hafniumは中国政府の支援を受ける非常に洗練されたハッカーグループであり、主にアメリカの感染症研究所・法律事務所・高等教育機関・防衛請負事業者・政策シンクタンク・NGOなどを標的にサイバー攻撃を仕掛け、重要な情報を盗み出しているとのこと。Hafniumの拠点は中国にあるものの、攻撃は主にアメリカでホストされている仮想プライベートサーバーから行っているとみられています。

Hafniumの攻撃についてMicrosoftに通知したのは、アメリカのセキュリティ企業・Volexityだったと報じられています。Hafniumは「CVE-2021-26855」「CVE-2021-26857」「CVE-2021-26858」「CVE-2021-27065」という4つのゼロデイ脆弱性を使用して、Exchange Serverに攻撃を仕掛けていたそうです。

Microsoftの消費者セキュリティ担当ヴァイスプレジデントのトム・バート氏によると、Hafniumの攻撃手順は以下の通り。
・1:盗み出したパスワードないしはゼロデイ脆弱性を悪用して、ハッカーがExchange Serverへのアクセス権を持つ担当者になりすます。
・2:侵害したサーバーをリモート制御するためのバックドアを作成する。
・3:アメリカの仮想プライベートサーバーを介したリモートアクセスによって、標的のネットワークからデータを盗み出す。


Veloxityのスティーブン・アデール社長によると、一連の攻撃を最初に発見したのは2021年1月6日のことだったそうです。アデール氏は、Hafniumが使用する手法は開発には高い技術力を要したと考えられるものの、実際の使用時には技術的な手間はほとんど必要ないとみられており、攻撃者は簡単にExchange Serverの脆弱性を突いてデータを盗み出せるとのこと。

消費者セキュリティ担当VPのバート氏は、Hafniumが標的にしているのはアメリカの事業体であり、一般消費者がターゲットとされたり、脆弱性がExchange Server以外のMicrosoft製品に影響したりといったことは確認されていないとしています。また、2020年に発覚したSolarWinds製ソフトウェアの欠陥を利用したアメリカ政府へのサイバー攻撃とも、今回見つかったExchange Serverの脆弱性は関連していないとのことです。

既にMicrosoftは、Exchange Serverを利用するユーザーを保護するためにセキュリティ更新プログラムをリリースしており、全てのユーザーに対して迅速に更新プログラムを適用するように呼びかけています。

なお、今回の攻撃とは使用された脆弱性の種類が違うものの、過去にも中国のハッカーがExchange Serverの脆弱性を利用してアメリカの組織を攻撃していたことが報告されています。

●米3万組織に攻撃、中国系ハッカーか Microsoft標的
    日経 2021年3月6日
【シリコンバレー=佐藤浩実】米国でマイクロソフトのメールシステムの脆弱性(セキュリティー上の欠陥)を突いたサイバー攻撃が広がっている。マイクロソフトによると中国系ハッカーが関与したとみられ、米政府も警鐘を鳴らす。被害は米国の産業供給網(サプライチェーン)の基盤である中小企業など3万の組織に及ぶとの推計もある。

「広範囲に影響を及ぼす可能性がある重大な脆弱性だ」。サキ大統領報道官は5日の記者会見で指摘した。「多数の犠牲者が出ていることを懸念している」と話し、システムの利用企業や団体に対し、ソフト更新などの対処を急ぐよう呼びかけた。

標的となったのは、企業がメールや予定共有に利用するマイクロソフトのサーバー向けソフト「エクスチェンジ・サーバー」。中小企業や地方自治体、学校などで広く使われている。ハッカーは同ソフトの脆弱性を突いて「Webシェル」と呼ぶマルウエア(悪意のあるソフト)を作成。ソフトを遠隔操作し、組織のデータを盗み出すという。

マイクロソフトは攻撃者について、中国政府が支援するハッカー集団「ハフニウム」だと分析する。同社によれば、ハフニウムは情報を盗み出すのを目的とするハッカーで、米国内の企業や団体を攻撃対象にしてきた。

攻撃は米セキュリティー企業の研究者が1月に発見し、マイクロソフトに伝えていた。同社は2日に脆弱性の修正プログラムを配布、被害を抑えるためソフトを速やかに更新するよう利用者に促していた。だがその後の数日間で、ハッカーが戦術を変更。修正プログラムを適用していないシステムに対し、幅広い攻撃を実施したようだ。

セキュリティー研究者のブライアン・クレブス氏は自身のサイトで「米国で少なくとも3万の組織がハッキングされた」と指摘した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなど複数の米メディアも「数万件規模の攻撃」と伝えている。米国外にも被害が広がっている可能性があるが、現時点で詳細は不明だ。

米国ではかねて、ロシアや中国、イランなどの国家と関係が深いとみられるハッカーからの攻撃が問題になっている。2020年12月には米テキサス州に本社があるソーラーウインズのネットワーク管理ソフトの脆弱性が発端となり、多くの政府機関が攻撃の脅威にさらされた。マイクロソフトは今回の攻撃は「ソーラーウインズへの攻撃とは無関係」としている。

●ハッカー集団「ハフニウム」暗躍 中国政府が支援か
     テレ朝 2021/03/07
 中国政府の関与が疑われるハッカー集団が、アメリカのマイクロソフトの電子メールサーバーから世界中の組織の情報を盗み出している可能性があることが分かりました。

 マイクロソフトによりますと、中国政府の支援を受ける「ハフ二ウム」と呼ばれるハッカー集団はセキュリティーの欠陥を悪用し、企業向け電子メールソフト「エクスチェンジ・サーバー」に侵入しました。

 主にアメリカの企業や研究機関などを対象に情報を盗み出していて、マイクロソフトは新たなセキュリティープログラムを配布し、システムを更新するよう呼び掛けています。

 具体的な被害状況は明らかにされていませんが、ロイター通信によりますと、アメリカでは2万を超える組織が侵入されたということです。

 また、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは世界で25万以上の組織が影響を受ける可能性があるとしています。

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 5日間、病気のことを見てきた。
 今日・明日は土日だし、ほかのことを確認しておく。

 まずは、コロナ関連。
 菅氏は「緊急事態宣言の延長」を決めたけれど、2週間程度でおさまると到底思えないから、再々延長だろう。
 他方で、オリンピックもやりたい思いも強い。
 そこに、親族や関連会社と政府との癒着問題も絡む。
 秋までに衆議院の選挙もしなければいけないし・・・
 
  多分、煮詰まってしまうのだろう。そんな観点で、今日は次を見ておく。

●菅首相、宣言延長へ「先手」演出=都知事の動き受け軌道修正/時事 2021年03月04日
●再拡大の「失策」懸念しまた延長 「2週間」根拠示せず国民は…/毎日  2021/3/5

●菅氏「自らの決断」アピールしたいだけ? 期間も解除基準もあいまいのままの緊急事態宣言延長/東京 2021年3月6日 06時00分
●もたつく小池氏に想定外の事態…首相は土壇場でシナリオ書き換え/読売 2021/03/06 08:06

●「非常に不条理な話」“緊急事態”延長に困惑の声/ANNnews 2021/03/06
●緊急事態宣言、4月まで“再々延長”に現実味 解除に前向きが一転、都知事らの再延長要請で後手批判の不安 変異株拡大で「第4波」懸念も/zakzak 2021.3.4 

●緊急事態延長宣言は完全な“小池潰し” 菅首相は「してやったり」/j-cast 週刊朝日 2021/03/04  

 なお、昨日3月5日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,835 訪問者数958」。

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●菅首相、宣言延長へ「先手」演出=都知事の動き受け軌道修正
     時事 2021年03月04日
 菅義偉首相が首都圏1都3県を対象とする緊急事態宣言を2週間程度延長する方向性を打ち出した。当初は期限の7日をもって全面解除する腹づもりだったが、小池百合子東京都知事らの延長要請の動きを受けて軌道修正を余儀なくされた。総務省幹部接待問題などで「後手」批判を浴びる中、かろうじて「先手」を演出した形だ。
・・・(略)・・・

 政府内からは「小池氏の術中にはまっただけ。本来なら7日に断固解除すべきだった」(関係者)との声が上がる。自民党の閣僚経験者も「専門家の意見を聞いていない判断だ」と批判した。
 緊急宣言を2週間延長した場合、新たな期限は21日となる。25日からは東京五輪の聖火リレーが控えているが解除できる保証はなく、首相はさらに難しい判断を迫られる可能性がある。

●再拡大の「失策」懸念しまた延長 「2週間」根拠示せず国民は…
       毎日  2021/3/5  深掘り 内橋寿明 竹地広憲 阿部亮介 中川聡子
 政府が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う首都圏4都県の緊急事態宣言について、解除基準を満たしているにもかかわらず再延長を決めたのは、専門家が強く懸念を示す「リバウンド(再拡大)」への警戒感からだ。だが、延長期間「2週間」の根拠は不明確で、当面は「様子見」で状況改善に期待をかける。

基準あいまい 「手詰まり感」も・・・(以下、略)・・・

●菅氏「自らの決断」アピールしたいだけ? 期間も解除基準もあいまいのままの緊急事態宣言延長
         東京 2021年3月6日 06時00分
 東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県を対象とした新型コロナウイルス緊急事態宣言の再延長が5日、正式に決まった。菅義偉首相はコロナ対応への「後手」批判を意識し、自らの決断を前面に押し出した。だが「1カ月後に必ず改善させる」と断言した発令時から、既に2カ月。解除の基準や、なぜ2週間延長なのかの明確な説明がないまま、国民はさらなる我慢を強いられる。 (上野実輝彦)

◆知事らに先んじたくて
 首相は5日夜の記者会見で「総合的に考慮し、首相として延長を判断した」と強調した。
 背景には、1月の宣言発令や観光支援事業「Go To トラベル」の停止時期などのコロナ対応で遅れを指摘された経緯がある。

 1月の宣言は新規感染者数が急増し、小池百合子都知事ら1都3県の知事から要請を受けた後で発令。当初は首都圏のみを対象としたが、1週間もたたないうちに関西や中京圏にも拡大せざるを得ず、首相の見通しは甘いと批判を浴びた。
 今回も、先に再延長への動きを見せたのは知事側。首相は解除を検討しながら、政府のコロナ対策分科会など専門家の議論を待たず、先手を打つ形で3日に再延長を表明した。小池氏らが政府に要請する前の決断を意識したのは明らかで、自民党幹部は「また振り回されていると思われたくないからだ」と指摘する。

◆「2週間」はどこから?
 政治決断の色彩が強まったことで、解除の基準はあいまいになった。
 1月の発令の際、西村康稔経済再生担当相は解除の目安として、分科会が示す「ステージ3相当」に下がったかを見極めると説明。数字の上ではクリアしながら、結論は再延長。首相は主な理由に「病床の逼迫」を挙げたが、加藤勝信官房長官は「逼迫の定義はない」と認める。
 首相は解除へ「一定以上に余裕のある数値まで落としたい」と強調。政府高官は「1月時点とは異なる。感染者数が減ってもリバウンドなど新たな課題が出てきた」と説明するが、自民党の閣僚経験者は「基準がめちゃくちゃ。どうなれば解除なのか決めないと」と注文する。
 2週間の根拠も不明確だ。西村氏は「データ分析によれば2週間で(病床使用率の改善が)可能になる」と話すが、政権内でも「もう1カ月と言われても国民がついてこられないから」(首相周辺)、「25日に始まる東京五輪の聖火リレーの前に期限を設定した」(自民党幹部)と見解が割れる。官邸幹部は「期間に合理的な理由はない」と明かした。

◆具体的対策は…
 宣言の期限が延びたからといって、状況が改善する保証もない。分科会の尾身茂会長は新規感染者数の減少が下げ止まっている可能性に言及しているが、対策の柱は「(飲食店の)時短営業やテレワーク、人の流れを減らすことを徹底したい」(西村氏)と従来方針の維持にとどまっている。
 3月は、新生活に伴う人の移動や花見、歓送迎会などの行事が盛んになる。昨年は下旬の連休で人出が増え、感染が急拡大した。専門家や与党内からは「延長しても、何か対策を打たない限り状況は変わらない」(ベテラン議員)と懸念の声が出ており、首相は会見で検査拡大や若者への発信強化を訴えたが、効果は未知数だ。

●もたつく小池氏に想定外の事態…首相は土壇場でシナリオ書き換え
    読売 2021/03/06 08:06
 菅首相は5日、緊急事態宣言の2週間延長に踏み切った。小池百合子東京都知事の延長要請に向けた動きや、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、「7日で宣言解除」という当初のシナリオを土壇場で書き換えた。
・・・(略)・・・
 首相は本来、予定通り7日で解除する腹づもりだった。しかし、千葉県の病床使用率の悪化がネックとなった。今月に入り、旧知の森田健作知事と一日に何度も連絡を取り、解除は厳しいとの感触を得ていた。
・・・(略)・・・
 一方、小池氏は同じ2日、森田氏や黒岩祐治神奈川県知事らと連絡を取り、「ワンボイス」で政府に2週間延長を突きつけるために動いていた。
 政府が要請をのめば、小池氏は自らの存在感をアピールできる。要請をはねつけられても、宣言解除で感染が再拡大した場合の批判は政府に向かう。どちらに転んでも、小池氏に損はない。1月の宣言発令前にも近隣3県の知事をまとめ上げ、政府を突き上げた「成功体験」がある。

 ただ、小池氏にとって想定外の事態が生じた。
・・・(以下、略)・・・

●「非常に不条理な話」“緊急事態”延長に困惑の声
      ANNnews 2021/03/06
緊急事態宣言が延長される1都3県に対し、政府の対策本部は、7つの対策を行うよう要請しました。歓送迎会など、年度切り替わりに伴う行事を控える、高齢者施設職員への検査などです。

延長すれば、感染は収まるのかと、疑問の声が上がっています。
タクシードライバー:「2週間で抑え込めるのか、ウルトラCな技があるのかという話」

千葉県南房総市では、菜の花が満開となっています。菜の花畑の近くにある旅館では、4日から予約の取り消しが相次いでいるといいます。 期待するのは、宣言の解除の、その先です。
季粋の宿紋屋4代目・高尾貴行館主:「南房総としては、痛恨。夏に次ぐシーズンなので、本来だとお客さんにどんどん来てもらいたいというのが正直なところ。(Q.これから売り上げの回復は見込めそうか)あとはGoToをいつスタートされるかというところじゃないかと思う」

東京都の小池知事は5日夕方、千葉県、埼玉県、神奈川県の知事らとのテレビ会議に臨みました。やり取りは、すべてメディアに公開されました。1都3県で一致したのは、外出の自粛、3密回避、昼夜を問わずマスク会食など、基本的な対策を徹底しようというものでした。都内には、時短要請に応じていない飲食店もあります。その中で、一部の店舗に対し“要請”から違反した場合は罰則も伴う“命令”に切り替える方向で、手続きに入ったことがわかりました。

2週間で延長は、終わるのでしょうか。政府は宣言解除の目安として、新規感染者、療養者数など6つの指標が『ステージ3』になることとしています。これに対し、東京都は、独自の解除目安を一時検討。入院患者1000人程度、そして、新規感染者の7日間平均は140人、国の基準の『ステージ2』の半分ほどと厳しいものでした。しかし、この案は、その後、見送られたといいます。

季粋の宿紋屋4代目・高尾貴行館主:「(緊急事態宣言延長について)正直なところ、非常に不条理な話だなと思った。当初、政府は1月上旬に(解除目安)500人という数値を言っていたので、それが100人、200人となったのにもかかわらず、何でまた延長するのだろうと。

●緊急事態宣言、4月まで“再々延長”に現実味 解除に前向きが一転、都知事らの再延長要請で後手批判の不安 変異株拡大で「第4波」懸念も
     zakzak 2021.3.4 
・・・(略)・・・ただ、再延長でどこまで感染者が減るかは不透明で、感染力の高い変異株による「第4波」の予測も出るなど、早くも4月までの「再々延長」が現実味を帯びている。

・・・(略)・・・次の期限となる3月下旬以降は感染対策が難しい時期に差しかかる。卒業シーズンや企業の転勤などで人の往来の増加は避けられず、宣言解除のタイミングを見いだせないまま「再々延長」に追い込まれる可能性も否定できない。

 懸念材料に挙がるのは、変異株の動向だ。国内での変異株の確認は、今月3日時点で空港検疫を除き174件。うち昨年12月の3件、1月の21件に対し、2月は134件まで急増している。・・・(以下、略)・・・

●緊急事態延長宣言は完全な“小池潰し” 菅首相は「してやったり」
       j-cast 週刊朝日 2021/03/04  
・・・(略)・・・「今回のぶら下がりの延期表明は、完全なる“小池潰し”でした。緊急事態宣言を論議する5大臣会合も、別名“小池対策会議”と囁かれていました。小池氏を意識しすぎて、今回の延期は完全に政局にしてしまっています」(政府関係者)

・・・(略)・・・ 何とか体面を保った菅首相。期間はぶら下がり会見では明言していないが、7日から2週間となれば、21日前後までの再延長となる。25日からは東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが始まる予定ので、ギリギリのタイミングで解除に踏み切れる。

「菅首相は無観客でも東京オリンピック・パラリンピックは開催すると言い切っている。25日からの聖火リレーの日程は絶対に動かせない。再延長が2週間なら間に合う。それにコロナ対応で衆院解散も任期満了の10月となる可能性が高い。東京オリンピック開催で支持率を少しでもアップさせて総選挙をしたい。政局的な再延長だ」(前出・自民党幹部)
 一方、今回は菅首相に先を越された小池知事。菅首相の再延長表明を支持する意向を見せている。

「1月の緊急事態宣言の時は、してやったりという感じだった。今回も最初に再延長を口にしたのは小池知事だったので、出遅れ感はない。ただ、今回は首都3県の知事をうまくまとめ切れなかった。小池知事のことですから、どこかでまた菅首相に一泡吹かせたいとは狙っていると思いますが」(同前)

 政局化した緊急事態宣言の延長で皮算用通り、東京オリンピックを開けるのだろうか。




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 男性の前立腺がん、女性の乳がん、どちらも治療は同じ「ホルモン療法(内分泌療法)」とくくって概念化されている。
 病気に対する考え方、身体の中での作用や流れ、薬剤の作用機序などがとても良く似ているからだろう。

 なぜ似ているかといえば、基本的に、「男性ホルモン」「女性ホルモン」というホルモンに起因する癌だから。
 性ホルモンは男性では前立腺癌、女性では子宮内膜癌、卵巣癌、乳癌の発生に密接にかかわっている。
 元の癌の過程や経過などが似ているから、治療法が似てくるのは自然なこと。
 ほぼ同じ薬剤もあるし、違う薬剤もある・・・

 では、それぞれの解説は・・・ネットでは「どっちが分かりやすい?」、という視点で見ても興味深い・・・
 今日は、入り口として、男女の解説の一つずつを、ひとつのブログのエントリーにしてみた。

 ★≪前立腺癌に対するホルモン療法について /東北大学医学部泌尿器科学教室≫
【ホルモン療法の方法】
① LH-RHアゴニスト製剤(リュープリン, ゾラデックス):
② GnRH受容体アンタゴニスト(ゴナックス):
③ 精巣摘出術:
④ 抗男性ホルモン剤(カソデックス, オダイン, プロスタール)
⑤ リン酸エストラムスチン(エストラサイト)

 ★≪●Q51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。/患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2019年版 日本乳癌学会≫
 ホルモン療法の作用 ホルモン療法薬の種類
(1)体内のエストロゲンの量を減らす方法
(2)がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔する方法
(3)その他のホルモン療法薬

 詳しくは下記に図も借りて比較してみておく。
 
 さらに、皮肉なことに、これまた共通しているのは、病気の特性として「いずれ、ホルモン療法が効かなくなってくる」こと。
  ・・・この視点で見ても興味深い・・・ それは、明日にでも比較してみよう。

 なお、昨日3月4日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,708 訪問者数878」。

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  私がこの1年間にやってきたこと治療は、下記の図の中に赤でマークしておいた。
 お、この図は少し古い時代の図なのでこの表には第2世代のホルモン療法の薬が書いてない。
 私は、この図に書いてある方法も効かなかったので、第2世代のホルモン療法のうちの2019年に転移の無い前立腺がんに対して認可、2020年に「転移のある去勢抵抗性前立腺がん」に拡大されたアーリーダを使った。

●前立腺癌に対するホルモン療法について 
  東北大学医学部泌尿器科学教室 .
【ホルモン療法の方法】
① LH-RHアゴニスト製剤(リュープリン, ゾラデックス):
LH-RHアゴニストは黄体化ホルモン(LH)を抑制する薬剤です。初回の投与後2~3週間はLH-RHアゴニストが下垂体を介して精巣に作用し、テストステロンが上昇します。その後は下垂体がLH-RHアゴニストに反応しなくなり、テストステロンは低下します。1ヶ月または3ヶ月毎に皮下に注射をします。

② GnRH受容体アンタゴニスト(ゴナックス):
GnRH受容体へのGnRHの結合を競合的に阻害することによってテストステロンの産生を低下させ、その結果、前立腺がんの増殖を抑制します。初回240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与します。2回目以降は、初回投与4週間後より80mgを維持量として、腹部1カ所に皮下投与し、4週間間隔で投与します。
*皮下注射のため注射部位の痛み、硬結、紅斑をきたすことがあります。

精巣摘出術:
テストステロンの主要な供給源である精巣を両側摘除することにより、テストステロンの産生を大きく抑制します。数日間の入院が必要です。

④ 抗男性ホルモン剤(カソデックス, オダイン, プロスタール):
男性ホルモンがその受容体(AR)に結合するのを抑制し、男性ホルモンが血中にあってもその作用が起こらないようにする内服薬です。精巣摘出術やLH-RHアゴニスト、GnRH受容体アンタゴニストと併用することもあります。

⑤ リン酸エストラムスチン(エストラサイト)
LHの分泌を抑え、テストステロンを低下させます。またエストロゲン剤はがん細胞に直接作用する働きもあると考えられています。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
●Q51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。
       患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2019年版 日本乳癌学会
HOMEガイドライン薬物治療についてQ51.ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。
A.ホルモン療法薬は女性ホルモンであるエストロゲンを減らしたり,乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔することで,がん細胞の増殖を防ぎます。ホルモン受容体陽性乳がんでは,手術後のホルモン療法により,再発する患者さんを最大で半分程度に減らすことができます。

ホルモン療法の作用
乳がんには,エストロゲン(女性ホルモン)を栄養として増殖するものと,そうでないものがあります。ホルモン療法薬は,体内のエストロゲンの量を減らしたり,がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔したりすることで,がんの増殖を抑えます。

ホルモン療法の効果が期待できるのは,エストロゲンを取り込んで増殖する性質をもった乳がんで,「取り込む口」である「ホルモン受容体」をもっており,乳がん患者さん全体の70~80%です。ホルモン療法が効くかどうかは,手術や針生検によって採取した乳がん組織を調べて判断します。エストロゲン受容体かプロゲステロン受容体(エストロゲンの働きによってつくられる受容体)の少なくともどちらか一方があれば,「ホルモン受容体陽性」といい,ホルモン療法が有効な可能性があります。どちらもなければ,「ホルモン受容体陰性」といい,ホルモン療法の効果は期待できません。

ホルモン療法は,ホルモン受容体陽性の患者さんの手術後の初期治療として行うことで再発や転移を最大で半分ほどに減らし,進行・再発乳がんでは生命予後を改善します。

ホルモン療法薬の種類
ホルモン療法には,作用の異なる2つの方法,すなわち,①体内のエストロゲンの量を減らす方法と,②乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔する方法があります。体内のエストロゲンを減らすホルモン療法薬としては, LH-RHアゴニスト製剤とアロマターゼ阻害薬があります。がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔するホルモン療法薬としては,抗エストロゲン薬があります。閉経前と閉経後とでは体内でエストロゲンがつくられる経路が異なるので,薬剤もそれに合ったものを使用します。

(1)体内のエストロゲンの量を減らす方法
エストロゲンは,閉経前の女性では主に卵巣でつくられ,卵巣機能が低下した閉経後は副腎や脂肪組織でつくられます。

図1 閉経前のエストロゲンの分泌とLH-RHアゴニストの作用
閉経前の女性では,脳の視床下部(ししょうかぶ)というところから下垂体(かすいたい)に,性腺刺激(せいせんしげき)ホルモン(LH)を出す指令〔性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LH-RH)〕が出されると,下垂体は性腺刺激ホルモンを出して卵巣を刺激し,卵巣はエストロゲンをつくります。

LH-RHアゴニスト製剤は,LH-RHとよく似た構造をもつ物質で,下垂体を過剰に刺激します。刺激を受けすぎた下垂体は,まるでストライキを起こすように卵巣への指令を出すことを止めてしまうので,卵巣でエストロゲンがつくられなくなります(LH-RHアゴニスト製剤からの過剰な刺激により,投与してしばらくは,エストロゲンが一時的に増えることがあります) (図1) 。

図2 閉経後のエストロゲンの分泌とアロマターゼ阻害薬の作用
一方,閉経後は,卵巣の機能が低下するので,卵巣ではエストロゲンがつくられなくなります。その代わりに,副腎(腎臓のすぐ上にある臓器)皮質から分泌されるアンドロゲンという男性ホルモンからエストロゲンがつくられるようになります。アンドロゲンがエストロゲンにつくり変えられる過程で働いているのが脂肪組織などにある「アロマターゼ」という酵素です。アロマターゼの働きを阻害する薬(アロマターゼ阻害薬)を使用することで,エストロゲンがつくられなくなります (図2 ) 。



(2)がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔する方法
図3 抗エストロゲン薬(タモキシフェン,トレミフェン,フルベストラント)の作用
エストロゲンを栄養にして増殖する乳がん細胞は,「栄養を取り込む口」であるエストロゲン受容体をもっています。抗エストロゲン薬は,乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくのを邪魔しつつ,代わりに自分がエストロゲン受容体にくっつくことで,がん細胞の増殖を抑えたり細胞死を誘導します( 図3) 。抗エストロゲン薬には,タモキシフェン,トレミフェン(商品名 フェアストン),フルベストラント(商品名 フェソロデックス)などがあります。フルベストラントは,進行・再発乳がんに対して使用します。

ホルモン受容体をもっている乳がん細胞は,女性ホルモン(エストロゲン)の代わりに抗エストロゲン薬を食べてしまい,増殖できなくなるか死んでしまいます。

(3)その他のホルモン療法薬
上記以外にも,作用が明確にはわかっていないものの効果のある薬剤として,酢酸メドロキシプロゲステロン(商品名 ヒスロンH)があります。進行・再発乳がんで,ほかのホルモン療法が効かなくなったときに使用します。また,いくつかのホルモン療法薬を使用した後にエストロゲンを過剰に投与することで,がん細胞の細胞死を誘導できる場合があり,エチニルエストラジオール(商品名 プロセキソール)という薬剤も使用できます。


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 この数日、BRCA遺伝子変異にかかる女性の乳がん・卵巣がん、男性の前立腺がんについて確認してきた。
 BRCA遺伝子変異にかかる女性の乳がん・卵巣がんに対しては、すでに2018年から分子標的薬「オラパリブ(リムパーザ)」という新しい抗がん剤が認可されている。
 BRCA遺伝子変異・前立腺がんに対しての同薬の認可は2020年12月25日、つまり2か月前だから、女性の乳がん・卵巣がんについての方がずっと先行していて、いろんな情報も発信され、整理されている。

 癌という病気の原因としての遺伝子変異のことの次は、そろそろ、BRCA遺伝子変異の癌の治療薬の分子標的薬「オラパリブ・リムパーザ」についても見ていきたいと思う。その前提として、今日は「前立腺がんのBRCA遺伝子変異」の関連を見ておく。

 ともかく、治療する側も最先端では、難治性の患者に対するために、分子標的薬・PARP阻害薬のことが注目されてきた。
 下記の日経メディカル 2019/07/17
 ★≪前立腺癌で最もインパクトがあるのはPARP阻害薬。前立腺癌ではBRCA2遺伝子変異が主で、生殖細胞系のBRCA遺伝子変異がある患者さんとない患者さんが半数ずつくらい。生殖細胞系列と体細胞系列の両方にBRCA遺伝子がある患者さんもいる。≫

 ということで、以下の2本にリンク、抜粋しておく。
●前立腺がんの基礎知識 CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)について/What's前立腺がん/CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)とは?/なぜCRPCになるの?/転移性のCRPCと診断されたら/転移性のCRPCの個別化治療

●転移性前立腺癌の治療は より早期に新規AR阻害薬投与の方向へ/日経メディカル 2019/07/17 慶應義塾大学医学部泌尿器科
 患者の状態を見極めて治療薬を選ぶことが重要/現在の前立腺癌治療は、できるだけ前の治療ラインで強い薬を使う傾向/前立腺癌治療の高い専門性が問われる時代に

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●前立腺がんの基礎知識 CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)について
    What's前立腺がん転移性のCRPCの個別化治療
CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)とは?
CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)とは、男性ホルモンを抑える治療を行っているにもかかわらず、進行してしまった前立腺がんです。
前立腺がんの発生・進行には男性ホルモンが関与しています。そのため、ホルモン療法(内分泌療法)により男性ホルモンの分泌や働きを抑えることで、前立腺がんの進行を抑制する治療が行われます。
しかし、ホルモン療法を続けているうちに、男性ホルモンが抑えられているにもかかわらず前立腺がんが進行してしまう場合(再燃)があります。このような状態の前立腺がんのことを「CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)」といいます。

なぜCRPCになるの?
前立腺がんは、異なる性質をもつがん細胞が集まってできています。
ホルモン療法が効きやすいがん細胞もあれば、効きにくいがん細胞もあります。
また、ホルモン療法を続けているうちに、がん細胞が性質を変化させてホルモン療法が効きにくくなることもあります。
このように、ホルモン療法が効きにくいがん細胞が生き残り、増殖することで、CRPCになると考えられています。


転移性のCRPCと診断されました。
今後の治療はどのように進んでいきますか?
転移性のCRPCになった場合の次の治療手段として、新規ホルモン療法剤や化学療法剤が検討されます。
また、新規ホルモン療法剤が無効になった場合には、個別化治療や化学療法剤が検討されます。

転移性のCRPCの個別化治療
がん細胞はさまざまな性質があり、その特徴は人によって異なります。個別化治療とは、がん細胞の性質や特徴をもとに、患者さんごとに適した治療法を選択することです。そのため、個別化治療では前もって、「あなたのがん細胞がどんな性質をもっているか」あるいは「あなたのがん細胞に特定の性質があるかどうか」を検査によって調べます。
・・・(以下、略)・・・

●転移性前立腺癌の治療はより早期に新規AR阻害薬投与の方向へ 選択肢の多様化で専門性と経験がより問われる時代に
前立腺癌の治療は、新規のアンドロゲン受容体(AR)阻害薬が選択肢に加わり、多様化している。使い分けや最適な投与のタイミングなどに加え、海外のエビデンスを日本でどう考えるかなど、検討課題は多い
   日経メディカル 2019/07/17 慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室教授、副病院長 大家 基嗣 氏
・・・(略)・・・
患者の状態を見極めて治療薬を選ぶことが重要
 近未来に考えられる予想図として、mHSPC、mCSPCにアパルタミド、エンザルタミドが承認されるとすれば、高腫瘍量、高リスクの場合の現在の選択肢であるアビラテロン、ドセタキセルのうち、アビラテロンはなくなってしまう可能性があります。ADTによる骨粗鬆症が懸念されるところに、アビラテロンはプレドニゾロンと併用しなければならず、プレドニゾロンは5mgとはいえ、長期の副作用を考えなければならないためです。

 一方、ドセタキセルは残る可能性があると思います。高腫瘍量の場合にドセタキセルとアビラテロンのどちらを使うかは、患者さんベースで判断します。若くて高腫瘍量の患者さん、PSA値はそれほど高くないのに転移が多い患者さんには、私は最初からドセタキセルを使っています。PSA値が高くないのに高腫瘍量であるということは、ARへの依存性が低く、予後不良のパターンです。前立腺癌の治療で良好な結果を得るためのタイミングはさまざまですが、化学療法は大切な選択肢と考えています。

 現在の前立腺癌治療は、できるだけ前の治療ラインで強い薬を使う傾向になっています。
今後、mHSPC、mCSPCにアパルタミドとエンザルタミドが承認された場合、どちらを使うかといえば、副作用プロファイルからアパルタミドが有利と考えられています。エンザルタミドによる疲労感などの副作用は日本人には強く、減量して使うことが多いです。アパルタミドは、5月30日にM0 CRPCに使用可能になったばかりで、実際のところはまだわかりません。日本人では発疹などが多いと言われていますが、使用経験を重ねれば日本人の傾向も分かってきますから、M1のHSPCに使う時の参考になると思います。

 ただし、アパルタミドやエンザルタミドを全例に使うということではありません。
ADTだけで十分効く患者さんもいますし、ADTが無効になってから、シークエンシャルに薬を使う戦略も考えられます。

 ADTだけで十分な患者さんと、ADTとAR阻害薬の併用が望ましい患者さんを判別するには、いろいろなマーカーがあります。転移の量、PSA値、ALP値、LDH値、CRP値、患者さんの年齢、症状、PSなどから、総合的に考える必要があります。最初からしっかり治療すべき患者さんか、ADTだけでも十分で、ある程度の長期予後が期待できる患者さんかを判断します。

 また、投与の順序については、TITAN試験では試験治療後、アビラテロンが約25%、ドセタキセルが約35%に使用されていました。交替療法が話題になりましたが、エンザルタミドの後のアビラテロンが効かないように、新規AR阻害薬を使った後のアビラテロンは効かないと考えられています。化学療法になる可能性が高いと考えられますが、いずれにしても、患者さんの状態をしっかり見極めることがより重要になると思います。
・・・(略)・・・

前立腺癌治療の高い専門性が問われる時代に
 開発中の新規AR阻害薬では、ASCO GU2019とASCO 2019で発表されたdarolutamideへの期待が高いです。アパルタミドとエンザルタミドの化学構造式は似ていますが、darolutamideは全く異なり、脳内移行性も少なく、副作用が軽いと考えられています。

 免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験も行われていますが、前立腺癌では有効と予想される3つの特徴が全てありません。まずmutation burdenは、最も多いのはメラノーマ、次に肺癌、膀胱癌とされていますが、前立腺癌では少ないです。PD-L1の発現も特に高いわけではなく、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の集積もそれほどありません。免疫治療が効く環境がないのです。
悪性度が高い癌では間質が優位になり、間質がバリアにとなって免疫チェックポイント阻害薬が効きにくくなります。膵癌がこれに該当しますが、前立腺癌も悪化すると間質が増加します。

 ただし、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)は例外です。前立腺癌では約5%の頻度とされ、治療手段がなくなった場合はMSI-Highを検査してみることも可能です。

  前立腺癌で現在考えられているのは、環境を標的とする薬です。
例えば、癌関連線維芽細胞や腫瘍関連マクロファージなど、免疫環境を悪化させ、しかも間質を形成するようなものをターゲットにする考え方です。そういった薬との併用療法です。

  前立腺癌で最もインパクトがあるのはPARP阻害薬です。
前立腺癌ではBRCA2遺伝子変異が主で、生殖細胞系のBRCA遺伝子変異がある患者さんとない患者さんが半数ずつくらいです。生殖細胞系列と体細胞系列の両方にBRCA遺伝子がある患者さんもいます。

 免疫チェックポイント阻害薬の登場後、膀胱癌と腎癌の治療は、規模が大きな病院で行われるようになりました。副作用への対応が泌尿器科医だけでは困難なためです。前立腺癌の治療は一般病院でも行われていますが、治療選択肢が増え、それ自体は喜ばしいことですが、日常臨床でどうするかはまた別問題です。多様化した現在、その薬を選ぶ根拠がきちんと言えるかどうかが重要になります。ますます専門性と経験が要求される時代になってきていると思います。


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 昨日のブログは私の「嬉しい話」、今日のブログは「BRCA遺伝子の変異」による癌の可能性のあり得る人、つまりは「すべての女性にも男性にも」関係がある話。 

 ・・昨日の午前10時から、名大病院の放射線科で「ゾーフィゴ」という治療があった。その治療や身体の状況の実感などのことは後日整理するとして、15時からは、「今年から設置されるという泌尿器科のゲノム外来」(1月の説明)の担当医と遺伝カウンセラーの診察予約。
 そこで、前立腺がんで今年1月から開始された保険適用の検査で私の「BRCA2遺伝子の変異」が陽性だという結果が示された。
 そのことは、昨日3月2日のブログに書いた。
   ⇒ ◆やったね!! !! 正式に「BRCA2遺伝子変異」が認定された私の前立腺がん/新薬や抗がん剤を拒否してきた私の癌。その特効薬が、公式に使えることになった

 そもそも、「BRCA遺伝子変異」の人はある分野の特定の癌になりやすいことはすでに分かっているので、その確率などのことは一昨日書いた。そして、「詳しいまとめは、明日のブログにする」と書いたけれど、上記の通り、自分の遺伝変異の認定が嬉しかったので、「詳しいまとめ・・・」やその他について、今日、リンクし抜粋しておく。
  3月1日ブログ ⇒ ◆BRCA遺伝子変異と女性の乳がん・卵巣がん(卵管がん、腹膜がんを含む) 先行している「乳癌の検査・治療」での課題を見てみる /PARP阻害薬で治療に劇的な変化

 その3月1日ブログでは、遺伝に関係しているBRCA遺伝子の変異がある人は、乳がん、卵巣がん、前立腺がんの発症リスク(がんにかかる可能性)が、一般より高いといわれていることを事実として、まず、乳がん関係などにリンク、抜粋などしておいた。

 実は、それらの解説より、もっと端的でわかりやすいのが、 
 ★≪前立腺がんの基礎知識 CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)について/What's前立腺がん/転移性のCRPCの個別化治療≫ 。
 今日のブログの後半ではそこから抜粋しておくが、その中から、以下のとおりに分かりやすく前後入れ替えるなどし、かつ、私のコメントをつけて列記しておく。

  ★≪ ≫ この部分が、引用抜粋部、   ⇒ の部分が私の補足。

★≪遺伝に関係しているBRCA遺伝子の変異がある患者さんは、乳がん、卵巣がん、前立腺がんの発症リスク(がんにかかる可能性)が、一般より高いといわれています。≫ 
   
  ⇒ 下記に示す、後半ではわかりやすい表も掲載している。 

★≪この性質は、性別を問わずお子さんやお孫さんに受け継がれます。≫ 
 
   ⇒ それが遺伝だ、ということ。 

★≪がんになるリスク(%) BRCA1変異 乳がん-57 卵巣がん-40 前立腺がん-25
  がんになるリスク(%) BRCA2変異 乳がん-49 卵巣がん-18 前立腺がん-15≫ 

  ⇒ BRCAという遺伝子には、「1」と「2」があることに注意。(この違いによる病気の違いは、後日、整理していくつもりでいる・・・今年になって、いろいろとゲノムの勉強したから(笑)) 
   ともかく、女性の乳がん、卵巣がんでは極めて高い確率、しかも、これらが複合的になるととても治療が厄介になるらしい。
   男性の場合は、私のように、今まで標準療法が正当としてきた治療が効かず、BRCA変異に気づかないでいると、早期、短期に「残念でした」という結末になり得る。
 特に、BRCAの「1」より、私のような「2」の変異が治療困難であることまで分かっているらしい。 

★≪BRCA遺伝子変異には、遺伝に関係しているものと、関係しないもの(タバコや食生活などの後天的な要因によって生じたもの)があります。遺伝に関係しない変異は、ご家族には影響しません。≫ 
   
  ⇒冒頭に、「BRCA遺伝子の変異」の可能性のあり得る人、つまりはすべての女性にも男性にも関係がある話、と書いたのは、上記の通り、遺伝性も後天性もあるから。 

★≪一方、遺伝に関係している変異は、2分の1の確率でお子さんに受け継がれます。ただし、遺伝子変異を受け継いでも必ずがんを発症するわけではありません。≫ 
   
  ⇒ 日本人だけでなく、世界中で、「BRCA遺伝子の変異」の検査を済ませた人は、まだまだ、ホンのわずかの実数、比率のはず。もし検査したとして、その陽性の人に該当した場合、文字通り遺伝する。
 とはいえ、癌が発症するかは、また別のことと理解する。

★≪検査で判明した変異が遺伝性かどうかについて、血液を用いた検査で判明した変異は、遺伝に関係しています。
一方、がん組織を用いた検査では、検出した変異が遺伝に関係しているかどうかまでは分からず、確認を希望する場合には改めて血液を用いた遺伝子変異検査を行う必要があります。≫ 
   
  ⇒ 私は、前立腺の癌細胞の検査として昨年6月と11月に「生検」し癌細胞を採る検査、11月には、画像診断で骨転移が一番多そうな腰の腸骨の転移反応部分から2時間かけて癌細胞を採る手術をした。しかし、いずれからも、癌細胞は発見されなかった。
 この時に見つかっていれば、前記の「がん組織を用いた検査」に進むことができた。ただ、仮にこの時に検出した癌細胞から「BRCA遺伝子の変異」が見つかっても、その癌の元の変異が「遺伝に関係している」か「後天性」かは不明のまま、だということ。
 遺伝のことを考えるなら、私のように自費で検査するしかない。(検査目的と方法によって価格は違う。私は他の検査も含めたので約40万円費用)。

★≪がん組織を用いた遺伝子変異検査も一生に一度ですが、一度に100種類以上の遺伝子の変異を調べることができます。検査を受けてBRCA遺伝子変異が陰性だった場合、転移性のCRPCの個別化治療は受けられませんが、将来、現在受けている治療が効かなくなった場合に、その他の遺伝子変異の情報を治療に活かすこともできます。≫ 
  
  ⇒ がん組織を用いた検査は、癌になった人しかできないという不条理な話だ。しかし、将来の他の治療に役立つ可能性もある。

★≪※検査には、保険診療で受けられるものと、自費診療(保険外診療)となるものがありますので、詳しくは主治医へお尋ねください。≫ 
   ⇒ 遺伝カウンセラーによれば、「BRCA遺伝子の変異」だけを調べる「自費検査」は「1万数千円から2.3万円」というから、私の約40万円と比べれば、割安。つまり、「BRCA変異」の乳がん・卵巣がん、前立腺がんなどの関係だけをチェックしたい場合はこのコースで良いことになる。

 ということで、今日は終わろう。
 なお、昨日3月日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,188 訪問者数1001」。

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●前立腺がんの基礎知識 CRPC(去勢抵抗性前立腺がん)について
    What's前立腺がん
・・・(略)・・・
転移性のCRPCと診断されました。今後の治療はどのように進んでいきますか?
転移性のCRPCになった場合の次の治療手段として、新規ホルモン療法剤や化学療法剤が検討されます。
また、新規ホルモン療法剤が無効になった場合には、個別化治療や化学療法剤が検討されます。

転移性のCRPCの個別化治療
がん細胞はさまざまな性質があり、その特徴は人によって異なります。個別化治療とは、がん細胞の性質や特徴をもとに、患者さんごとに適した治療法を選択することです。そのため、個別化治療では前もって、「あなたのがん細胞がどんな性質をもっているか」あるいは「あなたのがん細胞に特定の性質があるかどうか」を検査によって調べます。

転移性のCRPCの個別化治療を受けられる性質は?
転移性のCRPCの個別化治療を受けられるかどうかは、「BRCA(ビーアールシーエー)遺伝子」という部分を検査することで判断します。BRCA遺伝子に変化(変異)が起こっている場合に、個別化治療を受けられます。

BRCA遺伝子の変異は、どうやって調べますか?
BRCA遺伝子の変異を調べるための検査は、手術や診断のときに採取したがん組織または血液を用います。
手術あるいは診断時のがん組織を使用できない場合は、再度採取を行うことがあります。

BRCA遺伝子変異検査の結果は、家族に影響する?
検査によってBRCA遺伝子に変異があることが判明した場合、お子さんやお孫さんに変異が受け継がれる可能性があります。
BRCA遺伝子変異には、遺伝に関係しているものと、関係しないもの(タバコや食生活などの後天的な要因によって生じたもの)があります。遺伝に関係しない変異は、ご家族には影響しません。

一方、遺伝に関係している変異は、2分の1の確率でお子さんに受け継がれます。ただし、遺伝子変異を受け継いでも必ずがんを発症するわけではありません。
検査で判明した変異が遺伝性かどうかについて、血液を用いた検査で判明した変異は、遺伝に関係しています。
一方、がん組織を用いた検査では、検出した変異が遺伝に関係しているかどうかまでは分からず、確認を希望する場合には改めて血液を用いた遺伝子変異検査を行う必要があります。

BRCA遺伝子に変異があった場合に、家族でどのような話し合いが必要ですか?
遺伝に関係しているBRCA遺伝子の変異がある患者さんは、乳がん、卵巣がん、前立腺がんの発症リスク(がんにかかる可能性)が、一般より高いといわれています。
この性質は、性別を問わずお子さんやお孫さんに受け継がれます。


がん発症リスクの比較
          (%) 一般的な日本人 BRCA1変異 BRCA2変異 
乳がんになるリスク   1.5  57  49
卵巣がんになるリスク  0.5  40  18
前立腺がんになるリスク 1.3  25  15

検査結果が陽性であった場合は、この結果をもとに、お子さんやお孫さんも遺伝子変異検査※を受けて同じ変異をもっていることが分かれば、その方の将来のがん早期発見や早期治療につなげることができるというメリットがあります。
一方で、家族間の人間関係への影響、結婚・出産への影響など、ご家族が検査結果を知ったことで悩みを抱えてしまうデメリットも考えられます。

こうしたメリット、デメリットをふまえて、ご自身の検査結果をご家族に伝えるかどうか決定し、伝えた際には検査を受けるかどうかご家族で話し合う必要があります。
これらの決定の際には考慮すべきことが多く、難しく、悩んでしまうこともあると思われます。そのような場合には、主治医に遺伝の専門家を紹介してもらい、今後の対応やご家族への伝え方などについて相談できる「遺伝カウンセリング」を受けることができます。遺伝カウンセリングは検査前後のどちらでも受けることができます。

※検査には、保険診療で受けられるものと、自費診療(保険外診療)となるものがありますので、詳しくは主治医へお尋ねください。

1) 国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』(2018年データ)より作成
2) Chen S, et al. J Clin Oncol. 2007; 25(11): 1329-1333.
3) Struewing JP, et al. N Engl J Med. 1997; 336(20): 1401-1408.
4) Kote-Jarai Z, et al. Br J Cancer. 2011; 105(8): 1230-1234.

BRCA遺伝子変異検査を受けて陰性だとのことですが、
今後、またこのような遺伝子変異を調べる検査を受けることができますか?

血液を用いた遺伝子変異検査は、遺伝に関係している変異を検出します。生涯変わらない性質を調べているので、検査は一生に一度です。
がん組織を用いた遺伝子変異検査も一生に一度ですが、一度に100種類以上の遺伝子の変異を調べることができます。検査を受けてBRCA遺伝子変異が陰性だった場合、転移性のCRPCの個別化治療は受けられませんが、将来、現在受けている治療が効かなくなった場合に、その他の遺伝子変異の情報を治療に活かすこともできます。


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 やったね!! !!
 何がかって・・・

 今日15時からの名大の「泌尿器科のゲノム担当医師」と「遺伝カウンセラーの専門家」との診察予約。
 私「ドキドキ、ワクワク・・・します」「BRCAが出なかったらどうしよう (笑)」
 
 遺伝カウンセラー。カラーの英語リポートを指さして「ここに書いてある通り、BRCA2遺伝子変異がでています」

 私。やったね!! !!  これで、治療法が全く変わる。
 「ありがとうございます。」
 これで、遺伝子変異にピッタリ適合する分子標的薬「リムパーザ(オラパリブ)」での治療が可能となった。

 どれだけうれしかったかは、このブログの終りの方に書く。

 遺伝子変異の検出を喜ぶなんて、まるで癌を喜んでいるようにも取れるけど、前立腺がん患者にBRCA2遺伝子変異が見つかった場合は、「どんな治療も拒んでいた癌にたいする最新の薬が使える」というまさにこの数年の癌治療の最前線の話。しかも、日本の前立腺がん治療では認可されて2か月のホヤホヤのこと。そこに自分でたどり着いた。
 
 私の前立腺がんは、2月の告知の時の腫瘍マーカー PSAが2300。
 第1次ホルモン療法で、医師から言われた通り「劇的に効く」とのとおり、一か月で120まで下がった。4月には14、7月には2まで下がった。
 しかし、その後、この7年から2年のうちに認可された新薬による第2次ホルモン療法もあっさりとくぐって、昨年8月から腫瘍マーカー PSAが上昇し始めた。
 この段階の前立腺がんを「去勢抵抗性前立腺がん」といい、現代医学では治療法はないとされている。いずれ、癌の増殖と身体の関係で決まる時間などで寿命となる、という歴然とした経験則がそこにある。

 すぐに抗がん剤で治療しないと、という医師たちの進行で12月に2回の抗がん剤ドセタキセルを投与した。しかし、PSAは急激に上昇。・・・抗がん剤は直ちに中止。私の癌には無効だった。

 主治医からは、「あとは、抗がん剤カバジタキセルをいつ使うか、だけ」・・・と実質的な最後の通告。
 こちらは、11月から調べ始めていた血液のゲノムの検査をすぐに始めた。

 それが、やっと今日の結果の通知になった、というわけ。
 途中は略して、今日の「泌尿器科のゲノム担当医師」は、「何年も前から治験をやってきた。リムパーザは劇的に効く。」

 もともと、今日は ゾーフィゴという全身の骨転移に対する放射線治療の2回目だったので、「汚染された身体」は名古屋のホテルで一泊することにしていた。
 このワクワクする状況なので、パートナーに誘われて、お祝いをかねて・・・一年間食べていなかったソフトクリームを食べた。それも、駅前の地下の「ピエールマルコニー二のチョコソフト」。ゆっくり、しっかりと味わった。
「一年のソフトの断(たち)」の1回限りの転換、それほどのうれしさだ。

 もちろん、まだ、リムパーザの治療結果が出ていない。だから、酒好きの私が、お酒は昨年2月初め以来一滴も飲んでいない・・・が、こちらは、まだまだおあづけが続く・・・
 ともかく、夜は、デパ地下で、値引きの総菜とお寿司屋などで「部屋食」でリラックス。

 ・・というわけで、昨日のブログの「BRCA遺伝子変異とがん」の補足のデータや説明のことや今日の病院のことは明日とそれ以降に回して、今日のハッピイを記録しておく。

 なお、昨日3月1日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2170 訪問者数817」。




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