XLⅤ「幾兆個の」
順列や組み合わせを捻り
想いを濃淡に塗し
意味を複雑に織り込み
気分を彩なし、心血を注いで
一瞬ごとのイノチの有り様を
cosmosに渦巻く星雲を
有無の垣根を超え
明暗の壁や、悲哀や憤怒の形相を突破し
千載一会のchanceを愛撫しながら
僕はほんとに沢山の言句を陳列したので
流石に何処かで影のように
表裏の片割れのように
怪人のように何面相もの疑似体が
うようよと連なるかも、と案じたけれど
千差万別のヒトの頭数のように
ひとつの束に括られたものは
それぞれに別物の一個の塊と一瞥の表情で
幾兆個の細胞で生きる僕の
その一個に違いないのだと
其処に行き着いて安堵した次第だ
*12/20 22:46 万甫