囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

「踊らされた歴史 他山の石に」

2013-08-28 18:32:44 | 囲碁きちのつぶやき
映画「少年H」を見た日の東京新聞にこんな記事が載っていました。



題して、「戦時標語は語る」、第2次世界大戦中の日本で、戦意向上のために国民から募った標語です。里中さんという方が調べたそうです。

現在でも、「交通安全標語」「防災標語」などがよく集められます。しかし、戦争中は、戦意=戦争をする気持ち を高揚させるためにいろいろの団体は標語を集めました。里中さんは、それらを収集したそうです。
それらに、当時の社会や政治状況がよく表れていると思います。

「黙って働き 笑顔で納税」 

税金は戦争をする資金の最たるものです。文句を言わずに税金を納めろ というものです。今の時代にもそのまま通用しそうです。消費税が10%になろうが、「黙って働き 笑顔で納税」が国の本音です。

「りっぱな戦死とゑがほの老母」  (ゑがほ=笑顔)

子どもが戦死して、笑顔の老母が何人いたでしょうか みな泣き伏したでしょう。

「産んで殖やして育てて皇楯(みたて)」
「初湯(うぶゆ)から 御楯(みたて)と願う 国の母」


御楯(皇楯)は、天皇を守る兵士の意味で、出産と同時に我が子を戦場に送り出す覚悟を求めたものです。産めよ、殖やせよ も同じで沢山産んで、沢山兵士として戦場に送ることが当時の母親の役目です。従って、子沢山は誇りですが、子どものできない家庭などは肩身の狭い思いをしました。

「欲しがりません 勝つまでは」
有名な標語です。でも、倹約、耐乏生活ばかりが強いられて、結局、戦争は負けました。

「嬉しいな 僕の貯金が弾になる」

子どもから大人まで貯金を強要されました。結局それは弾=武器や戦争遂行のために使われました。敗戦と同時に貯金通帳は単なる紙切れになりました。

「酒飲みは 瑞穂の国の寄生虫」 瑞穂の国=日本

この標語は、お酒の好きな私には耳が痛いです。戦争中でしたら「非国民」と非難されたでしょう。でも、その影で軍・政治家・財界の人たちは贅沢な生活をしていたようです。

記事は、「踊らされた歴史」を振り返る契機となることを期待しています。

しかし、「踊らせれた」歴史は、「戦争」だけではありません。「安全神話に踊らされて」原発がドンドン造られ、挙句の果ての福島の原発事故。その収束もできない内に「収束宣言」をした野田内閣。それを放置して原発再稼働を図り、汚染水が垂れ流されているのに外国に原発を売り込もうとする安倍内閣。ナントカミクスに踊らせれているうちに「消費税が値上げ」されそうです。国の脅威を必要以上に煽り立て、憲法をかえて、戦争できる国にしようとさえしています。

今、私たちの周りで起きていることを冷静に見極め、「踊らされた歴史」を繰り返さないようにしたいものです。

コメント
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