NBL2020年6月1日号(商事法務)の巻頭言に,佐鳥竜太「印鑑の行く先は」がある。
印鑑からデジタル技術への「移行」必然という風潮に対して,
「電子契約を導入するために印鑑を廃止する必要はないし,印鑑を廃止したからといって電子契約で全てを賄えるわけでもない。両社は,併存する選択肢にすぎない。デジタル技術の導入に対するスタンスは,当面「併存」を前提とすることが適切ではないだろうか。その上で,出来ることから粛々と積み上げ,外延を拡大していけばよい。」
という冷静な見方。
「この緊急事態下,特にテレワーク環境の整備を急ぐ企業において,焦りに付け込んだ力強い印鑑廃止の宣伝文句に魅力を感じるかもしれない・・・・・このような状況であるからこそ一度冷静に立ち止まり,必要なのは電子稟議なのか電子契約なのか,それとも無意味な押印を要求する自社ルールの改定であるのか見極めるべきである。目的の核心は,場所に縛られず業務や契約を実現することなのであるから。」
ですよね。
会社法及び商業登記の実務においても,今まさに「力強い印鑑廃止の宣伝文句」の黒船来襲の感がある。
しかし,「目的の核心」は,商業登記の真正の担保を図り,公示としての商業登記制度が,会社等の信用の維持を図り,かつ,取引の安全と円滑に資することであるから,そのためには登記事務の取扱いが如何にあるべきかの観点から冷静に熟慮検討すべきであろう。
印鑑からデジタル技術への「移行」必然という風潮に対して,
「電子契約を導入するために印鑑を廃止する必要はないし,印鑑を廃止したからといって電子契約で全てを賄えるわけでもない。両社は,併存する選択肢にすぎない。デジタル技術の導入に対するスタンスは,当面「併存」を前提とすることが適切ではないだろうか。その上で,出来ることから粛々と積み上げ,外延を拡大していけばよい。」
という冷静な見方。
「この緊急事態下,特にテレワーク環境の整備を急ぐ企業において,焦りに付け込んだ力強い印鑑廃止の宣伝文句に魅力を感じるかもしれない・・・・・このような状況であるからこそ一度冷静に立ち止まり,必要なのは電子稟議なのか電子契約なのか,それとも無意味な押印を要求する自社ルールの改定であるのか見極めるべきである。目的の核心は,場所に縛られず業務や契約を実現することなのであるから。」
ですよね。
会社法及び商業登記の実務においても,今まさに「力強い印鑑廃止の宣伝文句」の黒船来襲の感がある。
しかし,「目的の核心」は,商業登記の真正の担保を図り,公示としての商業登記制度が,会社等の信用の維持を図り,かつ,取引の安全と円滑に資することであるから,そのためには登記事務の取扱いが如何にあるべきかの観点から冷静に熟慮検討すべきであろう。