まだまだ まだまだ 傷跡が癒えることなど想像できる状態ではなく 生きるのに精一杯のかたがたが 果てしなくおられる
そんな折 こういう記事は 当然はばかれるのは承知
しかし とにかく歩き始めなければならないのも事実なので
書き始めること と させていただきたいのです
彼の11日
家の中はゴチャゴチャ
足場はアチラコチラ ガラスの矢
建物自体も 多分内情は そうとうなダメージ(もともと オンボロ
っぽいのは確か?)
あのとき あのなかの一瞬間
いわゆる 覚悟 という言葉さえ 頭を過ぎった
電気はNO
水道もNO
食料さえ さだかでなくなろうであろう ほぼ 確かな予感
ロウソクの明かりの荒れ放題の一階のスペース
その薄闇の中で思ったこと
だいぶ以前に
ろう勉(ロウソクの灯りで勉強すること)
という言葉を聞いたことがあった
[たしか 戦時中の燈火管制下 どうしても学問がしたく わずかな灯りに頼り
そのような行動になった ・・・とか というようなこと?が語意?]
まさしく そのとき 頼るものは ロウソクの灯り
その明かりの傍に 文庫本の書棚があって つい そのなかの
一冊を手に取り 読み始めた
だいぶ前に手に入れたのに なかなか読み進めていない
モンテーニュの エセー(岩波文庫版 原二郎訳全6冊セット)
柄にもなく なぜか 硬いものの代表選手のようなものを選んでいた
およそ 300冊が撒き散らかされた本のなかから
被災のなかで ローソクの灯りのなかで
自然 そんな 心境になったのだろうか・・・?
もっとも 正直なところ ほんとうのところ さして高尚な意味など無く ロウソクの灯りでの読書とは どんなぐあいのものなのだろう ということのほうが 一連の行動の強い動機
だったような気もするが・・・
もうひとつ
その11日の 夜
我が家の上にも 満天の星
やや大きめの点の 星座
その周りの 小さめの 星灯り
そうして まき散らかされた煌めく星屑
停電で周囲一帯どころか 我が家から臨める範囲
一点たりとも灯りが無い状態での星空
やや おおげさに言えば 黒点より星屑のスペースが勝っていたかのような感覚
忘れられない出来事でした