先日、出張先でのこと。何とか予定通りに打ち合わせを終え、東京へ帰る途中のこと。
新幹線の乗車時間までは多少時間があるので、駅前の蕎麦屋で夕食をとることにした。
時刻は18時ぐらい。この場合の店の選択には、結構気を使う。
飲んで愚痴を言い合っている酔っ払い達の中で食事をする気にはなれない。
僕は一人では、たとえ真夏であってもビールなどを飲みながら食事はしない。
また、ファミリーレストランで家族連れの喧騒の中での食事も御免である。
ましてや、この時間、高校生でいっぱいのハンバーガーショップなどは、行きたくも無い。
しばらく駅前を歩いて、ようやく許せそうな雰囲気の蕎麦屋を見つけその暖簾をくぐった。
客は数人、食事が中心のよう。ひとまず、酔っ払いがいないことが許せる。
適当に蕎麦を頼んで、出てきた蕎麦はおいしそうだった。
店の奥の吊り棚に置かれたテレビではニュース報道をやっていた。
普段、テレビ番組を見ることはしないので、何気に画面を見ていた。
アナウンサーの笛吹さん(?)が出ていたので、日本テレビであろうか。
一気に食欲をなくしたのは、グルメ報道で若き女性レポーターが、口いっぱい食べ物を頬張って「うんまい」やらモゴモゴ言っているのを聞いたからである。
食事中に行儀悪くテレビを見る僕が悪いのだろうが、日本人のマナーはどこに行ってしまったのだろう。女性レポーターは、羞恥心を捨てることでお金をもらっているのだろうが、その不快な映像はお金をもらうプロとは言えないぞ。プロなら、食べ物を飲み込んでから話をしろ。さもかくば、口を手で覆え。
飲み込むまでの一瞬の沈黙が怖いのは理解する。しかし、そんなことは番組の編集でどうにでもなるだろうが。
以前、ロンドンで現地のイギリス人の友達と日本料理を食べに行ったことがある。僕らのそばに座った日本の観光客のとろろ蕎麦をズルズル食べるのを見て、そのイギリスの友人は青くなった。気持ち悪かったのだろう。
テレビでこんな不快な画面が流れるなんて予想もしなかった。レポーター達よ。出演する前に、もっと高級レストランで食事する練習をしろ。ファーストフードばかりで、友達と食事してても最低限のマナーは身に付かない。小学校で給食の時、なぜマスクと帽子をつけたのか良く考えろ。育ちが悪いのは恥じゃない。しかし、努力を放棄するのは人間として恥ずかしい行為だ。
また、番組のディレクターは、出演者をしっかり教育しろ。番組には少なくとも良心があるべき。こんなことを不快に思うのは僕だけかもしれない。周りの客は平然と食事をしている。でも、こんな番組を見て育つ、若い世代がかわいそうだ。