さすが高倉健と感心した、割引デーではないのに「あなたへ」はほぼ満席だった
昨日・30日は高倉健が久しぶりに主演した映画「あなたへ」を観た。監督は、高倉健とはなじみの降籏康男監督だ。
「ある日、亡き妻・洋子が残した2枚の絵手紙が届く。そこには、1羽のスズメの絵とともに“故郷の海を訪れ、散骨して欲しい”との思い記されされていた。そして、もう1枚は洋子の故郷・長崎県平戸市の郵便局への“局留め郵便”だった」。富山刑務所で働く主人公(高倉健)が、平戸まで行くロードムービーだ。何故生前に直接思いを伝えないで絵手紙を届けたのか、ずっと悩みながら旅は続く。
さすが高倉健が主演する映画であり、とても豪華な出演者で各々が存在感を示す演技で、ストーリーが展開していく。たくさんの人たちと出会い、思いが紡がれていく。ぐいぐいとラストまで引っ張っていく。ただ同じロードムービーの「幸福の黄色いハンカチ」と比較して、ラストはもう一工夫欲しかったという思いがないではない。それでも、ハートウォーミングな映画だった。
加えて、これまたさすが高倉健で、何の割引デーでもないのに客席はほぼ満席に近かった。スゴイ集客力である。最近、ウィークデーにかつ割引デーでもない日に、これだけのに入場者があるのを見るのは実に久しぶりだ。
それにしても高倉健が演じると、生き方が不器用で生真面目、そしてどこか哀しさを心の奥に秘めているストイックな男となる。昨日観た「あなたへ」も、そんな主人公となっている。そして映画は、「物事にこだわり過ぎず、自分の人生を懸命に生きた方がいい」とメッセージを送っている。
その映画の中で、いつも存在感を発揮する余貴美子の「夫婦やけんて、相手のことが、全部は分かりはしません」の台詞が、今も私の心に残っている。
指のふるえをおさえてダイヤル、その返事は“涼しくなってからお会いしましょう”
早いもので、もう8月も今日で終わり。明日からは9月で、秋到来という感じだ。いよいよ残暑に別れを告げて涼しい季節がやってくると思うと、なんだかウキウキしてくる。
さて、8月13日に「憧れを憧れとして終わる以外の術を知らなかった」 田舎者で貧しい小心な少年の経験談を書き、「携帯を鳴らして食事に誘う勇気が出るか、今我が心は震えている」と書いた。
その後の報告をしていなかったことに、今朝気がついた。幾人かの方からは背中を押すコメントもいただきながら、報告もせず申し訳なく思う。実はずいぶんと前に勇気を出して、電話をした。あの気弱な少年も50年の時間の流れの中で、少しだけ厚かましくもなっていた。
指のふるえをおさえて
僕はダイヤルをまわしたよ
(「恋のダイヤル6700 作詞・阿久悠」)
そうは言っても大変な勇気を必要としたことも事実だ。しかし誘っておきながら、電話をしないのはそれこそ失礼と、震える心でそして震える指で携帯の番号をまわさないで押した。その電話では心の通じる会話ができたと感じて、とても嬉しかった。そして「今は多忙なので、涼しくなってからお会いしましょう」ということになった。
重ねて書くが、明日からは9月。涼しくなる。嬉しいのだが、その一方で会って何を話すのか、やはり我が心は震えている。(画像はネットで借用、感謝)