囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

国の制御棒は、 「憲法」です

2015-08-13 08:26:50 | 憲法9条、大好き!
 私は、東京新聞の「本音のコラム」を愛読しています。特に、斎藤美奈子さんのコラムを待ちわびるように読んでいます。斎藤さんは、一見、難しそうなことをわかりやすく書いてくれるので、とても勉強になります。

 11日付けのコラムです。短文ですので、ぜひ、最後まで読んでみてください。

 

   制御棒なき社会    斎藤美奈子

 11日、九州電力川内原発1号機から核分裂反応を抑える制御棒が抜かれ、原子炉が起動した。
 「制御棒が抜かれ」という表現がなんだか胸に突き刺さる。制御棒が抜かれた状態なのは川内原発だけじゃないものね。
国会で「核兵器の輸送も法律上可能」と答弁した中谷元・防衛相。同じく安保法制をめぐる講演で「法的安定性は関係ない」と語った磯崎陽輔首相補佐官。「戦争に行きたくないのは極端に利己的な考えだ」とツイートした自民党の武藤貴也衆院議員。みんな制御棒が抜かれた状態だ。
 広島の平和記念式典で自らの判断により「非核三原則」にふれず、安保法制に懸念を示す被爆者には耳を貸さず、答えに窮すると「私が総理大臣なんですから」で逃げようとする安倍晋三首相の制御棒も、だいぶ前から抜かれている。
 過去の過ちから学ばず、わざわざ危険な道を選択する。自分で危険を選択しながら、安全性を強調し、国民の生命を守るためだと強弁する。そんなの誰が信じます? 原発稼働も、安保法制の成立を急ぐのも、私には同じ構図に見える。
 原子炉のブレーキ役である制御棒にあたる権力の制御棒は、言うまでもなく日本国憲法だ。 この制御棒のおかげで、日本は曲がりなりにも戦後70年を迎えることができた。この記録を私たちはいつまで更新できるだろうか。       (文芸評論家)
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