司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

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神社境内地等に極度額16億円の根抵当権が設定

2024-11-19 23:53:57 | 法人制度
神戸新聞記事
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202411/0018359102.shtml

「登記簿などによると、国の重要文化財に指定されている本殿の他、拝殿やトイレなど神社内の全ての建物が登記されており、土地を担保に繰り返し融資を受けられる根抵当権が2023年9月以降に設定された。今年2月に急死した当時の宮司が借金の担保にしたとみられるが、神社関係者はいずれも知らされておらず、契約書も残されていなかったという。」(上掲記事)

 神社関係者はいずれも知らされておらず・・・・・いかにも不自然であるし,根抵当権の設定については,おそらく宗教法人法第24条本文に違反して,無効であると思われる。


宗教法人法
 (事務の決定)
第19条 規則に別段の定がなければ、宗教法人の事務は、責任役員の定数の過半数で決し、その責任役員の議決権は、各々平等とする。

 (財産処分等の公告)
第23条 宗教法人(宗教団体を包括する宗教法人を除く。)は、左に掲げる行為をしようとするときは、規則で定めるところ(規則に別段の定がないときは、第十九条の規定)による外、その行為の少くとも一月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなければならない。但し、第三号から第五号までに掲げる行為が緊急の必要に基くものであり、又は軽微のものである場合及び第五号に掲げる行為が一時の期間に係るものである場合は、この限りでない。
 一 不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供すること。
 二 借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く。)又は保証をすること。
 三 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること。
 四 境内地の著しい模様替をすること。
 五 主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを当該宗教法人の第二条に規定する目的以外の目的のために供すること。

 (行為の無効)
第24条 宗教法人の境内建物若しくは境内地である不動産又は財産目録に掲げる宝物について、前条の規定に違反してした行為は、無効とする。但し、善意の相手方又は第三者に対しては、その無効をもつて対抗することができない。
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