経済・財政一体改革推進委員会「国と地方のシステムワーキング・グループ」
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/290411/agenda.html
「十分に活用されていないストックの効率的活用」の観点から,関係府省庁からのヒアリング結果を基に,「十分に活用されていない土地・空き家等の有効活用等」「農地の貸付け及び時効取得に関する制度提案/所有者所在不明の土地の利用を拡大する制度改正他」等が議論されているようである。
〇 農林水産省関係
・ 相続未登記農地は、法定相続人の1人が全ての固定資産税を負担しているケースが多く、未登記であっても事実上自分の農地と考えている傾向が強い。
・ 現在は実態として耕作がなされている農地であっても、相続未登記農地の所有者は高齢者が多く、近い将来にリタイアにより農地の貸付け希望が多く出てくることが想定される。
・ この際、農地の集積・集約化のために相続未登記農地を貸そうと思っても、登記がなされていないと、貸付けの同意(※)をとるのが困難。こうした農地は、今後遊休農地になるおそれが大きい。
・ このような状況の中、単独で固定資産税を払っている者がその農地を自分の農地と考える傾向が強いことも踏まえ、事実上の管理者(相続人の1人)の判断による貸借を可能とすべきという意見が多く寄せられているところ。
・ さらに、相続未登記農地の所有者、司法書士、担い手等からのヒアリングにおいては、抜本的な登記の正常化のために当該農地を時効取得できるようにして欲しいという意見もある。
・ また、これらにより当面の利用が図られたとしても、更に相続を重ねれば同様の問題が生じうることから、そもそも相続未登記が起こらないよう、土地・登記制度一般の抜本的な対策(対抗要件主義の見直し、相続登記の義務化等)が必要との意見もある。
〇 法務省関係
・ 農地の貸付け及び時効取得に関する制度提案について
提案に係る制度の詳細は必ずしも明らかではないが,今後,農林水産省において制度の具体化を検討される場合には,法務省としても,民事基本法や不動産登記法を所管する立場から,必要な協力をする考え
・ 所有者所在不明の土地の利用を拡大する制度改正について
所有者の所在の把握が困難な土地への対応は,農地の集約化のみならず,森林の適正な管理,公共事業用地の取得等の様々な分野で問題となっており,重要な課題と認識・ 所有者の所在の把握が困難な土地の利用を拡大する制度改正については,実態や利活用の具体的ニーズを踏まえ,財産権の保障にも配慮しつつ,民事基本法や不動産登記法を所管する立場からどのような対応が可能かについて,関係省庁と連携しながら検討を進めていく
・ 登記情報システムの更改において,行政機関に対して,オンラインによりいつでも登記情報を提供可能とする仕組みを構築し,平成32年度からの運用開始を目指す。