司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

監査役の監査の範囲に関する登記と経過措置(4)

2015-05-13 16:08:19 | 会社法(改正商法等)
附則
 (監査役の監査の範囲の限定等に係る登記に関する経過措置)
第22条 この法律の施行の際現に監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社は、この法律の施行後最初に監査役が就任し、又は退任するまでの間は、新会社法第911条第3項第17号イに掲げる事項の登記をすることを要しない。
2 【略】

 例えば,平成27年4月に開催された定時株主総会で監査役の改選を行い,5月に入ってからその変更の登記を申請する場合,上記平成26年改正会社法附則第22条第1項の経過措置である「施行後最初に監査役が就任し、又は退任」に該当しないので,厳密に言えば,併せて「監査役の監査の範囲に関する登記」を申請することを要しない。経過措置は,継続している。

 しかし,再々述べているとおり,改正の趣旨である公示の観点からは,施行後可及的速やかに,「監査役の監査の範囲に関する登記」がされるべきであり,併せて申請することが望ましいというべきである。

 小耳に挟んだところでは,4月中に申請することが可能であったにもかかわらず,敢えて遅らせて5月に入ってから登記申請をすることとし,「監査役の監査の範囲に関する登記」を併せて申請したケースもあるという。

 可及的速やかに,ということで。
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シャープ,1億円への減資を断念?,5億円に

2015-05-13 10:00:02 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ12I79_S5A510C1TJ2000/?dg=1

「シャープの減資について、宮沢洋一経済産業相は12日の閣議後の記者会見で『企業再生としては違和感がある』と指摘。中小企業を想定した優遇税制を大企業が意図的に活用する点について、政府が問題視する可能性が出てきたために見直す。」(上掲記事)

 法人税法の中小企業税制にせよ,中小企業基本法にせよ,「資本金の額基準」で運用されているのであるから,政府が殊更に横槍を入れて,シャープのような事業再生のための戦略的な減資を断念させることは,適当でないと思うのだが。

 「5億円」というのも,会社法上の「大会社」概念に囚われているのかもしれないが,意味がない感。
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