8.6の広島平和記念式典で二人の子供たちによって行われる「平和の誓い」。
毎年、涙を流します。
アタマのよさそうな女の子と男の子(いずれも広島市立の小学校6年生)による世界に向けたプレゼンテーション。
狭き門をくぐりぬけ、過酷な練習をしてきた二人が力いっぱい主張するのです。
しかもテレビカメラ、首相や各国代表者などの前で・・・。
すごいプレッシャーだと思います。
二人の小学生は、政治色もなく、きったはったの現実の国際情勢も知らず、ただ理想と明日に向かって、ポジティブワードをつなぎます。
今年は、「人間を信じる」。
その無垢な精神、純真な姿勢、全身から振り絞る声・・・。
自分もそんな時があったなあ~という感慨がよみがえってくるのです。
ヒロシマは、廃墟の中からよみがえりました。
何もない中から、100万都市に復興したのです。
今でも驚くのが、国際平和都市に向けてのアクションです。
原爆ドームの保存、世界遺産化、平和公園を中心とした都市計画、100メートル道路の設置などです。
若き建築家丹下健三の引いた図面は、原爆ドームを中心に原爆資料館、緑地公園、池等を配置、バランスのとれた人間味あふれるレイアウトになっています。
現在の広島は、平和公園を取り囲むように7つの川が流れ、緑の多い美しい街です。
河岸には遊歩道が設けられ、川・水と親しむことが出来ます。
ジョギングをする人、散歩する老人、自転車で入る学生・・・。
友人のフランス人が言うには、広島は、パリのセーヌに匹敵するぐらい美しい川の街だと言っていました。
ヒロシマのアクションの早さと比較し、現在、震災と原発事故に苦しむフクシマは、急ぐ必要があると思います。
ビジョン、ロードマップ、アクションプラン、グランドデザイン・・・。
福島の人々が、明日への夢や希望を持ち、その方向に向かっていこう!と信じられるもの。
そういったものを早く打ち出さなければなりません。
広島の戦後は、都市計画とともに、国際平和都市というコンセプト、そして広島カープが市民とともにありました。
セリーグのお荷物と言われ、他球団への吸収やカープ解散を避けるために市民の手で行ったタル募金、日本のプロ球団の中で唯一「市民球団」と言われる所以です。
同じく原爆による甚大な被害のあったナガサキは、広島とは異なるアプローチをとったように思います。
長崎は、原状復帰を第一としての街づくりを進めたのではないでしょうか?シンボルは平和の像。
原爆資料館も広島と比較して、少しさみしい感じがします。
長崎のキリスト教会の廃墟が保存されていれば世界へのアピールは何十倍にもなったことでしよう。
福島県、いや日本全体、もっというと世界的レベルでのFUKUSHIMAコンセプトをいち早く構築すべき時だと思います。
フクシマのビジョン、ロードマップ、アクションプラン、グランドデザイン・・・。
市民にとって魅力があり、世界発信できるもの・・・そういった夢と希望が大切だと思います。
場合によっては、プロスポーツや国際イベントなどのシンボリックな催しものも必要かもしれません。
8月6日、二人の子供の誓いを聞き、福島に想いをはせた次第です。