バネ指
「これを貼って暫く様子を見ましょう」と、まるで他人事のように(勿論、他人には違いないのだが)軽く扱われた整形外科の受診から早くも二ヶ月が経過した「バネ指(医師は親指内側の腱鞘炎と言ったが)」のその後は、頗る良くないのだ。
普通サイズの”経皮鎮痛消炎剤”を半分に切って親指に巻きつけるようして幾日か眠ったけれど、期待したほどの効果は現れない。業を煮やして親指を固定するサポーターや、OTとして働く息子の助言で親指の筋に沿ってテーピングなども試して見たのだが、状況は変わらず。それどころか年末の切り仕事に遭遇して何時もより多く長くironを握った(洗い師が生業なので致し方無いのだが)ので、心なしか悪化したような気さえするのだ。
28日の仕事納めが済むと、直後には自分の意志では痛くて曲げられない第二関節を、左手の親指の助けを借りて曲げるというとんでもない始末になった。
無論イザという時には痛みを堪えて無理矢理に曲げるしかないし、左手の手助けも借りるので生活の中ではそれ程のダメージでもないのだが。それでもその状態を長く引き摺っていると、その四六時中の鈍痛と、微熱を抱える親指の有り様の不愉快さに辟易とする時間が増えてきて、精神衛生上は非常に良くないのだ。
其れや是やで少しストレスが溜まりつつあると自覚するのだが、幸いお正月が遣って来て、親指を酷使する仕事からは暫くの間離れる。年末の29日から新年の10日頃(何しろ自営業者なので、休む日数は自分次第という事になる)まで二週間近くのその間に、若しかしたら劇的に、悩まされた痛みが噓のように(同じ症状で苦しんだ先輩が、ある日突然治った!!って言ったのだ)消えるんじゃないかと淡い期待をかけているところだ。
だがもし、仕事始めの日が来ても相変わらずの状況であるのなら、あの日、いみじくも尊大な医師がのたまわったように「様子を見て駄目なら、神経ブロックの注射しかない!!」に潔く従うしかないのかな~と、口惜しいけれどそう覚悟している、バネ指を抱えて少し憂鬱な晦日の今日の僕なのだ。
2017 12/30 22:06 まんぼ