司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

外形標準課税の見直し

2023-11-14 18:03:17 | 会社法(改正商法等)
「地方法人課税に関する検討会 第2次中間整理」の公表
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu03_02000055.html

「外形標準課税の対象法人のあり方」「減資に対応するための追加基準」「組織再編に対応するための追加基準」等についての考え方が示されている。
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行政事業レビュー「公証人による定款認証について」

2023-11-11 17:13:22 | 会社法(改正商法等)
「秋のレビュー2023」~国の事業の効果や効率性等を公開の場で検証~ 1日目
令和5年11月11日(土)15:40~16:40 「公証人による定款認証について」
https://live.nicovideo.jp/watch/lv343119319
※ 6:10:00あたりから。

cf. 配付資料
https://www.gyoukaku.go.jp/review/aki/R05/1st/index.html

 河野太郎大臣は,「悪い公証人がいたら,何でもできちゃう」と繰り返していたが,仮にも大臣職にある方としては,不適切な発言ではないか。

 また,規制改革(規制の廃止等)を叫ぶ裏では,結局,これに関連する民間事業者が儲かる話につながるのだが,いかがなものか。

 公証人の手数料高過ぎ批判もあったが,人件費や事務所賃料等の負担もあるので,巷間言われるほど高いものではないと思われる。

 定款認証が起業の障害と声高に叫ぶ方もいたが,会社を設立して,ビジネス(商品やサービスというスペシャリティを提供して対価を受領する。)を展開しようとする人々が,会社法上の所要のコストや司法書士の報酬を害悪のように主張するのもおかしな話である。あなた方のフィーは高過ぎではないのか?
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「城」の所有者は? 御城と不動産登記

2023-11-11 11:14:34 | 不動産登記法その他
中日新聞記事
https://www.chunichi.co.jp/article/804960

「岐阜市の金華山山頂に立つ岐阜城天守閣が、不動産登記された・・・・・官公庁所有の建物は登記の義務がなく、天守閣の登記は全国でも例が少ないという。」(上掲記事)

cf. 平成25年1月8日付け「不動産の表示に関する登記の申請義務」

参議院議員林久美子君提出地方自治体の所有不動産の未登記問題に関する質問に対する答弁書
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/190/touh/t190040.htm


 建物の所有者は「岐阜市」であるが,土地の所有者は「農林水産省」である。だから,登記をすることになったのか。こういうケースで,地代を払うのかな?

cf. 借地上に新築等した庁舎等の建物について登記が必要となる場合を明確に定めることなどにより、国有財産の管理が適切に行われるよう改善させたもの(会計検査院平成22年度決算検査報告)
https://report.jbaudit.go.jp/org/h22/2010-h22-0642-0.htm


「お城」と登記については,下記記事が詳しい。

cf. 産経新聞記事「「城」の所有者は?「登記」から見える城の歴史」
https://www.sankei.com/article/20140404-6LLBDPL5PRLZBD5STIKFKFDDGU/

 犬山城は,長く成瀬家の所有であったが,平成16年に公益財団法人犬山城白帝文庫の所有となっており,不動産登記がされているものと思われる(未確認)。
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令和5年度司法書士試験の最終結果について

2023-11-11 09:19:59 | 司法書士(改正不動産登記法等)
令和5年度司法書士試験の最終結果について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00564.html

 合格者の皆さん,おめでとうございます。

 19歳の合格は,史上最年少でしょうか。

 82歳の合格も,すごいですね。
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「大企業の「資本金を1億円以下に減らして節税」の動きに総務省が「待った!」…何が問題なのか」

2023-11-10 05:21:04 | 会社法(改正商法等)
THE GOLD ONLINE
https://gentosha-go.com/articles/-/55789


 わかりやすくてよい記事であると思われる。だが,

「なお、会社が株主から出資を受けた額のうち2分の1未満の額については「資本準備金」として資本金に計上しなくてもよいことになっています。たとえば、出資の総額が1,000万円だった場合、500万1円まで資本金に計上すればよいということです。資本準備金は株主への配当に充てることもできます。」(上掲記事)

 え~。「2分の1未満の額」ではなく,「2分の1を超えない額」なのだが・・。

会社法
 (資本金の額及び準備金の額)
第445条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
4~6 【略】

「ここでは、減資した分の金額について既存の株主への配当を行わない「無償減資」について解説します。」(上掲記事)

 ん~,いつの時代のお話か。

「無償減資は、減資した分の金額を前述した「資本準備金」や「利益剰余金」に振り替えることをいいます。大企業の場合、1億円以下に減資しようとすれば主に「利益準備金」に振り替えることになります。」(上掲記事)

「利益剰余金」,「利益準備金」に振り替える??  この弁護士さん,大丈夫か?

「この「催告」は、あらかじめ定めておけば、新聞広告、公式HPで告知すればよいことになっています。」(上掲記事)

 一般向けの解説とはいえ,何だかなの感。

「たとえば、資本金だけでなく、資本金と「剰余金」の合計で判断する方向性が考えられます。剰余金のなかでも「利益剰余金」が資本金より大きく上回り億単位になる会社を「中小企業」というのは、社会通念とも整合しません。」(上掲記事)

「剰余金」という括りではなく,「資本剰余金(資本準備金及びその他資本剰余金)」である。

 アラ探しのようで申し訳ないが,折角よい記事なので,できれば正確に。
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簡易合併の可否(異聞)

2023-11-10 04:37:00 | 会社法(改正商法等)
子会社の吸収合併に伴う特別損失(抱合せ株式消滅差損)の計上に関するお知らせ
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230712520889/

「なお、本吸収合併により当社の個別財務諸表において特別損失を計上することとなりましたこと、及び本吸収合併を簡易合併で行ったことをお詫び申し上げます。」(上掲お知らせ)

 いやいや,差損を生ずる吸収合併では,株主総会の承認が必要で,簡易合併は不可(会社法第796条第2項柱書ただし書,第795条第2項第1号)なのであるから,「お詫び」で済む問題ではなく,「合併無効」であるはずだが。

cf. 平成23年4月15日付け「簡易合併の可否」

 この種の例は,決して稀ではない。知ってか知らずか,簡易合併後に,「抱合せ株式消滅差損の計上に関するお知らせ」を流して何食わぬ顔の上場企業もあるので,「お詫び」するだけマシともいえる?

 本来は,

「本合併に伴い、特別損失(抱合せ株式消滅差損)の発生が見込まれるため、会社法第796条第3項および第795条第2項第1号の規定により2023年12月に開催予定の定時株主総会の承認が得られることを条件としております。」(後掲お知らせ)
※ 会社法第796条第3項??

が正しいやり方である。

cf. 完全子会社の吸収合併および特別損失(抱合せ株式消滅差損)の計上に関するお知らせhttps://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231109583846/

(以下再掲)
 ところで,法務局HPの「商業・法人登記申請」に掲げられている登記申請書記載例(1-22)の「簡易合併の要件を満たすことを証する書面」は,従来から「差損」を顧慮しない内容である。親子会社の吸収合併であれば,無対価であることから,この証明書を不要という取扱いを採っている商業登記所も少なくないようである。

cf. 1-22
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#1-22

 商業登記所の審査で,「差損」の有無について,なぜノーチェックを貫いているのかが不可解である。

 「差損」の有無は,株主総会の開催の要否に関わり,「差損」が生ずる場合に,株主総会の決議がなければ,合併無効という重大な結果を招く事項であるのだから,「差損が生じないこと」を「簡易合併の要件を満たすことを証する書面」の記載事項とすべきであろう。
(再掲おわり)

cf. 令和2年12月26日付け「債務超過子会社との合併,貸倒引当金を計上していれば合併差損は発生しない?」

 私は,簡易合併に関与する際には,「差損」の有無について会社担当者に対して必ず注意喚起をするし,「簡易合併の要件を満たすことを証する書面」には,「差損を生じない」旨を記載するようにしている。
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アメリカの火葬普及率は?

2023-11-09 22:13:43 | 国際事情
一凜
https://office-ichirin.net/guide/h_kasou-america#kasourekishi

「アメリカの火葬率は1990年に17.13%、2010年に40.5%と上昇。 2016年に初めて5割を超え、2021年は57.5%に増えています。」

「アメリカの州によって火葬率は違い
ネバダ州 アリゾナ州 ワシントン州 ハワイ州 アラスカ州
などは50~60%の火葬率です。
アラバマ州 ケンタッキー州 テネシー州 ウエストバージニア州 ミシシッピー州
などは火葬率は「5%前後」と低くその差は約10倍にもなります。」(上掲記事)

 宗教の問題があるとはいえ,大きな違いである。

 日本における土葬の現状については,下記が詳しい。

 最近でも,1年間に0.03%(約400人ほど)が,土葬されているようである。

cf. 葬儀屋さん
https://sougiyasan.jp/faq/knowledge/2785
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「法人登記における代表者の住所」問題,その方策を本年中に実現?

2023-11-08 23:17:34 | 会社法(改正商法等)
 衆議院法務委員会における寺田学衆議院議員(立憲民主党)からの「法人登記における代表者の住所」に関する質疑に対する小泉龍司法務大臣の答弁・・。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&u_day=20231108

「本年度中ではなくて本年中の実現に向けて,その両方に配慮した,プライバシーの保護と会社代表者が有する社会的な役割,責務,そのバランスをとるための方策を今年中に実現するべく・・努力したい」

 本年中(12月末まで?)に実現する?

 フットワークが軽いな・・。まあ,昨年8月に「引き続き検討」とされていたのが,ようやく方向性が定まったということではあるが。
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「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の活用状況

2023-11-08 21:21:28 | いろいろ
DIAMOND online
https://diamond.jp/articles/-/331840

「調査結果を見ると・・・「再生型私的整理」は99件(構成比68.3%)、「廃業型私的整理」は46件(同31.7%)となり、「再生型」が全体の7割に上ることが分かった。なお、法的整理においては「清算型」が全体の97.3%を占め、「再生型」はわずか2.7%にとどまるなど、対照的な結果となっている。」(上掲記事)

「とはいえ、まだまだ企業や金融機関のGLに対する認知度は低く、再生スキームとして全国的にまだ定着にはほど遠いのが実情だろう。」(上掲記事)

 関与する「第三者支援専門家」の力量によるところも大きいのでは。

cf. 中小企業の事業再生等に関するガイドライン
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/017.html
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大企業と中小の間に「中堅企業」新設へ

2023-11-08 21:09:53 | 会社法(改正商法等)
産経新聞記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/d62b11846fbd0354ef0462cb616413152ace05d8

「経済産業省は7日の有識者会議で、法令で定義されている大企業と中小企業の間で従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と新たに位置付ける案を示した・・・来年の通常国会に産業競争力強化法など関連法の改正案の提出を目指す。」(上掲記事)

「中堅企業」というネーミングがなんだかな感もあるが,これに代わる妙案もなし。

cf. 第17回 産業構造審議会経済産業政策新機軸部会
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/017.html
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官報の発行に関する法律案の概要

2023-11-07 18:33:41 | いろいろ
内閣府
https://www.cao.go.jp/houan/212/index.html

 法律案が掲載されている。

「官報の発行に関する法律案」の概要は,次のとおりである。

3.官報の発行の方法等
(1)官報の発行は、官報掲載事項の情報について、改変防止策(電子署名等)を講じた上で、公衆が当該事項を閲覧し得る状態に置く措置(ウェブサイトに掲載)をとることで行う。
(2)官報掲載事項の情報は、内閣府令で定める期間、継続してウェブサイトに掲載する。
(3)当該期間が経過した後速やかに当該情報を記録した電磁的記録を国立公文書館に移管する。
※法令等については、当該期間が経過した後も、ウェブサイトで情報を公開し続ける。

4.官報の発行に係る措置を補完するための措置
(1)官報を発行するときは、官報掲載事項を記載した書面を内閣府の掲示場に掲示し、かつ、当該事項を内閣府に設置した端末の映像面に表示して閲覧し得る状態に置く措置をとる。
(2)ウェブサイト以外の方法(書面の交付等)により、官報掲載事項の情報を提供する。

5.官報の発行をすることができなくなった場合の措置
(1)災害又は通信障害等が生じた場合には、官報掲載事項を記載した書面(書面官報)を掲示することにより官報の発行を行うことができる。
(2)書面官報の掲示をしたときは、直ちに、書面官報を頒布する。
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起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しに関する検討会

2023-11-07 18:27:28 | 会社法(改正商法等)
起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しに関する検討会
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00052.html

「定款認証に関する実態調査調査結果」等が公表されている。

 さて,どういう方向に向かうのか・・。
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減資の流行で,外形標準課税の見直しへ

2023-11-07 09:38:14 | 会社法(改正商法等)
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0645L0W3A101C2000000/

「総務省の有識者会議は6日、資本金を減資して税負担を逃れる企業の動きを防ぐ制度改正が必要だとの見解で一致した。現在は「資本金1億円超」が基準になっている外形標準課税の課税対象の条件に、「資本金と資本剰余金の合計」が一定額を超えた場合も加えることを求めた。」(上掲記事)

「取りまとめに向けた方向性」として,次の点が挙げられている。

< 減資に対応するための追加的な基準について >
● 項目振替型減資に対応するためには、追加的な基準の指標として、資本金の振替先である資本剰余金に着目したものを採用することが考えられる。
● 項目振替型減資への対応として妥当であり、かつ、必要以上に多くの法人に制度見直しの影響を及ぼさないものとしては、「資本金と資本剰余金の合計額」又は地方税法上の「資本金等の額」を追加的な基準の指標とすることが考えられる。
● その上で、法人の事業規模を測る指標としての適正性や、納税者・課税庁(都道府県)の事務負担等を考慮すると「資本金と資本剰余金の合計額」とすることが適当であると考えられる。

cf. 地方法人課税に関する検討会(令和4年~)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chihou_hojinzei_r04/index.html
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過去の法令を全文検索できるデータベースを公開 ~法制度の移り変わりを調査する出発点に~

2023-11-02 17:41:22 | いろいろ
名古屋大学研究成果発信サイト
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/11/post-581.html

「国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院法学研究科の佐野 智也 講師、増田 知子 特任教授、同大学院情報学研究科の外山 勝彦 教授、同大学数理・データ科学教育研究センターの駒水 孝裕 准教授らの研究グループは、明治 19年から平成 29年(1886~2017)までに公布された法律と勅令を全文検索できるデータベースを作成・公開しました。このデータベースは、日本政府の、現在有効な法令データを提供する「e-Gov法令検索」では検索できない過去の法令データを提供するものであり、「e-Gov法令検索」を補完する意味を持ちます。」

 すばらしい!

cf. 法律情報基盤
https://law-platform.jp/
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法務局の窓口対応時間について(異聞)

2023-11-02 10:56:07 | 法務省&法務局関係
不動産登記オンライン指定日一覧
https://fol.skr.jp/

 令和5年10月16日の枠に,「法務局の窓口対応時間について」の記事があるが・・・。

「昔は堂々と午後3時までにお願いします、という立て札があった時代がありました。窓口での持参申請しか方法がなかった頃ですが、受付には必ず申請書の受付函がありまして、みんな申請書をその箱にひっくり返して入れて受付けてもらうわけですが(下から順に受付番号が振られる)、申請だけなら箱に入れればそれで用事は済むところ、受領書があったり受付番号を貰って帰ろうとすると、受付を待たないといけません。ところが15時過ぎると受付に座っていた職員が奥に引っ込んで誰も居なくなり、「受領書お願いしまーす!」と声をかけても中々出てきてくれなくて待つしか無いんですよ。K都の本局(不動産)で何度かやられました。出張所でしたら狭いのでそれほどではないのですが、隣県のK津出張所では17時ギリギリ(17時閉庁だった時代)まで1時間近く受付けてもらえなかったこともありました。」(上掲記事)

 さすがに,現代において,そのようなことはないと思うが。

 余談ながら,京都地方法務局本局(不動産)の登記完了予定日は,4週間も先である。法人は,2週間先が常態化し,株式会社の設立登記も1週間経っても終わりません。なんとかして~。
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