民事法情報研究会だよりNo.50(令和3年7月)
http://mhjk.org/?p=11212
公証人による論考として,小山健治「ALS患者の遺言作成について (重度障害者用意思伝達装置を使用した事例)」が掲載されており,興味深い。
「遺言公正証書は、通常の冒頭部分の「遺言者の遺言の趣旨の口述を筆記して」を「遺言者は口がきけないため、重度障害者用意思伝達装置付パソコンを使って自書した遺言の趣旨を筆記して」と記載し、本旨外要件の証書作成部分を「この証書は、民法第969条第1号ないし第4号まで及び第969条の2第1項に掲げる方式に従い作成し、同法第969条第5号及び第969条の2第3項に基づき本公証人が次に署名押印するものである。」として、作成しました。」(上掲小山論文)
民法
(公正証書遺言の方式の特則)
第969条の2 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
cf.
令和2年7月28日付け「視線入力装置」付きのパソコンを使って遺言書を作成